木 槿 2    99句

手をかけて折らで過行く木槿かな   杉風 猿蓑

木槿  白木槿 花木槿 底紅 むくげ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木槿咲く床屋のとなり洗濯屋 國保八江 やぶれ傘 201502
借景の三浦富士晴れ木槿垣 松本三千夫 末黒野 201511
木槿咲き国旗二つの壽官邸 能勢俊子 馬醉木 201512
駅前に黄色い木槿牛の骨 竹内悦子 201512
隣よりみどり児の声夕木槿 小川玉泉 末黒野 201512
木槿咲く垣根へだてて子の住める 日下徳一 ホトトギス 201602
木槿咲けば韓国国花と思ひけり 安永圭子 風土 201608
木槿落つ地下水脈と響きあひ 辻美奈子 201611
夕暮や花畳みゐる八重木槿 蒲田豊彦 雨月 201611
青き空むらさき淡き木槿かな 山口千代子 万象 201611
紅木槿ひと日の色を咲ききつて 堺昌子 末黒野 201612
翁きて木槿の下を掃きにけり 雨村敏子 201701
木槿垣部落ごと立つ開拓碑 内海保子 万象 201701
木槿垣ひとつ咲きたる白さかな 堺昌子 末黒野 201702
木槿垣街の喧噪吸ひ込みて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
隣家の軒触れむばかりに木槿咲く 今井妙子 雨月 201709
蒼天に一と日を謳歌する木槿 涌羅由美 ホトトギス 201712
木槿咲く一と日といふがつづきけり 嶋田一歩 ホトトギス 201712
太陽に目立つ木槿となりにけり 嶋田一歩 ホトトギス 201712
散らずして凋む木槿の日々となる 嶋田一歩 ホトトギス 201712
一日を終へたる安堵木槿にも 池田雅かず ホトトギス 201712
一葉落つ御墓の木槿大樹かな 林いづみ 風土 201712
咲きしこと木槿の一日はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201808
木槿垣端より目覚めゆく寺苑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
明日の無き木槿は今日を使ひ切り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
日を畳み風を畳みて木槿落つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
仏心は祷りの容白木槿 鈴鹿仁 京鹿子 201809
女院てふ重き通り名白木槿 鈴鹿呂仁 京鹿子 201810
夕づつや木槿はけふの幸を巻く 塩貝朱千 京鹿子 201810
紅さして今日の始まり花木槿 阪倉孝子 201811
自転車の住職過ぎぬ白木槿 稗田寿明 201811
白木槿ほつほつ韓の廟となり 浅井青二 雨月 201811
山の手をいゆく標の花木槿 浅井青二 雨月 201811
朝咲くも夕べに掃かれ花木槿 足立典子 雨月 201811
あらがはず一日を畳む木槿かな 高木典子 雨月 201811
白木槿朝逝きたる人に咲き 佐藤貞子 雨月 201811
みどり児の笑みも一会や花木槿 北川孝子 京鹿子 201811
木槿垣濁世の風を寄せつけず 山中志津子 京鹿子 201811
晴れときどきひとり木槿の花盛り 井尻妙子 京鹿子 201811
花木槿音の消え去る機の街 西村白杼 京鹿子 201811
調律師全身耳に花木槿 門伝史会 風土 201811
白木槿落ちて深まる庭の闇 石井秀一 風土 201811
木槿咲くここは根の国謎の国 赤松赤彦 六花 201812
別れの傘君からひらく夕木槿 井上菜摘子 京鹿子 201812
白木槿喪明けの髪を切りにけり 岡部名保子 馬醉木 201901
木槿ほと落ちる夕暮れほと揺れる 火箱ひろ 201901
花木槿園の要の色として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
峡の家の隣は遠し木槿咲く 蒲田雅子 雨月 201910
塀越えて木槿高々顔を出す 大橋晄 雨月 201910
歩行者の心安らぐ花木槿 大橋晄 雨月 201910
