白南風  1             316句

白南風にかざしてまろし少女の掌    楠本憲吉

黒南風  白南風  大南風  南風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白南風のつつぬけてゐる普茶料理
山尾玉藻
火星
199808
白南風に神の意満つる起工式
近江小枝子
ホトトギス
199810
白南風の三角錐の展開図
岡崎るり子
銀化
199810
白南風や崖ぎりぎりに菜を育て
前田陶代子
199901
ダイバーズスーツ白南風ヘゴボと脱ぐ
松永史子
船団
199902
白南風や庵の壁の蓑と笠
小澤克己
遠嶺
199905
釣りあげて魚にもつばさ白南風
鷹羽狩行
199907
白南風のなか面舵をとりにけり
高橋将夫
199908
白南風の浜新刊の一書あり
小澤克己
遠嶺
199909
白南風や網にかかりし海牛
石脇みはる
199909
白南風はきりんの鼻に至りけり
小山森生
199909
白南風や犬の来てゐる船着場
皆川盤水
春耕
199909
白南風やしあはせさうに正午打つ
柏井幸子
円虹
199910
地球へと帰化白南風の吹く朝に
片岡秀樹
海程
199911
白南風や耳の穴から水を出す
柿原金米
船団
199912
白南風や竜の目玉を入れに行こう
武井康隆
船団
199912
白南風や尻尾があれば振っている
津田このみ
月ひとしずく
199912
白南風や独身寮の名はユング
津田このみ
月ひとしずく
199912
白南風や冒険小説腹這いで
津田このみ
月ひとしずく
199912
白南風や海の神官大男
田中藤穂
水瓶座
200002
白南風や棚にカバンを投げ上げて
星野早苗
空のさえずる
200002
白南風や背中をなぞる細い指
尾上有紀子
わがまま
200002
白南風の黄金分割神戸港
塩見恵介
虹の種
200005
白南風や峰々飛ぶ雲を近々と
松尾緑富
ホトトギス
200007
白南風や河口はまさに海の門
鷹羽狩行
200008

 「湾」三十周年を祝して

航跡の一路讃へて白南風

鷹羽狩行
200008
白南風や炎え遺るもの展かるる
小川真理子
銀化
200008
白南風や荒磯の潮のうす濁り
田崎凛
春耕
200008
白南風や滑車鳴らして帆を揚げる
荻原芳堂
春耕
200008
白南風や夫婦で揚げる鰈網
阿部月山子
春耕
200009
白南風や波すれすれに鴎とび
荒川香代
200010
白南風にふくれづめなり木綿シャツ
牛田修嗣
200010
白南風やあけつぴろげの島の家
岩田沙悟浄
円虹
200010
白南風や乾徳山に牛の鳴く
陣野今日子
風土
200010
白南風の地図に加わる駅ひとつ
中原幸子
遠くの山
200010
白南風や醤油の町を団体で
中原幸子
遠くの山
200010
白南風や鴉拙く枝変ふる
山岸治子
馬醉木
200010
白南風が沖の潮目を耕せり
能村研三
200108
白南風に生きる算段しておりぬ
ロツキイ
六花
200108
白南風や影をどりゐる椨大樹
沢ふみ江
春耕
200108
白南風や帆を吹き溜めて由比ヶ浜
藤井圀彦
200108
白南風や海の匂ひの停車駅
横山昌子
200108
白南風の一帆沖を去らむとす
小澤克己
遠嶺
200109
白南風や乙姫川に酒を利く
浜口高子
火星
200109
宗祇水を掬ふ掌白南風に
加藤廣子
火星
200109
白南風や六道の辻よく掃かれ
小形さとる
200109
白南風や螺子のこはれし膝がしら
石橋翠
いろり
200109
白南風や新艇一つ他を圧す
泉田秋硯
200110
白南風に蓬髪湿る橋杭岩
根岸善雄
馬醉木
200110
