末黒野 1     100句

末黒野や手足を長く立ち上る    早野和子

末黒野  焼野 野焼  野火

作品
作者
掲載誌
掲載年月
末黒野に見き戦災を震災を 三嶋隆英 馬醉木 199905
末黒野の鴉を翔たす浦の風 皆川盤水 春耕 200004
末黒野を平たく渡る湖の風 中浜菌芽 京鹿子 200005
末黒野に川ひと筋の光りかな 辻のぶ子 俳句通信 200004
末黒野の吹く風匂ふ西行忌 皆川盤水 春耕 200007
末黒野の雨となりたる瀉の村 森重夫 春耕 200007
末黒野の洲の端に振る測量旗 山崎羅春 春耕 200007
末黒野の空斃れしは兄ならん 加賀谷洋 海程 200010

 李芒先生を悼みて

末黒野の芒となりてよみがへれ

鷹羽狩行 200101

 「末黒野」五十五周年を祝して

末黒野の黒一色に徹したる

鷹羽狩行 200104
末黒野も一樹の鳥も吹雪きけり 大竹淑子 風土 200105
末黒野の空の果より船現るる 小澤克己 遠嶺 200106
末黒野や賢治の留守の農学校 小林共代 風土 200106
末黒野に野鍛冶の飛ばす火屑かな 朝妻力 俳句通信 200005
末黒野の集めてゐたる喉ぼとけ 小形さとる 200106
末黒山はやをちこちの青きもの 東芳子 酸漿 200106
末黒野の端嗅ぎて犬いつまでゐる 能村登四郎 羽化 200110
すぐろ野や日本列島に靴汚す 宇都宮滴水 京鹿子 200202
末黒野は瘟鬼の去りし跡ならむ 水内慶太 銀化 200204
末黒野に湧き水走る一とところ 池内けい吾 春耕 200205
末黒野を見てきし髪のほてりけり 平田倫子 百鳥 200206
末黒野に草の香立ちの雨すこし 金田きみ子 200206
末黒野に下りし鴉のすさまじき 柏木去孔 200206
末黒野となり山軽くなりにけり 坂本祥子 円虹 200306
末黒野を叩く雨音でも聴くか 坂本祥子 円虹 200306
末黒葦寡黙は人を引きとむる 風間史子 200307
末黒野に停てばむかしの風が吹く 大竹淑子 風土 200307
末黒野に篠突く雨の上りたる 葛馬房夫 雨月 200308
末黒野に雲古大盛りしてありぬ 山田六甲 六花 200403
末黒野の鴉が人の声を出す 笠間圭子 京鹿子 200404
末黒野や川に一羽の鷺立ちぬ 舘野修郎 雲の峰 200405
末黒野にででむしの殻焦げてをり 比田誠子 百鳥 200405
末黒野の斑に光る朝の雨 神谷信子 雲の峰 200406
末黒野の底は夢みる青い明日 荻野千枝 京鹿子 200406
末黒野にはや舞ひ降りし鷺一羽 杉本光 200205
末黒野をたちあがりくるものありぬ 佐藤喜孝 青寫眞 200304
末黒野を戻る採血跡痒し 村園子 200505
末黒葦死後の月日の過ぎやすし 伊藤白潮 200504
末黒野に学園建つといふ噂 井上雅晴 帆船 200505
末黒野を釣竿と魚籠わたりゆく 大串章 百鳥 200505
末黒野を来て海原に真向へり 大串章 百鳥 200505
末黒野となれる蘆原道残る 中村功 築港 200505
末黒なる富士の麓の風温し 川原典子 酸漿 200505
末黒野を夕日染めをり人見舞ふ 増田八重 酸漿 200506
末黒野に一縷の流れ現はれし 須永トシ 栴檀 200507
末黒野となりし帰りの車窓かな 青山丈 200507
末黒野の土やはらかく犬の糞 内藤ゑつ ゑつ 200411
末黒野と化せり一日留守をして 椿和枝 200605
末黒野に放ちし犬のすぐ戻る 大山文子 火星 200609
