たかんな     90句

たかんなや吉良累代の墓所    加古宗也

  竹の子  たかんな  筍飯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
たかんなの兆せる京の真の闇 神蔵器 風土 199906
連れなしてたかんな道へ押し来たる 生田恵美子 風土 199908
たかんなの獣めきしを転がせる 深澤鱶 ヒッポ千番地 200004
掘りたてといふたかんなの刺身かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200005
たかんなの天を敬ふごとく出づ 鷹羽狩行 200006
たかんなに刃をざくと入れにけり 川上恵子 雨月 200008
たかんなの首の坐らぬさまに出づ 鷹羽狩行 200106
たかんなの皮みな丸く筒なせり 山崎赤秋 春耕 200107
たかんなや雨をはじきて黒毛馬 尾上直子 200108
楚の歌を祓ふたかんな出揃へる 延広禎一 200108
たかんなや膝寄せあつて小間の席 篠田純子 あを 200206
たかんなの出ること思ひ立ちにけり 鷹羽狩行 200207
たかんなの勢へる社家の築地塀 荒井正隆 200207
子を抱くかにたかんなを持ち上ぐる 川上恵子 雨月 200207
たかんなの押し上げし土芳しき 中島恭子 百鳥 200208
たかんなの風呼ぶ丈となりにけり 佐野幸子 百鳥 200208
たかんなの突き抜ける音補陀落へ 柴田朱美 京鹿子 200208
たかんなのしづかなる丈見せにけり 宮津昭彦 200209
たかんなのいつしか包み熟っぽく 窪田佳津子 雨月 200209
たかんなやむかし卓袱台くどありて 岡部名保子 馬醉木 200308
たかんなや昔ありける雨男 徳丸峻二 風土 200308
たかんなの矛の戸惑ふ薄みどり 丸井巴水 京鹿子 200308
秩父往還たかんなの頭を踏みて 高千夏子 200406
たかんなの沸々煮えて母在す 石本百合子 馬醉木 200407
たかんなの白子掘らるる象頭山 黒田咲子 200407
僧来るたかんな三本ほど下げて 久保一岩 雲の峰 200407
到来のたかんなづくめ酔吟す 中野了一 200407
乙訓のたかんな寺領を侵しけり 林田江美 馬醉木 200408
本陣の裏にたかんな皮を脱ぐ 間島あきら 風土 200408
たかんなや山の湯宿の門口に 椿和枝 200409
たかんなの短刀反りに出でしかな 鷹羽狩行 200503
たかんなの先を五重塔へ向け 鷹羽狩行 200503
たかんなを古道に散らし猪食めり 小林洋子 万象 200603
大釜にたかんな茹づる聖尼寮 一瀬昭子 馬醉木 200607
たかんなの柔肌の皮剥かれけり 平野貴美 四葩 200607
たかんなや大和撫子の割烹着 生方義紹 春燈 200608
黒木御所址いまたかんなの春深む 有働亨 馬醉木 200609
たかんなを掘る走り根を足掛り 鷹羽狩行 200706
三食のたかんなづくし飽もせず 木下もと子 200707
道に売るたかんなの泥いさぎよし 水原春郎 馬醉木 200710
青空へ伸びるたかんな木遣塚 林八重子 馬醉木 200710
鍬入れてたかんな覚ます峡の風 石本百合子 馬醉木 200807
たかんなの観音うらよりはみ出しぬ 久津見風牛 200807
たかんなの雀色なる頭上ぐ 石垣幸子 雨月 200807
越境のたかんな法により処断 次井義泰 200808
たかんなの皮広げおく小塩山 近藤紀子 200808
たかんなに青き雨降る竹の寺 中沢三省 風土 200810
図書館の天へたかんな皮を脱ぐ 間島あきら 風土 200810
春のたかんなべートーヴェンの漂うて 大島翠木 200906
たかんなの猪の目逃れ長けにけり 小山香月 酸漿 200907
たかんなの串刺しに合ふ出作小屋 守屋井蛙 酸漿 200908
たかんなの勇姿一本刀かな 鈴木直枝 ろんど 200908
灰汁ぬきが決め手たかんな料理かな 和田森早苗 201007
たかんなの切口朝の匂して 丹羽啓子 馬醉木 201007
たかんなの昭和曳きずる愁ひかな 鴨下昭 201007
たかんなの伸び森閑と竹林 早崎泰江 あを 201007
破顔一笑たかんなの根つ子かな 佐藤涼宇子 ろんど 201008
たかんなの疣ぴちぴちと藪を出づ 佐藤涼宇子 ろんど 201008
たかんなの伸びゆく天の高さかな 間島あきら 風土 201011
たかんなのせいうけとむる胃の腑かな 布川直幸 201105
たかんなや向かう山から猿の来て 宮井知英 201108
たかんなの掘り頃といふ見えぬもの 河野美奇 ホトトギス 201110
たかんなの一ト夜の丈に雨雫 河野美奇 ホトトギス 201110
たかんなや聖者のごとく熱かりき 神蔵器 風土 201206
放射能たかんな自由気ままなり 仁平則子 201207
たかんなの暴発しさうな抱へやう 森岡正作 201207
たかんなに添ふ立札や「残します」 須賀敏子 あを 201207
たかんなの一夜に現るる井戸の端 生田恵美子 風土 201401
たかんなの一夜に現るる井戸の端 生田恵美子 風土 201401
たかんなの染め抜きのある夏暖簾 篠田純子 あを 201406
たかんなや東京とても里山の 齋藤晴夫 春燈 201407
たかんなの真白く育つ古墳かな 常田希望 201407
腕ほどのたかんな抱へをんな去ぬ 上田由姫子 京鹿子 201501
たかんなや少年馬にまたがりて 黒滝志麻子 末黒野 201508
たかんなの皮ぬぐ音をききすます 神蔵器 風土 201508
たかんなや依代の岩ゆるぎなし コ井節子 馬醉木 201607
たかんなを煮含め綾子想ふかな 田原陽子 201608
たかんなや足裏に野性呼び戻す 小林清彦 末黒野 201608
たかんなや不動の裏の朝掘りと 田中道江 万象 201608
この星に傷口あまたカンナ炎ゆ 有松洋子 201611
盛上がる土はたかんな地雷なり 山田六甲 六花 201707
たかんなや父母なき郷の絆とも 菅井悦子 201708
たかんなの素肌まぶしき日本晴れ 井上静子 201708
たかんなや生臭坊主の匂ひせり 江見巌 六花 201708
たかんなのはみ出すリュック児の背負ひ 外山生子 末黒野 201804
たかんなやエジソンゆかり碑に刻し 山田夏子 雨月 201809
たかんなは春の大地の力瘤 佐藤喜孝 あを 201812
たかんなや庭石の日矢ゆるがざる コ井節子 馬醉木 201908
たかんなとふ手討の骸賜りぬ 小田嶋野笛 末黒野 201909
糠もろともたかんな滾らせて独り 原友子 202010
たかんなを猪と分ちて峡暮し 石井一石 京鹿子 202301

 

2023年5月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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