巣 立 2     105句

巣立 古巣 巣箱 鳥の巣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋風や巣立ちし後の燕の巣
家塚洋子
酸漿
200411
洗はれしごとき空あり巣立鳥
無田眞理子
馬醉木
200501
窯変や羽根ひろげたる巣立鳥
延広禎一
200507
見事なる巣立ち燕の一番仔
泉田秋硯
200508
休耕のふえゆく棚田雉子巣立つ
木下玉葉子
酸漿
200508
子燕の二月堂より巣立ちける
萩谷幸子
雨月
200508
くれなゐの嘴を濃く巣立ちけり
あさなが捷
200508
鷹巣立つ遷子の山河傾けて
安達実生子
馬醉木
200509
子燕の巣立ち遅れの一羽かな
久保晴子
雨月
200509
巣立鳥のせて小枝のひとゆらぎ
當間シズ
万象
200510
迫る闇巣立ちの鴫の声しきり
海上俊臣
酸漿
200510
霜降や巣立の声の四十雀
大塚洋子
酸漿
200601
四十雀巣立ちの時ぞ朝ぐもり
川上美穂子
酸漿
200604
孵らざる卵一つや巣立ちたる
吉川信子
万象
200606
雀巣立ちぬ病む人ら疑ひ多し
瀧春一
瓦礫
200606
一碧の海を見据ゑて巣立鷹
田畑時男
河鹿
200608
子燕のこゑの沸きたつ巣立かな
工藤ミネ子
風土
200609
口あけて後追ふばかり巣立鳥
山下良江
万象
200610
鳶巣立つ屋根に魔除けの鍾道像
加藤美代子
万象
200610
つかみたる枝より一ト声巣立鳥
滝沢伊代次
万象合同句集
200703
松の毬残し大鷹巣立ちけり
斉藤敬子
万象合同句集
200703
巣立鳥まだ蒼天に逆らへず
稲畑廣太郎
ホトトギス
200704
巣立鳥風が囃してをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200704
きつかけは来客のこゑ巣立ちけり
世古幸久
200708
鳥巣立つ日差まぶしく羽搏ちては
乗光雅子
雨月
200709
鸛の巣立つと昂りゐて拍手
大橋敦子
雨月
200710
病窓の明けて慣ひの巣立見て
久保東海司
200806
池に水戻つてゐたり巣立鳥
中田禎子
200806
わが庭の大樹に慣れて巣立鳥
中村輝子
酸漿
200806
樟の木の天辺ゆらぐ巣立ちかな
五十嵐章子
200807
滝裏より巣立つ一閃川烏
岡田貞峰
馬醉木
200808
鷭巣立つ有明の波掻いくぐり
益本三知子
馬醉木
200808
ひたすらの高さにありぬ巣立鳥
柴田佐知子
200808
巣立鳥吉良の墓域のつつましき
青山悠
200808
鳥巣立ち町に二人の宣教師
七種年男
200808
巣立せしばかりかこゑの幼なくて
久世孝雄
やぶれ傘
200808
子燕の巣立ちて狭き路地の空
大森三保子
馬醉木
200809
塔上の鸛は巣立てり水田中
奥田妙子
ぐろっけ
200809
羽ばたきて巣立間近や燕の子
阿部文子
酸漿
200809
声残さずにつばくろの巣立ちけり
藤田宏
200809
踏んばつて今ぞと思ふ巣立かな
大坪景章
万象
200810
大安と知りて巣立つか軒燕
寺尾ヱツ子
春燈
200811
巣立鳥一山近く晴れわたる
豊田都峰
京鹿子
200905
御下がりの服を着込むや巣立鳥
久津見風牛
200906
霊峰の雲のみちびき巣立鳥
鈴鹿仁
京鹿子
200906
ひんがしにもと城の門巣立鳥
岡田のり子
200907
観音の御手にまろぶ巣立鳥
林八重子
馬醉木
200908
外濠の仮橋渡る巣立ち鳥
伊藤希眸
京鹿子
200908
親鳥の声の昂る巣立かな
高橋すみ子
万象
200909
糞落とす巣立ち近きを見上げたる
入河大
万象
200910
白き胸張りて子燕巣立つ朝
木内美保子
六花
200910
饒舌の極みにすずめ巣立ちけり
鳳蛮華
200911
浜風にのりもしてゐる巣立鳥
豊田都峰
土の唄
201002
巣立鳥つばさといへど腕ほど
片山由美子
201006
また一羽零るるやうに巣立ちけり
辻直美
201006
巣立鳥あつけらかんと去りにけり
竹内慶子
春燈
201006
橅山に靄立ちのぼる巣立鳥
黒滝志麻子
末黒野
201008
青啄木鳥の巣立つ夜明の森を衝き
佐藤いね子
