落葉 12     99句

ニコライの鐘の愉しき落葉かな   石田波郷   雨覆

作品
作者
掲載誌
掲載年月
走り根の落葉を踏むや神の苑 大井彌雨 雨月 200902
天からのははそ落葉と拾ひけり 豊田都峰 京鹿子 200902
落葉舞ふ母のぬくみの火消壷 柴田朱美 京鹿子 200902
ふところに落葉を溜めて競ひあふ 柴田朱美 京鹿子 200902
脳細胞減りゆくばかり降る落葉 柴田朱美 京鹿子 200902
落葉飛ばしお国訛りの風が吹く 柴田朱美 京鹿子 200902
竹箒持たるるままの落葉焚 前川明子 200902
落葉焚うしろ隣りも始めけり 椿和枝 200902
夕落葉手話がさよなら繰返す 佐藤山人 200902
村雨と松風の墓碑落葉焼く 川合まさお ぐろっけ 200902
落葉して織田長屋門静もれる 栗田武三 ぐろっけ 200902
落葉掻く老尼の背なの小さきこと 小阪律子 ぐろっけ 200902
遠き日の少女誌繰りて落葉の日 遠藤とも子 ぐろっけ 200902
やや強き風のかたちに落葉舞ふ 松本圭司 200902
落葉焚焔の濃くうすく情にも 長崎桂子 あを 200902
落葉焚小銃の音をさまりて 長崎桂子 あを 200902
落葉して異國の人の竹箒 山荘慶子 あを 200902
かがまりて落葉掻く手を伸ばしけり 笹村政子 六花 200902
僧院の落葉貰ひし堆肥あり 八木岡博江 酸漿 200902
落葉せし梅に来てをり尉鶲 鈴木幾子 酸漿 200902
落葉掃き済みし二人の朝餉かな 鈴木幾子 酸漿 200902
史跡園大篠懸の落葉積む 浅野惠美子 酸漿 200902
暫くはつづく日課や落葉掃 東芳子 酸漿 200902
福寿草ここらと落葉掃きにけり 阿部文子 酸漿 200902
落葉踏む音かそけしや太極拳 舛田初惠 酸漿 200902
青桐の落葉が覆ふ闇のあり 渡辺玄子 酸漿 200902
ユーモレスク弾いて落葉の行方かな 渡辺玄子 酸漿 200902
主亡き犬小屋落葉ふりつもる 満川房子 酸漿 200902
山門に落葉籠積む猫車 廣瀬雅男 やぶれ傘 200902
いちやう落葉くぬぎ落葉のその先に きくちきみえ やぶれ傘 200902
澱みまで一気に落葉流さるる 瀬島洒望 やぶれ傘 200902
閉ざされし鬼茶屋落葉積むばかり 塩見育代 200903
どこまでも跫音蹤きくる落葉道 松本幹雄 馬醉木 200903
過ぎし日を集むるやうに落葉掃く 市村健夫 馬醉木 200903
日溜りに落葉の深さ遠汽笛 吉原一暁 200903
落葉していつもの道の浮きあがり 塚谷正彦 200903
落葉焚一人背を向けみな倣ふ 池田律子 200903
幾年の落葉のままの森の道 加藤克 200903
これほどの落葉地球に色添えて 竹内悦子 200903
彩きはめ大地にかへる落葉かな 近藤きくえ 200903
落葉道如意樹探してをりにけり 冨松寛子 200903
彩りをつまみ干菓子の落葉かな 中野京子 200903
白秋の碑は寂として落葉降る 薗田智子 遠嶺 200903
心音に合はせて掃きし落葉かな 武田漣 炎環 200903
焙じ茶や水辺に集ひゐる落葉 森ゆみ子 炎環 200903
落葉踏み平和の鐘を鳴らしけり 佐藤良重 炎環 200903
落葉掃く欅の大樹見上げては 岡淑子 雨月 200903
掃くほどに追ひくる落葉しぐれかな 岡淑子 雨月 200903
落葉せし木々に星空おりてきし 柴田良二 雨月 200903
息深く軍手をはづす落葉籠 田村園子 200903
吹き溜る落葉の深さほどの謎 田村園子 200903
舞ふほどに風の足りない落葉かな 倉持梨恵 200903
人待ちて広げし地図に降る落葉 高橋みつ 200903
いくたりのひと失ひし落葉掃く 田原陽子 200903
落葉して櫟がまとふ風の音 葦原葭切 春燈 200903
陶犬の足にまつはる庭落葉 川合まさお ぐろっけ 200903
