鯉 幟 1   409句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大空は大きな未来鯉幟 山田弘子 春節 199503
尾をはねて風を去なせり鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 199805
み吉野の温泉宿一軒鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 199805
鯉幟潮の香のして下ろさるる 野沢しの武 風土 199811
鯉幟下ろして父子没したる 鷹羽狩行 199905
鯉幟あぐるに風の応へつつ 鷹羽狩行 199906
屋根石の黒きを打つて鯉幟 鷹羽狩行 199906
山峽の村一竿の鯉幟 神宮寺泰吉 酸漿 199908
鯉幟ひときは高き父の家 升本栄子 春耕 199908
昼網の糶場に泳ぐ鯉幟 馬越幸子 ぐろっけ 199908
高階に竿傾ける鯉幟 花房敏 ぐろっけ 199909
翩翻と郵便局に鯉幟 花房敏 ぐろっけ 199909
鯉幟り泳ぎを風に逆らはず 小川花久 いろり 199910
鯉幟屋根低くして港町 塩見恵介 虹の種 200005
鯉幟岬は海へ打つて出て 鷹羽狩行 200006
鯉幟背泳ぎしている鯉のあり 福田みさを いろり 200006
鯉幟水面のうえ空の空のした 福田みさを いろり 200006
国境によこたへておく鯉幟 石川さくら 銀化 200007
鯉幟ベランダに垂れ風を待つ 林田加杜子 いろり 200007
噴煙を呑みてふくらむ鯉幟 中川濱子 ぐろっけ 200007
声帯模写の時代は良かった鯉幟 宇田蓋男 海程 200008
鯉幟風休むとき辛からふ 鶴目鯛遊子 六花 200008
離陸機に越されてうねる鯉幟 中村祭生 ぐろっけ 200008
鯉幟上げつ幼の声高し 三輪慶子 ぐろっけ 200008
鯉幟テニスコートに球はずむ 宮原利代 ぐろっけ 200008
鯉幟高く備讃の島を統ぶ 櫨木優子 200009
鯉幟悼みごころに胸を張る 品川鈴子 船出 200104
きはやかに風の道あり鯉幟 池尻足穂 俳句通信 200106
鯉幟大歩危小歩危下に見て 浦川澄江 雨月 200106
旧暦にこだはってをる鯉幟 二村蘭秋 雨月 200107
転勤の子を思ひては鯉幟 二村蘭秋 雨月 200107
川に沿ふ長き一村鯉幟 北吉裕子 俳句通信 200107
向かふ嶺も棚田村なり鯉幟 安藤孝助 200107
逆風は元気の素よ鯉幟 渡辺知美 銀化 200107
水甕に水満ちてをり鯉幟 杉浦典子 火星 200108
垂れ眠る泳ぎつかれの鯉幟 二本松輝久 風土 200108
月の夜のおろし忘れし鯉幟 富田志げ子 酸漿 200108
鯉幟キャッチボールをはじめけり 小田玲子 百鳥 200108
千匹が横に一連鯉幟 田中武彦 六花 200108
鯉幟窓に残して飯場閉ず 今井忍 ぐろっけ 200108
階下には尾だけを見せる鯉幟 山本恵美 ぐろっけ 200108
立泳ぎビルの谷間の鯉幟 江川和彦 200109
熔岩の先は直ぐ海鯉幟 外園威雨 ホトトギス 200109
街の風には鯉幟大きすぎ 山ノ井寛子 ホトトギス 200109
鯉幟取り込み布の如く抱く 山ノ井寛子 ホトトギス 200109
鯉幟綱張りし時意志を持つ 山ノ井寛子 ホトトギス 200109
移住地につけし日本名鯉幟 中川いさむ ホトトギス 200109
鯉幟日本人街吹き晴れて 中川いさむ ホトトギス 200109
