5〈笋)       187句

  竹の子  たかんな  筍飯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
村雨の育ち盛りの筍に 大日向幸江 あを 201506
筍や飯に菜まで今を喰ふ 山根征子 201507
筍を包む英字の新聞紙 小林昌子 馬醉木 201507
誰がくれし筍糠を添へものに 上野進 春燈 201507
筍や外レジ混みぬ道の駅 甲州千草 201507
筍に手元狂ひし鍬の跡 竹内タカミ 201507
力加減ありて筍掘り上ぐる 佐藤淑子 雨月 201507
地下足袋に筍の穂を感じ掘る 鎌田篤 雨月 201507
雨のあと筍掘りに子をつれて 植田洋子 201508
筍掘り初体験の声頻り 山口郁子 末黒野 201508
三鍬目でやつと筍浮きにけり 藤岡紫水 京鹿子 201508
賜りて筍づくしひとり占め 吉岡悦女 京鹿子 201508
朝掘りの筍届けくれしかな 大嶋洋子 春燈 201508
筍飯すずめのお宿に招かれて 平野みち代 201508
筍の獣立ちしてをりにけり 溝呂木信子 201508
筍の自衛のゑぐみ貫けり 小林陽子 201508
子の来る日筍飯を炊きにけり 塩野谷慎吾 201508
筍の攻め寄る数にたぢろぎぎぬ 生田恵美子 風土 201508
筍の皮の内側すがすがし 永田万年青 六花 201508
筍の太きに母のにが笑ひ 永田万年青 六花 201508
筍の思ひのほかにやはらかき 永田万年青 六花 201508
筍を焼ける匂ひの甘かりき 永田万年青 六花 201508
筍のめぐみとえぐみ土佐育ち 赤松赤彦 六花 201508
筍はおまへが掘れと 婆様 ばさま 言ひ 赤松赤彦 六花 201508
筍の伸び比べゐる雨の朝 延川五十昭 六花 201508
筍の見上げるほどに伸びにけり 延川五十昭 六花 201508
小塩山の筍流しを浴びてゐし 近藤紀子 201508
筍をくるる隣の越して行く 福田雅子 万象 201509
筍に差し入り来たる光かな 住田千代子 六花 201509
筍を貰うて糠の見当ちず 住田千代子 六花 201509
筍を剥きながら九九聞いてやる 佐津のぼる 六花 201509
筍を二つに割れば節現るる 永田万年青 六花 201509
筍に中華庖丁振り降ろす 木暮陶句郎 ホトトギス 201510
筍を掘る鍬先に当りあり 藤波松山 京鹿子 201510
鍬一閃旬の筍掘り上げぬ 阿部重夫 末黒野 201604
入間野の初筍の泥匂ふ 三好かほる 万象 201607
筍のそこのけと空目指しけり 今瀬一博 201607
筍のステーキ厚きこと一寸 杉本薬王子 風土 201607
朝掘りの筍を売る蓮如道 池田光子 風土 201607
筍の断面にひしめく未来 本多俊子 201607
筍飯家族の顔がそこにある 犬塚芳子 201607
泥付きの筍並ぶ直売所 森理和 あを 201607
人送り人を語りて筍膳 山崎靖子 201608
無欠勤無趣味筍飯を炊く 竪山道助 風土 201608
京二夜筍飯でしめくくる 内藤静 風土 201608
大鍋の出番筍届きたる 今井春生 201608
筍を配りに泥の靴来る 祐宗千代子 雨月 201608
掘りそこねたる筍の買手なく 水谷文謝子 雨月 201608
筍の皮むき十二単なら 瀬川公馨 201608
筍やモディリアーニの長き首 岩月優美子 201608
筍を茄でて一戸を匂はする 田岡千章 201609
手みやげの筍ずしり郷訛 丹羽武正 京鹿子 201609
これほどの淡竹筍如何にせむ 加藤みき 201609
能登に来て阿波の筍すすめらる 福島せいぎ 万象 201610
筍の太さの伸びてゆく早さ 稲畑汀子 ホトトギス 201705
筍の伸びる勢ひを見て家居 稲畑汀子 ホトトギス 201705
声がしたやうで筍置いてあり 中川句寿夫 ここのもん 201705
筍の背丈越したる習ひごと 中川句寿夫 ここのもん 201705
筍の煮しみて新聞休刊日 中川句寿夫 ここのもん 201705
筍の煮しみ具合ひも其の他も 中川句寿夫 ここのもん 201705
春筍の肌しろじろ神のいろ 加藤みき 201706
筍を掘る四人よつたりともう一人 山田六甲 六花 201707
走り根を鞭といひしよ筍掘る 山田六甲 六花 201707
筍を五右衛門釜に茹でにけり 山田六甲 六花 201707
山水に筍晒しゐたりけり 山田六甲 六花 201707
