春 光 4       208句

春光の余白に置かれ父の椅子   野木桃花   歳時記(産調出版)

春光  春望  春色  春の色  春の光

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春光や豆腐の角の固さうに 遠藤実 あを 201004
オルガンに春光とどく旧校舎 徳田千鶴子 馬醉木 201005
春光を鋤き込み庭の土覚ます 塩千恵子 201005
春光へ艇庫ひらきて深呼吸 泉田秋硯 201005
春光や画伯受賞の金メダル 岩下芳子 201005
春光とならん湖の鳥は翔つ 豊田都峰 京鹿子 201005
春光をまきちらしゐる湖の鳥 豊田都峰 京鹿子 201005
春光や宇治橋の反りうつくしき 諸戸せつ子 春燈 201005
春光やさざ波遊ぶ船溜まり 塩田博久 風土 201005
春光やバッグに三粒のチョコレート 柿沼盟子 風土 201005
春光の舳に掲ぐ女神像 内藤静 風土 201005
春光や繋留船の鎖太し 佐藤喜仙 201005
梢揺らし春光揺らし鳥の翔つ 原桂子 201005
堰をこす水春光を刻みけり 武田薫子 201005
春光のとどかぬ地下の花の店 遠藤実 あを 201005
春光や存在確と石舞台 前川ユキ子 201006
春光や主治医の顔に笑みこぼれ 藤見佳楠子 201006
春光や道草の子の竹の笛 岡佳代子 201006
春光へ肢体伸べたる太極拳 塩路五郎 201006
春光を展げて開く大手門 秋山悌歩 末黒野 201006
春光の円卓ショール滑り落つ 中山純子 万象 201006
春光に手庇ゴリラ此方見る 金山藤之助 201006
春光を弾き続けて滝落下 大橋晄 雨月 201006
春光や真つ正面に富士の山 生田喬也 201006
真鯉の背水面の春光切りゆけり 松井千鶴子 201006
春光の煌めく水辺汀女句碑 澤井玲子 201006
春光や招提寺みち鴟尾見つつ 小澤昭之 201006
春光や歪み真珠のネックレス 田尻勝子 六花 201006
春光や多羅葉の葉のひそみ文字 中島讃良 ろんど 201006
春光をあまねく浴びて吾が書斎 青山正英 201007
春光や総身軸に投網打つ 薮脇晴美 馬醉木 201007
春光や文殊名物智恵の餅 谷村幸子 201007
春光とならんしぶきをちらし翔つ 豊田都峰 京鹿子 201007
みほとけの慈悲春光に反る一指 荻野千枝 京鹿子 201007
春光を黄金に弾く(やま)披露目 菅谷たけし 201007
春光を集めて庭の木々眩し 羽賀恭子 201007
白波となる春光を集めては 今橋眞理子 ホトトギス 201008
かく溢れをる春光に欠けしもの 河野美奇 ホトトギス 201008
春光や波より白き句碑の文字 小澤利子 201101
春光や檳榔椰子のどこまでも 谷口俊郎 201104
春光に蘇りけり瀬戸の海 ことり 六花 201104
春光は関帝廟の生れなり 田中貞雄 ろんど 201104
春光へ叩き干さるる割烹着 舛田初惠 酸漿 201104
春光や視床下部から中枢へ 篠田純子 あを 201104
春光の届く大地にあまたの目 遠藤実 あを 201104
春光や可想界てふ摩訶不思議 東亜未 あを 201104
春光の描きし沖の帆の二つ 豊田都峰 京鹿子 201105
春光や金魚のをらぬ金魚池 小川玉泉 末黒野 201105
堰の水春光畳みては岸へ 田中臥石 末黒野 201105
脈搏たせ犬は吼えをり春光に 角谷美恵子 ぐろっけ 201105
春光そそげよと不具の子たかく抱く 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
春光や母の見守る一輪車 赤座典子 あを 201105
春光の伐採あとに広がりて 白石正躬 やぶれ傘 201106
春光やカーテンはパステルカラー 箕輪カオル 201106
春光に心の屈折率思ふ 高橋将夫 201106
春光やローランサンの白き肌 岩月優美子 201106
春光や樟を宿りの鳥の数 熊切光子 末黒野 201106
春光や白毫燦と弥陀在し 森脇貞子 雨月 201106
春光やてだれの技の切子見る 網野茂子 酸漿 201106
図書館の静寂春光届かざり 伊藤純子 201107
春光の島を出る子に父が添ふ 小嶋恵美 春燈 201107
春光の跳ねて木床のレストラン 荒井千瑳子 201107
春光に白き土蔵の家紋かな 八幡操 ぐろっけ 201107
春光の窓のひび割れしてゐたる きくちきみえ やぶれ傘 201107
みちのくに春光絶え間なく注げ 大橋晄 雨月 201107
春光のひとつに内科・ひ尿器科 小形さとる 201107
春光を弾かねば道開けざる 湯川雅 ホトトギス 201108
漣と春光刻み合うてをり 湯川雅 ホトトギス 201108
春光や赤子の爪を切る窓辺 苑実耶 201108
春光に釣人の竿飛び交へる 藤井久仁子 ぐろっけ 201108
見る限り春光纏ひはじめけり 稻畑汀子 ホトトギス 201202
春光にひそむ季節のあともどり 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
春光や洋館の窓射貫きをり 森理和 あを 201203
春光や窓に映れる背を正す 滋野 曉 末黒野句集 201203
春光や魔除けの獅子の団栗目 鈴木一三 末黒野句集 201203
春光の溢るるポートアイランド 中山良子 末黒野句集 201203
春光の溢るる小町通りかな 橋場美篶 末黒野句集 201203
探鳥といふ春光の贈物 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
スキップの子に春光のあまねしや コ田千鶴子 馬醉木 201205
春光のただよふあたり君の立つ 有松洋子 201205
春光や遺愛の書架にうす挨 安田とし子 ぐろっけ 201205
和菓子屋の棚に春光届きけり 小泉欣也 ろんど 201205