折畳むとき鯉幟あはれなり 柴原保佳 ホトトギス 200109
鯉幟影のうねりの窓に読む 山田弘子 ホトトギス 200109
六甲の風に育つ子鯉幟 山田弘子 ホトトギス 200109
鯉幟風を元気にしてをりぬ 本郷桂子 ホトトギス 200109
鯉幟受けとめてゐる杉襖 本郷桂子 ホトトギス 200109
降ろされて鯉幟にもある家路 本郷桂子 ホトトギス 200109
見えてゐて還らざる島鯉幟 伊藤玉枝 ホトトギス 200109
夜は星へ尾をひるがへす鯉幟 伊藤玉枝 ホトトギス 200109
鯉幟造幣局の宿舎より 坂井建 ホトトギス 200109
揚げ下し祖父がたのしみ鯉幟 白石峰子 ホトトギス 200109
ビルの間におよぎきれざる鯉幟 白石峰子 ホトトギス 200109
転勤に従いて空変へ鯉幟 白石峰子 ホトトギス 200109
鯉幟長男次男相似ざる 塙告冬 ホトトギス 200109
ビル街に鯉幟の風ありにけり 塙告冬 ホトトギス 200109
けふよりは鯉幟なき空仰ぐ 塙告冬 ホトトギス 200109
鯉幟高くなりたる余呉の空 丹後浪月 ホトトギス 200109
鯉幟おろされし目の生きてをり 丹後浪月 ホトトギス 200109
比叡よりも高き空あり鯉幟 丹後浪月 ホトトギス 200109
鯉幟下ろして隣家より戻す 笠松浩子 200110
鯉幟南国の友帰国する 甲田夏湖 船団 200111
紺青が空に戻りぬ鯉幟 鷹羽狩行 200205
鯉幟影のをどつてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200205
鯉幟さんぜんと並ぶ三色旗 出口誠 六花句集 200205
峡の家の夕日に映ゆる鯉幟 阿部悦子 酸漿 200206
白浪を沖より招き鯉幟 鷹羽狩行 200207
児のことば日毎ふえゆき鯉幟 新海りつ子 馬醉木 200207
区画外遊泳禁止鯉幟 飯島士朗 銀化 200207
鄙にして曽孫に大きな鯉幟 安陪青人 雨月 200207
鯉幟故里の空広きかな 小野タマ枝 酸漿 200207
鯉幟痩せて垂れをり隠れ里 木田千女 200208
龍雲も空に泳ぎて鯉幟 永井たえこ 馬醉木 200208
安達太良へ口を揃へて鯉幟 山路紀子 風土 200208
山里の空を広げし鯉幟 小牧喜美子 遠嶺 200208
川風が泳がす千の鯉幟 浜野愛子 築港 200208
鯉幟排気ガスにもひるまざる 二瓶洋子 六花 200208
鯉幟もつとも親が喜びて 高木智 京鹿子 200209
鯉幟生傷絶えぬ膝小僧 三上冨佐子 ぐろっけ 200209
鯉幟女系やうやく絶えにけり 三村純也 ホトトギス 200210
鯉幟三河の空の荒ぶれる 加藤暢一 200302
山河また改まりたる鯉幟 鷹羽狩行 200305
鯉幟満腹感を風に問ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
鯉幟都会の風を旨さうに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
鯉幟跳ねて宇宙を近づけし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
鯉幟寝床となりし甍かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
鯉幟泳ぎ地球は自転せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
紺碧の戻りし空に鯉幟 鷹羽狩行 200306
