鯉のぼり 1    252句

鯉のぼりはためく屑車押して出る    高島茂

端午  鯉のぼり  鯉幟  五月鯉  矢車  吹流し  こどもの日  薬玉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鯉のぼりゆつくり降ろす薄暮かな 吉岡純子 199807
寝ころんで山より高き鯉のぼり 佐伯のぶこ 船団 199811
鯉のぼり二階の嬰を呑みに来る 奥田筆子 京鹿子 199901
待ち人のとうとう見えず鯉のぼり 保坂加津夫 いろり 199906
鯉のぼり田舎のビルの屋上に 保坂加津夫 いろり 199906
医者にゆくこと迷いをり鯉のぼり 松沢久子 いろり 199906
大方は豪農の庭鯉のぼり 長野碧水 199907
鯉のぼり日照権の陰に垂れ 藤田守啓 船団 199909
鯉のぼり荒神山をゆうゆうと 近藤憙治 船団 199909
川またぐ数いく百の鯉のぼり 小川花久 いろり 199910
鯉のぼり腹蔵のなき風孕む 鈴鹿仁 京鹿子 200006
谷川をまたぎ意を得て鯉のぼり 保坂加津夫 いろり 200006
神泉を汲む山の子等鯉のぼり 保坂加津夫 いろり 200006
鯉のぼりあげる祖父の手節くれて 熊谷みどり いろり 200006
からつぽはこんなに自由鯉のぼり 櫂未知子 銀化 200006
鯉のぼり風のなき日を長々と 松方光子 円虹 200007
向ひ風容れ水平に鯉のぼり 阿部晶子 200007
鯉のぼりプラス指向を間違えて 保坂加津夫 いろり 200007
しあわせを乗せて泳げる鯉のぼり 小川花久 いろり 200007
闇の川繋がり泳ぐ鯉のぼり 木内美保子 六花 200007
鯉のぼり影に勢ひありにけり 三浦てる 風土 200008
補陀落の風にふくらむ鯉のぼり 田畑保英 火星 200008
辺境に一家棲みなし鯉のぼり 定藤素子 雨月 200008
鯉のぼりみどり豊かに城の風 富川杵名男 春耕 200008
風やみで干物となりし鯉のぼり 星加克己 ぐろっけ 200009
三県へ颪靡きの鯉のぼり 品川鈴子 船出 200104
おとうとは少年のまま鯉のぼり 鳴海清美 遊び蔓 200105
この空にしてこれしきの鯉のぼり 篠原俊博 銀化 200105
婆一人留守番をする鯉のぼり 大平保子 いろり 200106
鯉のぼり忘れしことを思ひ出す 大平保子 いろり 200106
京も奥野村別れの鯉のぼり 阿部ひろし 酸漿 200106
棟割りの鉱山やまの長屋に鯉のぼり 杉阪大和 春耕 200107
鯉のぼり沼に渡して城下町 林田加杜子 いろり 200107
清流を呑む千匹の鯉のぼり 今村能子 遠嶺 200108
桜島呑み込んでゐる鯉のぼり 外園威雨 ホトトギス 200109
鯉のぼり火山灰降る風に立ち向ふ 外園威雨 ホトトギス 200109
鯉のぼり大河の風を呑み余す 伊藤玉枝 ホトトギス 200109
六甲の風に育つ子鯉のぼり 山田弘子 円虹 200109
病棟の風を孕まぬ鯉のぼり 斉藤由美子 ぐろっけ 200205
老人の介護施設に鯉のぼり 山田暢子 風土 200207
山の気を吸ひて千早の鯉のぼり 仲尾弥栄子 雲の峯 200207
木の国の木の香に噎する鯉のぼり 山室キミ子 銀化 200207
祖谷村の過疎化嘆かふ鯉のぼり 久保晴子 雨月 200207
祝ふには非ず見せもの鯉のぼり 浜田南風 200208
鯉のぼり大きく泳ぐ小さき家 小田島成子 百鳥 200208
鯉のぼり見上ぐる子の目きらきらと 羽根田和子 百鳥 200208
茅屋や十一連の鯉のぼり 川端実 遠嶺 200208
