冬帽子 1    100句

癆咳の顔美しや冬帽子  芥川龍之介  澄江堂句集

夏帽子 冬帽子  パナマ帽  麦稈帽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
晩年の冬帽と思ひ購ひぬ 能村登四郎 199812
冬帽を目深にしては鬱かくす 品川鈴子 ぐろっけ 199812
冬帽や考は中古のボルサリノ 林翔 199901
きのふ撃ちし羽根つけてゐる冬帽子 林菊枝 199901
坂を行く鎌倉夫人冬帽子 水原春郎 馬醉木 199902
冬帽のトレードマークのまま逝けり 小菅暢子 199902
ほやほやの悲しみである冬帽子 中原忽湖 船団 199903
冬帽買ひ旅の先々見えがくれ 能村登四郎 芒種 199911
石庭を出ても黙して冬帽子 櫨木優子 199912
見覚えの冬帽もまた遺品なり 大橋敦子 雨月 199912
その昔女番長冬帽子 津田このみ 月ひとしずく 199912
俺よりも長持ちしさうな冬帽子 河口仁志 200001
福耳と云ふも隠して冬帽子 辻井桂子 俳句通信 200001
百体の地蔵に百の冬帽子 田中英子 火星 200002
久に被る弔問の冬帽子かな 田中としを 雨月 200002
断崖の最先端の冬帽子 小澤克己 遠嶺 200002
落日を追ひかけてゆく冬帽子 田中藤穂 水瓶座 200002
拝領の大先輩の冬帽子 田中藤穂 水瓶座 200002
冬帽子とり禅門をあふぎけり 阿波谷和子 俳句通信 200002
地をさらふ鑑識官の冬帽子 石田静 200003
娘は親となりても女冬帽子 鶴目鯛遊子 六花 200003
ミレニアム手がた着きたる冬帽子 水野北迷 200003
肥くみの刀疵ある冬帽子 本橋怜加 冬牡丹 200003
冬帽の女かわせみ見つけしと 當麻幸子 雲の峰 200003
ジャンジャン横丁小店に販ぐ冬帽子 仲尾弥栄子 雲の峰 200003
冬帽は目深身の程弁えて 立岩利夫 海程 200004
寛容をやうやく覚え冬帽子 山口速 200005
冬帽の人との別れ鍔に手を 仲村菜花 200005
冬帽子被り慣れたる方破る 二瓶洋子 六花 200005
城を背に冬帽の馭者憩ひけり 吉村玲子 円虹 200006
冬帽子鉄の頭を隠しけり 柿原からす 船団 200009
冬帽やゑくぼのできる方が姉 松崎幹 200101
禁煙の指のせかせか冬帽子 後藤志づ あを 200101
船影の育ちてをりぬ冬帽子 島貫アキ子 銀化 200101
純白のギリシャ船より冬帽子 石橋翠 いろり 200101
冬帽のやはらかなるを鷲掴み 鷹羽狩行 200102
マネキンの目深にかぶる冬帽子 水上れんげ 200102
冬帽を脱ぎてこころの重み減る 能村登四郎 200102
波音を聞きたく被る冬帽子 桶谷康子 200102
存すごと虚子先生の冬帽子 立石萌木 雨月 200102
冬帽子かむれば姉に似てをりぬ 松沢久子 いろり 200102
旅人となりて冬帽目深にす 宮原秋生 俳句通信 200102
天頂に青の極まり冬帽子 前田祐治 200103
姿見を抜けて真白き冬帽子 環順子 遠嶺 200103
いつも居るところを好む冬帽子 村越化石 200103
漁師らの毛玉浮き立つ冬帽子 栗山みどり 200103
叱られて強くなりたる冬帽子 鶴目鯛遊子 六花 200103
塗師町のどの背も父や冬帽子 鈴木まゆ 馬醉木 200104
逢ふ時はトレードマークの冬帽子 泉田秋硯 200104
冬帽子被る詩人のこころかな 和田あきを 風土 200104
