春火鉢(春火桶)     67句

われら永く悪友たりき春火鉢    高柳重信

火鉢  火桶  手あぶり  春火鉢(春火桶)  春煖炉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水に入る鹿を見てゐる春火鉢
山尾玉藻
火星
199904
手打蕎麦すゝめ姑息の春火鉢
舩越美喜
京鹿子
199907
春火桶死後にも通ふこころあり
中原道夫
銀化
200004
春火鉢後生をたのむ二枚の手
中原道夫
銀化
200104
青春の君とわれ居し春火鉢
田中藤穂
あを
200202
毛氈を敷きて客待つ春火桶
本郷桂子
円虹
200205
京染の店の小上がり春火鉢
山田禮子
遠嶺
200205
あるといふだけの安心春火桶
稲畑汀子
ホトトギス
200303
春火鉢置き柳川の旧家かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200303
珈琲の香れる国栖の春火鉢
谷野由紀子
雲の峰
200304
堂守にいち日のあり春火桶
佐藤喜孝
あを
200305
出漁の船に持ち込む春火桶
櫻井多恵
200305
春火鉢寄せて客間となりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200403
春火桶煙管卓袱台星飛雄馬
稲畑廣太郎
ホトトギス
200403
春火鉢遺し天寿を全うす
稲畑廣太郎
ホトトギス
200403
藁灰の香のほんのりと春火鉢
岸しのぶ
築港
200405
春火鉢小説よりも奇なりしと
大串章
百鳥
200406
春火鉢芭蕉生家の大戸揚ぐ
池田鶴月
栴檀
200409
おのがじし掻きたる炭や春火桶
本城布沙女
雨月
200505
明王の近くに居りて春火鉢
徳永真弓
百鳥
200506
無聊の手の置きどころ得て春火桶
足立典子
雨月
200506
西郷せご閑居世紀半待つ春火鉢
禰寝瓶史
京鹿子
200507
鼓の緒締むる楽屋の春火鉢
堤京子
馬醉木
200605
はらからと夢紡ぎあふ春火鉢
上田繁
遠嶺
200605
舟宿の上り柩の春火桶
水田清子
200605
春火鉢椿の灰の白きかな
川原典子
酸漿
200605
こしかたを想ふ眼となり春火鉢
鎌倉喜久恵
あを
200605
春火桶にかざす手繊き青年僧
綱徳女
春燈
200606
繰り返す人情話春火桶
高橋照子
雨月
200606
観音を守る里人の春火桶
樺山翠
雨月
200606
蓑虫庵真先に出さる春火鉢
吉田郁子
風土
200705
蓑虫庵真中に座を占む春火鉢
吉田郁子
風土
200705
春火鉢立ちよろけしてつかみけり
飯塚ゑ子
火星
200706
茅葺の車夫の控に春火桶
深澤鱶
火星
200706
竹騒や家老屋敷の春火鉢
小山徳夫
遠嶺
200707
その昔祖父の座にあり春火鉢
伊東和子
200805
本音など洩らしはしません春火桶
木田千女
200807
味噌煎餅商ふ媼春火桶
笠井清佑
200905
春火鉢誰あれもゐない巫女溜り
大西八洲雄
万象
200905
手をかざし仲々仕舞へぬ春火鉢
滝沢伊代次
万象
201002
店先に春火鉢出す峠茶屋
鎌倉喜久恵
あを
201004
一皿の赤福頒ち春火鉢
諸戸せつ子
春燈
201005
大庫裡を守る木枠の春火桶
末吉治子
春燈
201006
造り酒屋灰の冷えゐる春火桶
小林愛子
万象
201007
長老の何するでなき春火桶
冨山俊雄
山居抄
201008
春火鉢灰をならしつ恩師待つ 坊野貴代美 ぐろっけ 201205
法要の正座くづるる春火鉢 田代貞枝 201305
寺町の茶舗のもてなす春火桶 高瀬史 馬醉木 201306
浅草の櫛工房や春火鉢 内海良太 万象 201404
金継や男たらしの春火鉢 山田六甲 六花 201404
昼灯す衛士の詰所の春火鉢 塩見英子 雨月 201405
玻璃扉閉ぢ納所に春火桶ひとつ 鎌田篤 雨月 201405
陀羅尼助春の火桶の虚ろなる 西田孝 ろんど 201407
うつつ世の一人に余る春火鉢 河野亘子 馬醉木 201407
尼二人作務衣つくろふ春火鉢 落合由季女 雨月 201410
ゆかしさとして有りあはす春火鉢 箕輪カオル 201405
陀羅尼助春の火桶の虚ろなる 西田孝 ろんど 201407
うつつ世の一人に余る春火鉢 河野亘子 馬醉木 201407
尼二人作務衣つくろふ春火鉢 落合由季女 雨月 201410
ゆかしさとして有りあはす春火鉢 箕輪カオル 201502
偏西風蛇行気儘や春火鉢 田村初枝 春燈 201604
初耳の亡き親のこと春火鉢 吉村さよ子 春燈 201605
春火鉢撫でつつ話続きをり 高橋照子 雨月 201606
患ひを母郷で癒す春火鉢 杉山はつ江 京鹿子 201607
春火鉢畳のへりの葵紋 内海保子 万象 201610
山寺の一人にひとつ春火鉢 松本美簾 馬醉木 201705
駐在所に道問ひ入るや春火鉢 永島雅子 春燈 201705
春火桶男二人の居る集ひ 安部和子 雨月 201706
座を替ふるとてや織部の春火桶 安部和子 雨月 201706
足元は春火鉢なり乾物屋 古賀眞理 201706
春火鉢赤い襷の乙女かな 延川五十昭 六花 201908
爪白し日岡の巫女の春火鉢 山田六甲 六花 202003

 

2021年3月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。