夏 衣 (夏着) 1      114句

飲てわするゝ茶は水になる 其角  曠野集
誰か来て裾にかけたる夏衣  角       

夏衣  夏服  白服  麻服

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ほどほどの香りただよひ夏衣 佐々木東道 199810
鴨居には肩張る父の夏衣 川島ひとみ 船団 199812
個性満つBeijingrenや夏衣 近藤憙治 船団 199812
しとど濡れ室戸の旅の夏衣 稲畑汀子 ホトトギス 199905
かんざしの珊瑚の朱や夏衣 辻亨子 六花 199908
移りゆく駅の鏡の夏衣裳 沢坂芳山 京鹿子 199909
視野広き二階住居よ夏衣 大平保子 いろり 199909
障害の残る一病夏衣 三枝邦光 ぐろっけ 199910
包みこむ女身の重み夏衣 田中藤穂 水瓶座 200002
夏衣新しきまま母病みぬ 正木光子 いろり 200007
夏衣少女の脚のまぶしさよ 中川二毫子 夏木立 200008
喪ごころは脱ぐべくもなき夏衣 山田弘子 円虹 200009
老いていま異郷の旅の夏衣 山本潤子 いろり 200010
夏着縫ふ足踏みミシン懐しみ 二瓶洋子 六花 200110
護摩の僧夏衣の煤を払ひをり 登嶋弘信 春耕 200108
若き日は小町と呼ばれ夏衣 田中藤穂 あを 200108
尼さまの香のこのもしき夏衣 松村美智子 あを 200108
マネキンが着れば涼しげ夏衣 久保晴子 雨月 200110
マネキンの脱がされてゐる夏衣 中野たけみ 雨月 200110
聖鐘撞く尼の夏衣の裾揺らし 荒井千佐代 系図 200203
遠き日の甘酸つぱくて夏衣 松井治美 遠嶺 200207
間伐の杉の香しみし夏衣 村上一葉子 200208
いま受けし稿に朱をさす夏衣 小澤克己 遠嶺 200208
夏衣を見立ててをるや簑笠子 延広禎一 200208
ふくよかに本陣守る夏衣 朝妻力 雲の峰 200208
夏衣冬も同じき夏衣 中川二毫子 遠嶺 200209
夏衣遠くに見ゆる磧の木 水野恒彦 200210
晩年やゆるやかに着る夏衣 奥村啓子 200210
夏衣子の恋人の来るさうな 佐藤千代子 帆船 200307
朝茶事に夜叉五倍子染めの夏衣 岡本明子 ぐろっけ 200308
うたかたの夢に遊びし夏衣 加賀富美江 遠嶺 200309
夏衣男性スタツフ募集中 上原カツミ 帆船 200309
転失気を打消す木魚夏衣 佐伯盈 帆船 200309
夏衣首の骨鳴る癖つけり 折橋綾子 200309
冷夏なる半額処分の夏衣 佐原正子 六花 200312
シンポジウム名医作家の夏衣 佐原正子 六花 200312
母かとも鏡の中の夏衣 村井武子 200312
ゆったりと今日をつかひぬ夏衣 小柳順子 帆船 200408
老いてなほ派手に着こなし夏衣 喜多初枝 雨月 200408
切絵展夏衣の師の若々し 松下セツ子 200408
とみかうみ各々の得る夏衣 赤座典子 あを 200408
文楽にはや夏衣なつぎぬの芸妓ゐて 鈴木愛子 ぐろっけ 200408
大原女の藍の香放つ夏衣 菅原末野 風土 200501
黒肌の艶よき美女の夏衣 長谷川きくの 築港 200508
スクランブル四肢大らかに夏衣 伊藤豊美 遠嶺 200509
友留守の扉を離る夏衣 加藤君子 火星 200509
ネクタイの箍をはずして夏衣 森山八重子 ぐろっけ 200509
喫茶去の言葉やさしき夏衣 渡辺民親 遠嶺 200510
佛印のアオザイといふ夏衣 竹内弘子 あを 200510
