夏の風     162句

青嵐  青あらし  風青し  夏嵐  夏の風  夏風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ゆらゆらり手の平で知る初夏の風 甲田夏湖 船団 199812
首夏の風泣くの嫌なら歩きなさい 菊池和子 京鹿子 199901
しばらくはテラスに語り初夏の風 梅田実三郎 円虹 199907
逝く夏の風を思へば鵙の声 井口初江 酸漿 199911
先生おはようはずんではずんで初夏の風 朝倉晴美 船団 199912
糊つけてパリパリ悲し夏の風 尾上有紀子 わがまま 200002
ぬくもりも君が羽織れば初夏の風 尾上有紀子 わがまま 200002
もてなしは鳴門の渦と初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200005
幸を胸いっぱいに初夏の風 友岡咲子 いろり 200009
初夏の風に少女は髪あずけ 年森恭子 ぐろっけ 200009
この日和明日は如何にと初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200105
札幌の晩夏の風の強き日に 稲畑汀子 ホトトギス 200107
せせらぎの風情に酔ひし初夏の風 桑垣信子 いろり 200107
「リス」も来てサーキツトは初夏の風 丸山佳子 京鹿子 200107
上堂の法衣の吹かる夏の風 登嶋弘信 春耕 200108
ソナタ彈く指しなやかに初夏の風 大久保恵美子 遠嶺 200108
画廊当番おむすび食べて初夏の風 千島町子 ぐろっけ 200109
山磧知りつくしたる夏の風 岡井省二 200109
南極の夏の風なり肌をさす 今井久良子 酸漿 200205
軒下にオレンジのシャツ初夏の風 山荘慶子 あを 200206
梢と云ふ梢初夏の風捉へ 三宅久美子 円虹 200208
初夏の風フリー切符でめぐりけり 丹後美紀 帆船 200307
髪の色変へてみるなり初夏の風 早崎泰江 あを 200307
ガス燈の似合ふ小樽や初夏の風 森下康子 200309
夢殿に吹くまつさらな夏の風 高橋将夫 200311
笑まふ子の寝返り近し初夏の風 竹井桂子 200312
適塾の二階にゐたり夏の風 岡井省二 省二全句集 200312
古文書の謎めく朱書初夏の風 久保一岩 雲の峰 200406
進水終へタンカー初夏の風にあり 元田千重 火星 200408
寺田屋は階段きしませ初夏の風 山田耕子 京鹿子 200409
髪切って存分に受く初夏の風 林和子 200409
行く夏の風白樺の風であり 名和未知男 草の花 200411
長椅子に晩夏の風を一人占む 山口トシ 酸漿 200412
堂が島洞窟巡り初夏の風 井上みち子 帆船 200507
はつ夏の風満載にオープンカー 工藤進 200508
足ざぶと波蹴る人に初夏の風 鎌倉喜久恵 あを 200508
船音の晩夏の風に吸はれゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
空色のゆの字の暖簾初夏の風 山田晴久 築港 200508
細腰のフレアースカート初夏の風 鈴木清子 遠嶺 200508
山野草座敷に通る夏の風 南静子 築港 200508
アスファルト晩夏の風に蕩けをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
夏の風袴に折り目きつちりと 堀木基之 百鳥 200509
朝市のモロッコ豆や夏の風 後藤眞由美 春燈 200510
ナイル川ファルーカでゆく夏の風 小峯雅子 酸漿 200510
祓はれてをり百畳の夏の風 今瀬剛一 対岸 200511
初夏の風纏ひ葬列去りにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
雨止みて庭に立夏の風渡る 稲畑汀子 ホトトギス 200605
祖母山という名優しき夏の風 須賀敏子 あを 200607
式神の侍べる縁側夏の風 竹中花 200608
藍作務衣袖口に入る夏の風 東亜未 あを 200609
木曽三川の空筒抜けて首夏の風 山田をがたま 京鹿子 200609
冴えかへる故国より来て夏の風 田中章子 酸漿 200609
