夏帽子 6      200句

ふるさとに来て夏帽を真深にす   比田井美都江   しなの

夏帽子 冬帽子  パナマ帽  麦稈帽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
玻璃越しの鮫の一瞥夏帽子 藤見佳楠子 201007
妻呼べば薔薇の中より夏帽子 潮田博久 風土 201007
夏帽子勇み出かける峰句会 松嶋一洋 201007
言葉はや届かねば振る夏帽子 岡佳代子 201009
朱雀門にしばし止まる夏帽子 笠井清佑 201009
母と子の紙風船や夏帽子 藤本秀機 201009
大極殿に仰ぐ天井絵夏帽子 笠井清佑 201009
子のたより遠き日の我夏帽子 伊吹之博 京鹿子 201008
震災の墓碑に佇む夏帽子 小原登志春 雨月 201008
夏帽を手に納骨の読経聴く 中原敏雄 雨月 201008
村内の缶ひろひ日よ夏帽子 井関祥子 酸奬 201008
洗はれて吊されてをり夏帽子 岡佳代子 201009
夏帽子元気な子らのプチ学舎 増田一代 201009
子の発ちて声残しゆく夏帽子 鴨下昭 201009
夏帽子黒を選んでよしとする 池田光子 201009
夏帽子潮来に遊び雨に遭ふ 岡野ひろ子 201009
赤シャツはパワーファッション夏帽子 白髭美佐子 201009
「さよなら」と言ひつつ被る夏帽子 西面和子 201009
かくれたき日よ鍔広の夏帽子 栗原公子 201009
旅鞄その上に乗る夏帽子 中村洋子 風土 201009
夏帽子色褪せるまで遊びたる 小林朱夏 201009
スカートを汽車に煽らる夏帽子 出口誠 六花 201009
子の背丈親を凌げり夏帽子 大山妙子 酸奬 201009
夏帽子脱いで川風もらひけり 大島みよし 201010
夏帽の庇を上げて礼とせし 泉田秋硯 201010
手を振るは黒のコサージュ夏帽子 西村純代 201010
仰ぎ見るポプラ並木や夏帽子 前原マチ 末黒野 201010
母の針箱亡き父の夏帽子 高橋将夫 201010
さつそうと歩く少女の夏帽子 中道愛子 201010
手相見に深々被る夏帽子 荒木甫 201010
夏帽子父晩年の盆の窪 相良牧人 201010
癒えたれば青に変へたり夏帽子 大坪景章 万象 201010
変声期過ぎ夏帽にま白き歯 伊藤希眸 京鹿子 201010
橋立や浜辺に多き夏帽子 冨田君代 酸奬 201010
夏帽やまばゆくてみな遠き景 田所節子 201011
夏帽子白き磧へ不時着す 安藤久美子 やぶれ傘 201011
名画座の椅子に置かれて夏帽子 高木光子 201012
いづかたへ青春の日の夏帽子 辻本俊子 京鹿子 201101
夏帽子ゆびきりげんまん知り初めし 丸山照子 火星 201102
夏帽を振りて帰らぬ旅となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
夏帽子遺されてゐる書斎かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
夏帽の吉里吉里人を励ませり 能村研三 201106
夏帽子今日一日を日本橋 須賀敏子 あを 201107
夏帽子棒の麩菓子を土産とす 榎本ふじえ 風土 201108
野毛坂の思ひそれぞれ夏帽子 和田政子 201108
貴婦人を粧うてみる夏帽子 大村美知子 京鹿子 201108
うきうきと施錠たしかむ夏帽子 永塚尚代 ぐろっけ 201108
夏帽を目深にをみな足を組む 石田きよし 201108
どこへでも行きたがり屋の夏帽子 松岡和子 201109
俤や鶴来師粋な夏帽子 茂木なつ 春燈 201109
登校時手を振る吾子や夏帽子 伊吹之博 京鹿子 201109
兄弟げんかされど揃ひの夏帽子 安田一郎 京鹿子 201109
大き目は貌小さく見ゆ夏帽子 安田一郎 京鹿子 201109
入れ替はり鏡に写す夏帽子 加藤八重子 末黒野 201109
妻誰に逢ふ鍔広の夏帽子 森岡正作 201109
シャーロックホームズばりの夏帽子 瀬川公馨 201109
鉢巻に負けじと走る夏帽子 林哲夫 ぐろっけ 201109
いいとこの子等らし対の夏帽子 松本善一 やぶれ傘 201109
二度三度遠き会釈の夏帽子 伊藤憲子 201110
夏帽に黒きマニキュア顔見せず 坂上香菜 201110
草原をぬふ釣竿と夏帽子 岡本まち子 馬醉木 201110
チョコレートのメダル買ひ込む夏帽子 門伝史会 風土 201110
よく笑ふ旅のみちづれ夏帽子 高村令子 風土 201110
両足を揃へて座る夏帽子 高田令子 201110
夫の香の疾うにうすれし夏帽子 安武晨子 201110
外人と間違へられし夏帽子 細川知子 ぐろっけ 201110
夏帽のリボンに滲む潮かな 加藤みき 201110
夏帽子くらげの海を覗きゐる 大東由美子 火星 201110