くたくたに降されてくる鯉のぼり 貝森光大 六花 200208
鯉のぼり吐息洩らして畳まるる 宮原みさを 花月亭 200208
昼深し風立たぬ日の鯉のぼり 大浦ヤ 帆船 200209
窓に吊る小鮒のごとき鯉のぼり 柴田久子 風土 200211
鯉のぼり泳がせ転居完結す 高木嘉久 200307
鯉のぼり蝋石の線ながく引き 森理和 あを 200307
鯉のぼりフォッサマグナを泳ぎをり 高千夏子 200307
一子相伝茶筌長老の鯉のぼり 塩路隆子 花衣 200307
新築の窓辺に小さき鯉のぼり 岡山満沙子 遠嶺 200308
鯉のぼり停泊中の甲板に 永井由利子 百鳥 200308
鯉のぼり立てて迷子の案内所 板橋智恵子 百鳥 200308
鯱の下名園の鯉のぼり 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 200308
空と水県民の子の鯉のぼり 井上良久子 帆船 200310
火の國の水が美味しよ鯉のぼり 山田六甲 六花 200406
庭に解く鯉のぼりの荷まぶしかり 板橋智恵子 百鳥 200407
三宅島もどれぬ児らの鯉のぼり 山崎悠二 帆船 200407
写生子に風向き変ふる鯉のぼり 西村しげ子 雨月 200407
鍬入れの砂漠イラクに挙がる鯉のぼり 飯隈球子 栴檀 200407
山国は鱗の荒し鯉のぼり 林昭太郎 200407
高くたかく揚ぐるや次子の鯉のぼり 今瀬一博 200407
鯉のぼり四人姉妹に弟が 藤森万里子 百鳥 200408
鯉のぼり多摩に十々里とどりの古戦場 布施まさ子 風土 200408
降ろされて温き息吐く鯉のぼり 木内美保子 六花 200408
鯉のぼり雲を呑み込み泳ぎけり 永田勇 六花 200408
海石榴市の辻に一棹鯉のぼり 藤田かもめ ぐろっけ 200408
昔アメリカ領事館鯉のぼり 神蔵器 風土 200506
食欲の戻つてきたる鯉のぼり 山田六甲 六花 200506
鯉のぼり還らざる日の空あなた 長谷川歌子 春燈 200507
年ごとに綱橋ふえぬ鯉のぼり 安田健 帆船 200507
岩手山のふもとに泳ぐ鯉のぼり 伊藤昌子 帆船 200507
鯉のぼり朝に夕に山の風 中山純子 万象 200507
山彦に応へ勢ひの鯉のぼり 神宮きよい 馬醉木 200508
街を出たくて暴れゐる鯉のぼり 藤井圀彦 200508
大漁の戻る舳先に鯉のぼり 三澤治子 万象 200508
逆風にみなぎる雄気鯉のぼり 吉澤利治 遠嶺 200508
山を負ふ一戸に風の鯉のぼり 古川洋三 遠嶺 200508
大空を泳ぎ疲れて鯉のぼり 馬場美智子 六花 200508
山寺の高き石段鯉のぼり 高倉恵美子 200508
竹林の風に適ひし鯉のぼり 小島みつ代 200508
鯉のぼり隣の空を借りにけり 吉田かずや 春燈 200512
雨粒を振りほどきをる鯉のぼり 大島雄作 200606
いもりの黒焼呑んでをり鯉のぼり 中島陽華 200606
鯉のぼり潮風はらみ帰漁待つ 一瀬昭子 馬醉木 200607
鯉のぼり男が赤の似合ふ世に 丸山佳子 京鹿子 200607
三尾の子を持つ鯉のぼり官邸に 河本利一 200608
鯉のぼり千の狭める風の谷 高橋道子 200608
鯉のぼり尾びれのそよと揺るるのみ 石田きよし 200608
真つ新の家に翩翻鯉のぼり 田中みのる 火星 200608
過疎なれど谷をまたぎて鯉のぼり 山崎辰見 ぐろっけ 200608
白き腹くねりて荒れる鯉のぼり 足利徹 ぐろっけ 200608
欠伸してゐる風待ちの鯉のぼり 足利徹 ぐろっけ 200608