泳ぐ意のあるを下ろされ鯉幟 鷹羽狩行 200306
喪の家の窓大きくて鯉幟 北村幸子 200307
鯉幟泳ぐを風の長さとす 工藤進 200307
海見下ろす家に早々鯉幟 金丸鐵蕉 200307
舫ひ船五尺ほどなる鯉幟 黄川田美千穂 200307
きまぐれの風にうろたふ鯉幟 里見輝子 築港 200307
鯉幟次つぎと見す難度技 岩林勇雄 築港 200307
新築の家色褪せし鯉幟 小笠原扶美女 築港 200307
風止んで一絡げなる鯉幟 加藤サヨ子 築港 200307
鯉幟口一杯に風呑めり 上岡末喜 築港 200307
忘れられ闇夜に泳ぐ鯉幟 大森玲子 築港 200307
満腹に大口開けし鯉幟 嶋田光枝 築港 200307
風に乗りうねつてはねる鯉幟 細原由起子 築港 200307
風の息のままに息する鯉幟 佐野雅明 築港 200307
鯉幟太平洋へ出でんとす 山本三樹夫 百鳥 200307
鯉幟子供少なき村であり 西所正臣 雲の峯 200307
玄海に頭を揃へたる鯉幟 柴田佐知子 200308
対岸へ渡してなびく鯉幟 佐原正子 六花 200308
鯉幟風の真中をとらへけり 平田倫子 百鳥 200308
鯉幟伊根の舟屋に泳ぎけり 滝本香世 百鳥 200308
桃長者桃の畑に鯉幟 田中嘉代子 ぐろっけ 200308
大歩危や渓越え百の鯉幟 内藤三男 ぐろっけ 200308
鯉幟宇陀も吉野も二つ三つ 林とみお ぐろっけ 200309
隣より泳いできたる鯉幟 あさなが捷 200310
過疎の村一基のみ立つ鯉幟 小笠原扶美女 築港 200310
落人の村今も揚げざる鯉幟 永野秀峰 ぐろっけ 200310
鯉幟天領日田の風はらみ 土本展子 200312
大景は富士ありてこそ鯉幟 鷹羽狩行 200405
軍港の昔を今に鯉幟 浜明史 風土 200406
鯉幟新入隊員上陸日 浜明史 風土 200406
病む母と四角い空の鯉幟 鍬形幸子 百鳥 200407
鯉幟尾鰭を振るは恋をして 塩川雄三 築港 200407
鯉幟屋上園の風を蹴る 里見輝子 築港 200407
風に添ふことに慣れたる鯉幟 畑純子 築港 200407
根気よく風を待ちゐる鯉幟 浜崎民子 築港 200407
トラクター昼の休憩鯉幟 河村靖子 築港 200407
天空に倦まずたゆまず鯉幟 鎌田つた枝 築港 200407
日の暮れてだらりとなりし鯉幟 高田佐土子 築港 200407
鯉幟大きな順に泳ぎだす 小林朱夏 200407
鯉幟運河に潮の上りくる 田中藤穂 あを 200407
晩年のわれに買ひたる鯉幟 井上信子 200407
老人の園にも靡く鯉幟 長谷川登美 ぐろっけ 200407
鯉幟はしやぎてゐるは次男坊 安嶋都峯 対岸 200407
鯉幟月に向かひて昇りをり 中村重雄 百鳥 200408
鯉幟魚の顔となりにけり 丸山敏幸 200408
風孕み体くねらせ鯉幟 大森玲子 築港 200408
風ぐるみ降ろされてをり鯉幟 宮崎すみ 対岸 200408
鯉幟富士へ向ひて泳ぎゐる 藤田京子 ぐろっけ 200408
鯉幟仕舞ひ惜しめり湖の風 松本鷹根 京鹿子 200409
鯉幟だらりと垂れて目を瞠る 花房敏 ぐろっけ 200409
強風に逆立ち泳ぐ鯉幟 花房敏 ぐろっけ 200409
鯉幟掲ぐ家目指し散歩する 花房敏 ぐろっけ 200409
鯉幟一家豪雨にずぶ濡れて 花房敏 ぐろっけ 200409
尾鰭より泳ぎだしたる鯉幟 小林朱夏 200411
犬吠埼風に逆立つ鯉幟 江見悦子 万象 200507