末黒野の起伏は海に呼ばれゐる 豊田都峰 京鹿子 200704
末黒野にをり吉報を待つに似る 伊藤白潮 200704
末黒野の果てなる闇の夜雨かな 工藤義夫 馬醉木 200705
末黒野に月のくまなし波の声 益本三知子 馬醉木 200705
末黒野や水郷巡る手漕舟 佐々木新 春燈 200705
末黒野のきりりきりりと後生かな 鈴鹿仁 京鹿子 200705
末黒野をよぎる狐の煤けゐし 大工原清明 万象 200707
末黒野に大いなるもの潜みけり 荒川清司 遠嶺 200707
末黒野のなかにひとすぢ道らしき 服部早苗 200707
末黒野を行くや焦土を知らずして 森岡正作 200805
末黒野は地球のこころ逃げし跡 高嶋文清 春燈 200805
末黒野にまあるく緑ありにけり 中田禎子 200806
踏めば音たて末黒野は生きてゐる 鷹羽狩行 200903
末黒野や人は敗れてこそ強き 藤原たかを 馬醉木 200904
末黒野や飛鳥のむかし問うて佇ち 千田敬 200904
末黒野をきらきらとゆく天気雨 蘭定かず子 火星 200905
末黒野の真中の道の遥かなり 小峯千枝子 遠嶺 200907
末黒野の雲の行方を眺めをり 小峯千枝子 遠嶺 200907
末黒野に戻る静けさ落羽松 佐藤恭子 遠嶺 200907
末黒野の残り火一つ爆ぜにけり 松吉惠子 遠嶺 200907
末黒野や膝の屈伸ぬかりなく 成田美代 201002
末黒野の台地の起伏けものめく 望月晴美 201004
末黒野に生まれせかさる雲白し 豊田都峰 京鹿子 201004
起伏して末黒野の溜む雲の音 豊田都峰 京鹿子 201004
末黒野は風の気ままの伸び細り 豊田都峰 京鹿子 201004
水光りをる末黒野のひとところ 竹内弘子 あを 201004
末黒野や我が身を焦がすことも無く 前田美恵子 201005
末黒野を抜けきし靴のままロビー 吉田政江 200605
末黒野の起伏の果ては雲と化す 伊藤敬子 201005
故郷の末黒野いつも胸の中 鈴木多枝子 あを 201005
末黒野を押し潰しゆくブルドーザー 田所洋子 雨月 201006
初国旗末黒野六十五周年 小川玉泉 末黒野 201104
末黒野や月下は波の音ばかり 高瀬史 馬醉木 201105
末黒野や坂東太郎の太流れ 門伝史会 風土 201105
末黒野やはなればなれの水光る 十川たかし 201105
末黒野に残るほむらや少年期 佐々木群 201105
末黒野のひと筋の道日のゆたか 小川玉泉 末黒野 201106
末黒野を眺め村人野良談義 宮脇百百子 201107
恋の火の通りすぎたる末黒野よ 高橋将夫 201107
噴煙の阿蘇に末黒野広がりぬ 紀川和子 うらら 201202
末黒野の若草山の際立てり 山口キミコ 201205
末黒野の大いなる土育めり 岩下芳子 201206
末黒野の一樹ひかりの渦まとふ 中山皓雪 201207
末黒野に来てひそひそと物を言ふ 柳生千枝子 火星 201207
末黒野の畦道踏みて史蹟へと 桜井知恵子 雨月 201207
末黒野にはや啄める鴉どち 水谷靖 雨月 201207
末黒野の匂ひたそがれ誘ひけり 新保ふじ子 万象 201208
末黒野や我が身を焦がすこともなく 前田恵美子 青鷹 201210
末黒野にさまよふ猫を抱きあぐる 塩路隆子 201304
末黒野を抜けて湯煙湯治宿 鈴木石花 風土 201305
末黒野 →2      

 

2021年2月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。