手 紙 1     300句

手紙  はがき  携帯電話  スマホ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
窓辺にて受け取る手紙春夕べ 小澤克己 遠嶺 199805
選挙の夏二十二歳に手紙来る 葉月ひさ子 船団 199811
金魚玉夜更けて手紙書き出しぬ 木内憲子 199812
忽然と白樺ばやし巻き手紙 若森京子 船団 199902
梅雨空を八枚綴りの手紙くる 田中桜子 船団 199907
薄暑なり何度も破く手紙かな 桑原敏枝 いろり 199908
旅先にゐて夜寒さに書く手紙 須藤常央 円虹 199912
春の夜や縁もゆかりもない手紙 平井奇散人 船団 199912
妻へ出す手紙は白紙十三夜 神蔵器 風土 200001
絵手紙や柿の重みを一筆に 吉村春風子 遠嶺 200001
霜天に満ち一灯に手紙書く 小澤克己 遠嶺 200002
立春に書かねばならぬ手紙かな わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
旧姓の手紙整理す冬麗 斉藤富久子 遠嶺 200003
時の日の長い手紙を書き終える わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
鯉いつも手紙のように直進す 斉木ギニ 海程 200004
手袋を外して手紙投函す 田村すゝむ 風土 200004
雪が来て手紙に書くは僕のうっぷん 山田緑光 海程 200005
吉野より絵手紙届く蝶の昼 小山徳夫 遠嶺 200007
一刷けの芽吹きは風の置手紙 小澤克己 遠嶺 200008
裏口に竹の子と置き手紙かな 田中呑舟 火星 200009
浮寝鳥に瓶の手紙を送りけり 山田六甲 六花 200011
新緑に濡らしてあなたへ書く手紙 三宅やよい 船団 200011
惜春や紙飛行機の置手紙 三神あすか 船団 200011
絵手紙の見本となりし通草かな 松沢久子 いろり 200012
行き違ふ手紙来てをり日短し 能村研三 200101
大寒の父の手紙の箇条書き 小嶋洋子 200101
手紙焼くほどの埋火掻き起こす 辻前冨美枝 200102
艶やかな林檎が乗りて置手紙 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
妣からの手紙のやうに風花す 武井美代子 風土 200104
絵手紙の春の知らせは淡き色 上條幸子 あを 200104
亡き後にとどく手紙やすみれ咲く 神蔵器 風土 200105
絵手紙の大きく描きし桜草 鈴木多枝子 あを 200105
船の吾に子の絵手紙の柿すだれ 伊藤鯰子 ぐろっけ 200106
萵苣のようなり朴さんからの手紙 若森京子 船団 200107
柿若葉もうじき届く手紙です 室田洋子 海程 200108
母の日の余白の多き置手紙 山田禮子 遠嶺 200108
紫陽花の絵手紙とどく雨最中 小橋安子 いろり 200108
置手紙のごとく木漏れ陽や羽音 森央ミモザ 海程 200108
義理を欠ぐ手紙はがきを重ねし暑 中本柑風 馬酔木 200109
手紙読むやうにさくらの岸をゆく 松永典子 船団 200109
冬鴎となりしか返事来ぬ手紙 能城檀 船団 200109
手紙かむ郵便受や花木槿 山田六甲 六花 200110
複製の手紙や人や梅雨晴間 桐木榮子 船団 200111
香水やふはりと風の置手紙 大曽根育代 遠嶺 200111
晩夏かな約束どほり手紙焼 中村立身 百鳥 200111
敬老日孫の手紙は鏡文字 井関祥子 酸漿 200112
重陽の姉より届く手紙かな 北嶋美都里 200112
木苺の遠い空より手紙くる 薮ノ内君代 船団 200112
クリスマス娘の手紙読む喫茶 山田六甲 六花 200201
茎立や出窓に本やら手紙やら 広渡紀子 200202
木霊の残せし手紙朴落葉 小澤克己 遠嶺 200202
先生の手紙温か漱石忌 二瓶洋子 六花 200204
省略の過ぎし手紙や雁帰る 大塚まや 京鹿子 200205
託したき手紙のありぬ揚雲雀 山田禮子 遠嶺 200206
夫へ書く短かき手紙リラの雨 宮倉浅子 遠嶺 200207