白南風や海女たて膝に魚捌く
近藤暁代
馬醉木
200110
白南風や雑巾掛けを子に教ヘ
郷田健郎
百鳥
200110
白南風や流れ藻からむ紡ひ綱
布谷洋子
春耕
200110
白南風や樽積み上げてワイン船
龍神悠紀子
200201
白南風や自分史に余白残しおく
朝日彩湖
船団
200201
白南風や軒を連ねて釣具店
葵かける
200206
白南風やあひるに混じる鴨一羽
平岡千代子
百鳥
200207
白南風や明治の匂ふ父の部屋
市川伊團次
六花
200207
白南風や島に漁継ぐ子よ育て
水原春郎
馬醉木
200208
白南風ヘマングローブを植ゑにゆく
平田倫子
百鳥
200208
白南風にしぶく白波島渡船
吉田王里
風土
200208
白南風や天の使ひの鳩一羽
村越化石
200208
白南風や朱の残りゐる車櫃
中御門あや
雲の峰
200208
白南風を帆にすべりゆく練習船
小田悦子
雲の峰
200208
白南風やドレミドレミの四分音符
松本文一郎
六花
200208
白南風やブラインドの羽うらがへし
尾上直子
200209
白南風にまた逢ひたくて岬に立つ
藤原たかを
馬醉木
200209
白南風や時止まりゐる白川郷
前阪洋子
雲の峰
200209
白南風のうなじに細き遊び蔓
小澤克己
克己句集
200209
白南風や尖塔群を野の沖に
松原ふみ子
200209
白南風や新図書館の高き窓
若生まりあ
遠嶺
200210
白南風や遺品の中ののし袋
矢島久栄
200210
白南風の波恍惚と岩を撫す
楠原幹子
200210
白南風や嫁御の欠伸甘美なり
矢野千佳子
京鹿子
200211
白南風に速度制限てふ旅路
稲畑汀子
ホトトギス
200307
気分よく来て白南風の座につきぬ
小澤克己
遠嶺
200307
白南風の真帆に詩生る沖日和
小澤克己
遠嶺
200308
白南風や港の上を飛行船
山田六甲
六花
200308
白南風やまして渚の真白波
林翔
200309
白南風藤村先生三浦が祖
松崎鉄之介
200309
白南風や一番パンが焼き上がる
矢島三榮代
帆船
200309
逢ひたくてゆく白南風の楽器店
小川えいいち
遠嶺
200310
白南風や雲一片の天主閣
岩渕彰
遠嶺
200310
白南風や木目浮くまで舟洗ふ
柴田近江
200310
干せるだけ干す白南風の船暮し
柴田近江
200310
白南風や朝の茶配るナースの手
金澤明子
火星
200310
白南風の船に乗り込むチンドン屋
戸粟末廣
火星
200310
白南風や崩れてひかる沖の波
黒坂綾子
200310
白南風を吸い込んでおり河馬母子
出口誠
六花
200310
白南風や板壁の釘痩せてをり
高柳かつを
百鳥
200310
白南風や甲府盆地の美術館
及川澄江
風土
200310
白南風や「タビビトの木」に名を刻む
遊橋恵美子
風土
200310
白南風に穴生積反る古城址
水島夜雨
京鹿子
200311
白南風や雲の切間の青高く
永田勇
六花
200311
白南風の雙耳となりきつてゐし
岡井省二
省二全句集
200312
白南風や蚤の市たつウシクダラ
堀内康男
帆船
200401
白南風やフラワーシャワー浴ぶ門出
芦川まり
八千草
200401
白南風やさまざまの雲走る尾根
松尾緑富
ホトトギス
200403
白南風や夕べ明るきチャイム鳴る
松尾緑富
ホトトギス
200403
白南風やともづな張つて船溜り
鷹羽狩行
200406
白南風に泳ぐ広告岬線
中村翠湖
馬醉木
200407
白南風に乗り呼び出しのアナウンス
高橋将夫
200407
白南風や水晶体の吸引音
堀内千鶴子
帆船
200408
白南風や酢甕ごろごろ日の当り
