落 葉 16     164句


猫の子がちよいと押へる落葉かな   一茶  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
昇降機落葉を挟み下り来たり 篠田純子 あを 201203
落葉踏む栞りし手帖ポケットに 平居澪子 六花 201203
風に寄る一塊の落葉かな 藤生不二男 六花 201203
一斉に落葉ころげて来りけり 根橋宏次 やぶれ傘 201203
帯状の落葉の流れ神田川 村田武 やぶれ傘 201203
落葉径万葉人の跡を訪ひ 山口キミコ 201204
舞ひ上がる落葉の焚火薄煙 柳田皓一 かさね 201204
鶏の落葉を蹴つてゐるつもり 池田華甲 201204
落葉掻き母子にそそぐ日の優し 山崎稔子 末黒野 201204
落葉敷く銀杏並木の道明り 倉橋千代子 末黒野 201204
森しづか落葉溜りに夕日射し 柳生千枝子 火星 201204
落葉踏む遠き武蔵野恋ひわたり 柳生千枝子 火星 201204
早朝の白煙峡の落葉焚 大久保弘子 雨月 201204
旅信書く落葉の嵩を胸に溜め 近藤牧男 六月 201206
老僧の箒にあまる落葉かな 長憲一 201206
水底の落葉集まるひとところ 奥田温子 やぶれ傘 201206
夏落葉踏むかそけさを餘生とす 竹貫示虹 京鹿子 201206
宵の妻落葉の輪舞纏ひ来る 鳥居おさむ 万華鏡 201206
落葉堰く川の音色はブルースか 佐藤弘香 万華鏡 201206
倶利伽羅は落葉しつくし空の青 北崎展江 くりから 201209
落葉して木の正面のおのづから 林昭太郎 あまねく 201210
青々と夏の落葉の降りて来し 志方章子 六花 201210
落葉掃き落葉掃き朝快晴に 稲畑汀子 ホトトギス 201211
落葉踏む音はここまでアスファルト 稲畑汀子 ホトトギス 201211
尽くすまで掃かぬつもりの落葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 201211
落葉掃く人に落葉のとめどなく 稲畑汀子 ホトトギス 201211
わが肩を打ちし落葉をなつかしむ 丸山佳子 京鹿子 201211
くやしくてサツカー少年落葉蹴る 竹貫示虹 京鹿子 201211
サラダ食む落葉の地下と思ひをり 鳥居おさむ ろんど 201211
さざれ波ゆるる落葉に飛蝗をり 森理和 あを 201211
落葉踏む音里山を目覚めさせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
ふたたびは会へぬ温顔落葉踏み 稲畑汀子 ホトトギス 201212
地に還る落葉は風を恨まざり 福田周草 風土 201212
楠落葉小学校の友偲ぶ 水野弘 ぐろっけ 201212
白神は落葉乱舞の風騒ぎ 能村研三 201212
落葉舞ふ港の墓地のロシア文字 中島玉五郎 201212
落葉する音よりひくきふた三言 丸山佳子 京鹿子 201212
普段着に犬が先立つ落葉道 中山純子 万象 201212
落葉踏み来し散策もここら迄 若江千萱 雨月 201212
鼻先で落葉かき分け緋鯉浮く 山口天木 雨月 201212
日の落葉月の落葉と並びけり 梶浦玲良子 六花 201212
落葉踏む音に君との過去をふと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
かそけきは水風落葉木洩れ日も 成田美代 201301
湖の上に大き富士ある落葉焚 手島靖一 馬醉木 201301
水底の落葉ひかりを集めをり 神田恵琳 春燈 201301
吹き溜まるものに落葉とメランコリー 犬塚李里子 201301
拾ひきし落葉を入れて出す便り 塩千恵子 201301
落葉踏み走るジョガーの夕陽浴び 田島昭久 かさね 201301
落葉掃く僧につぎつぎ散る柳 橋本修平 かさね 201301
一瞬の風と交響橅落葉 藤原照子 201301
序破急の自在や白神橅落葉 藤原照子 201301
解脱とも大樹いつせい落葉かな 藤原照子 201301
落葉山あつけらかんと空のあり 久染康子 201301
アスファルト落葉がはしる音のして 中山純子 万象 201301
