落 葉 15      100句

遠方に吹きさわぎゐる落葉かな   池内たけし   たけし句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鳶の輪を突き上げてゐる落葉風 布川直幸 201112
死土産落葉祓ひの小さき碑 品川鈴子 ぐろっけ 201112
掃く女将運べぬ落葉の巨袋 品川鈴子 ぐろっけ 201112
下り際の鳩の羽ばたき落葉吹く 細野恵久 ぐろっけ 201112
横穴古墳かがんで覗く落葉の香 篠田純子 あを 201112
おもかげはいつも不意なり落葉風 平子公一 馬醉木 201201
消防車来て落葉焚咎めらる 工藤義夫 馬醉木 201201
有限ですと憎飄々と落葉掃く 落合晃 201201
毛越寺遣水落葉を流しをり 松嶋一洋 201201
蔦落葉庭敷き詰める朝の景 渡辺安酔 201201
水涸れし噴水の錆落葉降る 中山純子 万象 201201
落葉踏み黙々と行く登山道 青木英林 かさね 201201
落葉掻邪魔する孫に風もまた 後藤克彦 かさね 201201
此の庭と一日終りの落葉掃く 大西ユリ子 ぐろっけ 201201
濡れ縁に座すや落葉の傍に寄る 大西ユリ子 ぐろっけ 201201
落葉掃くたまらなくなる幼き日 山口天木 雨月 201201
かさこそと落葉の囁き日もすがら 丹生をだまき 京鹿子 201201
楷落葉金色浄土をしつらへり 北村梢 京鹿子 201201
白馬山麓四方に落葉の乾く音 辻美奈子 201201
日向には日向の音の落葉踏む 佐津のぼる 六花 201201
地に乾され丸まる落葉反る落葉 佐津のぼる 六花 201201
落葉風左旋回国病める 堀内一郎 あを 201201
閉ざされしままのシャッター落葉散る 吉成美代子 あを 201201
痩身の碧眼憎侶落葉掻く 小西和子 201202
落葉音のみに鎮もる奥の院 伊藤和子 201202
銀杏落葉蹴散らしてゆくブーツかな 北尾章郎 201202
春日野に禰宜の道あり落葉踏む 笠井清佑 201202
その度に迷ふ境ひ目落葉掃き 松岡和子 201202
生真面目に風に順ひ落葉掃 伊東和子 201202
落葉踏み受戒の僧は列正す 狹川青史 馬醉木 201202
どうしても赤に目のゆく落葉径 坂場章子 201202
落葉踏むこの世の音をみな消して 本多俊子 201202
さつぱりと灰になりたる落葉焚き 近藤喜子 201202
学食へ小径の落葉踏んでゆく 谷岡尚美 201202
一山の音さらさらと落葉時 岩下芳子 201202
烈風の去りて落葉を掃く日和 丸山酔宵子 かさね 201202
さらさらと落葉の駆ける月夜かな 柳田皓一 かさね 201202
流水に先争ふごと落葉流る 後藤克彦 かさね 201202
病院を出でて踏めるは落葉道 坂上じゅん かさね 201202
師の落葉かなカサと舞ひコソと鳴り 井原美鳥 201202
泣きさうな雲も詰めたし落葉掻 甲州千草 201202
産土の庭隠すごと落葉かな 岡野ひろ子 201202
葉書半面朱の落葉を貼りめぐらせ 小林清之介 風土 201202
青梅路や落葉の底に水の声 井口光石 風土 201202
己が足音己が身つつみ落葉径 安立公彦 春燈 201202