春光や色の増しくる泥仏 江見巌 六花 201205
ライダー直進春光になりきつて 遠藤真砂明 201205
スカイツリー天に春光組み上ぐる 田所節子 201205
凜凛と選手宣誓春光裡 田中藤穂 あを 201205
未来なる春光つかむ赤子の手 塩路隆子 201206
春光を受けて右近の十字剣 田下宮子 201206
春光やフランスパンの紙袋 常田創 201206
春光や長袖のシャツたくしあげ 岡野安雅 かさね 201206
春光や輝き放つ白き嶺 本郷宗祥 かさね 201206
春光の大窓第一講座室 岩下芳子 201206
春光の天降る一条一会旅 千田敬 201206
春光やメモ置く机うすぼこり 古林田鶴子 ぐろっけ 201206
春光を経糸にきぬ織る明りとり 小林和子 風土 201206
春光を浴びてはねとぶ鯉の群 羽賀恭子 201206
春光や楊貴妃観音ありありと泉涌寺 原口頌子 ろんど 201206
春光の川に添ひゆく路線バス 川村文英 ろんど 201206
十屯トラック春光散らし走りゆく 川村文英 ろんど 201206
春光や花舗のホースの水はねて 森清堯 末黒野 201206
春光へ押す新しき乳母車 塚越弥栄子 末黒野 201206
春光や空へ抜けゆく波の音 塚越弥栄子 末黒野 201206
春光の臭ひ浦曲の一夜干し 上村光八 末黒野 201206
大楠といふ春光の発信地 古賀しぐれ ホトトギス 201207
潮引きて春光をどる波状岩 木内徴子 万象 201207
若きらの墓碑春光に懐かるる 安立公彦 春燈 201207
臨月の娘に春光の集まれり 後藤マツェ 201207
春光をカーブミラーの弾きをり 高野春子 京鹿子 201207
春光や手首をつたう化粧水 桑名さつき ろんど 201207
春光を巻き込み船の青水泡 小川玉泉 末黒野 201207
春光や菊の御紋の三笠艦 岡田史女 末黒野 201207
春光に居眠る夫や書を胸に 占部美弥子 末黒野 201207
春光といふ耳の端に射せるもの 岩岡中正 ホトトギス 201208
春光に歪み真珠のネックレス 田尻勝子 六花 201212
富士見えずとも屋上の春光に 稲畑汀子 ホトトギス 201302
春光の朝の目覚めでありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201303
春光や田芋に二葉みぎひだり 渡真利真澄 万象 201304
春光の膜の中なる城址かな 山田六甲 六花 201304
観察舎より春光のこふのとり 箕輪カオル 201305
春光を纏ふマネキン京の街 長濱順子 201305
春光を一匙掬ひ味噌を溶く 柳川晋 201305
春光や湧水点の鱗もやう 来海雅子 201305
春光や木肌かがやく並木道 海村禮子 春燈 201305
春光や譜面飛び出す連音符 川村清子 馬醉木 201305
春光や白壁に映ゆ木々の影 橋本修平 かさね 201305
春光や追ひ抜く背の遠ざかり 五十嵐章子 201305
春光や柔らに伸ぶる松葉の秀 青木由芙 末黒野 201305
春光や握手はなさぬ母のゐて 上山永晃 鶴翼 201305
春光やうつらとろりの嬰と祖母 井上石動 あを 201305
春光と天地ゆるがす楽隊と 瀬川公馨 201305
春光と画板をのせて膝小僧 林昭太郎 201305
目隠しの手より春光ばら色に 福永尚子 ろんど 201305
環状線より春光跳ぬる天守閣 大橋晄 雨月 201306
春光背に太閤像は大男 大橋晄 雨月 201306
春光を削り刻みぬ宮大工 甕秀麿 201306
春光や遺作の画集頂きぬ 和田紀夫 201306
春光やブティックヘ入る石の階 中出のぶ子 ろんど 201306
春光へしゆるんと飛んで鉋屑 林昭太郎 201306
春光の森ことごとく豹柄に 佐用圭子 201306
春光に青冴え冴えとフェルメール 時澤藍 201306
踏まれゐる邪鬼に春光うつすらと 浅田光代 風土 201306
春光を散らし羽搏くフラミンゴ 野坂民子 馬醉木 201307
相輪の光る大和路春光裡 坂根宏子 野山の道 201404
玄室の闇に春光及ばざり 今井洋子 雨月 201405
赤穂の湯瀬戸の春光一望に 片岡久美子 201405
春光のほかはまとはず乙女の像 阪上多恵子 雨月 201405
春光に土かぐはしく解れけり 堀田順子 馬醉木 201405
風呂敷に包むべくあり春光り 鳳蛮華 201405
忍野富士視界あまねく春光に 大島寛治 雨月 201405
春光を乳鋲に藩主下屋敷 石倉千賀子 ろんど 201406
春光を纏ひて古着古道具 今井春生 201406
春光や練習船の出港す 野澤あき 火星 201406
春光や浜一面の干物の香 森清堯 末黒野 201406
春光や色白の湯の大地蔵 二宮一知 万象 201406
春光や姉弟の句碑の文字やさし 廣畑育子 六花 201406
春光やまあるく触れるおくどさん 笹村恵美子 201406
春光の足場を渡るヘルメット 町山公孝 201406
春光の真砂女句碑抱く安房の海 田中臥石 末黒野 201406
春光の一点として鳥歩く 浅田光代 風土 201406
春光に保線夫礫を積み足せる 田尻勝子 六花 201406
蹴り上ぐる蹴鞠春光撥ね返す 藤見佳楠子 201406
方除の卦は春光を吉とせむ 豊田都峰 京鹿子 201406
白壁に春光燦と御朱印庫 井口淳子 201406
小川跳び越ゆ春光を掴みたく 成田美代 201407
春光を素手にあやつる太極拳 石川寿夫 ろんど 201407
春光る人体の骨二百ほど 本多俊子 201407
春光や猫死んでいる事知らず 古川忠利 ろんど 201407
春光の競りあふ銀座玻璃のビル 石川寿夫 ろんど 201407
春光を砕く春光なりしかな 湯川雅 ホトトギス 201408
春光や御堂に笑まふなで仏 前原マチ 末黒野 201408
春光や鏡に心見透かされ 宮井知英 201408