筍も独活も味噌焼日本酒派 山田六甲 六花 201707
筍梅雨完治の傷のうづくかな 片桐てい女 春燈 201707
三本の春筍置かれ勝手口 龍町子 末黒野 201708
筍や赤き山土つけしまま 近藤紀子 201708
筍の獣のごとき皮を剥ぐ 荒木甫 201708
阿波水軍跡の筍流しかな 福島せいぎ 万象 201708
ひとりゐて筍飯を頂きぬ 大草由美子 春燈 201708
掘りたての筍にある地の温み 武生喜玖乃 雨月 201708
筍を赤子の如く分け呉るる 野村鞆枝 京鹿子 201709
地下足袋に眼あり筍掘り当てし 遠藤逍遙子 風土 201709
筍の歯触りのよき炊きあがり 大橋晄 雨月 201709
石筍の菩薩つややか水の秋 芝宮留美子 万象 201712
春筍を咀嚼百遍生きねばや 玉置かよ子 雨月 201806
春筍や人は脱皮をしたきもの 寺田すず江 201807
平穏な一日筍尽くしかな 佐々木よし子 201807
墓参後は地場の筍づくしかな 永島雅子 春燈 201807
ギタリストの楽屋に届く筍煮 衣斐ちづ子 201807
筍のどさりと届く朝に夜に 松村光典 やぶれ傘 201807
一筆箋湿らせ筍がとどく 原友子 201807
根曲りの筍鞘に納めけり 七郎衛門吉保 あを 201807
筍のお刺身を先づ寺座敷 田中藤穂 あを 201807
荒々と筍流し放哉忌 南うみを 風土 201808
筍のまだ濡れてゐる重さかな 能美昌二郎 201808
むくつけき筍据る上がり口 本多正子 雨月 201808
筍の伸びてくしやみの続けざま ふけとしこ 船団 201811
討ち取つたり屋床抜かむ筍を 石川桂郎 風土 201903
庭師来て筍掘つて帰りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201904
筍に献立五つ決まりたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
日も風も知らず筍掘られゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
筍に五山優しく風送る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
筍に錦市場の活気かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
生きてなほ月山筍の香を探し 広瀬弘 201905
春筍を掘る手応への柔らかし 岩下芳子 201905
返礼に筍僧が掘りくれし 能村研三 201906
春筍や新紙幣の顔に息吹 七郎衛門吉保 あを 201906
強情や筍鍬を撥ね返す 上辻蒼人 風土 201907
令和かな筍流し昨日けふ 寺田すず江 201908
筍の天鵞絨皮に神戸牛 出利葉孝 201908
筍を猟師のごとく提げ来たる 岩木茂 風土 201908
筍を獲物のやうに並べ置く 池田光子 風土 201908
筍の包丁ぬきさしならぬなり 池田光子 風土 201908
筍流し鳥獣戯画の一筆箋 美濃律子 201908
筍流し来た道をもう振り向かぬ 伊藤隆 201908
産土の土の匂ひや筍食ぶ 今村千年 末黒野 201908
筍の過保護とみゆる衣かな 及川照子 末黒野 201908
筍の切り口の汁手でぬぐひ 泉一九 やぶれ傘 201908
筍の天婦羅さくり夕餉膳 秋川泉 あを 201908
容易には春筍の掘れぬもの 吉宇田麻衣 201909
春筍の土匂ひ立つ朝の糶 柴崎富子 白地 201909
筍の疲れを知らぬ青天井 大日向幸江 あを 201909
筍をさぐる足うら眼のありし 松下道臣 201910
掘り立ての筍包む新聞紙 萩原久代 やぶれ傘 201911
筍の皮剥ぐ毎に艶やかに 森美佐子 やぶれ傘 201911
筍の皮は獣の艶をせり 兒玉充代 201911
筍を三本脱がしアンコールワット 千坂希妙 船団 201912
筍を獲物のやうに並べ置く 池田光子 風土 202001
筍の切口に輪の続くかな 竹内悦子 喜悦 202002
目こぼしの春筍として抜きん出る 辻美奈子 202006
筍に運配上がる今日の宴 辻響子 202006
筍を掘る終の日や友がらや 石川桂郎 風土 202006
掘り上げし筍をほめ土をほめ 中根美保 風土 202007
筍の頭が一寸見えてをり 根橋宏次 やぶれ傘 202007
