落 葉 11     200句

船待の笠にためたる落葉哉   丈草   丈草發句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
音の立つ位置を選びて落葉踏む ことり 六花 200711
泰山木落葉日記の滞り 野路斉子 200711
風巻いてまいて落葉を舞はせたる 稲畑康太郎 ホトトギス 200712
枯色に近づく庭の落葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 200712
この落葉尽くす日を待ち掃くことに 稲畑汀子 ホトトギス 200712
掃かれずにをれぬ落葉を掃くことに 稲畑汀子 ホトトギス 200712
機山大居士無念の墓や落葉降る 水原春郎 馬醉木 200712
落葉掃く役にふたたびビル勤め 品川鈴子 ぐろっけ 200712
落葉掃く老や茂吉の散歩道 谷合青洋 酸漿 200712
落葉掃く箒の先のいと丸し 谷合青洋 酸漿 200712
落葉踏む音に老若ありにけり 水原春郎 馬醉木 200801
大き落葉眼に追ふ他は追ひきれず 林翔 馬醉木 200801
木洩れ日に手を取り合ひて落葉踏む 中藤百々代 春燈 200801
落葉掃く青空の黙君の黙 和田政子 200801
覚えたての寿限無寿限無と落葉踏む 和田政子 200801
落葉浮く露天に一人長湯して 近藤豊子 雨月 200801
落葉掃き終へたる師弟碑のあはひ 田中佐知子 風土 200801
菩提樹の落葉の嵩の月日かな 田中佐知子 風土 200801
山囲む暮らしの中の落葉籠 村越化石 200801
色のよき落葉拾へり散歩道 永井米子 酸漿 200801
一本の欅大樹の落葉掃 東亜未 あを 200801
気むずかし風と取組む落葉掃 東亜未 あを 200801
野良猫に突き纏はられ落葉道 森山のりこ あを 200801
落葉掃く頭上に烏二三十 森理和 あを 200801
一条の日をのせてをり落葉焚 青山丈 200801
造成のはじめ木を伐る落葉期 内山けい子 200801
かげろひの丘や落葉の舞ふ日なり 名取袿子 200802
ヴェルレーヌの詩を口ずさむ落葉径 山本康夫 200802
枯れてなほ転がり走る落葉かな 鈴木阿久 200802
低きへと落葉寄せたる風箒 中島玉五郎 200802
寒山拾得掃きても尽きぬ落葉かな 松波とよ子 春燈 200802
邪鬼支ふ巨き香炉や落葉寄る 松波とよ子 春燈 200802
黒門の内外落葉降りそそぐ いしだゆか 遠嶺 200802
落葉敷き国守天守の輝輝とせり いしだゆか 遠嶺 200802
日の匂ひ土の匂ひや落葉道 水野加代 万象 200802
掌に揉んで樟の落葉を嗅げとこそ 檜山哲彦 万象 200802
糸遊の句碑をけぶらせ落葉焚く 鍋島広子 万象 200802
飛鳥寺に拾ひし落葉日記より 藤田裕子 万象 200802
走る子について柞の落葉踏む 竹中一花 200802
涅槃石落葉散華を享けてをり 南奉栄蓮 風土 200802
落葉掻く風の遊ぶは遊ぶまま 大畑善昭 200802
また掃いて落葉に余白残しおく 諸岡和子 200802
乾び音の落葉踏み尋む句碑ひとつ 高久清美 200802
格好の嵩の落葉に火を入るる 前川明子 200802
病院食のことなど語り落葉踏む 齋藤厚子 200802
暮れぎはの炎色となりぬ落葉焚 勝見玲子 200802
拝復のペンよく走る夜の落葉 勝見玲子 200802
ときどきの落葉もて樹々言交す 宮津昭彦 200802
落葉終へ古刹の甍際立てり 福井久生 200802