中島陽華
200408
白南風や鉾組む縄の瑞々し
丹羽啓子
馬醉木
200409
白南風の路地の父の家なりしかな
竹中一花
200409
白南風や法事案内に誤字二つ
堀内千鶴子
帆船
200409
白南風や廊下でひとりあそびの子
朝倉治美
200410
白南風に学舎跡の土肥ゆる
天野きく江
200410
白南風や自動車に焼くメロンパン
鈴木庸子
風土
200410
白南風といふ名の町や梅雨明けて
伊藤たいら
雲の峰
200410
逆髪となる白南風の由比ヶ浜
大橋敦子
雨月
200410
白南風や土師器に残る貝の紋
原田竜子
河鹿
200411
白南風の庭に小鳥のばたばたと
西島みね子
八千草
200501
白南風や十字切る手の海たつき
豊田都峰
京鹿子
200507
白南風の祈りロザリオゆらしつつ
豊田都峰
京鹿子
200507
白南風や崩れづくしを城址とす
豊田都峰
京鹿子
200507
白南風のなか面舵をきりにけり
高橋将夫
星の渦
200507
白南風や園児はいつも手をつなぎ
遠野萌
200507
白南風や少年の夢限りなく
水原春郎
馬醉木
200508
白南風の猪名に室町呉服町
大山文子
火星
200508
白南風や呂宋の壺を陸揚げす
豊田都峰
京鹿子
200508
白南風や波音乾きはじめたり
岩月優美子
200509
白南風や船に油の匂ひして
堀木基之
百鳥
200509
白南風や航海図吊るコーヒー館
山部淑子
200509
白南風やむかしの父は胸反りて
高倉和子
200509
白南風や辞書のカバーのすり切れし
小林正史
200510
白南風や木喰仏は何に笑む
田中よしとも
酸漿
200510
白南風や天気予報にまた騙され
塩田博久
風土
200510
白南風やセラピードツグと歩を合はす
川崎妙子
風土
200510
白南風や路地に鯛抱く漁の神
青山悠
200510
白南風や伊達の名残の伽羅の下駄
佐々木恭子
遠嶺
200511
白南風や寄せてレースのやうな波
渡部志津子
200512
白南風やギリシアの壺に波の音
与川やよい
遠嶺
200606
白南風や爪先立ちて開く窓
与川やよい
遠嶺
200606
白南風の船台を船すべり出る
荒井千佐代
200606
白南風にまつはる衣都井岬
永利恍郷
河鹿
200607
犬枇杷に白南風吹いてをりにけり
山田六甲
六花
200607
白南風や今凪ぎ時の崎戸島
能村研三
200608
宝暦の治水へ白南風まゐらせん
豊田都峰
京鹿子
200608
白南風のあふれ輪中もなんのその
豊田都峰
京鹿子
200608
白南風や腹を絞りて息を吐く
東亜未
あを
200608
白南風に乗つて海幸彦戻る
木戸渥子
京鹿子
200609
白南風に原発の海眩しかり
井口淳子
200610
白南風と黒南風の間の辻の風
竹中一花
200610
レンタサイクル白南風の岬まで
遠藤真砂明
200610
白南風や日の届かざる懺悔台
荒井千佐代
200610
白南風に研ぎ皮吊す柱かな
中村洋子
風土
200610
白南風や一帆よぎる逗子葉山
真保喜代子
200610
白南風や河口を攻める三角波
植松未知男
200611
白南風や紆余曲折の川の照り
久保久子
春燈
200612
白南風や刈羽三山観て昼餉
斉藤みちよ
春燈
200612
白南風や騒ぎ疲れの竹の群
有働亨
馬醉木
200701
白南風を待ちたる池の黙かとも
稲畑廣太郎
ホトトギス
200706
白南風に蕉翁裾を靡かせて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200707
白南風や胸に掌を組む鷹女像
中谷葉留
風土
200708