まつすぐな別れの手紙黄水仙 半澤佐緒里 百鳥 200207
春昼や机上に妻の置手紙 高橋三界 200207
休日は手紙の来ぬ日若葉雨 平田倫子 百鳥 200208
木瓜咲くや子の絵手紙を読み返す 石山民谷 遠嶺 200208
憲法の日や絵手紙に鳩の声 金子野生 京鹿子 200208
抱籠と一行きりの置手紙 渡辺知美 銀化 200209
絵手紙展出て荒川の長閑なり 大村真佐子 遠嶺 200209
母の日や花に結びし子の手紙 羽根田和子 百鳥 200209
もぢずりや厚き手紙の女文字 安達風越 雨月 200210
爽やかや絵手紙の百合匂ひたつ 青木政江 酸漿 200211
横書の手紙書きをり十三夜 芝尚子 あを 200211
かな文字のやさしい手紙鉄線花 栢森定男 あを 200211
七夕や長き手紙を書き終ふる 平田倫子 百鳥 200212
初雪や大事な手紙出しに行く 影山わこ 百鳥 200303
英文の手紙が届く漱石忌 保田英太郎 風土 200303
絵手紙の筆の吸ひたる寒の水 高柳かつを 百鳥 200304
更けてより子に書く手紙膝毛布 糸井芳子 200304
うすらひや幾度も手紙読みかへし 影山わこ 百鳥 200305
書きよどむ悔みの手紙花の雨 田中藤穂 あを 200305
卒園の先生に書く孫の手紙(ふみ) 早川周三 ぐろっけ 200306
みんなみの絵手紙水仙香り立つ 芦川まり 八千草 200308
春めくや二時に駅でと置き手紙 漢隆司 八千草 200308
絵手紙の金魚主の顔に似て 井上みち子 帆船 200308
さらさらと明治の手紙竹落葉 斎藤くめお 対岸 200308
罌粟の雨明日の自分へ書く手紙 鳴海清美 六花 200309
汗の手や手紙重ねて封を切る 徳丸峻二 風土 200309
絵手紙で浴衣まつりの誘ひ文 中田征二 ぐろっけ 200310
絵手紙に鏡文字ある残暑かな 松澤秀昭 200310
手紙派のかな文字涼し見舞状 谷口みちる 200310
弟より手紙代りの梨届く 藤井良子 200311
短日や旅装のままに読む手紙 斎藤節子 馬醉木 200312
敬老日妣の手紙の滲みかな 山田怜子 遠嶺 200312
極月や母の手紙の誤字脱字 水谷ひさ江 六花 200312
年つまる涙記号の手紙きて 山田六甲 六花 200312
燠となる母の手紙や雪来るか 近藤幸三郎 風土 200401
束のまま手紙を燃す紅葉忌 菊地嘉江 帆船 200401
文化の日葉を裏返す手紙の木 羽深美佐子 草の花 200401
置手紙石のせ帰る日短か 三浦照子 帆船 200402
春は近し長い手紙は苦手です 丸山佳子 京鹿子 200403
日向ぼこ眼鏡掛替え手紙読む 北島上已 酸漿 200404
冬芝に座りて手紙読む少女 高木武人 百鳥 200404
親展の手紙を薔薇にそへられし 稲畑汀子 ホトトギス 200405
天国の友より雪の手紙つく 岡山満沙子 遠嶺 200405
海市より届きし手紙謎秘めて 柴田朱実 京鹿子 200406
雉子鳴くや手紙出さざるまま日暮れ 大串章 百鳥 200406
絵手紙の返事絵手紙半夏生 小川洋子 帆船 200408
初夏の後立山より手紙 大東由美子 火星 200408
松過ぎの附箋の手紙濡れて着く 八田木枯 「夜さり」 200409
絵手紙に涼しき風の来たりけり 小澤規子 草の花 200409
絵手紙の伝へる記憶終戦日 赤星惠子 あを 200409
喜雨の中手紙を秤る針の揺れ 中根美保 風土 200410
絵手紙の千日紅に紅を溶く 斉藤裕子 あを 200410
白芙蓉出さぬ手紙をしたたむる 林裕子 風土 200410
トルストイの英字涼しき手紙かな 上原カツミ 帆船 200410
絵手紙に野菜いろいろ豊の秋 芝尚子 あを 200411
日照雨くぐりぬ汗の手に出す手紙 伊藤早苗 200411
渡り鳥の手紙一通二通かな 堀内一郎 あを 200411
先生に手紙書きゐる子規忌かな 二瓶洋子 六花 200501
手紙書き終へたる釣瓶落しかな 恒川絢子 対岸 200501
雪催手紙を書けば泪でて 須佐薫子 帆船 200502
絵手紙に添へし一句や春隣 高橋秋子 200503
狐火や民話の里の置手紙 清水真由美 遠嶺 200503