地を払ひ空まで落葉舞ひあがり 北川とも子 ぐろっけ 200903
落葉掃く首塚守りて寺守りて 南恵子 万象 200903
朽ちてゆく至福に欅落葉かな 辻美奈子 200903
容赦なく落葉池の面閉ざしけり 友野よし子 酸漿 200903
池の鯉落葉押上げのぞきけり 池田いつ子 酸漿 200903
落葉踏む香嵐渓の小道かな 石井邦子 酸漿 200903
湧水の溢るるはけの落葉かな 國保八江 やぶれ傘 200903
かけて行く落葉は何に益せむと 菊谷潔 六花 200903
音高く落葉を踏みて廃村を 浅井青陽子 ホトトギス 200904
詩を作れ落葉浴びよと庭はあり 山田弘子 ホトトギス 200904
はまごうの落葉の音と聞きとめて 松尾緑富 ホトトギス 200904
落葉踏むその明るさに弾みゆく 曷川克 遠嶺 200904
雑木径踏みて落葉のカルテット 松野睦子 遠嶺 200904
昨夜の風落葉の嵩として去れり 西村摩耶子 京鹿子 200904
厚敷きの落葉蹴り翔つ大鴉 神田惣介 京鹿子 200904
落葉踏む送り地蔵のかさこそと 服部早苗 200904
医師訪ふ心おもたく落葉踏む 渡邉友七 あを 200904
かろやかな音立てて掻く栗落葉 井関祥子 酸漿 200904
きりもなき落葉と云ふも今朝も掃く 浅井青陽子 ホトトギス 200905
尽すまで掃かぬも楠の落葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 200905
忘れたきことの一途や落葉掃く 佐藤信子 佐藤信子集 200905
師が幾度息を継ぎしか落葉坂 相良牧人 200905
ねんごろに落葉掃き寄せ庭の夫 鈴木幾子 酸漿 200905
わが立つは太古の落葉嵐の中 泉田秋硯 200908
落葉掃くレーニン広場の石畳 林和子 万象 200908
落葉待つ如くに土のやはらかな 八田木枯 晩紅 200908
山茶花の散りて落葉の籠の中 八田木枯 晩紅 200908
落葉掃く夫小康の朝々に 東亜未 あを 200909
枯山水落葉一枚置かずあり 梶井和呼 酸漿 200910
街騒を遠ざけて踏む落葉かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
丸の内落葉掃くより動き出す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
コンクリートジャングルに舞ふ落葉かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
落葉掃く手を止め案内人となる 稲畑汀子 ホトトギス 200911
落葉して庭に春秋とどめたる 稲畑汀子 ホトトギス 200911
無患子の落葉の軽さ吹かれ来し 稲畑汀子 ホトトギス 200911
晴れてゆく早さ乾いてゆく落葉 稲畑汀子 ホトトギス 200911
これよりの落葉尽くせる日を思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200911
誰彼の遠きまなざし落葉道 稲畑汀子 ホトトギス 200911
又違ふ庭の落葉に旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 200911
落葉踏み一度は掃いて置かねばと 稲畑汀子 ホトトギス 200911
音立てて朝より落葉しぐれかな 稲畑汀子 ホトトギス 200911
落葉掃く道行く人に目もくれず 片山由美子 200911
病者相寄るがごとくに寄る落葉 丁野弘 200911

落葉 →13

     

 

2021年11月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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