夏帽子 7      200句

ふるさとに来て夏帽を真深にす   比田井美都江   しなの

夏帽子 冬帽子  パナマ帽  麦稈帽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏帽子太古の水に沈みをり 佐渡谷秀一 対座 201505
かぶらなくとも持つてをり夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201507
肝心な時に忘れし夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201507
夏帽子少し小さめ年長児 武石京子 やぶれ傘 201508
夏帽子咲かせて森の午後となる 豊田都峰 京鹿子 201508
強き瞳を放つ少年夏帽子 高野春子 京鹿子 201508
夏帽子曲家並びして撮らる 千田百里 201508
一歳と一本指の夏帽子 中村洋子 風土 201508
能見台駅に届きし夏帽子 小林和子 風土 201508
枕辺に旅路の共の夏帽子 和田政子 201508
朝市のマダガスカルの夏帽子 広瀬俊雄 万象 201508
このひとと二人三脚夏帽子 今井充子 201508
我ままも気ままも隠す夏帽子 黒澤登美枝 201509
駅舎無きホームに並ぶ夏帽子 廣瀬雅男 やぶれ傘 201509
鞄より取り出したる夏帽子 きくちきみえ やぶれ傘 201509
二軒目の店にてもとむ夏帽子 吉田きみえ 末黒野 201509
応援の人文字描く夏帽子 大橋弘子 末黒野 201509
染みも又旅の思い出夏帽子 皆川千佐恵 末黒野 201509
娘夫婦みちのく巡る夏帽子 中村高也 末黒野 201509
影を追ふ園児等二列夏帽子 漆山浩一 末黒野 201509
夏帽子被れば視界半分に 濱上こういち 201509
機嫌良きオレンジ色の夏帽子 高田令子 201509
控へ目な女人の大き夏帽子 大橋晄 雨月 201509
頂上を征して振るや夏帽子 大橋晄 雨月 201509
海風に突と攫はれ夏帽子 三輪温子 雨月 201509
夏帽子大きく振りて再会す 福岡かがり 雨月 201509
振り合ひて行き交ふ舟の夏帽子 滝澤圭子 雨月 201509
山よりもデモに参加と夏帽子 須賀敏子 あを 201509
浜風にころがるころがる夏帽子 内藤呈念 ホトトギス 201510
夏帽子神威岬の風に飛ぶ 原田しずえ 万象 201510
教へ子の颯爽と来る夏帽子 野畑さゆり 201510
白髪もみえてあみだの夏帽子 遠山のり子 201510
夏帽子の数だけ好奇心あらん 細川洋子 201510
夏帽子と墓のカタログありにける 中田禎子 201510
外に出でて風の新たや夏帽子 黒滝志麻子 末黒野 201510
引越しの孫の振りたり夏帽子 久保田優子 末黒野 201510
覗き込み交はす笑顔や夏帽子 山本茂子 末黒野 201510
つば広を一義に選ぶ夏帽子 田村園子 201510
西域を去る回鶻ウイグルの夏帽子 原田達夫 箱火鉢 201511
再会に心うきうき夏帽子 塩千恵子 201510
人混みの中変身の夏帽子 松本秀子 201510
頂上を征して振るや夏帽子 大橋晄 ホトトギス 201512
夏帽子ぐつと押さへる風の駅 秋月祐一 船団 201512
ジオラマに長き時間を夏帽子 ふけとしこ 船団 201602
裃に夏帽子なりちんどん屋 篠田純子 あを 201603
夏帽子押へて谷をのぞき込む 長谷川友子 春燈 201608
夏帽子互ひに振りて別れけり 成田なな女 春燈 201608
夏帽子とりて募金と署名せり 西住三惠子 201608
一駅で降るるも旅愁夏帽子 黒滝志麻子 末黒野 201608
裏声の伸ぶる島唄夏帽子 黒滝志麻子 末黒野 201608
病院を抜け出してきし夏帽子 山田六甲 六花 201608
一陣の風を押さへて夏帽子 山田天 雨月 201608
さすらひのこころもちとの夏帽子 中島芳郎 201609
地下街を出て皺くちやの夏帽子 荒木甫 201609
夏帽子ぺちやんことなり大抱擁 平野加代子 春燈 201609
海二つ越え来し吾子の夏帽子 竪山道助 風土 201609
組み替へる足の長さや夏帽子 岡尚 風土 201609