白南風の改札に聞く伊勢訛
蘭定かず子
火星
200708
白南風に女声の透る太郎冠者
品川鈴子
ぐろっけ
200708
白南風や神鈴の緒の黒ずみて
久保東海司
200709
白南風に帽子も髪も飛ばされし
小林正史
200710
白南風に潮の香銀座八丁目
前川明子
200710
白南風の漓江の流れゆたかなり
夏目満子
酸漿
200710
白南風や彫深くして海難碑
和田照海
京鹿子
200710
白南風の荒川のぼる蜆舟
大坪景章
万象
200711
白南風や地酒供へて進水す
市橋章子
ぐろっけ
200711
白南風や村いちめんのひとめぼれ
半澤正子
馬醉木
200712
白南風や雲湧かしむる水平線
邑橋節夫
遠嶺
200801
白南風の島で誓子の句碑に会う
井上あき子
ぐろっけ
200804
白南風やポテトチップス手に乗せて
坪内稔典
稔典句集U
200804
白南風や午前にちょっとキスをして
坪内稔典
稔典句集U
200804
白南風に身を委ぬれば一樹なり
安田久太朗
遠嶺
200806
白南風となる安達太良の辺りより
稲畑廣太郎
ホトトギス
200807
白南風や原色のビル置く都心
稲畑廣太郎
ホトトギス
200807
白南風や洗ひたる犬ブルブルン
秋千晴
200808
白南風やリフトの駅の木枠窓
能村研三
200809
白南風やコインロッカーより真砂
菊地光子
200809
白南風に拾ひし命横たふる
伊藤白潮
200809
白南風に岸近く舞ふかもめの群
舩越美喜
京鹿子
200809
白南風や白波かぶる佐多岬
緒方輝
炎環
200809
白南風や享保老舗の紺のれん
稲見寛子
炎環
200809
白南風や雲間に覗くキユーピット
岩月優美子
200809
白南風や魚網で圍ふ放ち鶏
中田みなみ
200809
白南風や袋破れし醤油豆
中島陽華
200810
白南風の沼たぶたぶと揺れゐたり
内海良太
万象
200810
白南風やまなこ鋭き石の蛇
木村佳寿江
炎環
200810
白南風やガーゼ産衣を手洗ひし
河村泰子
ぐろっけ
200810
白南風や離宮の茶室開きあり
網野茂子
酸漿
200810
白南風や槌音響く札拝堂
伊藤早苗
200810
白南風や校舎の角に目安箱
小林朱夏
200907
白南風や軍艦巻をふたつほど
栗栖恵通子
200908
白南風に旅の一章始まれる
竹内悦子
200909
地下出でて白南風まぶし快速車
鈴木照子
200909
大道芸の金輪きらり白南風に
小澤菜美
200909
白南風や手紙を入れしガラス瓶
山口紹子
炎環
200909
白南風や朝の帆船テスト・ラン
河口仁志
200909
白南風や黒き揚羽に軽く吹く
松嶋一洋
200909
白南風や河口の波紋上り来て
永田勇
六花
200909
白南風のペンキ塗り立て百葉箱
荒井千佐代
200909
身のうちにふと白南風の通り径
本島むつみ
ろんど
200909
白南風や基地を解かるる電波塔
田中一美
ろんど
200909
白南風や吹かるるもののみな眩し
中田のぶ子
ろんど
200909
白南風や高鳴るマスト沖が待つ
松井志津子
200909
白南風や富士にひと筋残る雪
小川玉泉
末黒野
200910
白南風に六文銭の旗靡く
宮田香
200910
白南風や迦楼羅の落とすラヴレター
柳川晋
200910
白南風や海豚飛び入る五色の輪
竹中一花
200910
白南風や盲導犬の太き脚
坂場章子
200910
白南風やすつきりのびる木々の先
吉弘恭子
あを
200910
白南風に海猫さわぐなり与謝の海
能勢栄子
200912
白南風に海猫さわぐなり与謝の宿
能勢栄子
200912
白南風や雨の余りをぱらつかす
湯川雅