岩窟に夏の風あり波羅蜜多 延広禎一 200708
藁草履ひさぐ老女に首夏の風 竹田昭子 風土 200708
ことば一つ捨てて立夏の風ひろふ 宇都宮滴水 京鹿子 200709
身にまとふ仕立ておろしや初夏の風 松葉よし江 200709
表から裏に抜け出る夏の風 鈴木多枝子 あを 200712
裾広きスカート嬲る初夏の風 伊庭玲子 200807
はにかみを覚えし少年初夏の風 竹中一花 200808
首夏の風新顔多き議事次第 数長藤代 200808
阿蘇火口マリンブルーの初夏の風 鈴木照子 200808
深呼吸のやうな夏の風のおと 倉持梨恵 200809
夏の風入れて病棟暮れ初むる 北川とも子 ぐろっけ 200809
玄関に明るい夏の風通す 倉持梨恵 200810
初夏の風入れ身体検査の日 小林朱夏 200907
白球を追ふ少年へ初夏の風 米山喜久子 200907
川下り難所をこえし初夏の風 西川慶子 酸漿 200908
まだ捨てぬ渡佛の夢や初夏の風 能勢栄子 200908
青一色のゴッホの「アザミ」初夏の風 金山雅江 春燈 200909
初夏の風丹田に入れ太極拳 神田惣介 京鹿子 200909
文机の俳誌をめくる夏の風 西出俊子 酸漿 200910
天上に夏の風あり良寛堂 前島佐喜子 炎環 200910
城壁に突き当りたる初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
初夏の風新しき旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201005
瀬戸内の島々統べて初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
初夏の風を弾ませ子等の声 吉沢陽子 201007
初夏の風の高みに麟麟の目 峰幸子 201007
新聞をめくる音にも初夏の風 佐々木なつ ろんど 201008
若きらの眩しき腕首夏の風 野中啓子 201008
野猿跳ぶ小三峡に朱夏の風 塩路隆子 201009
初夏の風切り跳躍の弧を描く 涌羅由美 ホトトギス 201011
ふはふはと大オムレツよ初夏の風 伊藤一枝 酸漿 201101
車窓みな開けて立夏の風入るる 大橋晄 雨月 201107
睡蓮のモネの絵親し初夏の風 松田和子 201108
黄昏の比良山の稜線初夏の風 三川美代子 201108
ロボットが「いってらつしゃい」初夏の風 辻香秀 201108
柴垣の小路立夏の風吹けり 齋藤朋子 やぶれ傘 201109
ダニューブの夏の風切るつばめかな 松村光典 やぶれ傘 201110
蔓の先晩夏の風に縋りをり 佐野ときは 201110
湖中句碑晩夏の風に磨かれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
早朝の新聞受けに初夏の風 長島清山 かさね 201207
神の山けふは立夏の風となる 鈴鹿仁 京鹿子 201207
塔しのぐものなき空に初夏の風 浅野吉弘 201207
掘り出せる土器から吹きし夏の風 濱上こういち 201208
老眼鏡外して初夏の風を吸ふ 杉本薬王子 風土 201208
目も閉じて硬直の手に初夏の風 水野弘 ぐろっけ 201208
初夏の風を自在に唐楓 清海信子 末黒野 201208
ガウデイの色鮮やかに初夏の風 松田和子 201209
夏の風ケーブルカーに僧二人 石脇みはる 201209
病室に届かぬ夏の風を見る 安武晨子 201210
初夏の風の中へと降り立てり 佐竹千代 やぶれ傘 201211
おだやかに川面暮れゆく初夏の風 齋藤朋子 やぶれ傘 201211
緑道の木々剪定し初夏の風 筒井八重子 六花 201212
団子屋に教師と児童夏の風 田中藤穂 あを 201307
木洩れ陽に光る水面や朱夏の風 石川かおり 201307
一雨に晩夏の風の生まれたる 大橋晄 雨月 201310
夏の風希望持てない野党殿 鷲見たえ子 201310
旅に来て立夏の風の甘さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
初夏の風やはらかき野辺送り 中里よし子 春燈 201408
初夏の風に総身を洗はれて 有松洋子 201408