一陣の風が盗める夏帽子 直井たつろ 風土 201609
赤道を跳ねて越えたり夏帽子 竪山道助 風土 201609
とげぬき地蔵ひたすらなづる夏帽子 川田好子 風土 201609
顔中の皺が笑ひぬ夏帽子 小林愛子 万象 201609
木の株に大人の迷子夏帽子 福島せいぎ 万象 201609
助手席に深々眠る夏帽子 内山照久 201609
駅名に惹かれて降りる夏帽子 塩野谷慎吾 201609
無機質の怪獣ゾーン夏帽子 鈴鹿呂仁 京鹿子 201609
大門の先に江戸あり夏帽子 高野春子 京鹿子 201609
夏帽子似合ふといふは遊び人 後藤立夫 ホトトギス 201610
句会場へ杖を頼りの夏帽子 加藤タミ 末黒野 201610
普段着のサンダル履きと夏帽子 今井充子 201610
洞内ヘトロッコに乗る夏帽子 中村洋子 風土 201610
大道芸小銭を受くる夏帽子 遠藤逍遙子 風土 201610
見え隠れして溶岩原の夏帽子 菊池洋子 やぶれ傘 201610
岩肌を飛ぶを押さへて夏帽子 安藤久美子 やぶれ傘 201610
追ひ越してバツクシヤンなり夏帽子 池村禎子 京鹿子 201610
夏帽子重くなりゆく波の音 上野紫泉 京鹿子 201610
深々と貴婦人めける夏帽子 大橋晄 雨月 201610
夏帽子ルンペン風と言はれけり 内田節子 万象 201610
夏帽子脱ぎて湯気たちゐたるかな 志方章子 六花 201610
草の声水の音聴く夏帽子 河野美奇 ホトトギス 201611
再会の歓声あげし夏帽子 大内マキ子 万象 201611
潮風にさらはれ夫の夏帽子 鏡英子 末黒野 201611
内宮や被る間のなき夏帽子 野村重子 末黒野 201611
弾き手なきピアノの上の夏帽子 鎌田八重子 馬醉木 201612
仮壇の柩にのせる夏帽子 富田要 万象 201612
駅前広場送迎バスへ夏帽子 増田みな子 やぶれ傘 201612
句仲間の健脚揃う夏帽子 田中藤穂 201612
大いなる海よ空よと夏帽子 中田みなみ 桜鯛 201701
潮の香のリボンに残る夏帽子 森川絢子 京鹿子 201701
夏帽子席に残して甲板へ 植木やす子 201701
恐竜の骨仰ぎゐる夏帽子 岩田公次 ホトトギス 201702
化石掘りしてゐる子らの夏帽子 秋月祐一 船団 201702
夏帽子いま鍵かけて出るところ 中川句寿夫 ここのもん 201705
洗濯へ放り込みたる夏帽子 中川句寿夫 ここのもん 201705
似合はぬというてをられぬ夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201706
大仏を囲む黄色い夏帽子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
古民家の框に忘る夏帽子 奥田茶々 風土 201708
利かぬ気の旋毛は二つ夏帽子 岩下芳子 201708
新調の早くも失せし夏帽子 石田きよし 201708
棘のある魚釣り上げぬ夏帽子 山本右近 万象 201708
わしづかみしたる別れの夏帽子 笹村政子 六花 201708
じぐざぐに登山道行く夏帽子 山田天 雨月 201708
飛び石の亀の浮遊や夏帽子 鈴鹿呂仁 京鹿子 201709
ハスカップ摘んでは噛んで夏帽子 内海良太 万象 201709
戒壇の闇にまさぐる夏帽子 原田しずえ 万象 201709
ウィンドーにこつと鍔の音夏帽子 秋葉雅治 201709
展帆や帆桁に揃ふ夏帽子 石黒興平 末黒野 201709
先づ忘る高原駅へ夏帽子 数長藤代 201709
水郷に老いゆく人の夏帽子 下平しづ子 雨月 201709
夏休み顎に伸びたる帽子紐 大川ゆかり 201710
花文字のイニシャル飾る夏帽子 高田令子 201710
夏帽子雲が雲呼ぶ橅峠 成田美代 201710
夏帽子心はすでに汽車に乗る 山田暢子 風土 201710
九十九里飛ばされ癖の夏帽子 内海良太 万象 201710
銀ぶらやあみだかぶりの夏帽子 中谷未知 末黒野 201710
水玉のリボンに替へて夏帽子 峰幸子 末黒野 201710
助手席に買つたばかりの夏帽子 湖東紀子 ホトトギス 201711
少年に海の匂ひの夏帽子 尾崎みつ子 雨月 201711