海からの風を頬ばり鯉のぼり 向井由利子 200609
男ごころのもんどり打てる鯉のぼり 本城布沙女 雨月 200609
身の程の空許さるる鯉のぼり 本城布沙女 雨月 200610
鯉のぼり膨らむ音の立ちにけり 山田六甲 六花 200706
鯉のぼり遊ばす風となられけり ことり 六花 200706
久慈川を超えて百千鯉のぼり 池田光子 200707
鯉のぼり丘と丘とをつなぎけり 金子八重子 酸漿 200707
真鯉一つ足して今年の鯉のぼり 木村茂登子 あを 200707
父さんを奪ひあつてる鯉のぼり 大曽根育代 遠嶺 200708
温暖化少子化泳げ鯉のぼり 小林奈穂 200708
鯉のぼり舳先につけて出漁す 河原倫子 200709
復興の空を大きな鯉のぼり 藤浦昭代 ホトトギス 200710
鯉のぼり煽て上手な風の神 新井皙石 京鹿子 200710
鯉のぼり深呼吸してまた泳ぐ 堀内一郎 あを 200805
瀬音きき眩しく千の鯉のぼり 入船亭扇橋 馬醉木 200806
四女のあとそれはそれはの鯉のぼり 大橋敦子 雨月 200806
鯉のぼり休耕田に尾を跳ねて 仁平則子 200807
マンションを小さく泳ぐ鯉のぼり 塩千恵子 200807
鯉のぼり川に彩なす村起し 山川好美 春燈 200807
高々と武蔵の里の鯉のぼり 大橋晄 雨月 200807
北上の川面を泳ぐ鯉のぼり 土屋喜美代 酸漿 200808
うねるたび鱗をとばす鯉のぼり 水谷ひさ江 六花 200808
弟の生れて淋し鯉のぼり 水谷ひさ江 六花 200808
チマチョゴリ似て華やかな鯉のぼり 渡部磐空 200809
卯建あぐる町金鱗の鯉のぼり 杉山瑞恵 雨月 200809
鯉のぼり外で遊ばぬ子供たち 能勢栄子 200907
健全と男子の証し鯉のぼり 笹井康夫 200907
鯉のぼり俥夫軽々と祇園行く 松田和子 200907
鯉のぼり翩翻として陶乾く 村上絢子 馬醉木 200907
鯉のぼり影を落として地に動く 鴨下昭 200907
空にある大波小波鯉のぼり 松嶋一洋 200907
海風を孕みて島の鯉のぼり 三宅文子 春燈 200907
肩車されし子の手に鯉のぼり 渡辺暁 酸漿 200907
鯉のぼり麦の穂波の揺るる上 木内美保子 六花 200908
鯉のぼり棹を尾びれの打ちゐたる 永田勇 六花 200908
鯉のぼりだらりと夜の白みけり 大崎紀夫 やぶれ傘 200909
鯉のぼり見える位置まで後退り 小嶋洋子 泡の音色 200912
多摩の瀬を跨いで泳ぐ鯉のぼり 須賀敏子 あを 201006
山峡の両岸繋ぐ鯉のぼり 須賀敏子 あを 201006
鯉のぼり風に金の眼輝けり 田所節子 201007
鯉のぼり家族はいつも同じ向き 和田満水 201007
鯉のぼり五色の風を蹴りにけり 米山喜久子 201007
歌枕の関を越ゆれば鯉のぼり 内海良太 万象 201007
生命ある者へと泳ぐ鯉のぼり 久永つう 六花 201007
四十路にて初児たまへり鯉のぼり 村上昌子 201008
引越しの荷物に小さき鯉のぼり 都留百太郎 末黒野 201008
鯉のぼり利根の流れを眞ひとつに 木山杏理 京鹿子 201008
扇港のクレーンに鳴り鯉のぼり 田中みのる 火星 201008
抱く赤子瞳に映る鯉のぼり 坊野貴代美 ぐろっけ 201008
遊覧船マストに泳ぐ鯉のぼり 中村ふく子 201107
鯉のぼり風棒になり棒になり 田所節子 201107
朝毎に鯉のぼり仰ぎ元気受く 山田をがたま 京鹿子 201107
男の子生れしと揚げる鯉のぼり 大西八洲雄 万象 201107