春筍を買ふや弓手に持つ重さ 小原紀子 末黒野 202007
筍を切る音やさし夕厨 岩ア俊 202007
筍の白き匂ひや子の三人 竹中一花 202007
沖晴れやいま春筍を茹でてゐる 寺田すず江 202007
お結びや筍と揚げふんだんに 竹内悦子 202007
湯がかれて筍の身のほの白し 能村研三 202007
盆栽の竹に筍もたれずに 伊藤希眸 京鹿子 202008
産土の筍の里昏れにけり 植木戴子 202008
筍掘ると古刹裏山賑はへり 中里よし子 京鹿子 202008
筍掘つて稚抱くやうに持ち帰る 持田信子 京鹿子 202008
朝掘の春筍二本啄木忌 岡田史女 末黒野 202008
昨夜の雨春筍土を押し上げて 上月智子 末黒野 202008
すまなささうに呉るる筍香りけり 佐俣まさを 春燈 202008
筍の小鉢に香る山椒の葉 植木やす子 202009
生かされてをり筍の朝御飯 田中臥石 末黒野 202009
筍を鍋に合はせて切りにけり 住田千代子 六花 202009
到来の筍妻を忙しくす 石黒興平 末黒野 202009
砲弾のやうな筍持たさるる 岩岡中正 ホトトギス 202010
筍の甕をずらして出できたり 高倉和子 202010
ふはふはの筍山へ鍬担ぎ 柴田佐知子 202010
一鍬に筍現るる刹那かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
筍を掘りに荒縄もって来し 山田六甲 六花 202104
筍のさしみに土の味さぐり 山田六甲 六花 202104
春筍の夢は宇宙を目指しをる 平野多聞 202106
土擡げはや春筍に曲る意志 千田百里 202106
筍の歯ごたえやさし水の里 秋川泉 あを 202106
朝掘りの筍並ぶ寸の順 能村研三 神鵜 202107
筍を買ひて帰りの房総路 田中臥石 末黒野 202107
春筍や翁の鍬の黒光り 上月智子 末黒野 202107
筍をさぐるや深きより応へ 辻美奈子 202107
筍の掘りたて無上四畳半 高木晶子 京鹿子 202107
筍に世間話がついて来る 高村令子 風土 202107
朝掘りの筍を売る無人小屋 吉田幸恵 やぶれ傘 202108
筍に太きと細き共にあり 安齋正蔵 やぶれ傘 202108
筍飯写真の父母へまづ供ふ 菅澤陽子 春燈 202108
春筍を足裏でさぐる老爺かな 六崎正善 末黒野 202108
ふるさとの風の匂ひや筍飯 今村千年 末黒野 202109
筍置く土間に原初の匂ひ満つ 原友子 202112
剥き捨てし筍の皮まだ温き 原友子 202112
筍二本すぐに茹でろと置いてゆく 角野良生 202112
筍を土ごと貰ふ袋ごと 松本峰春 春燈 202206
春筍の穂先を和へて緑添へ 七郎衛門吉保 あを 202206
朝掘りの筍飯やてんこ盛り 高木邦雄 やぶれ傘 202207
筍のごろりと並ぶ道の駅る 草柳忍 202207
息詰めて筍一本討ち取れり 道端齊 202207
筍や一瞬の旬味はへり 田中玉泉 風土 202208
小袋の糠と筍京都より 鈴木千恵子 末黒野 202208
筍や飛行機雲の長長と 小林友子 末黒野 202208
玄関の筍伸びて見張り番 小島正士 京鹿子 202208
そこここに筍掘りの跡の土 丑久保勲 やぶれ傘 202209
筍を掘れば兜の幼虫も 升田ヤス子 六花 202209
筍狩車の窓の総ぐもり 広畑育子 六花 202209
筍狩手を止め眺む著莪の花 広畑育子 六花 202209
筍を食めば山風さらさらり 浜田久美子 六花 202209
自転車の籠の筍小躍りす 大西乃子 202212
足裏に聞く筍のありどころ 小山田子鬼 202301
筍の山気纏ひて掘り出され 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
筍の根を断ち切られたる叫び 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
京なれや先づは筍飯所望 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
淡き香の立ちて筍飯盛られ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
筍 →1

 

2023年5月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。