夏 服        74句

夏服のポケット浅し薄荷糖    竹内弘子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏服や背中にほくろあったっけ しおやきみこ 船団 199812
夏服のすがすが通る水辺まで 葉月ひさ子 船団 199812
夏服や手にさげてゆくもの減らす 稲畑汀子 ホトトギス 199906
夏服の風より軽き身のこなし 稲畑汀子 ホトトギス 199906
夏服に今日の予定を確かむる 稲畑汀子 ホトトギス 199906
夏服の集ひて四年振りの座へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199906
夏服の浅いポケット無人駅 吉永彩華 海程 199910
夏服の色に彼女と判るまで 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
嘴は黄色夏服は白決まりなり 中原道夫 銀化 200007
夏服や原色似合ふ目鼻だち 浜麻衣子 六花 200009
夏服に今日は迷ひのなかりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200105
夏服の学校帰り線路跡 出口誠 六花 200207
夏服や手足まぶしく伸びゆける 森裕子 円虹 200209
夏服やこゑ若く詩を諳ずる 木内憲子 200209
夏服の白に濃淡ありにけり 菊地一枝 200209
捨てかねし夏服を着て鏡見る 金子孝一 帆船 200210
夏服やわんぱくな子に見えてくる 吉成美代子 あを 200308
夏服やべそべそと泣く児なりしが 赤座典子 あを 200308
夏服に替りし曽孫の燥ぎやう 神田一瓢 雨月 200309
都府楼址夏服のよくなびくかな 今瀬剛一 対岸 200309
夏服の二の腕すこしたよりなく 生方ふよう 200309
夏服となりし少年よそよそし 小島和子 百鳥 200310
夏服やいつよりうすき母の胸 川合八重子 酸漿 200311
夏服の裾へ海風中華街 田中藤穂 あを 200407
うす紅の夏服に死期秘しゐしか 狩野みほ 百鳥 200408
夏服を着てパスポートとりに行く 浜和佳子 百鳥 200409
夏服の腕をくぐる朝の風 東口博美 酸漿 200409
海に向ひ黒き夏服をわびしめる 瀧春一 菜園 200509
共に夏服ともに忙しや嘲笑ひあふ 岡本眸 200605
夏服の汚れしほどの旅疲れ 稲畑汀子 ホトトギス 200606
夏服は黒で八頭身美人 稲畑汀子 ホトトギス 200606
夏服の膝へ凭せしチェロケース 高松由利子 火星 200608
夏服の子と待合はす無人駅 中谷葉留 風土 200709
夏服を正しておうはカンツォーネ 藤本章子 200712
新調の藍の夏服髪を切る 靜寿美子 ぐろっけ 200904
夏服の肩触れ合ひて撮られけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
夏服に吹きくる風のつつましく 海村禮子 春燈 200909
夏服を着て涼しげな顔でゐる 丑久保勲 やぶれ傘 200909
椅子に掛けし夏服たちの会議かな 古屋元 200909
夏服を少し派手目に若返る 岡佳代子 200911
夏服の軽やかに自転車の子等 中根健 201001
夏服や女子高生の脛長し 三橋玲子 末黒野 201004
夏服の黒に誑かされてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
芳之介さんの夏服お酒落かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
黒といふ夏服で彼待つ彼女 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
夏服の肘眩しかり女学生 石川かおり 201009
母のもの鋏入れいて夏服に 島純子 ぐろっけ 201009
夏服に血圧ノート見つかれり 松本和子 酸奬 201011
夏服や水平線を見たくなる 細川洋子 201207
夏服や少し派手目の色選び 土井くみ子 201209
夏服のタグに記せる異国の名 芝宮須磨子 あを 201209
夏服の型紙むかし新聞紙 樋口みのぶ 201402
夏服のきりりと切り返す言葉 川上久美 ろんど 201410
夏服の夫の腕の細きこと 宮本加津代 万象 201510
沖を見て夏服さらり脱ぐ少女 都留百太郎 末黒野 201510
白磁前夏服なん度遣り過ごす 岡本尚子 風土 201605
夏服になつて若やぐ心ふと 高濱朋子 ホトトギス 201610
夏服やをんなは試着くり返す 細島孝子 末黒野 201610
夏服の皺をのばしてやる別れ 佐々木秀子 201610
夏服や今より太つたらあかん 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
夏服は若き日のもの着ることに 稲畑汀子 ホトトギス 201707
夏服や大股で行く駅の径 大日向幸江 あを 201707
裾たくし上げ浪と戯れ夏服の 大日向幸江 あを 201707
夏服の若人がつたふ面影を 水原秋櫻子 馬醉木 201805
夏服の肩に洗濯バサミ跡 小山よる やぶれ傘 201907
夏服の袖より入る今朝の風 須賀ゆかり 201909
夏服の襟のうちなるネックレス はしもと風里 201910
夏服の大きなカフス指揮をとる 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
夏服の女の目見や阿修羅像 善野行 六花 202011
夏服にけふ一日のしわ深く 今井肖子 ホトトギス 202108
夏服の若きナースの余香かな ふなかわのりひと 202110
教室に夏服の肩うち揃ふ 上迫和海 ホトトギス 202112
夏服の孫に日差の微笑める 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
夏服の皺ひとつなきホテルマン 田中玉泉 風土 202208

 

2023年6月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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