上品へ雅楽の僧の夏衣 清水伊代乃 酸漿 200511
漂泊の願ひを嶺々に夏衣 三沢蘭 遠嶺 200608
夏衣彼の姿を盗み見て 赤木真理 ぐろっけ 200609
引き際を心得てゐて夏衣 赤木真理 ぐろっけ 200609
胸うすくなりしと思ふ夏衣 田口登代 遠嶺 200610
御僧の風と召さるる夏衣 今井千鶴子 ホトトギス 200611
夏衣京へ主命の太朗冠者 須田紅三郎 200706
風に揺れ色は濃くとも夏衣 林翔 200709
八つ口に許されし手や夏衣 都留嘉男 八千草 200712
姿見に帯留め確と夏衣 西村純代 200809
きつと目が合ふS席の夏衣 大曽根育代 遠嶺 200810
たたう紙の紐のゆるやか夏衣 米山喜久子 200907
恋に生く真砂女眩しき夏衣 青柳雅子 春燈 200907
夏衣を締め鏡戒の男帯 小澤克己 遠嶺 200908
夏衣ルオーの黒をまとひたる 本多俊子 200909
青き星に触れたる思ひ夏衣 近藤喜子 200909
素食てふ僧ふくよかに夏衣 小林玲子 ぐろっけ 200909
彼が形見誰が形見とや夏衣 小田嶋野笛 末黒野 200910
夏衣はらりと脱げば背にえくぼ 井上あき子 ぐろっけ 200910
旅立ちに納むる一句夏衣 中村クミ子 遠嶺 200911
すれ違ふ伽羅の香りや夏衣 大木清美子 201008
夏衣今年派手目に装ひぬ 三川美代子 201009
傷つかぬ顔で別れし夏衣 あさなが捷 201009
夏衣重ねて雨のひと日なり 大松一枝 201010
バイク駆り破戒僧めく夏衣 竹内弘子 あを 201011
おしまひな(こんばんは)隣家老婆の夏衣 増田一代 201107
ゆるやかな余生の歩み夏衣 岡佳代子 201109
呼出しの半纏あをき夏衣 竹内弘子 あを 201109
病む友の肩の薄さよ夏衣 大木清美子 201110
隠せるも二の腕太し夏衣 上月智子 末黒野 201204
無駄のなき茶人の所作や夏衣 宮崎左智子 201208
首ながきをんなが急ぐ夏衣 丸井巴水 京鹿子 201209
天空に煌めくはガガの夏衣裳 河内桜人 京鹿子 201209
選ぶたび黄泉へ近づく夏衣 福永尚子 ろんど 201309
夏衣見習いらしき尼の項 鎌田慶子 ろんど 201310
一斉に起立・礼あり夏衣 亀井紀子 201310
百片の更紗を繋ぎ夏衣 木戸宏子 201408
好ましき皺よる僧侶夏衣 森理和 あを 201408
若人のためらひもなき夏衣 野村鞆枝 京鹿子 201409
夏衣や往事の景の清かなり 山田佳子 201410
夏衣のかぶり直せし烏帽子かな 坂口夫佐子 火星 201410
また若くなりし尼僧や夏衣 安積亮子 火星 201410
ほころびの夏衣黒き丈六佛 竹中一花 201508
ゆづられてわが服となる子の夏衣 羽賀恭子 201509
潮時を僅かに諮る夏衣 高野春子 京鹿子 201511
あざやかに袖山走る夏衣 松尾龍之介 201512
夏衣吉田小幸の悌を 稲畑廣太郎 ホトトギス 201606
夏衣余生の箍をゆるめをり 小森泰子 馬醉木 201608
夏衣真顔の笑みのブルドッグ 江島照美 201608
これはこれは僧百人の夏衣 山本喜朗 雨月 201609
貝閉づるとき夏衣触れにけり 上野紫泉 京鹿子 201609
五十名の僧粛粛と夏衣 数長藤代 201611
夏衣 →2      

 

2023年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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