ホトトギス
200912
白南風や足で間をとり硝子吹く
沼田巴字
京鹿子
201001
白南風や杉をかをらす南谷
山田春生
万象
201006
白南風のあと一吹の欲しき朝
稲畑汀子
ホトトギス
201007
白南風のときに雨呼ぶ暗さあり
稲畑汀子
ホトトギス
201007
日食の明日へ白南風吹くべかり
稲畑汀子
ホトトギス
201007
白南風に首尾よく乘りし放れ駒
中島陽華
201008
白南風の明石海峡ひと日旅
山口キミコ
201009
白南風や本堂沸きし寄席囃子
中貞子
201009
白南風やテレビのレシピ走り書き
安永圭子
風土
201009
白南風や漁師の顔に塩噴いて
小池一司
やぶれ傘
201009
白南風や赤き鳥居の磯の宮
葺石鈴代
馬醉木
201010
白南風や恋路ヶ浜は濡れしまま
岬雪夫
201010
白南風や動かざる影動く影
坂場章子
201010
白南風やひらめのやうに行く女
大坪景章
万象
201010
白南風や母港はいまも「大和」待つ
和田照海
京鹿子
201010
白南風の潮目あかるき帰帆かな
松井志津子
201010
白南風や寄り添ふ牧の親子馬
小滝奈津江
酸奬
201010
白南風や一艘もなき沖の照り
栗本まつみ
201011
白南風や幟はためく郵便局
渡邉孝彦
やぶれ傘
201012
白南風の草に縋りてゐたる蝶 山田六甲 六花 201107
白南風に亀の鼻先溺るるよ 山田六甲 六花 201107
白南風や墓石どちは手をつなぎ 神蔵器 風土 201108
白南風や島まるごとの歓喜かな 豊田都峰 京鹿子 201108
白南風や浜のひと日は表裏なし 豊田都峰 京鹿子 201108
白南風や湘南新宿ライナー来 石田静 201108
白南風や船の塗装のまつ盛り 佐藤山人 201108
黒南風も白南風も波立ててゆく 高橋将夫 201108
白南風や広げ切つたる魚拓の尾 堀田順子 馬醉木 201109
白南風や楽器を作る町歩き 中田みなみ 201109
白南風や山の斜面のハーブ園 西村純代 201109
白南風や雲辺寺より人下り来 小形さとる 201109
白南風の運ぶ潮の香岬寺 塩路隆子 201110
白南風の松原高き月明り 池谷鹿次 末黒野 201110
白南風に揺れる幼のポニーテール 水野範子 ぐろっけ 201110
白南風や段葛へと吹き抜けり 犬塚李里子 201110
白南風や子はそれぞれの線量計 吉田克美 ろんど 201110
白南風やスペイン風のホスピタル 伊吹之博 京鹿子 201110
白南風や旅のはじめの跨線橋 鳳蛮華 201112
白南風や音量上げるカーステレオ 平野数子 京鹿子 201201
白南風に館の草木喜べり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
白南風や海はきらきら大漁旗 菊地崇之 かさね 201208
高がかる堺灯台白南風裡 豊田都峰 京鹿子 201208
白南風や呂栄の壷を揚げし港 豊田都峰 京鹿子 201208
白南風や跨線橋より海みえて 飯塚ゑ子 火星 201208
白南風といふには少し早きかと 大橋敦子 雨月 201208
吹き揉まる白南風に樹々やや哀れ 大橋敦子 雨月 201208
白南風や皺ひとつなき洗張り 石川かおり 201209
白南風や大日衣紋博多織 栗栖恵通子 201209
白南風や海岸線に沿ふ鉄路 碇天牛 雨月 201209
白南風や水の逆立ちて泡流る 坂上じゅん かさね 201210
白南風や新造船の艤装成り 座古稔子 201210
水温に近き白南風碑の湿り 松井洋子 ぐろっけ 201210
白南風を受け止め校旗ひるがへる 小川玉泉 末黒野 201210