雨情の碑読み上げてゐる夏帽子 安藤久美子 やぶれ傘 201110
風に乘る百のかもめや夏帽子 佐々木紗知 京鹿子 201110
草野球の応援母の夏帽子 田所洋子 雨月 201110
境内に思ひおもひの夏帽子 田所洋子 雨月 201110
格子館夏帽の子をコマ送り 中井登喜子 201111
唯一の空席にあり夏帽子 淺場英彦 万象 201111
故里の風で飛びたき夏帽子 松田都青 京鹿子 201111
夏帽の潰るるもよし洗ひけり 土井三乙 風土 201111
大所高所に縁なき夏帽かぶりけり 鷹崎由未子 花野 201112
夏帽子大きく振りて去る娘かな 久永つう 瀬戸の海 201203
二歳児の知恵の日毎に夏帽子 加藤八重子 末黒野 201204
夏帽子海にとばしてイルカまで 鶴濱節子 始祖鳥 201206
夏帽を振つて応へてくれしかな 近藤牧男 六月 201206
遠き日に会ふ夏帽子かぶりけり 近藤牧男 六月 201206
金閣を背に逆光の夏帽子 鈴木照子 201207
母見舞ふ親子連れなる夏帽子 前川ユキ子 201208
夏帽の遺伝子は魚海へ飛ぶ 阪本哲弘 201208
弓なりに見る天井絵夏帽子 古川千鶴 かさね 201208
三原山砂漠を渡る夏帽子 菅原孟 かさね 201208
淡島さまへ針を持たざる夏帽子 大森春子 201208
夏帽子ハイジの駆ける野の欲しき 甲州千草 201208
夏帽子選ぶ鏡をゆづり合ひ 卜部黎子 春燈 201208
連られ買ひして似合はない夏帽子 折橋綾子 201208
嬰見せに来し夏帽の鍔大き 佐藤山人 201208
曠望のたうげ手製の夏帽子 成田美代 201208
夏帽子人それぞれの翼かな 安田優歌 京鹿子 201208
夏帽子目深に犬をつれ散歩 松林順子 雨月 201208
挨拶は破顔一笑夏帽子 牧田澄子 雨月 201208
反骨の大正生れの夏帽子 水谷靖 雨月 201208
イスラムを辿る宮殿夏帽子 松田和子 201209
夏帽子追想遠きものばかり 松岡和子 201209
また来てと目が請ふ母の夏帽子 和田郁子 粥の味 201209
惜しきもの去年に失くせし夏帽子 松本周一 かさね 201209
現役の八十路の夫の夏帽子 柴田久子 風土 201209
妃殿下の平らな鍔の夏帽子 中村洋子 風土 201209
夏帽子聖母のやうに嬰抱く 中村洋子 風土 201209
傘をもつモネの女の夏帽子 橋添やよひ 風土 201209
夏帽子脱ぎて座席を譲らるる 根岸善行 風土 201209
夏帽子街探検の列となり 福島松子 ぐろっけ 201209
手放せずゐて三年目の夏帽子 古林田鶴子 ぐろっけ 201209
亀を見にペットショップヘ夏帽子 飯塚ゑ子 火星 201209
ファッションを気にする男夏帽子 坂上香菜 201210
授業なる町の探険夏帽子 鈴木照子 201210
夏帽子そちらへ行くと遠まはり 今井千鶴子 ホトトギス 201210
ベネチアの耳飾り映ゆ夏帽子 清水量子 201210
海へ行く子の大輪の夏帽子 望月晴美 201210
にこにこと編む夏帽子いびつなり 竹中一花 201210
横顔が殊に父似よ夏帽子 高野春子 京鹿子 201210
詰められぬ眩しき距離を夏帽子 林昭太郎 あまねく 201210
夏帽の夫に従ふ吾となり 和田政子 201210
昨日より元氣に歩き夏帽子 齋藤厚子 201210
山頂の駅に降り立つ夏帽子 廣瀬雅男 やぶれ傘 201210
夏帽子おさへて渡る河童橋 臼村喜久代 万象 201210
天険の笠置を目指す夏帽子 藤田かもめ ぐろっけ 201211
夏帽子半分隠れて佳人めく 松本アイ ぐろっけ 201211
七銭の通学電車夏帽子 酒井秀郎 返り花 201211
風立ちぬつば傾くる夏帽子 辻井ミナミ 末黒野 201211
あか茶けた父の形見の夏帽子 石脇みはる 201211
夏帽子忘れし店のレジー台 水野弘 ぐろっけ 201212
夏帽を残して何も言はず逝きし 野沢しの武 風土 201304
夏帽子かぶりてみては旅仕度 稲畑汀子 ホトトギス 201305
さういへば夏帽被つたことない 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306
夏帽子かぶり直して出て行きぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201307
夏帽子昨日も飛ばしてたんちやふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
紫外線の予報早ばや夏帽子 渡部法子 201307
団子屋に課外授業の夏帽子 赤座典子 あを 201307
夏帽の形を正して出てゆけり きくちきみえ やぶれ傘 201309
ほつとふつと夏帽浅く湯の里を 菅野雅生 ろんど 201309
潮の香をゆたかに集め夏帽子 すずき巴里 ろんど 201309
