氷 水        60句

氷水のませば死ぬる呑ませけり    西田紅外

氷水  かき氷  夏氷 氷旗  氷店・削氷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
男より男らしいが氷水
中原忽胡
船団
199812
氷水さみしい顔に生れつき
樋口英子
朝桜
199904
神々に貧富差激し氷水
土肥屯蕪里
俳句通信
199910
熱き胃がせせら笑ふか氷水
林翔
200009
工事場ヘバイクで届く氷水
鈴木大林子
春耕
200009
氷水さくつと崩し本音聞く
辻享子
ヒッポ千番地
200009
女人講果て掛茶屋の氷水
升本行洋
春耕
200010
耳たぶのうすもも色や氷水
中原幸子
遠くの山
200010
氷水ときには通じあふことも
中村立身
百鳥
200110
腹痛の俺に上司の氷水
大谷昌弘
海程
200111
歯に沁みし匙を落せり氷水
田中武彦
六花
200111
少年の脛の長きや氷水
堀本祐子
遠嶺
200209
コースターひつついてくる氷水
志方章子
六花
200209
氷水冷ますともなく吹いてける
八條凛子
銀化
200210
氷水親子舌出三番叟
佐藤喜孝
青寫眞
200304
六道の辻を出て来し氷水
渡辺政子
雲の峰
200309
聴講前のカレーライスと氷水
安部知子
帆船
200309
灯の中に音たてて掻く氷水
阿部ひろし
酸漿
200309
告白と言ふほどでなし氷水
木村みかん
200310
人死なぬ日のなかりけり氷水
八田木枯
夜さり
200409
こめかみの一瞬昏し氷水
林昭太郎
200410
話の腰折られて氷水崩す
中島知恵子
雨月
200410
話し尽きずに氷水溶ける音
玉川梨恵
200411
氷水魚臭の中にうまかりし
瀧春一
菜園
200509
浅草や昔のいろの氷水
鷹羽狩行
200510
原民喜読んで一気に氷水
冨松寛子
200510
匙といふかたち全き氷水
井原美鳥
200510
唇に氷水よりひえし匙
栗原公子
200510
生かされてさくさく崩す氷水
鈴木榮子
春燈
200610
氷水丹田重くなつて来し
山中宏子
200611
母として歯の真っ白に氷水
中原幸子
以上、西陣から
200705
おもひではいつもここまで氷水
森理和
あを
200708
三界に大穹はあり氷水
本多俊子
200709
猪首の僧小休止せり氷水
久米なるを
200710
一碧の水平線や氷水
小泉万里子
200710
遠き木の揺れてをりけり氷水
本多俊子
200809
山頂を二つ極めて氷水
斉藤道正
遠嶺
200811
氷水昭和の色を選びけり
泉田秋硯
200910
老いて間の取り方覚え氷水
沖倉好秋
酸漿
200910
氷水うごき沈黙ほぐれけり
冨松寛子
200911
氷水特大の鉢平らげる
嘉悦洋子
ぐろっけ
200912
父のことあれこれ思ふ氷水
芝宮須磨子
あを
201009
一団の親子連れあり氷水
竹内弘子
あを
201010
唇の辺に風すこし立つ氷水 鳥居おさむ ろんど 201107
川下りまでの間を待つ氷水 服部早苗 201111
語り部のかたへに置かれ氷水 有賀昌子 やぶれ傘 201202
初氷水のかたちに皺よせて 犬塚芳子 201303
氷水むかし硝子の管のれん 塩田博久 風土 201310
氷の音小さくなりぬ氷水 小山陽子 やぶれ傘 201310
氷水ごくりと妻ののど通る 小川玉泉 末黒野 201311
氷水何より旨く透きとほり 水谷直子 京鹿子 201411
蠍座の人と諍ひ氷水 大内由紀 末黒野 201510
むかしから曇る器の氷水 伊藤 白潮 201607
氷水でこぼこへこむやかんかな 溝渕弘志 六花 201710
南無と彫る仏師の傍の氷水 丸井巴水 京鹿子 201711
いま明かすあの日のことや氷水 田中信行 201811
白という色なき色や氷水 澤田明子 春燈 202009
口染めて飲み干す器氷水 六崎正善 末黒野 202211
気負はずに生きて孫との氷水 梅津まり子 末黒野 202211
客人を幼子にする氷水 高木晶子 京鹿子 202211

 

2023年7月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。