焼野・焼原     42句

しのゝめに小雨降出す焼野かな    蕪村

焼野  末黒野  野焼  野火

作品
作者
掲載誌
掲載年月
丹田の呼気の間の焼野原なり 菅原鬨也 199905
夜汽車まで雨の焼野の匂ひかな 阿久津都子 春耕 199907
踏み込めば焼野に道のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200002
帰り来よ阿蘇は焼野となつてゐし 稲畑汀子 ホトトギス 200002
焼野はや雨に息吹ける匂ひあり 武政礼子 雨月 200004
焼野来て今年限りの渡し船 鵜飼紫生 雨月 200107
あらぬ物転がつてゐる焼野かな 山下由理子 200111
大焼野ゆく月面を歩くごと 平田倫子 百鳥 200206
獣道あらはれてきし焼野かな 小田道知 円虹 200305
焼野くろぐろ砲撃の跡ならず 大串章 百鳥 200305
火の色のどこかに潜みゐる焼野 田中黎子 円虹 200306
焼野踏むかの日の焦土踏むごとし 松永唯道 円虹 200307
さみどりに生命の萌す焼野かな 荻野照 遠嶺 200406
新しき径のつきたる焼野かな 古川京子 万象 200408
焼原を駈けて来し子に火の匂ひ 佐藤哲 万象 200508
蒼天へ道展けゆく焼野かな 川口襄 遠嶺 200608
だしぬけに日のさしてきし焼野かな 成瀬櫻桃子 春燈 200701
焼野より減らして戻る自尊心 伊藤白潮 200704
踏み入りし焼野にはやも青きもの 泉田秋硯 200705
焼野あり中に抜けゆく径のあり 稲畑汀子 ホトトギス 200802
さつきまで修羅場でありし焼野かな 稲畑汀子 ホトトギス 200802
はや萌ゆるものを蔵して焼野かな 稲畑汀子 ホトトギス 200802
あかときの一水流る焼野かな 雨村敏子 200905
焼野行く耳朶に焔の音ありて 森脇貞子 雨月 200905
焼野には心の隠し場所もなし 北畠明子 ぐろっけ 200905
うつし世の却火とまがふ葦焼野 佐々木力 炎環 200906
観望の阿蘇の焼野の果てしなく 鈴木むつ子 201006
焼野より青き煙の上りけり 赤堀洋子 万象 201007
天上の高くなりたる焼野かな 近藤喜子 201105
火が煙引き摺ってゐる焼野かな 大橋晄 雨月 201305
見下して見上げて焼野焼野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
一雨のありて焼野ともう言へず 稲畑汀子 ホトトギス 201602
たちまちに焼野となりぬ芒原 寺田すず江 201706
降り立てば焼野の匂ひ残る風 安原葉 ホトトギス 202010
又夢に阿蘇の焼野に逢ひし人 稲畑汀子 ホトトギス 202102
なつかしき旅路ふたたび訪ふ焼野 稲畑汀子 ホトトギス 202102
焼野を来る圧面べしみのやうな顔をして 内藤静 風土 202105
踏みしむる焼野の端の草とがり 柿沼盟子 風土 202105
明日の色点し初めたる焼野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
ひとところ焼野のぬくみ踏んでゆく 小原芙美子 風土 202204
修羅の火の匂ひの残る焼野かな 中村洋子 風土 202205
一木のすすき吹かるる大焼野 浅田光代 風土 202205

 

2023年2月14日 作成

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