風の盆 3   100句

踊るとは生きることかも風の盆 中村苑子

  をどり  盆踊  風の盆

作品
作者
掲載誌
掲載年月
円名寺の白数珠賜ひ風の盆 水谷芳子 雨月 200312
ひとつ足す冥土の土産風の盆 守屋井蛙 酸漿 200312
妻を抱く仕草かなしき風の盆 守屋井蛙 酸漿 200312
雪洞の火の川なせり風の盆 守屋井蛙 酸漿 200312
かへす人ゆく人波や風の盆 守屋井蛙 酸漿 200312
風の盆細きうなじの妖しくも 吉武千束 200312
風の盆繊月あげて佳境なり 味村志津子 雨月 200401
しぐさほど鳴らぬ手拍子風の盆 久我八千代 200401
踊子のうなじ見送る風の盆 久我八千代 200401
妙齢の笠の紅紐風の盆 久我八千代 200401
天地の男とをんな風の盆 三橋泥太 遠嶺 200406
いくたびも目覚めて風の盆の宿 朝妻力 雲の峰 200410
棟梁の撥の競ひも風の盆 朝妻力 雲の峰 200410
思ひ出に胡弓の音あり風の盆 河中透水 雨月 200410
水分の石も乾きて風の盆 近藤幸三郎 風土 200411
風の盆丑三つ刻の流しに蹤く 梅原美子 200411
三味の音の哀愁つづる風の盆 永岡セツ 酸漿 200411
風の盆しじら着流し胡弓弾く 梅原美子 200411
黒帯はひと葬るいろ風の盆 服部早苗 200412
赤い月中天にあり風の盆 木田千女 200412
仏の間さへも客間に風の盆 大橋淳一 雨月 200412
風の盆闇に胡弓の音の欷歔と 堀田清江 雨月 200412
風の盆母の胡弓を稚児弾ける 堀田清江 雨月 200412
陶酔の手振りの美しや風の盆 大橋淳一 雨月 200412
地を鳴らす男踊りや風の盆 亀田ヤス子 万象 200412
風の盆なりし小指の先までも 後藤比奈夫 ホトトギス 200501
抑へる手招く手押す手風の盆 原田達夫 虫合せ 200506
夢の世の三日三晩を風の盆 長沼三津夫 200511
駅員の訛やさしや風の盆 長沼三津夫 200511
踊手のみな笠深く風の盆 長沼三津夫 200511
駅の灯のはや夕づける風の盆 長沼三津夫 200511
虚無僧に一会の喜捨や風の盆 長沼三津夫 200511
夜更けたる三味のせつなし風の盆 長沼三津夫 200511
風の盆帰りの友は紙人形 小黒加支 酸漿 200511
返す手の風に流れて風の盆 坂路照子 築港 200511
抱き合うて越中おわら風の盆 田中藤穂 あを 200609
水音と胡弓のしらべ風の盆 稲畑汀子 ホトトギス 200609
夕雲は迅し人恋ふ風の盆 鈴鹿仁 京鹿子 200611
佛壇の路地より見ゆる風の盆 西川織子 馬醉木 200611
遠くより胡弓の音色風の盆 岡本直子 雨月 200611
風の盆女の息に火の匂 西川織子 馬醉木 200611
あけがたを残る灯のあり風の盆 長沼三津夫 200612
月明の烟るばかりに風の盆 長沼三津夫 200612
くらがりに句碑のあるはず風の盆 長沼三津夫 200612
地酒屋に雨を逃るる風の盆 長沼三津夫 200612
城山に日照雨の残る風の盆 長沼三津夫 200612
風の盆をどりつ日照雨やり過ごす 長沼三津夫 200612
胡弓ひく腰に印籠風の盆 田野力 万象 200612
いく山のこぞりてやさし風の盆 北川孝子 京鹿子 200612
風の盆弥勒菩薩の指(おゆび)かな 延広禎一 200612
人波へ狐の嫁入り風の盆 塩井志津 万象 200701
夕暮の白き磧や風の盆 塩井志津 万象 200701
灯の裏の伝ひ歩きや風の盆 百瀬七生子 海光 200705
越中の夜風さわさわ風の盆 竹中一花 200708
風の盆洩らさぬおもひ笠のうち 篠田純子 あを 200709
黒儒子の揃ひの帯や風の盆 八田マサ子 馬醉木 200710
門付けの二人息合ふ風の盆 堤京子 馬醉木 200710
風の盆ほてり鎮むる夜の胡弓 堤京子 馬醉木 200710
細き手の哀愁誘ふ風の盆 神保みね子 酸漿 200711
飲食をともに一夜の風の盆 長沼三津夫 200712
雪洞の灯の濡れ色に風の盆 長沼三津夫 200712
川風の闇蒼ざめし風の盆 長沼三津夫 200712
提灯の文字を大きく風の盆 長沼三津夫 200712
若ければ踊らねばいま風の盆 長沼三津夫 200712
胡弓の音沁みわたりけり風の盆 寺田すず江 200712
坂溢れ来る踊びと風の盆 水野節子 雨月 200712
先ぶれの踊坂来る風の盆 水野節子 雨月 200712
笠の顔時々起こし風の盆 貝森光洋 六花 200712
串の鮎食べ歩きくる風の盆 長沼三津夫 200712
眠らざる八尾坂町風の盆 小林成子 200712
風の盆いま別れてもいつか逢ふ 阿部知代 200801
風の盆更けて一戸が吸ふ少女 伊藤白潮 200810
一とせの過ぐる迅さや風の盆 高橋たか子 馬醉木 200811
鐘ついて始まる風の盆供養 小山徳夫 遠嶺 200812
胡弓の音更けてもひびく風の盆 小林成子 200812
どの坂も路地より風の盆囃子 遠藤和彦 彩雲 200901
てのひらのひらひら招く風の盆 竹貫示虹 京鹿子 200909
風の盆男踊のいさぎよし 稲畑汀子 ホトトギス 200909
町筋を流して風の盆となる 稲畑汀子 ホトトギス 200909
指先を風にあづけて風の盆 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
風の盆項に君と判るまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
みづからの胡弓に酔ひて風の盆 藤原照子 200911
風の盆の笠覗きたし胡弓叩犬く 杉本綾 200911
うら海の暗さを少し風の盆 渡部節郎 転舵の渦 200911
風の盆地を縫うごとく白き足袋 鈴木直枝 ろんど 200912
灯ともりてときめく路地や風の盆 小山徳夫 遠嶺 200912
夜の湿り山を降りくる風の盆 大崎紀夫 やぶれ傘 201001
笠ぬちのあぎと美し風の盆 岡野里子 末黒野 201004
三界をししむら進む風の盆 鳥居おさむ ろんど 201009
すいません間違へました風の盆 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
風の盆灯の入るころの人の波 下井たまみ 酸漿 201010
灯点せばゆらめく風の盆提灯 藤岡紫水 京鹿子 201011
国ざかひいくつ越えきて風の盆 矢島久栄 201011
はるかより胡弓の音色風の盆 田中藤穂 あを 201011
明け初むる山々清し風の盆 西川みほ 末黒野 201012
風の盆河原に美しき石拾ふ 山本浪子 風土 201012
夜を徹する男鯔背や風の盆 西川みほ 末黒野 201012
指先に力集めて風の盆 竹田ひろ子 ろんど 201101
水音の躍る八尾や風の盆 岡野里子 末黒野 201104
男らも腕に化粧し風の盆 藤岡紫水 京鹿子 201111
風の盆→ 4      

 

2021年9月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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