太陽に逆ひかぶる夏帽子 荻巣純子 雨月 201711
朝練をそつと見守る夏帽子 石塚清文 やぶれ傘 201710
大伯母の夏帽子ふわっ風おこす 中井保江 船団 201805
丸三角四角ピカソの夏帽子 雨村敏子 201807
風吹けば押さへ抑へて夏帽子 松村光典 やぶれ傘 201807
夏帽子足元よりの照り返し 石森理和 あを 201807
歌舞伎座の歌舞伎稲荷に夏帽子 杉本薬王子 風土 201808
銀ぶらの野暮なリュックと夏帽子 奥田茶々 風土 201808
水脈を蹴り船笛交はす夏帽子 山本雅子 馬醉木 201808
夏帽子弾める声の行方かな 横山さくら 春燈 201808
夏帽子小さき夏帽引き連れて 林昭太郎 201808
ちぢれ毛のはりついてゐる夏帽子 あさなが捷 201808
出航の舳先に立ちて夏帽子 森岡正作 201809
夏帽子軽く抑へてダム覗く 石谷淳子 雨月 201809
夏帽子メタセコイアを仰ぎけり 赤岡茂子 春燈 201809
喪の家や鴨居に遺る夏帽子 荒井ハルエ 春燈 201809
鼻と口だけの人間夏帽子 林田麻裕 201809
夏帽子遊び心を自分流 いろは 201809
夏帽子君を永久欠番に 井上菜摘子 京鹿子 201810
夏帽子飛んで踏切音が鳴る 倉澤節子 六花 201810
夏帽子掛けしままなり夫の留守 平田きみこ 風土 201810
合鍵が合わず会えずに夏帽子 やのかよこ 船団 201811
夏帽子片方だけのイヤリング つじあきこ 船団 201811
山荘にたどりつきたる夏帽子 今橋眞理子 ホトトギス 201811
あんなことこんなことあり夏帽子 内田梢 末黒野 201904
夏帽子の夫老ひぬその影までも 工藤はる子 201904
夏帽子いつもの彼女とは違ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201906
年取りしことを忘れて夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201906
パスポート切れて残りし夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201906
両の手で位置確かむる夏帽子 横山さくら 春燈 201907
ちよこちよこと園児の列の夏帽子 野村宏 201908
特産物の試食の列や夏帽子 前田美恵子 201908
夏帽子とりて拝せる先師句碑 宮内とし子 201908
道化師の地べたに置ける夏帽子 宮内とし子 201908
目に海を孕んでゐたる夏帽子 小林陽子 201908
夏帽子齢五つ程若くみる 水野恒彦 201909
快晴に指名手配の夏帽子 日置游魚 201909
夏帽子長蛇の列の最後尾 酒井たかお 201909
亡き父の部屋の主なり夏帽子 小形博子 201909
渦に縫ふ麦稈真田夏帽子 磯野青之里 六花 201909
大雨を避けむと夏帽子を被り 大橋晄 雨月 201909
夏帽子小脇に拝す歓喜天 野田光江 雨月 201909
夏帽子拾いてよりのお付き合い 大日向幸江 あを 201909
怒ってばかり前頭葉に夏帽子 津田このみ 船団 201910
笑顔笑顔くつ底みせて夏帽子 つじあきこ 船団 201910
マスクしてサングラスして夏帽子 丑久保勲 やぶれ傘 201910
モナリザにゴッホに触るる夏帽子 笹村ルル 201910
もの思ふ足取りで来る夏帽子 能村研三 201910
太陽はみんなにひとつ夏帽子 宮坂秋湖 201910
話さねばわからぬお国夏帽子 小島須磨子 京鹿子 201910
無印のベトナム製の夏帽子 丑久保勲 やぶれ傘 201911
ブナ林をハイカーたちの夏帽子 山本久枝 やぶれ傘 201912
人生をぷらぷら歩く夏帽子 火箱ひろ 船団 201912
夏帽子買ふにも妻のゐなければ 木村享史 ホトトギス 202001
終電の膝にたたまれ夏帽子 政時英華 京鹿子 202001
夏帽子とればいつもの彼女かな 稲畑汀子 ホトトギス 202006
横見して遊歩道来る夏帽子 湯本実 やぶれ傘 202007
夏帽子ゆるく畳んで旅支度 植木やす子 202009
追ひ越して颯爽と行く夏帽子 卜部黎子 春燈 202009
 

