氷 旗    27句

江の島と古りたるものに氷旗    松崎豊

氷水  かき氷  夏氷 氷旗  氷店・削氷

路地といふ街の行間氷旗
土田栄
199901
風に鳴る昔の色の氷旗
上林孝子
200010
かき氷旗を百年飛ぶ千鳥
亀丸公俊
銀化
200011
寧楽の世の朱雀大路に氷旗立つ
中川濱子
ぐろっけ
200108
風なびくことを意匠に氷旗
能村研三
200109
ナホトカをなほ指す岬氷旗
中原道夫
銀化
200110
暮れてゆく一人の茶店氷旗
栢森敏子
あを
200110
駅前の大樹に括り氷旗
広渡紀子
200208
氷旗の誘惑に負け道半ば
木村幸
200210
降りだして海がまつ黒氷旗
植松安子
200310
峠路の雨にさらされ氷旗
中島瑞枝
百鳥
200311
氷旗鍵屋の辻に鳴りにけり
伊藤多恵子
火星
200409
しばらくは人通りなき氷旗
真保喜代子
200601
一湾の茫々たるに氷旗
加瀬美代子
200609
海照や終日風の氷旗
高橋さえ子
200610
山門の暮るれば仕舞ふ氷旗
加瀬美代子
200710
林間や秋風に鳴る氷旗
岡本眸
200711
町裏の風すぢ立ちぬ氷旗
半澤正子
馬醉木
200712
氷旗児の足取りの軽くなり
土井くみこ
200910
氷旗ぐるりと風に裏返り
瀬島洒望
やぶれ傘
200910
氷旗さゆらぎもせぬ真昼かな
三村純也
ホトトギス
200912
往還に見て奈良坂の氷旗
小林成子
201010
浜茶屋に氷旗ゆれにもつ番
櫻木道代
ぐろっけ
201011
頂上の小屋に翩翻氷旗 正谷民夫 末黒野 201110
水濡れの灯影に映り氷旗 中田みなみ 201609
公園の茶店の氷旗風に揺れ 藤波松山 京鹿子 201611
カフェバーへ心揺らめく氷旗 布施由岐子 末黒野 201711
人を呼ぶやうに揺れたり氷旗 廣瀬雅男 やぶれ傘 201910
氷旗だらりと猫は木の下に 大崎紀夫 やぶれ傘 202209

 

2023年7月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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