静止の刻沈黙の刻鯉幟 塩川雄三 築港 200507
鯉幟寺の隣の保育園 松木元 築港 200507
ベランダの風鮮らしき鯉幟 中島あきら 200507
ひしめきて空を貰へぬ鯉幟 河野美千代 200507
鯉幟泳ぐ米屋の空広し 村田さだ子 酸漿 200507
鯉幟立てて棚田を守りをり 高柳かつを 百鳥 200507
鯉幟百尾に鷹も迂回せる 泉田秋硯 200508
尻尾まで酸素満杯鯉幟 隅田享子 200508
鯉幟月へ大きく口開くる 中和田洋美 万象 200508
双塔の小さく見ゆる鯉幟 萩谷幸子 雨月 200508
幾年も押入れ住ひ鯉幟 筒井八重子 六花 200508
怡土富士を幾度も越ゆる鯉幟 小林朱夏 200508
塔頭に檀家寄進の鯉幟 友田直文 200509
鯉幟漁船に影の大あばれ 松本恒子 ぐろっけ 200509
息継ぎをして昇りゆく鯉幟 あさなが捷 200511
少年のバイクに紙の鯉幟 福地初江 200601
青空に雲は過客よ鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 200605
沖波の白きへ向きて鯉幟 鷹羽狩行 200605
竿ときに越えて逆立つ鯉幟 鷹羽狩行 200605
鯉幟ひこうき雲の貫ける 出口誠 六花 200605
鯉幟ひらら風速計くるる 林翔 200607
糸島平野をはねまはる鯉幟 あさなが捷 200607
水満たす檜の桶や鯉幟 里中章子 200607
何処にも鯉幟見ぬ子供の日 長谷川幸恵 酸漿 200607
畳まれて正方形の鯉幟 関口道代 200607
鯉幟湖へ帰心の大き口 吉永寿美子 四葩 200607
長寿村風八分目なり鯉幟 吉永寿美子 四葩 200607
頭を揃へ上流めざす鯉幟 青山悠 200608
弓のごと大竿歪め鯉幟 秋千晴 200608
鯉幟気ままさせじと繋がるる 足利徹 ぐろっけ 200608
マンションの窓それぞれの鯉幟 木野裕美 ぐろっけ 200608
風無くて何で己が鯉幟 並木重助 酸漿 200608
少子化の小学校の鯉幟 河内桜人 京鹿子 200609
夕風の立ち降ろさるゝ鯉幟 松尾緑富 ホトトギス 200610
鯉幟真ん中の鯉逆さなり ことり 六花 200610
抱擁しまた離れては鯉幟 四戸和彦 八千草 200611
鯉幟疲れ果てしが降ろさるる 小林朱夏 200705
風の出て鱗ふれあふ鯉幟 鷹羽狩行 200706
宇陀ヶ辻早々と立つ鯉幟 松崎鉄之介 200706
ひとところ尾鰭のひかる鯉幟 宮津昭彦 200706
泳ぐ日も拗ねる日もあり鯉幟 米山喜久子 200707
川遊びの子らの頭上や鯉幟 吉野さと 酸漿 200707
旧陸軍の飛行場跡鯉幟 駒井でる太 200708
鯉幟にも強すぎる風ならむ 片山由美子 200708
黙々と農人の影鯉幟 原島ふじ子 遠嶺 200708
新しき磨き丸太や鯉幟 奥太雅 万象 200708
鯉幟畑にも立てて佐賀平野 馬越幸子 ぐろっけ 200708
帆船に鯉幟上げ一〇〇年祭 国永靖子 ぐろっけ 200708
四万十の流れゆるやか鯉幟 池崎るり子 六花 200708
マンションに二本の増へし鯉幟 池崎るり子 六花 200708
嬰の掌に五つの笑窪鯉幟 KOKIA 六花 200708
鯉幟鱗一片づつ光る KOKIA 六花 200708
鯉幟大口開けて吊られけり 永田勇 六花 200708
鯉幟気ままな風に泳がさる 永田勇 六花 200708
鯉幟尾ひれ仲良く振りにけり 永田勇 六花 200708
揺れもせずぶら下がりをり鯉幟 永田勇 六花 200708