シャンソンを歌ふ紳士の冬帽子 笠原フミ 酸漿 200105
脱ぐ仕種のみのお辞儀の冬帽子 世古幸久 200106
冬のバス減便と知り深帽子 岡野峯代 ぐろっけ 200107
さりげなく会釈してゆく冬帽子 秋山深雪 船団 200108
見えぬ戸を立てて歩めり冬帽子 しおやきみこ 船団 200108
小さき羽付けあり老の冬帽子 能村登四郎 羽化 200110
冬帽子吾とも老を同じうす 能村登四郎 羽化 200110
幾山河旅経て来たる冬帽子 能村登四郎 羽化 200110
冬帽と冬帽の話道の端 中野辰子 いろり 200112
冬帽子似合ひて遺影プロフィール 赤座典子 あを 200112
日の窺く虫喰穴ぞ冬帽子 森川喜美子 銀化 200201
判決が不服冬帽鷲掴み 木場田秀俊 200201
冬帽をかぶり直してバスを待つ 久保恵子 200202
小鳥屋の爺早起きの冬帽子 徳田千鶴子 馬醉木 200202
冬帽の中のマィクロチップかな 高橋将夫 200202
手品するやうにひろげて冬帽子 山田暢子 風土 200202
冬帽子手放し難しわが齢 保田英太郎 風土 200202
海猫群るる島見渡せり冬帽子 岡田房子 酸漿 200202
荷風かと街に冬帽紛れけり 和氣康之 200202
冬帽子聞かずにすますこと殖やし 富川明子 200202
ぽんぽんと叩いて被る冬帽子 石城幸子 百鳥 200202
声太き漁師の叔父の冬帽子 武田眞砂 百鳥 200202
まんまるな赤子のつむり冬帽子 間瀬淑子 春耕 200202
冬帽子丸々と着て星を見る 林田加杜子 いろり 200202
嬉しさにたたけばへこむ冬帽子 侭田伊都希 いろり 200202
コサックの如く目深に冬帽子 栢森定男 あを 200202
無位無冠通せしひとの冬帽子 北川孝子 京鹿子 200202
捨てられず色とりどりの冬帽子 河合笑子 あを 200202
浜松町小便小僧冬帽子 篠田純子 あを 200202
利かぬ気の肩を隠して冬帽子 辻雅子 ぐろっけ 200202
校門に待つ兄弟の冬帽子 山本耀子 火星 200203
童顔のふかぶかとある冬帽子 田崎凛 春耕 200203
冬帽子かぶり直せり星降る夜 公山礼子 200203
秩父から乗る一団の冬帽子 青山丈 200203
冬帽や運河越ゆれば中華街 山田美保 200203
磔像の悲しみに脱ぐ冬帽子 荒井千佐代 系図 200203
人こばむごとく目深に冬帽子 荒川香代 200204
横顔に愁ひをちらと冬帽子 荒川香代 200204
眉までも冬帽冠り妥協せず 毛塚静枝 200204
案内の宮司にぬぎし冬帽子 小浦遊月 酸漿 200204
恋捨てし牧夫目深に冬帽子 田中俊尾 馬醉木 200205
紋別の人と別るる冬帽子 伊藤宇太子 200205
冬帽子蔵王の嶺をつひに見ず 夏目満子 酸漿 200205
冬帽子押さえて陸橋急ぎ足 栗栖八重子 ぐろっけ 200205
冬帽置く部屋いまだ父居るごとし 楠木薫子 200208
朋よりはすこし近しき冬帽子 斉藤由美子 ぐろっけ 200211
一点のたばこ火の上冬帽子 鷹羽狩行 200212
遠ざかるばかりまさらな冬帽子 田村すゝむ 風土 200301
冬帽子羊の群れに紛れけり 大串章 百鳥 200301
遠くへはもう出たがらぬ冬帽子 松島不二夫 200302
冬帽子 →2      

 

2020年12月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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