手あぶり      43句

かの巫女の手焙の火を恋ひわたる   山口誓子   凍港

作品
作者
掲載誌
掲載年月
手焙りは笛方禰宜の傍らに 能村研三 199904
店奥に手焙とゐる老雛師 能村登四郎 芒種 199911
手焙に心暖め牡丹園 井上玉枝 酸漿 200004
往診医火鉢に手焙り診察す 永野秀峰 ぐろっけ 200004
手焙や紐一本の身ごしらへ 佐藤博美 200012
手あぶりの灰を篩ひて誰が吸殻 河合笑子 あを 200103
手焙の炭のくづるる風の音 江頭信子 馬醉木 200105
手あぶりの炭火の灰を崩し居る 保坂加津夫 いろり 200107
をろがみしあと手焙にしたしめり 乾フジ子 雲の峰 200202
船上の手焙蘇州夜景の図 池田冨美 帆船 200210
手焙や女指より衰ふる 山田弘子 円虹 200303
手焙を撫でて老師の良き話 村松快 円虹 200303
手焙の炭たす夜や海の鳴る 太中幸子 200312
手焙りの灰ならしつつ言さがす 浅井千代子 200402
手焙を撫でて無口に漆塗 渡辺周子 雲の峰 200402
寒牡丹手焙りに手をかざしみる 阿部ひろし 酸漿 200402
手焙りの七輪へ寄る詣で客 下条みね子 200403
手焙りや子らみな遠くなる思ひ 藤井昌治 200503
手焙はあらかた尉や牡丹園 橋爪隆 春燈 200503
この手焙り抱きゐし父の謡講 腰高和代 春燈 200605
手焙に碁敵の手とふれにけり 西畑敦子 火星 200703
猫足の手焙買ふてゐたりけり 瀬川公馨 200704
手あぶりや灘の真中に日の差して 百瀬七生子 海光 200705
珍らしき手焙形の弥生土器 林日圓 京鹿子 200711
線刻画手あぶり土器も祭祀用 林日圓 京鹿子 200711
手焙りの寄せある廊の花あかり 山尾玉藻 火星 200905
手焙りに笙あたためて宮神楽 水谷洋子 十進法 200911
あたら夜や手焙りの火をいつくしみ 諸岡孝子 春燈 201002
手焙りにかざされし手の美しき 舩越美喜 京鹿子 201003
夕づくや巫女の手焙いと小さく 小林成子 201102
手焙りの花鳥の柄をたれも見ず 遠山みち子 201303
手焙を上り框に酒造り 水木沙羅 201304
手焙の灰を均していとま乞ふ 金森教子 雨月 201404
手焙りの織部にかざす手のいろいろ 橋添やよひ 風土 201501
手焙りの尉にしばらく手をかざし 佐藤花木 雨月 201606
手焙りに運命線を語り征く 物江康平 春燈 201701
手焙りのある喫茶店遠汽笛 斉藤マキ子 末黒野 201703
手焙りを胸の高さに抱へ来し 永淵惠子 201704
緋毛氈に手焙りのあり寛永寺 大網健治 201802
手焙や寄木細工の鉋屑 コ田千鶴子 馬醉木 202001
手焙りに海苔焼く用もなくなりし 田中藤穂 あを 202104
本堂に控ふ手焙織部焼 赤座典子 あを 202202
手焙を横や臨書の墨すりて 木下晃 末黒野 202205

 

2022年12月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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