年末の拜観券添へ手紙來し 山田耕子 京鹿子 200504
黄蝶よりもらふ陽射しの手紙かな 小澤克己 遠嶺 200506
若き日の手紙は叫び新樹光 今瀬剛一 対岸 200507
紙風船神戸まで来て手紙出す 小田元 六花 200507
延び延びの手紙に八女の新茶添へ 秋千晴 200507
絵手紙に描きやうのなし涼風は 山田六甲 六花 200508
絵手紙に朝顔の苗はみだせり 齊藤實 200508
字に惚れて手紙に惚れて梅雨さなか 山田六甲 六花 200508
絵手紙をしやがみ描く女蕗の薹 真木早苗 八千草 200509
読み返す昔の手紙麦の秋 石川英利 百鳥 200509
置手紙恋文めきて梅雨に入る 松井洋子 ぐろっけ 200510
エプロンに子からの手紙茄子を焼く 大上保子 六花 200511
打水の山の小駅で出す手紙 能村研三 能村研三句集 200512
武骨なる父の手紙よ秋彼岸 松山正江 河鹿 200512
渾身の長き手紙を書く夜寒 森理和 あをかき 200512
ことはりの手紙も添へて冬菜かな 松本蓉子 六花 200601
身に沁むや手紙の深き畳み雛 坪井洋子 200601
秋の灯のごとき手紙を賜りぬ 太田佳代子 春燈 200601
置き手紙湯飲の下に冬の卓 平居澪子 六花 200602
手紙読むひととき秋日膝にくる 師岡洋子 ぐろっけ 200602
一日に絵手紙一葉春浅し 山田六甲 六花 200603
春二番古き手紙は取つておく 堀内一郎 あを 200603
さやけしや愛の絵手紙語りくる 舟橋千枝子 八千草 200603
年移りゆく桂郎の古手紙 小野寺節子 風土 200603
寒明ける話しことばで書く手紙 飯島きみい 対岸 200604
鳥帰るそろそろ手紙書かむとす 山田暢子 風土 200605
絵手紙にまあるい味と大蕪 佐久間はるみ 200605
絵手紙のモデルの浅蜊汐飛ばす 村上和子 ぐろっけ 200605
手紙いま読まるる頃か梅真白 代田幸子 200605
絵手紙の吉鳥の飛ぶ桜かな 植竹惇江 春燈 200606
絵手紙の便りと共に夏に入る 矢嶋みつ江 遠嶺 200608
絵手紙の空を食みだす大花火 水原春郎 馬醉木 200609
遠く住むあなたの手紙涼風裡 蒔田しをん 200609
菊咲月昔の手紙読みつ焚く 東亜未 あを 200611
蜩や丁寧な字の手紙来る 田中藤穂 あを 200611
絵手紙や母に届きし栗御飯 永田歌子 遠嶺 200701
秋草を絵手紙にして知らせけり 筒井八重子 六花 200701
絵手紙に大きな南瓜おさまれり 篠原普美子 酸漿 200701
寒月や賞味期限のある手紙 前川明子 200702
絵手紙に花のデッサンしてをりぬ 松下幸恵 六花 200705
絵手紙の木瓜ひとつづつ咲き初めし 丸山照子 火星 200705
春惜しむ手紙短く書きなほし 栗原公子 200707
手紙ならやさしくなれる春灯 大森春子 200707
絵手紙の南瓜の威風堂々と 木村茂登子 あを 200709
蠅帳に妻の手紙の添えてあり 貝森光洋 六花 200710
励ましの手紙を貰い扇置く 大空純子 ぐろっけ 200712
あした出す手紙が卓に秋の夜半 坪井洋子 200801
初秋や話せば早いけど手紙 倉持梨恵 200801
春寒き決断をせし手紙かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
枇杷の花好きな友あり絵手紙を 鈴木良子 酸漿 200803
天からの手紙か雪の降りつづく 竹内悦子 200804
学徒兵の終の手紙や寒烏 南奉栄蓮 風土 200804
絵手紙の彩たつぷりと早春譜 宇都宮滴水 京鹿子 200804
手紙書く奈良の緑雨の昼さがり 坪内稔典 稔典句集U 200804
鶴去りて連れてゆけぬと置手紙 岸千手 200805
水仙や異国の友へ手紙書く 松隈絹子 遠嶺 200805
春日生や子への手紙は最短に 高橋道子 200805
冬深し英治の手紙母案ず 宇佐美ゆき 酸漿 200805
春落葉手紙はすべて焼きました 富沢敏子 200806
繙けば天女の手紙藤の花 林友次郎 天帝 200806
絵手紙の文字の味合ひ猫柳 半田卓郎 遠嶺 200807
書きなづむ母への手紙桐咲けり 石本百合子 馬醉木 200807