 祝「寒雷」八百五十号

春光のあふれ思ひ出なつかしく

稲畑汀子 ホトトギス 201503
走るものみな春光にまみれ来る 森岡正作 201504
吉兆の散華舞ひをり春光に 近藤紀子 201504
春光や音いきいきと古時計 中山静枝 201504
春光に映ゆるさざ波未来影 岩梶隆子 201504
聞き役に徹す春光部屋深く 工藤ミネ子 風土 201505
春光の甍や日蓮誕生寺 田中臥石 末黒野 201505
春光や空に乱れる山鴉 仁平則子 201505
両手上げ春光浴びて深呼吸 羽賀恭子 201505
春光や飛翔ごころに階のぼる 望月晴美 201505
春光がえぐる大沢崩れかな 高橋将夫 201505
大根の穴そのままに春光 岡田桃子 201505
春光の今を消しゆく砂時計 阪倉孝子 201505
高々と春光を吸ふ象の鼻 石田きよし 201505
春光の慈悲のあまねし窓辺かな 佐藤弘香 ろんど 201505
春光やロダンの裸像黙考中 田中一美 ろんど 201505
春光のからすの嘴に届きけり きくちきみえ やぶれ傘 201505
春光や周章ててガラスみがきたる 加藤みき 201506
春光や心の目貼剥ぎし時 柴田靖子 201506
春光を分かち合ひたる山と谷 高野昌代 201506
春光のステンドグラスに聖母像 種田果歩 201506
春光の香りいつぱい孫ら来る 羽賀恭子 201506
春光や箔なす川の鱗波 大西由美子 春燈 201506
春光のみちみちてゆく疾走馬 秋川泉 あを 201506
春光へ少年放つブーメラン 有賀鈴乃 末黒野 201506
春光や水に弾かれ目の眩み 中村高也 末黒野 201506
春光を水車が廻す蕎麦処 恩塚夕子 馬醉木 201506
木遣唄竿の雫に春光る 鈴木良戈 201506
春光や子の遺したる切手帳 白水良子 201506
白雲の果て春光の街現るる 橋本順子 201507
春光の赤牛交じる草千里 安野眞澄 201507
鏡より春光あふれこぼれ出づ 有松洋子 201507
春光や玻璃八枠に子規宇宙 能村研三 201507
春光やオリーブオイルパンにつけ 楠原幹子 201507
春光の届いてゐたる子の遺影 白水良子 201508
春光や芭蕉稲荷の石蛙 都築繁子 201508
春光に浮かびて川鵜水潜る 田中藤穂 201508
春光→ 5      

 

2021年3月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。