鯉のぼり泳ぐ崖上の一軒家 松元末則 酸漿 201107
鯉のぼり瓦礫の山にへんぽんと 有田蟻太 201108
鯉のぼりぐんぐん雲を引き離し 原友子 201108
鯉のぼり散髪嫌ひの男の子 史あかり ぐろっけ 201108
大いなる目玉が窓に鯉のぼり 大坪景章 万象 201108
鯉のぼり風になびかぬ一日かな 藤本節子 万象 201108
鯉のぼり世評に疎く遊泳す 葉山彰 ろんど 201108
龍となる命や金の鯉のぼり 土居通子 ろんど 201108
煙突と競へり湯屋の鯉のぼり 廣瀬義一 雨月 201108
鯉のぼり道を挟みて話しけり だいじみどり 201109
どこからも見え避難所の鯉のぼり 大場ひろみ 馬醉木 201110
みちのくの空に半旗と鯉のぼり 藤田かもめ ぐろっけ 201110
鯉のぼり背山の近き一軒家 廣瀬雅男 やぶれ傘 201110
その下の池より大き鯉のぼり 布川直幸 201205
被災地の孤児励まして鯉のぼり 三原利枝 201207
あの頃も生めよ殖せよ鯉のぼり 木島茶筅子 かさね 201207
二世帯の住みて二階の鯉のぼり 礒貝尚孝 201208
鯉のぼり次の風まで懸垂す 小田嶋野笛 末黒野 201208
連休の校庭ひろし鯉のぼり 上家弘子 ろんど 201208
氏神の久に待ちたる鯉のぼり 布川孝子 京鹿子 201208
川渡る鯉のぼり千屋台出る 福田かよ子 ぐろっけ 201208
鯉のぼり塾へ急く子を見送れり 古井公代 ぐろっけ 201208
鯉のぼり一匹増えて迫り来る 松尾静代 ぐろっけ 201208
風つよし梢におよぐ鯉のぼり 中山純子 万象 201208
鯉のぼり選句の窓に溢れたり 大坪景章 万象 201208
鯉のぼり連子窓より城望む 松本アイ ぐろっけ 201209
窓格子に靴下ほどの鯉のぼり 村田とくみ ぐろっけ 201209
竹林の蔭を濃くせり鯉のぼり 大島英昭 やぶれ傘 201210
鯉のぼり吸ふ野の風をわれも吸ふ 丸山佳子 京鹿子 201305
鯉のぼり田一枚に水張られ 神蔵器 風土 201306
廃校と決まる分校鯉のぼり 西田史郎 201307
大空を翔けよこの子の鯉のぼり 稲田和子 201307
鯉のぼり悠々と楽しかりけり 佐藤健伍 201307
愛犬のフードのおまけ鯉のぼり 森岡陽子 かさね 201307
鯉のぼり突如の雨に溺れけり 佐藤洋子 201407
鯉のぼり空に奔流生まれけり 原友子 201407
鯉のぼり波間に沈む幼帝へ 乾有杏 201408
鯉のぼりまだ登りたき尾の力 鈴木一広 201408
跡継ぎのめでたく寺の鯉のぼり 浜福惠 風土 201408
子の手形押し紙製の鯉のぼり 上月智子 末黒野 201408
頑張れば俺にも出来る鯉のぼり 山本無蓋 201408
オスプレイ視野の中なる鯉のぼり 鴨下昭 201408
一息を吐いて無風の鯉のぼり 礒貝尚孝 201408
園児達大志抱けよ鯉のぼり 神田惣介 京鹿子 201409
鯉のぼり青空いよよ濃かりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
鯉のぼり青き地球を見下ろして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
鯉のぼり泳げる峡のがらんどう 森岡正作 201507
子育ての加減をいまに鯉のぼり 宮内とし子 201507
鯉のぼり →2      

 

2022年5月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。