踊 8  100句

あと戻り多き踊りにして進む   中原道夫   蕩児

作品
作者
掲載誌
掲載年月
指先より阿呆の生るる踊ぶり 田中たつを 雨月 201612
水海月踊り続けるバレリーナ 藤田美耶子 201612
輪踊りの影のかさなる辻あかり 池田光子 風土 201612
あをぐろき雲に暮れゆく踊唄 高橋道子 201612
世話人の店主挙つて踊の輪 椎名文子 末黒野 201612
赤き緒の下駄が踊りを恋ふるかな 中田みなみ 桜鯛 201701
抗はず生きて来しごと踊りけり 中田みなみ 桜鯛 201701
糊抜けし踊り浴衣となりにけり 中田みなみ 桜鯛 201701
舟盛りの烏賊踊りをり旅の膳 溝渕弘志 六花 201702
盆踊り所作真似異国で一つ輪に 伊吹之博 京鹿子 201702
棟梁が踊り櫓を組んでをり 中川句寿夫 ここのもん 201705
舞ひ終へて肩で息する鬼踊 吉田政江 201708
連組みて踊りし若さなつかしく 稲畑汀子 ホトトギス 201708
気持だけ踊つてをりぬ阿波踊 稲畑汀子 ホトトギス 201708
もう足のついて行けざる阿波踊 稲畑汀子 ホトトギス 201708
フラメンコ灼熱の夜を踊りけり 大日向幸江 あを 201708
足取りを真似て踊の輪がひづむ 窪田佳津 雨月 201709
踊唄の風が運ぶを口遊む 高橋あさの 201710
踊の輪入るも出づるも踊りつつ 林昭太郎 201710
路地ははや試し踊りの囃子かな 井上石動 あを 201709
踊る手の阿波の雲呼び風を呼び 堤京子 馬醉木 201710
阿波踊手足たちまち蛸になる 竹中一花 201710
踊り子の今や還暦輪の中に 田中美恵子 201710
名水の流れにそうて踊りかな 中谷富子 201710
踊果つ闇のはづれのショットバー 千田百里 201711
百歳の吾も交じりて踊の輪 柳川晋 201711
踊の輪螺旋を描き闇に入る 三木亨 201711
過疎の村考妣が埋むる踊の輪 三木享 201711
連中の踊扇の鈴の音 高田令子 201711
角帯の男の子腰高踊りの輪 五味紘子 末黒野 201711
阿波踊り見て来し夜の手足かな 中村洋子 風土 201711
踊の輪崩れんとして崩れざる 村瀬恵美子 風土 201711
十歳の太鼓率ゐる踊の輪 落合絹代 雨月 201711
大いなる闇に手をのべ踊の輪 堀田こう 雨月 201711
辻曲るおわらの月も踊子も 和田華凛 ホトトギス 201712
俯けばさらにうるはし踊笠 和田華凛 ホトトギス 201712
茨の実踊り足りないまま老いて はしもと風里 201712
心(うら)星に両手の届く踊りかな 中島陽華 201712
仰ぐとき唇ゆるぶ踊笠 藤生不二男 六花 201801
踊りの輪に出雲の阿国加はりぬ 中貞子 201801
踊りの輪そつと抜けくる母卒寿 菊池洋子 やぶれ傘 201710
余所者もリュックを揺らし踊りけり 永淵惠子 201801
浜風や踊りて飲みてまた踊り 河原敬子 201801
立退きの海人も来たりて踊りけり 河原敬子 201801
ひと風呂を浴びて踊に加はりぬ 山本則男 201802
踊より戻りし君の濡れてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
指先に魂を宿せし踊かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
踊見の背ナが疼いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
サンダルを埃まみれに踊りをり 苑実耶 201809
にはたづみ避けてふくらむ踊の輪 林昭太郎 201810
炭坑節となりて膨らむ踊かな 佐俣まさを 春燈 201811
踊笠脱ぎてこの世の貌となる 南うみを 風土 201811
舟きしむ音にはやされ踊るかな 南うみを 風土 201811
音頭ひとつ終へて崩るる踊の輪 辻由紀 雨月 201811
帰り路も子ら唄ひつつ踊りつつ 下田奉枝 雨月 201811
長篠の鉦鼓ものものしき踊 浅井青二 雨月 201811
踊の輪二重にひろげ酣に 大島寛治 雨月 201811
嫁ぎきて村一番の踊り手に 平田はつみ 馬醉木 201811
粗密とはかういふことか踊の輪 高橋将夫 201811
月の出の木曽山中に踊りけり 戸栗末廣 201811
踊り笠脱ぐや少女の初々し 黒滝志麻子 末黒野 201812
胡弓の音誘ふ女の辻踊 和田華凛 ホトトギス 201901
闇蒼し郡上踊の果ててより 木暮陶句郎 ホトトギス 201901
踊の輪大きく歪み郡上の夜 木暮陶句郎 ホトトギス 201901
目の端に君置き郡上踊かな 木暮陶句郎 ホトトギス 201901
ちびつ子のよさこい踊り鰯雲 木村純子 末黒野 201902
断りつつ断りつつも踊へと 岩井京子 201902
影もたぬものも混じりて踊りけり 永淵惠子 201902
火を潜り男衆踊る夏の浜 渡辺節子 201902
入園す小犬のワルツ踊るごと 大日向幸江 あを 201905
謝恩会恩師の踊る安来節 笹村政子 六花 201906
踊り子の歩きし浜や黒南風の 大日向幸江 あを 201908
猫の顔狐の顔浮く踊の輪 佐藤恭子 あを 201908
ゆったりとあいづち踊の宵深む 佐藤恭子 あを 201908
踊の輪東亜未の手足ながれゆく 佐藤恭子 あを 201908
でで虫やワルツ踊りし時のある 阪倉孝子 201909
踊り下駄三足を履きつぶすとよ 山田六甲 六花 201910
公園に百燈点る踊の輪 秋葉雅治 201910
灯りたる踊り櫓や雨の中 廣瀬雅男 やぶれ傘 201910
味噌樽の踊太鼓となりにけり 近藤喜子 201911
月の出を待ちゐる浜の踊かな 笹村政子 六花 201911
村長の入りてゆがみし踊の輪 藤野力 馬醉木 201911
踊り髪ほどきて母に戻りけり 小林朱夏 201912
塵となる身を存分に踊りけり 柴田佐知子 201912
白壁に踊子の影風の盆 延川五十昭 六花 201912
提灯に風のきてゐる踊かな 藤生不二男 六花 201912
月いつか踊の渦に消えてをり 今橋眞理子 ホトトギス 201912
踊り子の急に消えたり風の盆 田尻勝子 六花 202001
酔ひの手の馴染む夜空や踊の輪 太田良一 末黒野 202001
往年の踊り手さらば秋扇 伊吹之博 京鹿子 202001
踊の輪二人抜くれば歪みけり 石橋幾代 202002
手と足が縺れて郡上踊かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
出してみる踊浴衣と踊下駄 稲畑汀子 ホトトギス 202008
なつかしき踊仲間として今も 稲畑汀子 ホトトギス 202008
若さにはついて行けぬと踊下駄 稲畑汀子 ホトトギス 202008
もう踊る足腰ならぬとは言へど 稲畑汀子 ホトトギス 202008
八方は山の闇なり踊り唄 柴田佐知子 202010
潮灼けの喉をしこなせ踊唄 能村研三 202010
踊見の手がをどりをり車椅子 加賀荘介 202011
踊 →9

 

2023年8月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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