絵手紙の苺はみ出て届きけり 上原朝子 200808
梅雨に病めば人に手紙派面会派 伊藤白潮 200808
梅雨寒や机の上に師の手紙 竹下昌子 200809
よき人の絵手紙はよき茄子なり 渋谷ひろ子 酸漿 200810
絵手紙の絵の具涼しく溶きにけり 川島澄子 酸漿 200811
絵手紙に富士を描きて明易し 大西洵子 遠嶺 200811
先生の手紙行間あたたかし 大槻右城 ホトトギス 200812
絵手紙の団扇が嬉し秋暑の日 岡谷栄子 200812
秋の野の碑は万葉の置き手紙 伊東和子 200812
返り花きつと誰かの置き手紙 鷹羽狩行 200812
絵手紙に添へるひと言柿紅葉 安本恵子 200901
顔ほどの梨を乗せられ置手紙 野崎タミ子 炎環 200901
耳遠き兄に手紙を秋灯下 先山実子 ぐろっけ 200901
十年後へ手紙を託し夕紅葉 木原今女 ぐろっけ 200902
俳人の手紙三行鳥渡る 岩岡中正 ホトトギス 200902
短夜をぞんぶん使ひ手紙書く 野沢しの武 風土 200903
読み返す手紙のありて春灯 稲畑汀子 ホトトギス 200904
退学の子よりの手紙春寒し 藤井啓子 ホトトギス 200906
絵手紙に蕗の薹あり一行詩 加藤克 200906
母の棺に若き父よりの手紙 外川怜子 風土 200907
遅き日や文字美しき置き手紙 熊谷尚 200908
抽斗の母の手紙や麦こがし 石原光徳 酸漿 200909
絵手紙の蛍に水音夕端居 塩千恵子 200909
夕刊も手紙も届き走り梅雨 根岸善行 風土 200909
白南風や手紙を入れしガラス瓶 山口紹子 炎環 200909
藤村に英字の手紙青林檎 小澤昭之 200909
絵手紙のまとめ書きする残暑かな 高埜良子 春燈 200910
風鈴やガン再発の手紙来る 小熊幸 炎環 200910
途切れゐし手紙書きつぐ梅雨の中 水田壽子 雨月 200910
新涼と書きて続かぬ手紙かな 塩路五郎 200911
野菊咲く一行だけの置手紙 古林阿也子 200911
金魚玉手を洗ひ書く手紙かな 壬生きりん 炎環 200911
九月とは寂しきひびき手紙書く 竹下昌子 200912
秋風や見ずとも解る置手紙 松田都青 京鹿子 200912
手みやげに庭の郁子剪り絵手紙展 森理和 あを 200912
封筒へ手紙を戻す月夜かな 倉持梨恵 200912
花八手出さずじまひの手紙かな 都丸美陽子 春燈 201002
絵手紙に小春の空の色があり 佐々木群 201002
氏神の紅葉を入れて子に手紙 林敬子 酸漿 201002
綿虫や手紙の束の残り火に 藤本一城 201003
天からの手紙初日を隠しけり 有元洋剛 201004
絵手紙にときめく心梅盛り 田中浅子 201005
手紙よく書きたるむかし青葉木菟 片山由美子 201005
二月やくやみの手紙ともう一通 服部郁史 京鹿子 201005
春惜しむ磯の香ふくむ置手紙 小山紫乃布 末黒野 201007
夕刊も手紙も来ぬ□遅日かな 根岸善行 風土 201007
青磁色して絵手紙のはじき豆 谷岡尚美 201008
絵手紙の筆の勢ひ春惜しむ 和田森早苗 201008
梅雨寒や読んでは捨てる古手紙 森山のりこ あを 201008
浦島草絵手紙となり届きけり 田宮勝代 酸漿 201009
絵手紙に鷺草翔けぬ秋立ちて 藤見佳楠子 201010
目借時長き手紙のままならず 吉原一暁 201010
新米が届き手紙が届きけり 中江月鈴子 201011
蒸るる夜捨てぬ手紙をひと括り 風間史子 201011
カタカナの八雲の手紙小鳥来る 橋添やよひ 風土 201101
きのふ逝きし友より手紙棗の実 浅田光代 風土 201101
生徒より手紙来たれり霜柱 大島英昭 やぶれ傘 201102
十六夜や娘の手紙胸元に 服部郁史 京鹿子 201103
絵手紙のふはりと届き目短 和田森早苗 201103
屋根軋む雪女郎より置手紙 いそべみつ ろんど 201104
絵手紙に旅の誘ひや春隣 八田マサ子 馬醉木 201105
春うらら手紙の主はしづみゐし 田中佳子 ぐろっけ 201107
手紙書く肩にインコやあたたかし 戸田澄子 末黒野 201107
風入れてははの手紙のをとこ仮名 浜福惠 風土 201107
