4〈笋)       140句

  竹の子  たかんな  筍飯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
剥き終へし筍の浮く盥かな ことり 六花 201005
筍を掠めて走る京成線 能村研三 201006
ようきたと筍飯をてんこもり 樋口英子 201006
満中陰初筍をまづ供ふ 井上淳子 火星 201006
筍を煮て厨房の風清し 中井登喜子 201007
好きな児も嫌う児もをり筍飯 笠井清佑 201007
筍の歯ざわり感やわかめ和 桂敦子 201007
味噌汁の春筍里の香り濃し 鈴木一三 末黒野 201007
筍を心待ちして酒の燗 柴田靖子 201007
筍を盗るひとのかほ非売品 小堀寛 京鹿子 201007
龍馬通り筍を負ふリュックかな 北村淳子 ろんど 201007
落とし蓋に皮を二・三枚筍煮る 菊地瑩子 春燈 201007
真つ盛り筍飯の膳三日 四條進 201007
筍を探り草の香してきたる 西畑敦子 火星 201007
筍をかかへて渡し舟に乗る 大西八洲雄 万象 201007
地に鬻ぐ美濃の筍買ひにけり 水谷靖 雨月 201007
ふる里の筍尽し飽きもせず 鈴木多枝子 あを 201007
筍のいびつにもたぐ後苑に 浅井青陽子 ホトトギス 201008
赴任してすぐ筍をもらひけり 児玉満智子 201008
筍のどれも真つ直ぐにはあらず 武智しのぶ 201008
朝掘りの筍なんと重かりき 泉田秋硯 201008
五右ヱ門もかくや筍釜茹でに 隅田享子 201008
筍を貰ってもらふ厨囗 田中臥石 末黒野 201008
さくさくと箸にくだけて旬の筍 藤岡紫水 京鹿子 201008
筍に声かけていく小学生 高倉恵美子 201008
筍を届け新茶を貰ひけり 高倉恵美子 201008
掘り上げし筍にすぐ虻が来る 岩崎眉乃 万象 201008
筍を山と数へて売りてをり 生井慶子 万象 201008
昼膳に間のある筍提げて来し 高松由利子 火星 201008
筍の滴もろとも三和土かな 松木ひろ ろんど 201008
筍のによつきり供華なき小町塚 鈴木浩子 ぐろっけ 201008
筍に男の目利き無人店 鈴木浩子 ぐろっけ 201008
筍を提げ職を得し挨拶に 柴田良二 雨月 201008
訪ねくる人あらば炊く筍飯 森さち子 201008
筍の緊褌として生臭し 荒木甫 201008
竹林や筍すでに掘終へて 池部久子 酸奬 201008
筍を只ころがして直売所 芝尚子 あを 201008
地方紙に包み筍貰ひけり 坂本哲弘 山ざくら 201009
裏庭の筍といふ夕御飯 浅井青陽子 ホトトギス 201009
山宿の土間に筍獣めく 西川みほ 末黒野 201009
剥がれたる筍の皮うごめける 柴田佐知子 201009
掘り上げし筍男ぶり競う 宮村フトミ ぐろっけ 201009
太陽にまみえ筍とはなりぬ 竹下陶子 ホトトギス 201010
筍を掘りゐる若さ見てをりし 嶋田一歩 ホトトギス 201010
石筍の育つ地球や夏閑くる 竹田ひろ子 ろんど 201011
龍馬通り筍を負うリュックかな 北村淳子 ろんど 201101
鹿児島の記事に包まれ筍来 水上貞子 ぐろっけ 201106
朝採りの筍積みて道の駅 西田史郎 201107
筍を湯掻く香りの懐かしき 宮田香 201107
朝穫りの筍無念白き疵 和田郁子 201107
糠付きの筍賜ふ産地より 中川すみ子 201107
筍を茄でる香流れ夕厨 長濱順子 201107
筍の等高線のごとき皮 大島みよし 201107
雨のあと筍山の盛り上がる 高倉和子 201107
梵妻の筍を掘るロング・スカート だいじみどり 201107
筍をよく噛み話半分に 高田令子 201107
筍を掘りて年甲斐知られけり 鈴木阿久 201107
筍の縄のゆるびて到来す 金森信子 雨月 201107
頂きし筍飯の匂かな 青木民子 酸漿 201107
筍を茹でるいと間の木の芽つみ 浅田奈美 酸漿 201107
朝掘りの筍の土ねばりつき 石脇みはる 201107
深手負ふ筍混じる道の駅 阪本哲弘 201108
主取りとす深傷を負ひし筍は 泉田秋硯 201108
先づ旬の筍づくし帰国して 辰巳比呂史 201108
土割つて筍山の動きだす 小林朱夏 201108
鉛筆のやうな筍味噌和へに 林哲夫 ぐろっけ 201108
病衣なる筍飯にむせてをり 森さち子 201108
掘りたての筍を焼き酌み交す 増田甚平 ろんど 201108
初瀬なる筍飯と観音と 西村節子 火星 201108
岩盤に育つ筍歪みをり 上月智子 末黒野 201108
手拭を泥棒かぶり地筍採る 小林輝子 風土 201109
筍や大きく貰ひ小さく煮る 今橋眞理子 ホトトギス 201111
筍の伸びねばならぬ丈であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
筍を見付けてよりの山親し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