葉桜の道をたどりて初夏の風 筒井八重子 六花 201408
初夏の風が好きです車輪梅 箕輪カオル 201408
初夏の風の抜けゆく牛舎かな 石黒興平 末黒野 201409
人逝けば家までさぶれ夏の風 井上義貞 201410
糸抜いて返すゼッケン夏の風 今瀬一博 201410
初夏の風回転ドアーと一回り 槇野あさ子 風土 201501
珈琲ゼリー掬ふ一匙初夏の風 黒沢登美枝 201507
雨降りて降りて晩夏の風纏ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201508
少女等の髪靡かする初夏の風 長谷仁子 春燈 201508
少年はいつ出逢つても夏の風 片山煕子 京鹿子 201510
さまざまの蝶湧き翔ちて初夏の風 中西明子 京鹿子 201510
リバーサイド他人がよろし初夏の風 陽山道子 船団 201512
初夏の風神戸港の船溜り 杏中清園 船団 201512
六甲の裾持ち上げて初夏の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
坂多き街を立夏の風渡る 大橋晄 雨月 201607
初夏の風のなかなる船溜り 黒滝志麻子 末黒野 201608
初夏の風湧く桃色の夕日 松原三枝子 万象 201608
初夏の風池田古町路地伝ひ 大橋晄 雨月 201608
鎌倉や初夏の風負ふ寺詣 山口登 末黒野 201609
茶畑の丘を隔てて首夏の風 滝澤圭子 雨月 201708
開け放つ茶屋縦横に初夏の風 善野烺 六花 201709
スメタナの吾が祖国より夏の風 竹中一花 201709
移したる墓を晩夏の風わたる 赤石梨花 風土 201710
コテージの木椅子に初夏の風の音 土江 比露 春燈 201710
初夏の風にめくれる句帳かな 中島和子 やぶれ傘 201808
微睡みて父に会ひけり初夏の風 小巻若菜 六花 201810
ビル掃除のゴンドラのオレ初夏の風 山口久子 船団 201811
はつ夏の風カピバラに子が五つ ふけとしこ 船団 201811
街路樹をふくよかにして初夏の風 西本花音 春燈 201907
観音の十指にかよふ夏の風 本多俊子 201908
初夏の風藍ののれんの揺れてをり 大塚たきよ 201908
初夏の風グリーンの海の古宇利島 枝みや子 やぶれ傘 201908
からっぽの椅子撫でてゆく夏の風 津田このみ 船団 201910
信徒等の声明聞こゆ初夏の風 増田裕司 やぶれ傘 201911
市大病院ドア開け放ち初夏の風 落合由季女 雨月 202001
ガマズミの虫食ひの葉に初夏の風 渡邉孝彦 やぶれ傘 202007
つる草の螺旋伸ばして初夏の風 岡美智子 末黒野 202008
海猫鳴いて晩夏の風を誘へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
暗渠へと逃げ込む真鯉初夏の風 本間せつ子 末黒野 202008
初夏の風牛の鼻づら撫でゆけり 石黒興平 末黒野 202009
髪切つて耳の奥まで夏の風 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
干し終へし白きシーツに夏の風 江口恵子 やぶれ傘 202009
しろがねに葉を裏返す初夏の風 善野行 聖五月 202010
はつ夏の風は浪漫波飛沫 牛島晃江 202108
初夏の風や袖口捲り上げ 小林拓路 末黒野 202109
初夏の風湯島の坂を下るバス 安藤久美子 やぶれ傘 202208
ボタン一つ外した胸に初夏の風 出利葉孝 202208
山路来て肌身に優し初夏の風 長山正子 202208
法燈に近づき過ぎし夏の風 小林輝子 風土 202209
真つ直ぐに目指す帆船初夏の風 森清信子 末黒野 202209
紙飛行機ひらりと初夏の風となる 山内宏子 202209
初夏の風君の悌運び来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
 

 

2023年5月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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