永き日やお詫びの手紙墨で書く 林哲夫 ぐろっけ 201108
ハイビスカス戦場からの絵手紙も 長谷川鮎 ぐろっけ 201108
虫干の母の手紙は捨てずおく 柳生千枝子 火星 201110
虫の夜五人の孫に絵手紙を 山口美貴子 火星 201111
鳥渡る絵手紙いつも桜島 奥田順子 火星 201112
絵手紙の嫗は残暑の他にゐて 丸井巴水 京鹿子 201112
封筒へ戻せぬ手紙良夜かな 桑名さつき ろんど 201201
チェリーの実いっぱいになる恋手紙 上村美翔 うらら 201202
年の瀬や俳縁つなぐ手紙書く 戸田澄子 末黒野 201203
双清の絵手紙にのる春の声 小池清司 かさね 201204
深空より舞ひくる手紙六花かな 中村ふく子 201204
冬凪や机上の手紙未開封 古川夏子 201204
古手紙読み返してる弥生尽 遠山みち子 201205
白鳥の帰りし池の置手紙 丸井巴水 京鹿子 201206
冬銀河決して返事の来ぬ手紙 川上久美 万華鏡 201206
代筆となりし手紙や春一番 中山静枝 201206
書きさしの手紙の横の桜餅 涼野海音 火星 201207
鴇草の咲ける島より手紙来る 杉浦典子 火星 201208
復活祭ローマ人への手紙かな 安永圭子 風土 201208
子規虚子の手紙を爽やかに説かれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
窓若葉話しことばで手紙書く 師岡洋子 ぐろっけ 201209
絵手紙に訃の報せあり白桔梗 野畑さゆり 201210
母の日や敬語にて来し子の手紙 山内碧 201210
露の世に至福の手紙残さるる 稲畑汀子 ホトトギス 201211
文豪の手紙露けき息遣ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201211
かさかさと手紙書く音夜の秋 水谷直子 京鹿子 201211
秋の夜の呟くやうな手紙書く 鈴木良戈 201212
絵手紙を書くため葉付きみかん置く 中山静枝 201301
柊の花と手紙と自転車と 竹内悦子 201302
絵手紙に託す感謝の十二月 遠田澄子 馬醉木 201303
冬蝶や厚き手紙の封を切り 秋葉貞子 やぶれ傘 201303
冬の日や子どもの手紙に泣き出して 出口誠 六花 201303
歯朶の杜悪戯書きを多羅葉に 橋本靖子 201304
啓蟄や上がり框の置手紙 土居通子 ろんど 201306
雪が舞うカナダヘ手紙書く手筈 陽山道子 船団 201306
絵手紙の表書きにも春のいろ 礒貝尚孝 201306
三鬼忌の出さぬ手紙に貼る切手 林昭太郎 201306
啓蟄や戦地の手紙命日に 伊吹之博 京鹿子 201306
初秋や星座の切手で着く手紙 栗原公子 201310
絵手紙のはしより零れ赤のまま 市板橋昭子 201312
手紙にも訛りのありて衣被 中山皓雪 201401
討死の兵の手紙に秋の風 0吉村摂護 201403
古手紙次々焼べし煖炉かな 湖東紀子 ホトトギス 201404
葱洗ふ郵便受けに子の手紙 工藤ミネ子 風土 201404
絵手紙の莟はみ出す春隣 近藤ともひろ ろんど 201405
行間に愛ある手紙雛の客 岡真紗子 201405
ひらがなの手紙をもらふ春をもらふ すずき巴里 ろんど 201406
春探す友の手紙を手に持って 志貴香里 201406
多羅葉にうぐひす宛の手紙書く 升田ヤス子 六花 201407
旧るほどに父の手紙のあたたかし 滝澤圭子 雨月 201407
花種蒔き未来に向けて手紙書く 寺田すず江 201407
春愁や長き手紙の嘘ひとつ 木暮陶句郎 ホトトギス 201408
春愁や手紙一通書きあぐね 高橋照子 雨月 201408
父からの敬語の手紙桐の花 谷田部栄 万象 201408
母の日や正座して読む子の手紙 山田暢子 風土 201408
絵手紙や庭のどくだみ摘みて画く 田村加代 末黒野 201409
蛍舞ふ頃か手紙を書き始む 山田暢子 風土 201409
手紙 →2      

 

2020年7月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。