ベランダに垂れ下がりあり鯉幟 永田勇 六花 200708
獣園を見下ろしてゐる鯉幟 森本秀樹 200709
鯉幟兜太の溲瓶澄みわたる 中原幸子 船団 200710
逃げ水の先を泳げり鯉幟 金井充 百日紅 200711
島ぢゆうの人に仰がれ鯉幟 鷹羽狩行 200805
高枝を吹きはねし尾や鯉幟 加藤克 200805
塁砦や遠くはためく鯉幟 ことり 六花 200805
ぎらぎらと眼確かに鯉幟 ことり 六花 200805
本家より届けられ来し鯉幟 ことり 六花 200805
鐘楼に泳ぐ古典派鯉幟 宮田香 200807
竿に尾をからめて休み鯉幟 伊藤トキノ 200807
降ろさるる夕日まみれの鯉幟 綿谷美那 雨月 200807
鯉幟二世代住める家の庭 松崎鉄之介 200807
奮ひ立ち奮ひ立ちけふの鯉幟 西山美枝子 酸漿 200807
眠る子の屋根撫でてをり鯉幟 大西まりゑ 酸漿 200807
鯉幟降りきたる尾を鷲掴み 藤田宏 200807
鯉幟布となるまで畳みけり 長谷英夫 馬醉木 200808
玄海の風は気紛れ鯉幟 小林朱夏 200808
鯉幟はためく家の子を知らず 南浦輝子 火星 200808
鯉幟故国の空に泳ぎをり 中村輝子 酸漿 200808
鯉幟千の尾さばき轟けり 長谷川たか子 酸漿 200808
美作の峪間に繋ぐ鯉幟 勝野薫 ぐろっけ 200808
風止みて布にもどりし鯉幟 志賀朋 200809
逆風に挑戦せよと鯉幟 森竹昭夫 遠嶺 200809
鯉幟泳げる目玉光りけり KOKIA 六花 200809
鯉幟手摺に尾びれじやれてをり 村田とくみ ぐろっけ 200810
今日だけは躾け厳しく鯉幟 中島玉五郎 200905
風向きを告げ高速路鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 200905
鯉幟揚げて風なき日なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200905
子等はもう一家をなせり鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 200905
少し褪せたる鯉幟泳がせて 稲畑汀子 ホトトギス 200905
宗派色出して寺院の鯉幟 中島玉五郎 200906
癒えし目のひろごる視野に鯉幟 平野伸子 馬醉木 200907
鯉幟立つやたちまち風生まる 松本圭司 200907
富士晴れて風冷たきよ鯉幟 卓田謙一 万象 200907
鯉幟山懐の一軒家 片野美代子 酸漿 200907
庭の木に掛けて泳がす鯉幟 藤原さちよ 酸漿 200907
淀みなく伸びし系譜や鯉幟 鈴木良戈 200908
鯉幟影も川面を泳ぎをり 林佳枝 酸漿 200908
新しき鯉幟立つ駐在所 大山妙子 酸漿 200908
待望の児に高々と鯉幟 稲次登美子 雨月 200908
川風を一層として鯉幟 佐藤涼宇子 ろんど 200908
そのいけずキミにそっくり鯉幟 中原幸子 船団 200909
子や孫の居るらしき家鯉幟 坂本幸子 酸漿 200909
西国やうねり大きく鯉幟 柴田佐知子 200909
鯉幟風の奈落の吉野建 山田弘子 ホトトギス 200910
街川の柵に小振りの鯉幟 渡邊孝彦 やぶれ傘 200910
風無くば泳ぎをさぼる鯉幟 布川直幸 201005
引くときの潮の速さよ鯉幟 鷹羽狩行 201005
とーとーと父を呼ぶ児よ鯉幟 ことり 六花 201005
一夜にて勇ましくなり鯉幟 ことり 六花 201005