馬醉木
201012
病棟の軒端に巣立つ燕かな
宮原悦子
雨月
201101
荒風や弾かれ飛べる巣立鳥
山田六甲
六花
201106
この木なんの木なんぢやもんぢやや巣立鳥
木多芙美子
春燈
201108
巣箱かけ巣立ちはいつも知らぬ間に
大村美知子
京鹿子
201108
句作りは心の糧や巣立鳥
細島孝子
末黒野
201108
赤げらの巣立ちて深む橅の森
久田澄子
馬醉木
201109
山籟の谺に乗りて鷹巣立つ
藤谷紫映
馬醉木
201109
雨上る占ひ堂の巣立かな
高木美波
万象
201109
巣立つ軽さと発たしむる清しさと
辻美奈子
201204
巣立ちたる雀のこゑや木々の奥 福村正枝 万象選集 201205
ふるきうたうたふはたのし巣立鳥 中原俊之 201206
踏ん切りは母のひと言巣立鳥 木村梨花 春燈 201206
横風に煽られてゐし巣立鳥 山田六甲 六花 201206
古民家より巣立ち一斉雀声 増田一代 201207
漕ぎ行くや近江生れの鳶巣立つ 中田みなみ 201207
巣立ち鳥安部公房の本買うて 中島陽華 201207
羽搏きの千切れんばかり巣立鳥 久染康子 201207
車椅子目に焼付ける巣立つ鳥 赤座典子 あを 201207
真っ青な光のシャワー鷹巣立つ 近藤喜子 201208
ニッポニアニッポンの雛巣立ちけり 池田加代子 風土 201209
巣立ちたる朱鷺の健気さ見る植田 片岡良子 雨月 201209
風薫る朱鷺の巣立ちにゆめ託す 松本アイ ぐろっけ 201210
巣立つ日のいのちもろ手を溢れをり 辻美奈子 201306
子燕も巣立ち虫追ふ旅準備 神田惣介 京鹿子 201310
巣立つたび淋し数多の車庫燕 今井忍 ぐろっけ 201310
巣立鳥子無き夫婦に餌づけられ 瀧春一 花石榴 201312
山桃の粗朶の中より巣立ちけり 宮井知英 201404
まつさらな光に向かひ巣立鳥 齋藤厚子 201405
巣立鳥野に新しき風生れ 大上充子 馬醉木 201407
きらめきて影置き去りに巣立鳥 北川英子 201407
四十雀六羽巣立ちて愛鳥日 山本喜朗 雨月 201407
野良仕事巣立ちの殻を見つけたり 中島玉五郎 201408
雨あがる大樹に巣立鳥の声 大森三保子 馬醉木 201408
大空へ乗り出すからだ巣立鳥 河村啓花 ろんど 201409
ぎくしやくと燕巣立後水甘し 甲州千草 201409
頼り無き巣立の雀地をはづむ 富永小谷 馬醉木 201409
もう二度と添ひ寝はせぬと巣立鳥 赤松赤彦 六花 201411
わが里の牧にて憩へ巣立鳥 外山節子 末黒野 201507
蒼茫の武州の空や巣立鳥 鈴木静恵 花こぶし 201508
巣立鳥骸をひとつ巣に残し 渕上千津 201508
鉾杉の靄とけ朝の巣立鳥 吉田きみえ 末黒野 201509
雉鳩のいつか巣立ちて藤は実に 飛高隆夫 万象 201510
高圧線落ちし巣立の鴉の子 大坪景章 万象 201511
門前のガジュマルに触れ鳥巣立つ 庄司久美子 201707
大揺れの森を巣立ちのつばくらめ 大坪景章 万象 201707
巣立鳥心残りの少しあり 木村梨花 春燈 201707
地に足が着きて巣立となりにけり 柳川晋 201709
また枝を掴み直しぬ巣立鳥 柴田佐知子 201709
小鳥らの声色変はる巣立前 市ケ谷洋子 馬醉木 201710
うちの子と呼びゐし雀巣立ちけり 佐藤保子 馬醉木 201710
巣立鳥さすらふ水に佇ちつくす 亀井福恵 京鹿子 201710
重心を空へ空へと巣立鳥 甲州千草 201806
巣立ちゆくふくろふ森の魔笛とも 益本三知子 馬醉木 201807
津浪来し入江一望鳥巣立つ 中田みなみ 201807
山荘の葉陰を揺らし巣立鳥 大森三保子 馬醉木 201808
朝々の賑はひ燕巣立つまで 中里よし子 春燈 201809
つばくろの巣立ち間近き毛繕ひ 山田健太 風土 201811
巣立→ 3      

 

2021年5月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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