夏帽子陰を求めて右左 溝渕弘志 六花 201309
さいなむがごとく目深に夏帽子 塩路隆子 201310
夏帽子風を掬ひて遠き声 福永尚子 ろんど 201310
下駄箱の上鍔広の夏帽子 松本周二 かさね 201310
友現はるる花びらの夏帽子 高田令子 201310
四文字で足りる別れの夏帽子 田村すゝむ 風土 201310
夏帽子会ふも別れも握手して 田村すゝむ 風土 201310
まだここに掛けおく夫の夏帽子 栗原公子 201310
かぶりたき水木洋子の夏帽子 平城靜代 201310
小さき足山頂目指す夏帽子 安田一郎 京鹿子 201310
朝日浴び稜線見上ぐ夏帽子 安田一郎 京鹿子 201310
夏帽子脱いで頭の湯気払ふ 志方章子 六花 201310
夏帽子深くかぶりて百度踏む 向江醇子 ぐろっけ 201310
山荘に遺れる父の夏帽子 長山あや ホトトギス 201311
恐竜たちと対話してゐる夏帽子 安田一郎 京鹿子 201311
思ひつきり夏帽振りて別れけり 石井秀一 風土 201311
夏帽子押さヘリフトを乗り継げり 来海雅子 201311
夏帽子横浜巡る赤いバス 市橋香 ぐろっけ 201311
イーゼルに夏帽子掛け一人ゐる 内藤京子 ぐろっけ 201311
夏帽子一寸あみだにしてかぶり 副島いみ子 ホトトギス 201312
掛け並ぶみな真つ白の夏帽 副島いみ子 ホトトギス 201312
夏帽子だけ見えてゐる園児バス 白水良子 201312
網棚に誰が忘れしか夏帽子 泉一九 やぶれ傘 201312
被写体に風も一役夏帽子 貝路紅沙 京鹿子 201401
足摺の風に奪はれ夏帽子 坂根宏子 野山の道 201404
どうしてもかぶりこなせぬ夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201407
鞄より出してくしやくしや夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201407
又忘れ置かれし彼の夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201407
似合はぬと知つてかぶりて夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201407
夏帽子馬も被つてをりにけり 溝渕弘志 六花 201407
今日よりはとやかく言はず夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201407
ベンガラや淡きピンクの夏帽子 松田和子 201407
ペンギンと同じ高さの夏帽子 秋千晴 201407
船の旅飛ばされさうな夏帽子 犬塚芳子 201408
長女は長女に育つ夏帽子 火箱ひろ 201409
長寿課に書類提出夏帽子 能勢栄子 201409
振り向けばまだ佇つてをり夏帽子 松本三千夫 末黒野 201409
十歳を返す色香や夏帽子 高橋泰子 201409
夏帽子顔半分に影つけて 秋千晴 201409
歩かねば老いるばかりぞ夏帽子 早崎泰江 あを 201409
夏帽子風に捕られて夕河原 山田暢子 風土 201409
夏帽子脱げば浜辺の影縮む 秋千晴 201409
夏帽子少女のやうなお母さん 赤座典子 あを 201409
飛ばされて踏まれてうれし夏帽子 澤田美佐子 201409
大公孫樹並び見上ぐる夏帽子 紅谷芙美江 万象 201410
きつぱりとてつぺん凹む夏帽子 風間史子 201410
序破急の急の齢よ夏帽子 荒井吉一 末黒野 201410
すれ違ふ少女の八重歯夏帽子 深川敏子 春燈 201410
写真屋の入口に立つ夏帽子 涼野海音 火星 201410
夏帽子とれしリボンの跡のあり 佐津のぼる 六花 201410
別れしな母矍鑠と夏帽子 斉藤裕子 あを 201410
夏帽子買うて膨らむ旅心 西川みほ 末黒野 201410
夏帽子みどり児背負ひ立読みす 生井慶子 万象 201410
透くやうな肌の少女の夏帽子 梅村すみを 201410
牧水の歌碑を目で読む夏帽子 大川暉美 末黒野 201411
乱れなき机上の端に夏帽子 岡野ひろ子 201411
夏帽子押さへ観潮船に乗る 杉浦典子 火星 201411
玄関に二つ置かれし夏帽子 今井充子 201411
豹柄のおばちやん赤き夏帽子 福島せいぎ 万象 201411
ゆつくりと海石暮れゆく夏帽子 岸上道也 京鹿子 201411
ローマに飛ぶボルサリーノの夏帽子 井上曜子 201412
つと寄りて莨あきなふ夏帽子 佐渡谷秀一 対座 201505
夏帽子太古の水に沈みをり 佐渡谷秀一 対座 201505
夏帽子 →7      

 

2021年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。