今出川交番灯る落葉かな 大山文子 火星 200802
ふたりして水楢落葉踏む日かな 助口弘子 火星 200802
歌神の句碑に落葉の降り頻る 大橋晄 雨月 200802
馬が耳立てて聞きをる落葉かな 田中峰雪 雨月 200802
我踏める落葉の音に振り返る 大石喜美子 雨月 200802
欺かれしか世に生きて落葉焚く 岡有志 ぐろっけ 200802
輪を描き落葉の走る歩道かな ことり 六花 200802
睦みあふ落葉の音を聞くばかり ことり 六花 200802
流れゆく紅葉落葉の褪せてゐず 笹村政子 六花 200802
一枚の落葉にあふる朝の露 笹村政子 六花 200802
落葉敷く夜道を風の追つて来し 筒井八重子 六花 200802
寄りて来し落葉小さく渦を巻く 小林れい 酸漿 200802
掃き集めし落葉かさこそ語り合ふ 塚本泰子 酸漿 200802
ゆりの木の落葉愛でつつ師の拾ふ 谷合青洋 酸漿 200802
一面の落葉の中を川流る 佐々木しづ子 酸漿 200802
野火止の流にのりて落葉舟 井上幸子 酸漿 200802
どんぐりや落葉に抱かれ眠りける 小島三恵 酸漿 200802
放課後の庭に降り積む落葉かな 天田美保子 酸漿 200802
落葉踏み天文台へ道続く 坂本知子 酸漿 200802
落葉掃く奉仕乙女や池袋 渡邉紅華 酸漿 200802
蹴る落葉着物の裾に絡みけり 牧原佳代子 酸漿 200802
落葉の香ただよふ森の静なる 渡辺暁 酸漿 200802
植込みに落葉が刺さり街忙し 坪井洋子 200802
夕されの坂や落葉が馳け登り 坪井洋子 200802
ときどきは落葉の走り昼深し 真保喜代子 200802
始業前局員総出の落葉掻 金井香ル 200803
落葉透き寂光浄土と云ひつべし 稲岡長 ホトトギス 200803
走り根につもる落葉の匂ひけり 森ひろ 馬醉木 200803
落葉掻き風読める人読めぬ人 佐々木新 春燈 200803
かくありて世代交替落葉踏む 舩越美喜 京鹿子 200803
吹いてゐる風を追ひこす破れ落葉 森津三郎 京鹿子 200803
百号の絵に落葉道入り迷ふ 伊藤希眸 京鹿子 200803
落葉踏むわが身のどこか踏んでゐる 井上菜摘子 京鹿子 200803
音消して夕日あまねし落葉籠 中山純子 万象 200803
落葉掃く観音堂を守り継ぎて 大西八洲雄 万象 200803
足元に風の集めし落葉かな 吉田俊子 万象 200803
落葉掃く音に昏れゆく露天風呂 吉田俊子 万象 200803
落葉焚く煙しづかに影を引く 山崎祐子 万象 200803
ゆさぶつて落葉詰め込む大袋 鍋島広子 万象 200803
回廊行く菩提樹落葉しきりなり 近藤紀子 200803
若女将ジーパンはいて落葉焚く 鈴木勢津子 200803
名を知らぬ真赤な落葉鬼の面 中野京子 200803
渦なして落葉舞ひ行く第九かな 岩月優美子 200803
降る落葉掃きたくなれば庭に出で 植村よし子 雨月 200803
むくろじの落葉を踏みて小野の宮 加地芳女 雨月 200803
薙刀を使ふがごとく落葉掃く 阿部範子 200803
落葉掻風に根負けしてゐる日 椿和枝 200803
けもの道落葉畳となりにけり 飛鳥由紀 200803
落葉籠金の草鞋の見つからず 吉田明子 200803
からからと落葉の風や朝夕に 森佳子 遠嶺 200803
鳩の足赤し落葉を踏んでゆく 杉浦典子 火星 200803
母の里見えて遠しや落葉道 関戸国子 酸漿 200803
幼子の小さき熊手が落葉掻く 大塚民枝 酸漿 200803
