夏帽子 4     100句

子にはぐれ夏帽の父歩きだす    宇多喜代子

夏帽子 冬帽子  パナマ帽  麦稈帽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏帽子身心浄め立つ舞台 小澤克己 遠嶺 200509
夏帽を目深に日暮来てゐたり 瀧澤白絣 遠嶺 200509
不敵なる面に似合うて夏帽子 荒川清司 遠嶺 200509
乳母車母子揃ひの夏帽子 浜和佳子 百鳥 200509
夏帽子途中下車して野にまかす 豊田都峰 京鹿子 200509
友誘ひこれと定めし夏帽子 宮越千代子 築港 200509
二階より夏帽を振る別れかな 早水秀久 河鹿 200510
つば広き夏帽のまま遠会釈 早水秀久 河鹿 200510
夏帽子忘れし電車遠ざかる 新井泰子 馬醉木 200510
夏帽を何処に掛けようかと思ふ 木村淳一郎 ホトトギス 200510
夏帽子脱ぎ本当の歳になる 関喜久子 200510
勝手知るガス検針の夏帽子 廣畑忠明 火星 200510
高嶺への夢の途中や夏帽子 与川やよい 遠嶺 200510
今を生き今を楽しみ夏帽子 永田歌子 遠嶺 200510
カルメンの投花の似あふ夏帽子 吉澤利治 遠嶺 200510
街路樹やきはだつ娘等の夏帽子 松本静江 遠嶺 200510
語り部の老いて矍鑠夏帽子 柿澤喜三郎 百鳥 200510
買ひ替へて同じかたちの夏帽子 大塚まや 京鹿子 200510
鍔広の某宮様の夏帽子 堀井英子 雨月 200510
用途別いくつもそろふ夏帽子 平居澪子 六花 200510
すれ違ふ老人見合ふ夏帽子 塩田博久 風土 200510
地球博母子の対の夏帽子 長田等 200511
湿原を色さまざまの夏帽子 中道錦子 200511
飛ばされし祖父の夏帽追ふ子かな 橋本幸子 百鳥 200511
夏帽子顎ひもかけて走り出す 苑実耶 200511
夏帽子じぐざぐ進み山に入る 八木紀子 ぐろっけ 200512
運河より見上ぐ中世夏帽子 廣中浩子 ぐろっけ 200512
山頂へ豆粒となる夏帽子 清水和子 酸漿 200603
夏帽子世間を少し遠ざけて 稲畑汀子 ホトトギス 200606
夏帽子白きは父の無きごとし 吉村たけを 海市蝶 200606
橅林夏帽吸はれゆく迅さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
夏帽子雨にもかぶり出て行かれ 稲畑汀子 ホトトギス 200607
監視カメラの捕ふ歌人の夏帽子 能村研三 200607
椅子あれば座つても見し夏帽子 堀内一郎 あを 200607
夏帽の大輪を置くカフェの椅子 塩路隆子 200608
夏帽子かぶりてよりの気勢なり 望月晴美 200608
夏帽子かぶり直して大手門 久米憲子 春燈 200608
病む母のシルバーカーや夏帽子 尾崎貞 春燈 200608
をみなごの手より離れし夏帽子 佐野静子 遠嶺 200608
夏帽子草原に画布並びたる 樋口みのぶ 200608
地下鉄のさてどこへ出る夏帽子 樋田軻人 四葩 200608
テーブルの向う過ぎたる夏帽子 助口弘子 火星 200608
山車を曳く子に付き添へり夏帽子 木村茂登子 あを 200608
自販機の銀座になくて夏帽子 斉藤裕子 あを 200608
マキシムで夏帽選ぶ旅用意 山崎泰世 200609
颯爽と世へ突き進む夏帽子 伊藤伴子 四葩 200609
夏帽子買つて妻へは香を買ふ 神蔵器 風土 200609
夏帽子足裏の砂を波がひく 浅田光代 風土 200609
夏帽子岬にひとりバスを降り 森田節子 風土 200609