龍ヶ丘俳人墓地

車座に袋回しの落葉かな

豊谷青峰 春燈 201202
落葉掃く人へ駅前遠会釈 高埜良子 春燈 201202
落葉踏む音ためらひぬ登城坂 瀬戸峰子 春燈 201202
落葉せる柞の山に夕日落つ 瀬戸峰子 春燈 201202
銀杏落葉並木果つまで歩みけり 都丸美陽子 春燈 201202
かさと音かさと踏みゆく落葉道 海村禮子 春燈 201202
狛犬や銀杏落葉に埋もるる 中田寿子 ぐろっけ 201202
腰高に落葉掃く人紺がすり 三輪慶子 ぐろっけ 201202
椅子まはり落葉図鑑の小半日 豊田都峰 京鹿子 201202
晩年や落葉を立たす風の中 豊田都峰 京鹿子 201202
天よりの落葉ひろへば風の立つ 豊田都峰 京鹿子 201202
ガレージや落葉の彩の吹き溜り 田村加代 末黒野 201202
落葉踏む記憶の笑顔今もあり 中原吟子 雨月 201202
観音の視野に落葉や晶子の碑 池田倶子 雨月 201202
掃き残す落葉の家の老二人 中原敏雄 雨月 201202
病名の二転三転落葉踏む 白石善子 雨月 201202
洞のある楠に集まりくる落葉 杉浦典子 火星 201202
落葉して土塁・空濠埋め戻す 田中貞雄 ろんど 201202
板塀の落葉を踏めば方言詩 鎌田悟朗 ろんど 201202
里山の土に融けゆく落葉かな 増田甚平 ろんど 201202
落葉筏友呼ぶやうに合流す 吉田克美 ろんど 201202
落葉踏み地球の弾力諾へり 池内結 ろんど 201202
地に還る音のかろさよ落葉掻 笹村政子 六花 201202
落葉踏み登る階段背な温し 筒井八重子 六花 201202
掃く音の踏む音の暮れ落葉道 古賀しぐれ ホトトギス 201203
落葉駆ける音街騒に加はりし 嶋田摩耶子 ホトトギス 201203
落葉踏む音は心音かと思ふ 掛井広通 201203
とりどりの落葉の嵩や外厨 佐藤玲子 春燈 201203
修業僧風のごとくに落葉掻く 相良牧人 201203
雨きざす落葉降り敷く明るさに 成田美代 201203
残る寿命落葉降るとふ華やぎに 福永尚子 ろんど 201203
落葉焚はじめは空をにごらせて 蘭定かず子 火星 201203
校庭は風の落葉も競争す 高橋将夫 201203
池中に鯉の褥となる落葉 加藤みき 201203
未来坂の落葉掃きをする老爺 小野寺節子 風土 201203
お白州の石は語らず落葉かな 森田節子 風土 201203
落葉積む山椒大夫の屋敷跡 田中富有能 風土 201203
落葉の百木黙して背筋伸び 佐藤喜仙 かさね 201203
落葉踏み名もなき池の青きかな 郡山真帆 かさね 201203
落葉して隠れも出来ぬ隠れ蓑 清海信子 末黒野 201203
落葉踏む音のしみ入る静寂かな 嵐弥生 末黒野 201203
ひとり来て落葉時雨に出合ひけり 嵐弥生 末黒野 201203
看り来て嵩を踏み締む落葉道 小田嶋野笛 末黒野 201203
雲流れ銀杏落葉の嵩を生む 稲垣佳子 末黒野 201203
日溜りの落葉だまりや猫だまり 松井宮子 末黒野 201203
落葉踏んで日曜画家のつどひけり 小野弘正 末黒野 201203
風誘ふ落葉の舞の並木道 宮元陽子 末黒野 201203
千年の堂塔守るや落葉焚 三枝邦光 ぐろっけ 201203
落葉掃く白衣の小僧項傷 水野範子 ぐろっけ 201203
枯落葉永久の眠りのはらからに 水野弘 ぐろっけ 201203
金挟持ちて翁の落葉掻き 吉本淳 ぐろっけ 201203
送風機片手に漢落葉掻き 吉本淳 ぐろっけ 201203
踏み入れば湧水にじむ落葉径 川下明子 雨月 201203
義民社を守る村人の落葉掃く 塩見治郎 雨月 201203
夕暮の落葉の道を闊歩する 松下八重美 夢見の鐘 201203
      落葉 →16

 

2020年12月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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