筍は確かこの辺だつた筈 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
伸び切りて筍山の昼の顔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
一鍬に筍終の叫びあぐ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
大釜に筍煮ゆる開山忌 井村和子 風花 201206
竹やぶの筍まもるネットかな 田島昭久 かさね 201206
大釜に茹でる筍香満つ 辻香秀 201207
一打ちの鍬の重たき筍掘り 川井素山 かさね 201207
里山の畔に筍顔を出し 青木英林 かさね 201207
筍や大地に潜む放射能 岡野ひろ子 201207
筍の終の産衣を剥がしけり 鈴木鳳来 春燈 201207
竹林の主の掛け声筍打つ 松田利秋 かさね 201208
筍を提げて各駅停車かな 松田明子 201208
駅弁は筍づくし身延線 広渡敬雄 201208
気丈女の乳房ゆらして筍掘る 和田孝村 春燈 201208
筍の旬を肴に竹の盃 柴崎甲武信 春燈 201208
筍の皮はぐ野良着脱がすごと 小倉正穂 末黒野 201208
引き売りや茹で筍の山積みに 上月智子 末黒野 201208
朝掘りの筍と言ふ遠慮気味 中山皓雪 201208
懇ろに筍炊くや安息日 青木ちづる 201208
投げ売りの大筍や本陣市 和田照海 京鹿子 201208
筍の軽くなれない土の色 木村淳一郎 ホトトギス 201209
筍炊かん糠もあり時もある 服部早苗 201209
裁判所筍掘りの鍬一つ 松本恒子 ぐろっけ 201209
筍の約束出来て受話器置く 稲畑汀子 ホトトギス 201304
合宿の初日筍飯五杯 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
筍飯炊いて雀のお宿なる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
筍の伸びて金明竹となる 稲畑汀子 ホトトギス 201305
朝掘りの筍並ぶ寸の順 能村研三 201306
筍といふ札畦に散居邑 国包澄子 201307
筍が届く在所の土を付け 小西和子 201307
朝掘りの筍の味さすが旬 高屋喜美子 201307
筍の重きを背負ひ帰りけり 青木英林 かさね 201307
爪先で探る筍雨後の朝 木村茂登子 あを 201308
留守中に筍ごろり門前に 久世孝雄 やぶれ傘 201310
石筍の音なく育つ冬籠り 竪山道助 風土 201402
筍の勢ひ羅漢脅かす 坂根宏子 野山の道 201404
筍の目指す未来はすぐそこに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
筍の育ち過ぎたる旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 201405
朝掘りの筍泥の濡れてをり 佐用圭子 201406
筍を一番前に店の主 伊藤和子 201406
筍の寺の床下顔を出し 大日向幸江 あを 201406
筍に命吹き込む藪の主 宮崎左智子 201406
荷より首出して筍届きけり 中山静枝 201406
朝掘りの筍選ぶ道の駅 須賀敏子 あを 201407
筍掘り力ぬく時ありにけり 井上淳子 火星 201407
筍を掘りて父祖の顔知らず 時澤藍 201407
筍の思ひのほかに深かりき 永田万年青 六花 201407
筍の交互に皮をめくりをり 永田万年青 六花 201407
満足の筍三昧旬の贅 森下康子 201407
氷山の如く筍土の中 堀志皋 火星 201407
鼻の効く人と筍掘りにけり 井上淳子 火星 201407
ひとり喰ぶ筍飯や万太郎忌 折橋綾子 201408
掘りたての筍運ぶ猫車 高橋ひろ 万象 201408
掘つて来し筍立てて見せにけり 松田泰子 末黒野 201408
割り当ては一つ限りや筍掘る 北尾章郎 201408
筍や子らの目いつも外に向く 後藤マツエ 201408
筍の裂目に土の食込める 住田千代子 六花 201408
筍の届いてメニユー楽しくて 東秋茄子 京鹿子 201408
筍のむかれこの世のすさまじき 荒木甫 201408
朴訥の筍売りでよく売れる 佐藤山人 201408
焼き筍酒仙の夫の舌鼓 安井和恵 201408
蛮カラな雨後の筍とはなりぬ 熊谷ふみを ろんど 201408
乙訓や辻の筍善さげなる 深澤鱶 火星 201408
筍を掘る喜びや土の香も 藤波松山 京鹿子 201410
筍の膨らんでゆく痒さかな 堀内一郎 堀内一郎集 201412
到来の筍かちあふ戸口かな 布川直幸 201504
筍 →5      

 

2021年5月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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