落葉籠一息止めて背負ひ立つ 大塚民枝 酸漿 200803
落葉して巨木に力みなぎれり 君島栄子 酸漿 200803
落葉踏む道やはらかく池に出づ 永見嘉敏 酸漿 200803
遊びゐる如しよ落葉吾に来るは 野路斉子 200803
落葉降り込む金庫屋の自動ドア 野路斉子 200803
霊山の闇ひしひしと落葉の香 長沼三津夫 200803
さくさくと港径いま落葉みち 小島みつ代 200803
落葉掃く音のこだまも異人墓地 小島みつ代 200803
青天にすつぽり抱かれ落葉焚 宮尾直美 200803
膝に来し落葉に淡き日の温み 木村風師 馬醉木 200804
繋ぐ手の無ければ風へ落葉径 湯川雅 ホトトギス 200804
落葉踏む音の記憶の中に居り 岩垣子鹿 ホトトギス 200804
掃けば散り掃かねば積る落葉かな 田村元 ホトトギス 200804

落葉踏む風の軌跡を踏むやうに

長山あや ホトトギス 200804
山裾に子等の産土神落葉焚 田中佐知子 風土 200804
逆縁の訃報に落葉また落葉 北村香朗 京鹿子 200804
湯宿まで雨音落葉踏める音 久永つう 六花 200804
武蔵野の落葉くぐりし湧き清水 中田みなみ 200804
落葉積む林床に日の行き渡る 青木民子 酸漿 200804
落葉籠より作務僧の転げ出づ 小山徳夫 遠嶺 200804
落葉踏む捻挫も悲恋もいるような 坪内稔典 稔典句集 200804
落葉踏む昨日の秘密踏むような 坪内稔典 稔典句集 200804
ふっくらと落葉の道に先生は 坪内稔典 稔典句集 200804
日がさして濡れ落葉いま日の器 坪内稔典 稔典句集 200804
マロニエの落葉にパリの風を聴く 長山あや ホトトギス 200805
植物園いつもどこかで落葉降る 品川鈴子 自選100句集 200805
水馬に落葉が水輪重ねけり 岸野美知子 酸漿 200805
杖音もまたよからずや落葉踏む 上崎暮潮 ホトトギス 200806
もうどこにも父なし欅落葉して 柴崎英子 絹の波 200806
積もりゐる落葉に禅の聲聴けり 邑橋節夫 菊揃へ 200806
叢雨や老樵に逢ふ落葉径 川口襄 遠嶺 200808
身の内に吹き溜りたる落葉かな 近藤公子 200808
落葉舞ふ涙もろきは父似なり 府川房江 母の空 200808
里山の落葉時雨や母見舞ふ 府川房江 母の空 200808
茅屋の雨戸へ落葉時雨かな 府川房江 母の空 200808
宝塚ホテル真つ赤な落葉降る 城孝子 飛火野 200808
木槲落葉朝のワッフル夜はカップル 藤田守啓 船団 200809
聞こえ来るビオロンの音や落葉風 陳錫恭 春燈 200811
落葉掃くことは尽す日待つことに 稲畑汀子 ホトトギス 200811
栃落葉音又一つ追うて来し 稲畑汀子 ホトトギス 200811
風の出て落葉はじまる庭となる 稲畑汀子 ホトトギス 200811
降る落葉ゲーテ生家に近く泊つ 伊藤白潮 200811
月の夜の落葉に屈みゐたりけり 山田六甲 六花 200811
回遊の鯉鮮やかに落葉船 吉成美代子 あを 200811
留守の間の落葉に庭を明け渡す 稲畑汀子 ホトトギス 200812
落葉なほ色をとどめてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200812
大小の落葉に今日の加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200812
枝離れ風の大地の待つ落葉 稲畑汀子 ホトトギス 200812