あのあたり海の空なり落葉降る 飛高隆夫 万象 201301
落葉して土に親しき鳩すずめ 飛高隆夫 万象 201301
眠る間も落葉の上に落葉積む 飛高隆夫 万象 201301
馥郁たる寺領の落葉掻きの嵩 田中貞雄 ろんど 201301
日の落葉なだるるところ犀ヶ崖 田中貞雄 自註句集 201301
落葉道己が足音さみしかりけり 塩千恵子 201301
虫になり積もる落葉にもぐりたし 大木清美子 201301
一人二人増えて輪となる落葉焚 水原春郎 馬醉木 201302
落葉掃く「よう御参り」の憎清し 渡部法子 201302
今生へ舞繰り広げ落葉風 北尾章郎 201302
ゲートボールの音と落葉のすべる音 石田かしこ ろんど 201302
残照や落葉の舞踏たけなはに 岩本セツ女 ろんど 201302
それぞれの彩を重ねて落葉径 臼村喜久代 万象 201302
落葉掃く土の匂ひの領事館 坂口夫佐子 火星 201302
日溜りは落葉だまりや蜑の路地 松本三千夫 末黒野 201302
よちよちと落葉追ふ児やつむじ風 堺昌子 末黒野 201302
野良猫に一声かけて落葉掃く 松本恒子 ぐろっけ 201302
落葉踏み入院棟に妻訪ね 水野弘 ぐろっけ 201302
分け入れば落葉に沈む木の根道 荒木治代 ぐろっけ 201302
己が根に落葉敷詰め木々眠る 荒木治代 ぐろっけ 201302
公孫樹散る落葉の道や野鳥鳴く 田島昭久 かさね 201302
隣人と落葉を見ては語を交す 本郷宗祥 かさね 201302
緋袴の掻きし落葉や万華鏡 小池清司 かさね 201302
夕闇やパチパチ燃ゆる落葉焚 丸山酔宵子 かさね 201302
掃き終へし庭に疾風また落葉 丸山酔宵子 かさね 201302
苔生ふる茶室にかざる落葉かな 田中清秀 かさね 201302
風止みて落葉の筏とどこほり 森岡陽子 かさね 201302
落葉よし踏んでその嵩ためしをり 久保東海司 201302
落葉散る幹にたましい残しおく 犬塚芳子 201302
終点の湖までの席落葉期 坂場章子 201302
よき音の方へ方へと落葉踏む 箕輪カオル 201302
外れくじ丸め火種の落葉焚 平野みち代 201302
回向めくあしたゆうべの落葉焚 竹内弘子 あを 201302
落葉積む柳生街道これよりと 谷村祐治 雨月 201302
落葉降るデイサービスヘ行く老いて 細川コマヱ 雨月 201302
殉職碑に礼して滝へ落葉踏む 宮平静子 雨月 201302
寂として落葉浄土の法の庭 祐宗千代子 雨月 201302
閑かさや楓をみとる落葉掃き 菊谷潔 六花 201302
敷石と欅落葉の擦れる音 藤井美晴 やぶれ傘 201302
日を浴びつ語りつ落葉掻いてをり 藤井美晴 やぶれ傘 201302
黄昏がうしろから来て落葉焚き 原友子 201302
風音に応ふるごとく落葉鳴る 大島みよし 201303
蹴りてみむ並木路に積む枯落葉 高谷栄一 201303
日の温み落葉の温み踏む母郷 大上充子 馬醉木 201303
落葉籠積み大庫裡の外竈 藤井君江 馬醉木 201303
風音のちらばつてゐる落葉宿 古賀しぐれ ホトトギス 201303
落葉焚き子ら育ちゆくわらべ唄 池田光子 201303
一等に美しき落葉と呉れにけり 西村節子 火星 201303
裏山のふわふわ沈む落葉かな 柳田晧一 かさね 201303
落葉踏む根の国すこし近うして 辻美奈子 201303
落葉籠運ばれてゆく匂ひかな 広渡敬雄 201303
バス停の屋根に落葉の縞模様 五十嵐章子 201303
落葉踏む音を聞き分け森の径 小川玉泉 末黒野 201303
独楽のごと落葉つむじの坂がかり 堺昌子 末黒野 201303
落葉踏む音道連れに峠越え 堺昌子 末黒野 201303
池底の落葉泳がせ白き鯉 堺昌子 末黒野 201303
日矢の中落葉溜まりのぬくぬくと 岩上行雄 末黒野 201303
落葉踏み還るといふはよかりける 南うみを 風土 201303
緩急の欅落葉や日の温み 生田作 風土 201303
古井戸の蓋頑丈に散落葉 三木千代 201303
消防に届け狭庭の落葉焚 三木千代 201303
風音に落葉を急ぐ雑木山 尾崎みつ子 雨月 201303
落葉踏む乾きし音の付き来ては 松本文一郎 六花 201303