句友・甲斐さん逝去

高槻へ帰る薄暮の夏帽子

火箱ひろ 202009
次々に母の夏帽かぶる姉妹 千葉禮子 202009
在りし日の兄の見立ての夏帽子 笹村政子 六花 202009
追ひかけて母に被せる夏帽子 中村洋子 風土 202009
イーゼルを組む夏帽の広き鍔 長岡千波 202009
沖の帆へ眼遊ばせ夏帽子 大川暉美 末黒野 202009
バスを待つ八十路の人の夏帽子 箕田健夫 やぶれ傘 202009
大切な歩ける元気夏帽子 大室恵美子 春燈 202009
夏帽子ちよつとガルボに似せてみせ 金山雅江 春燈 202009
夏帽子羽根あるように弾みたる 小澤えみ子 202009
ほっとして脱ぐ夏帽子再会す 犬飼典子 京鹿子 202010
夏帽子リボンで見分け双子かな 中村洋子 風土 202010
老いてなほ気力みなぎる夏帽子 松山ひとし ホトトギス 202011
夏帽子湾処の濁り草のいろ 植木戴子 202011
浜風やボサノヴァ似合ふ夏帽子 田中信行 202011
滑舌の良き御喋りや夏帽子 浜小長谷紘 末黒野 202011
夏帽子被り膨らむ旅心 岡美智子 末黒野 202104
忘れまじドナウの旅路夏帽子 坂本和穂 やぶれ傘 202108
ラジオ体操まづはお辞儀の夏帽子 石田静 202108
夏帽子惚れやすき性また風に 菊池和子 京鹿子 202108
褪せぬ夢八十路を紡ぐ夏帽子 長尾タイ 末黒野 202108
降りしきる谷戸の鳥語や夏帽子 市川夏子 末黒野 202108
鎖場へ挑んでゐたる夏帽子 兵藤惠 202109
身のこなし軽やかにして夏帽子 牛島晃江 202109
桟橋や手を振る母子の夏帽子 松川昌義 末黒野 202109
夏帽子 →8

 

2022年7月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。