入院の子が振る小さき鯉幟 鈴木照子 201007
青空のうねり始めし鯉幟 岡部名保子 馬醉木 201007
村に人の歩いてをらず鯉幟 成宮紀代子 201007
豪農の庭悠然と鯉幟 大橋晄 雨月 201007
生駒嶺へ尾を跳ね上げて鯉幟 川崎良平 雨月 201007
強風の天地にをどる鯉幟 関まさを 酸漿 201007
群をなし川はみだせし鯉幟 大澤洋子 酸漿 201007
カツポレカツポレ風を頬張る鯉幟 瀬川公馨 201008
一軒にこれ見よがしの鯉幟 泉田秋硯 201008
鯉幟柳田國男生れし村 荒木稔 ぐろっけ 201008
風向きの変りし午後の鯉幟 和田崎増美 雨月 201008
鯉幟矢つぎ早風絡み合ひ 本多正子 雨月 201008
鯉幟舳先に立てて遊覧船 小松渓水 酸奬 201008
山望むさまにねぢれて鯉幟 島谷征良 風土 201009
滝よりも高きを泳ぐ鯉幟 矢崎暉文 酸奬 201009
少子化で史料となりし鯉幟 竹下昭子 ぐろっけ 201010
威勢よくハワイの空に鯉幟 梶井和呼 酸奬 201012
鯉幟還暦過ぎて唯の人 増田甚平 ろんど 201009
風の午後命戻りぬ鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 201105
鯉幟消えてをりたるたたみ皺 稲畑汀子 ホトトギス 201105
子育ての頃はや遠し鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 201105
樟脳のぬけがら三つ鯉幟 笹村政子 初鼓 201105
園児らのミニ鯉幟泳ぐ庭 羽賀恭子 201106
時計台に高く泳げよ鯉幟 羽賀恭子 201106
妹がひとりほしいな鯉幟 伊藤憲子 201107
翩翻と瓦礫の中の鯉幟 阪本哲弘 201107
大歩危を渡して百の鯉幟 高谷栄一 嵯峨野 201107
鯉幟ときに尾鰭を打ち合へり 柴田佐知子 201107
連山を引き連れてゐる鯉幟 高倉和子 201107
みんな皆元気出してと鯉幟 大室恵美子 春燈 201107
駅前の進学塾や鯉幟 矢口笑子 春燈 201107
災害が災害を生み鯉幟 原田たづゑ 春燈 201107
豊漁に鎮守の杜の鯉幟 碇天牛 雨月 201107
ホームレスの小屋に小さき鯉幟 山荘慶子 あを 201107
風に身をまかせ農家の鯉幟 五十嵐勉 201108
つながれてこそ翩翻と鯉幟 磯崎清 201108
風下を見ることはなし鯉幟 高橋将夫 201108
鯉幟風ぬけてゆく太つ腹 中野京子 201108
目玉のみ畳み残して鯉幟 井田実代子 雨月 201108
日の丸もくくられてをり鯉幟 上月智子 末黒野 201108
鯉幟泳ぐ旧家や風新た 大川暉美 末黒野 201108
鯉幟ほどよき風に乗りにけり 筒井八重子 六花 201108
夙川の幅を狭しと鯉幟 平居澪子 六花 201108
鯉幟風呑むときも風の中 湯川雅 ホトトギス 201109
山国の小さきみ空や鯉幟 松田明子 201109
鯉幟息吐ききつて畳まるる 松田明子 201109
悟りとは風の無き日の鯉幟 松田都青 京鹿子 201109
渋滞のとけ下田着鯉幟 嶋田一歩 ホトトギス 201110
鯉幟命あるごと軒を出る 秋千晴 201110
客室に折り紙の鯉幟かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201110
鯉幟連ねて水子地蔵守る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