手に持てば天狗となりぬ栃落葉 北村淳子 ろんど 201303
落葉のうしろ姿の霞が関 すずき巴里 ろんど 201303
落葉して白樺の白空の碧 石川寿夫 ろんど 201303
落葉して木椅子ひとつのギタリスト 師岡洋子 ぐろっけ 201303
落葉して遊具に日差し暖かし 梁瀬照恵 ぐろっけ 201303
句作りも一寸幸せ落葉掃く 足利ロ子 ぐろっけ 201303
落葉降る中を影踏み遊びかな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201303
磴のぼりくる海風と椋落葉 藤井美晴 やぶれ傘 201303
羅漢さん膝に落葉の吹きだまり 秋葉貞子 やぶれ傘 201303
茶室閉づ関守石に積む落葉 安武晨子 201303
地に還る落葉の嵩のただならず 松田明子 201303
病みたると思ふ落葉を踏む音も 川崎よしみ 201303
色変へて音変へて踏む落葉かな 橋本くに彦 ホトトギス 201304
吹き溜る落葉駆け行く落葉かな 今村征一 ホトトギス 201304
遺跡への山路たどれば落葉凍つ 田中珠生 馬醉木 201304
教会の讃美歌聞こゆ落葉道 福島悠紀 ぐろっけ 201304
落葉積む子宝石を撫でて来し 大西八洲雄 万象 201304
胎内は落葉つむ音土偶かな 井上菜摘子 京鹿子 201304
踏みごたへあるやうでなき落葉かな 直江裕子 京鹿子 201304
落葉焚境界線のゆらゆらす 津田このみ 船団 201304
夕さりの町の其処此処落葉掻 行川秀雄 末黒野 201304
落葉積む檻に丹頂鶴つがひ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201304
遠き人近き人にも降る落葉 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
一山ぱらりこ走る落葉を追ふ落葉 上山永晃 鶴翼 201305
林道の轍落葉と共に凍て 平居澪子 六花 201305
燕尾服提げ菩提樹の落葉道 江見悦子 朴の青空 201307
九段坂落葉御門の名は知らず 品川鈴子 ぐろっけ 201310
千代田区の落葉溜まりが喫煙所 品川鈴子 ぐろっけ 201310
楠落葉短パン娘闊歩して 水野弘 ぐろっけ 201310
ここよりは欅落葉でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201311
落葉かと見てゐし雀飛び立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201311
落葉掃き清めたる庭とは淋し 稲畑汀子 ホトトギス 201311
落葉踏む足に感触残しけり 中島玉五郎 201311
がま池の落葉もいちど裕子と行こつ 吉弘恭子 あを 201311
蹴散らして踏みて附きくる落葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 201312
そのままに欅落葉を尽すまで 稲畑汀子 ホトトギス 201312
皆落葉しぐれ逃れて囲む卓 稲畑汀子 ホトトギス 201312
晴れてゆく風音落葉巻き込みて 稲畑汀子 ホトトギス 201312
名苑の落葉しぐれを浴びて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201312
虚子句碑に見ゆ落葉を踏みながら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
梅落葉しきりに月照寺の石も 山田六甲 六花 201312
吾埋めよ公孫樹大樹の落葉して 山田六甲 六花 201312
踏むほどの落葉未し修法原 山田六甲 六花 201312
落葉踏む足すべらせて波郷の忌 瀧春一 花石榴 201312
万葉園ハーブの香る落葉籠 笠井清佑 201401
五十鈴川ゆるゆる落葉載せてゆく 伊藤和子 201401
落葉踏む正倉院へ急ぐ人 笠井清佑 201401
落葉→ 17      

 

2021年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。