風の疵はた雨の疵白木槿 松井季湖 201910
馬の高さ人の高さに木槿咲く きくみきみえ やぶれ傘 201910
文芸誌の四コマ漫画木槿咲く 横尾かんな 201910
鴻司木槿に飴色の蝉の殻 谷口摩耶 201910
けふもまた吠えかかる犬白木槿 丑久保勲 やぶれ傘 201911
炉煙舎は詩のふるさと白木槿 戸田澄子 末黒野 201911
木槿垣寺の閼伽桶みな乾き 松本三千夫 末黒野 201911
明日ひらく木槿や紅をふかく秘め 中村紀美子 春燈 201911
白木槿農家の木戸の野菜市 飯塚トシ子 201911
責具みな錆噴く陣屋花木槿 鈴木幾久 馬醉木 201911
シャッターの降りたる店の白木槿 本郷美代子 やぶれ傘 201912
白木槿地蔵の守れる寄せ仏 藤原文代 雨月 201912
吹奏楽洩れ来る校舎木槿垣 野木富貴 雨月 202001
ベレー帽少し斜めに木槿の忌 水沢和世 202001
夕もやにゆつたり閉ぢる白木槿 直江裕子 京鹿子 202001
日本海望める墓地や白木槿 小河原清江 梛の木 202007
木槿咲く人を遠しと思ふとき 中野あぐり 春燈 202008
鉦打つて始まる一と日白木槿 高村令子 風土 202009
花木槿喪服の匂ひ近ぢかと 宮崎紗伎 春燈 202009
花木槿四五人寄れば鬼遊び 小倉征子 202010
良く晴れて風の吹く日の白木槿 廣瀬雅男 やぶれ傘 202010
木槿咲く運送会社駐車場 渡邉孝彦 やぶれ傘 202010
明日よりも今この刻を花木槿 近藤喜子 202011
良き事も悪しきも丸め木槿散る 岩月優美子 202011
花木槿けふに忘るる今日の悔い 菊地光子 202011
七曜もすでにうやむや木槿咲く 小倉征子 202011
つつしみて一と日を畳む白木槿 中村洋子 風土 202011
故郷の埃立つ道花木槿 森高武 風土 202011
花木槿織部の茶室無限なり 江口九星 202011
底深く夜の気を溜め花木槿 小田嶋野笛 末黒野 202012
黒雲や急ぐ家路の白木槿 布施由岐子 末黒野 202012
碧空に古りし社や白木槿 長崎桂子 あを 202012
七曲坂のはじめや花木槿 善野行 六花 202012
喰はれたる木槿を白とおもひけり 藤生不二男 六花 202101
花木槿質屋の蔵の古き壁 小原紀子 末黒野 202102
咲けば散る木槿かなしみ落とすごと 中山惠子 202109
久々に出合ふ知人や木槿咲く 柳田秀子 202110
合流してより神田川木槿咲く 加倉井たけ子 202110
落ちたるは蕾のやうに花木槿 森なほ子 あを 202110
花木槿白を灯しの風語り 菊池和子 京鹿子 202111
サーマルリサイクルの討論花木槿 長崎桂子 あを 202111
花木槿薬草と聞き手に取りて 酒井たかお 202112
白木槿咲いてゐる家今日も留守 藤波松山 京鹿子 202112
疾く覚めよ木槿は花を付けたれば 増成栗人 202210
木槿閉づ今日一日を満ち足りて 久保久子 春燈 202212
夕といふ別れの時間花木槿 和田華凛 ホトトギス 202211
碑の背の木槿の白さかな 森清堯 末黒野 202211
医通ひのだらだら坂や花木槿 岡田史女 末黒野 202211
揺れだして逢魔が時の白木槿 中村世都 202211
マンションの周りを囲み木槿垣 大庭美智代 末黒野 202212
うすうすと夕日に滲み白木槿 森清信子 末黒野 202301
象潟の船着き跡や花木槿 平澤侃 末黒野 202301
廃屋のベンガラ格子花木槿 山田和 京鹿子 202301
花木槿四阿前の鳩の群れ 針谷忠郎 202301
落日の色に染まりて白木槿 森清信子 末黒野 202302
純白の木槿ひと本濁り池 加藤静江 末黒野 202302
木槿垣無住の家の華やぎに 稲畑廣太郎 ホトトギス 202308
木槿垣この家更地となる運命 稲畑廣太郎 ホトトギス 202308
凋むより明日を夢見てゐる木槿 稲畑廣太郎 ホトトギス 202308
木槿→1

 

2023年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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