鯉幟四万十といふ川幅に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
一姫に鯛二太郎に鯉幟 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
鯉幟降ろせし空に月赤し 稲畑汀子 ホトトギス 201205
鯉幟より風抜きし夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201205
茅葺の家に新調鯉幟 鈴木照子 201206
海外へ赴任の背へと鯉幟 中島玉五郎 201206
マンションの窓には小さな鯉幟 本郷宗祥 かさね 201207
池に渡し風にはためく鯉幟 本郷宗祥 かさね 201207
ローカル線駅の広場に鯉幟 青木英林 かさね 201207
軒の先ひかる夕日に鯉幟 吉田啓悟 かさね 201207
風絡み喧嘩のごとし鯉幟 後藤克彦 かさね 201207
風を受け鯉幟泳ぐ川の上 菊地崇之 かさね 201207
子のシャツも一緒になびく鯉幟 安居正浩 201207
天日干しさながら川の鯉幟 上谷昌憲 201207
靄ごめの朝日にのまれ鯉幟 中野京子 201208
鯉幟潮入川を跳ね上る 田岡千章 201208
空よりも川に吊らるや鯉幟 上野昌子 春燈 201208
鯉幟空泳ぐのを止めしは何時 上野昌子 春燈 201208
ビル風や向き定まらぬ鯉幟 石黒興平 末黒野 201208
一川を跨ぐ百尾の鯉幟 田原陽子 201208
空に風いざ大岳へ鯉幟 岡山敦子 京鹿子 201208
鯉幟ソーラー屋根へ尾鰭打つ 藤井久仁子 ぐろっけ 201208
満天の星に眠りし鯉幟 平居澪子 六花 201208
たたまれてウインクよこす鯉幟 松本文一郎 六花 201209
風を食ひ風に泳ぐや鯉幟 出口誠 六花 201212
避難所に歓聲あがる鯉幟 竹貫示虹 京鹿子 201305
鯉幟「六甲颪」を呑込める 塩路五郎 201306
天竜の川原の跳ね鯉幟 古川千鶴 かさね 201307
鯉幟空のキャンバス独り占め 青木英林 かさね 201307
鮭ほどの鯉幟吊る二階かな 瀧春一 花石榴 201312
尾に力あり復興の鯉幟 今瀬一博 201401
赤子泣く声に泳げり鯉幟 中山純子 万象 201407
風の日の自信に満てる鯉幟 村上すみ子 201407
青空に素振りの声と鯉幟 頓所友枝 201407
鯉幟腑に落すもの無き身なり 葉山彰 ろんど 201408
鯉幟垂れて気怠き昼下り 本多正子 雨月 201408
鯉幟工事の家に立つてをり 出口誠 六花 201408
色褪せてゐて貫禄の鯉幟 坂場章子 201408
二三戸の邑にふん張る鯉幟 高村令子 風土 201408
海の風孕みきれずに鯉幟 和田紀夫 201408
仮設地は青一色の鯉幟 早田路香 201408
紺碧の空並列の鯉幟 恩塚夕子 馬醉木 201408
鯉幟の年紀を経たる目玉かな 井上静子 201408
鯉幟登竜門を競ひけり 江島照美 201408
球蹴る子鬼ごつこの子鯉幟 鈴木鞠子 末黒野 201409
鯉幟伊予の山並撫でゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
山風に乗りて泳ぐや鯉幟 王岩 あを 201506
またひとり孫殖えたらし鯉幟 上野進 春燈 201507
大木の向かう青空鯉幟 遠山のり子 201508
富士映る水田明りや鯉幟 森清信子 末黒野 201508