しばらくは落葉しぐれに立ち尽くす 稲畑汀子 ホトトギス 200812
貝塚の道の果して濡れ落葉 高橋澄子 200812
巡回の男の肩に降る落葉 猪爪皆子 200812
喧騒を離れ落葉を拾ひけり 杉本綾 200812
裸婦像や膝に落葉の二三片 阿部ひろし 酸漿 200812
井戸水を覆ひ隠せる落葉かな ことり 六花 200812
舞ひ上がる落葉の渦の中にをり ことり 六花 200812
旧道の落葉小濡れのみちしるべ 伊東和子 200901
もののふのわらひごえかも落葉かな 近藤公子 200901
栗鼠過る小楢(なら)・水楢の落葉径 山下佳子 200901
楸邨の墓やゆつくり落葉降る 牧知子 炎環 200901
切通し風に掃かるる落葉かな 清水淑子 炎環 200901
落葉して会津の素顔見えはじむ 酒井秀穂 炎環 200901
落葉掃くをんなは昏れて融けたがる 酒井秀穂 炎環 200901
手に落葉からりと赤く割れにけり 四條進 200901
落葉して天にまさをな解放区 秋葉雅治 200901
落葉降るなか降臨の神の声 大畑善昭 200901
脱会と言ふをうべなひ落葉の夜 大畑善昭 200901
一書生たるを貫き落葉焚く 堀口希望 200901
句碑の臍落葉しぐれの中にかな 鈴木とおる 風土 200901
落葉降る山本勘助不動尊 山田暢子 風土 200901
僧一人落葉の村を通りけり 近藤幸三郎 風土 200901
石に座せば同心円に落葉降る 豊田都峰 京鹿子 200901
眼でわかる男の重さ落葉散る 松田都青 京鹿子 200901
印度沙羅のもみづる落葉とて賜ふ 大橋敦子 雨月 200901
落葉掃く一家総出の朝仕事 谷榮子 雨月 200901
踏みゆける落葉それぞれ音のあり 伊藤一枝 酸漿 200901
ふたひらの落葉離れず水に浮く 藤原春子 六花 200901
水音を立てずに秋の落葉かな 藤原春子 六花 200901
山湖の波落葉の匂ひ寄せてくる 瀧春一 深林 200901
湖畔のたつき朝は落葉と芥焼く 瀧春一 深林 200901
落葉して白樺の枝のさびしげに 松崎鉄之介 200901
落葉焚通りすがりが寄ってゆく 鎌倉喜久恵 あを 200901
地に眠る命を覆ふ落葉かな 小城綾子 200902
落葉道落葉の余生踏んだかも 黒澤登美枝 200902
ひとりごと言うて嫗の落葉掃き 小澤克己 遠嶺 200902
落葉道人それぞれに寡黙なり 戸村よねこ 遠嶺 200902
落葉かげロストボールのかくれんぼ 西村昌三 遠嶺 200902
落葉掻き跫音を空に残しゆく 永峰久比古 馬醉木 200902
紀州家の庭師を祖とし落葉掻く 長谷川翠 馬醉木 200902
百よりも0の好きなり落葉降り 森ゆみ子 炎環 200902
もの忘れ咎められけり落葉掻く 松原智津子 万象 200902
落葉焚きし跡濡れてをり馬の墓 山本耀子 火星 200902
薄ら日の降り続くなり椎落葉 大東由美子 火星 200902
お内儀の掃けども掃けども椎落葉 高尾豊子 火星 200902
落葉踏むひと足ごとに昼深し 笠置早苗 火星 200902
落葉して天に梢の残りけり 吉川隆 春燈 200902
淋しさに落葉の山を崩しけり 駒野目信之 春燈 200902
舞ひ上がる落葉をさそふ風の道 駒野目信之 春燈 200902
客迎ふ庭落葉掃く大仕事 植村よし子 雨月 200902
落葉→12      

 

2021年11月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。