 祝・環順子『夢帽子』

順風に夢の航路を夏帽子

小澤克己 遠嶺 200609
夏帽の列いつせいに富士仰ぐ 清水明子 遠嶺 200609
メルヘンの丘に佇む夏帽子 平田裕子 遠嶺 200609
開港のロビー華やぐ夏帽子 荒木治代 ぐろっけ 200609
臍出して闊歩の乙女夏帽子 山口博通 ぐろっけ 200609
英語力つけし少女や夏帽子 田中章子 酸漿 200609
夏帽を目深にいゆく火口原 西村しげ子 雨月 200609
大いなる海よ空よと夏帽子 中田みなみ 200609
口髭がやつと濃くなり夏帽子 三井孝子 六花 200609
雨といふ降れば止むもの夏帽子 野路斉子 200609
オペラハウスへさようなら夏帽子 堀内一郎 あを 200609
風が出て少し深めに夏帽子 渡辺康男 200610
団子虫掌にのせ遊ぶ夏帽子 島田麻子 万象 200610
ひねもすを歩く心算の夏帽子 鈴木石花 風土 200610
夏帽を膝にからくり見てゐたり 舛田初惠 酸漿 200610
逸る子を待たせかぶせる夏帽子 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200610
姉妹はた母娘夏帽子 山下青坡 200611
桟橋の端で吹かれて夏帽子 ホボーム希子 200611
焦げ臭きかな膝に置く夏帽子 田村園子 200611
お下がりと思へぬ程の夏帽子 小阪喜美子 遠嶺 200612
快晴の朝夏帽子買ふホテル 稲畑汀子 ホトトギス 200705
夏帽に恋の予感を見てをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
夏帽子かぶりたるより旅心 稲畑汀子 ホトトギス 200706
雨予報旅に用意の夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 200706
似合ひても似合はなくとも夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 200706
旅に買ひそれから旅の夏帽子 稲畑汀子 ホトトギス 200706
おふくろと呼ぶ髭面の夏帽子 中島玉五郎 200707
夏帽子弾かぬピアノの上に置く 池田光子 200708
夏帽子自給自足の畑に佇つ 岡野ひろ子 200708
はらわたにひびく海鳴り夏帽子 出来由子 200708
根回しする植木屋の夏帽子 高久清美 200708
夏帽子順番待ちの足湯かな 藤井佐和子 200708
段畑のうねりの中の夏帽子 大西洵子 遠嶺 200708
墨堤や荷風好みの夏帽子 釜田敬司 遠嶺 200708
マネキンの斜め被りの夏帽子 森山暁湖 万象 200708
夏帽子深くかぶりて運河行く 須貝恵子 万象 200708
夏帽子買うてかむりて行く当てなし 小林清之介 風土 200708
夏帽や正午を告ぐる大時計 水原春郎 馬醉木 200708
鯨雲見てゐる子等の夏帽子 黒澤登美枝 200709
老いてなほ華やぎのほし夏帽子 土屋酔月 火星 200709
夏帽子早起きの妻一仕事 伊吹之博 京鹿子 200709
夏帽子ニックネームは皇后さま 小野玲子 200709
マニキュアに星ちりばめて夏帽子 野口光江 遠嶺 200709
藍工房に求めて馴染む夏帽子 佐藤ふみ子 200709
夏帽子ザックに入れて赤道へ 山本喜朗 雨月 200709
似合ふかと照れつつ問へる夏帽子 久永つう 六花 200709
野辺歩き遠き会釈の夏帽子 鎌倉喜久恵 あを 200709
振り返ることなく別れ夏帽子 城台洋子 馬醉木 200709
奔放に生きて悔なし夏帽子 水野恒彦 200710
一本のポプラ見てゆく夏帽子 竹内悦子 200710
一日過ぐ夏帽のまま眠りし子 瀬下るか 200710
夏帽子 →5      

 

2021年7月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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