折紙の鯉幟吊り曽孫祝ふ 田村加代 末黒野 201508
鯉幟幾年納屋に眠りたる 村上國枝 春燈 201508
ベランダの手すりにかかる鯉幟 出口誠 六花 201508
山姥の里の空覆ふ鯉幟 岡田桃子 201508
過疎村を元気づけゐる鯉幟 久保晴子 雨月 201509
中空に川あるごとし鯉幟 饗庭悳子 末黒野 201604
最上川の町村つなぐ鯉幟 沼澤石次 馬醉木 201607
ベランダに鯉幟ゆれシャツのゆれ 秋山信行 やぶれ傘 201608
清流を遡りゆく鯉幟 高田令子 201608
冨士山の頭を撫でて鯉幟 甕秀麿 201608
父と子の同じ向きなり鯉幟 三木千代 201608
腰おろす土手のぬくもり鯉幟 石黒興平 末黒野 201608
夕雲の鴇色淡し鯉幟 上月智子 末黒野 201608
旧暦を守る里曲の鯉幟 安部和子 雨月 201608
此の児にも戦無き世を鯉幟 神田惣介 京鹿子 201609
夢一つ追ひつ競り合ふ鯉幟 芦田しずく 京鹿子 201701
鯉幟風の大波どんと蹴り 滝沢いみ子 末黒野 201704
灘風に天地失ふ鯉幟 小林朱夏 201705
しつぽまで風をはらみし鯉幟 あさなが捷 201705
鯉幟早瀬の灘を目指したり 能村研三 201706
白雲喰ひつくす千の鯉幟 中田禎子 201707
子らの声絶えたる里の鯉幟 森なほ子 あを 201707
肺活量めいつぱいなる鯉幟 小田嶋野笛 末黒野 201708
鯉幟夢語らふも久しぶり 滝沢いみ子 末黒野 201708
鯉幟棟から棟を泳ぎきり 江島照美 201708
町内の誰も肖(あやか)る鯉幟 相良牧人 201708
鶏鳴いて田の面に触れん鯉幟 鎌田光恵 201708
保育園鯉幟いの一番に 橘正義 春燈 201708
潮風を孕みて百の鯉幟 森清信子 末黒野 201709
膨らみて何処へも行けぬ鯉幟 高倉和子 201709
川に沿ひ数多の退きし鯉幟 栗原京子 201709
鯉幟夜の底方を知っている 谷さやん 船団 201802
山里の泳ぎ伸びやか鯉幟 外山生子 末黒野 201804
父の日と母の日のあり鯉幟 大日向幸江 あを 201805
秩父路のかなり大きな鯉幟 須賀敏子 あを 201806
北上川の水音を泳ぐ鯉幟 頓所友枝 201807
古民家の空の青さや鯉幟 吉川隆 春燈 201807
親に似て来たる気がして鯉幟 瀬島洒望 やぶれ傘 201807
折り皺のとほりに畳む鯉幟 柴田佐知子 201807
鯉幟かつての正義はためかせ 三木亨 201808
重巒にさても人棲む鯉幟 大西武士 春燈 201808
きらきらと世継たなびく鯉幟 西村滋子 京鹿子 201808
美し国富士に向ひて鯉幟 塩見英子 雨月 201808
街川に影泳ぎをり鯉幟 外山生子 末黒野 201808
木と紙の家に住み慣れ鯉幟 太田良一 末黒野 201808
ベランダに泳いでゐたる鯉幟 贄田俊之 やぶれ傘 201808
帰国子待つ祖父母の揚ぐる鯉幟 森脇貞子 雨月 201809
畳まれて片目瞠れる鯉幟 森脇貞子 雨月 201809
鯉幟はちきれさうな空のあり 高倉和子 201809
夜は竿に巻きつけられし鯉幟 岸洋子 201809
これほどに子の居し村よ鯉幟 角野良生 201809
川風に鱗散らして鯉幟 あさなが捷 201809

 

2021年5月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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