白南風や九州男児廃れたる 広渡敬雄 201306
黒南風と白南風むさし野に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
白南風の天翔けゆくや番ひ鳥 井上石動 あを 201307
白南風や地魚ばかり並ぶ店 根橋宏次 やぶれ傘 201309
白南風や銚子漁港のこぼれ雑魚 すずき巴里 ろんど 201309
白南風やサーファー乗りて飛ぶが如 庵原敏典 末黒野 201310
白南風や戦火くぐりし山笠記録 樋口みのぶ 201310
白南風や波のかがよふ城ヶ島 原和三 末黒野 201311
白南風や皺ひとつなき洗ひ張り 石川かおり 福袋 201404
白南風に木目くつきり狛狐 石川かおり 福袋 201404
白南風や高層・ヒルズ天を摩し 秋葉雅治 201408
白南風や流木ときにアートなり 岩月優美子 201409
白南風や墓地の向かうの花梯梧 藤田素子 火星 201409
白南風や術後視界の白ブルー 森下康子 201409
白南風に深く呼吸を整へり 横山さくら 春燈 201409
白南風や球根むむとうごくころ 佐々木紗知 京鹿子 201410
白南風や発条強き傘持ち歩く 岡田史女 末黒野 201410
白南風や島の子競ふ手漕舟 長谷川子 馬醉木 201410
白南風や硬筆に描く航海図 島田万紀子 馬醉木 201410
白南風やモデルルームのやじろべゑ 平野みち代 201410
白南風やたはしで洗ふ陶狸 安積亮子 火星 201410
白南風の浜に島唄流れけり 宮崎高根 201410
白南風や駐輪場の大欅 河村啓花 ろんど 201411
白南風に両手さしのベマリア像 野上杳 201411
白南風や牛聞き分ける島ことば 曽根薫風 馬醉木 201412
白南風や終の住処は雲近し 古川夏子 201412
白南風やウクレレの音は尾を曳かず 原友子 201412
白南風や日本最古の顕微鏡 田彰子 船団 201502
白南風や骨の絵のあるログハウス 田彰子 船団 201502
白南風や妊婦二人が歩み来る 鶴濱節子 船団 201502
白南風や島の雲丹漁解禁日 林いづみ 風土 201508
白南風や司馬遼太郎記念館 雨村敏子 201509
白南風や閘高々と船通す 鈴木良戈 201509
白南風やゴムの前掛け洗ひ上げ 渡部恭子 馬醉木 201510
白南風や鼻歌歌ふ口閉ぢる 小山陽子 やぶれ傘 201510
白南風や濡れしタオルを首に巻き 久世孝雄 やぶれ傘 201510
白南風やフランスパンの焼き上がる 橋添やよひ 風土 201510
白南風や轍のままに土乾き 柿沼盟子 風土 201510
白南風の空を展ぐる庭師かな 川田好子 風土 201510
白南風や太陽の塔直立す 水井千鶴子 風土 201510
白南風や離島航路の操舵室 遠藤逍遙子 風土 201510
白南風や男浪を砕く警備艇 鈴木齊夫 201510
白南風やいのち集まる潮溜り 高橋将夫 201510
白南風の野外演奏牛(べこ)も来て 中島陽華 201511
白南風や貝塚に貝浮きあがる 穂苅照子 万象 201511
白南風や茶房を洩るるジャズピアノ 菅野日出子 末黒野 201511
白南風や屋根のあるバス停留所 瀬島洒望 やぶれ傘 201511
白南風や鉄棒へ寄る哲学者 藤井なお子 船団 201512
白南風 →2      

 

2021年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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