風の盆 4   96句

踊るとは生きることかも風の盆 中村苑子

  をどり  盆踊  風の盆

作品
作者
掲載誌
掲載年月
網笠にひかり茫々風の盆 藤本秀機 201111
今年又行かず仕舞ひの風の盆 田村すゝむ 風土 201112
風の盆差手引手に風寂びて 伊藤ふみ 馬醉木 201112
天に星数多や地には風の盆 安原葉 ホトトギス 201202
聞き馴れし雪の立山風の盆 後藤比奈夫 ホトトギス 201203
邂逅の名刺交換風の盆 稲畑汀子 ホトトギス 201208
たをやかにやがて悲しき風の盆 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208
火男も飛び込むおわら風の盆 菅原孟 かさね 201209
何指せる踊のゆびか風の盆 田中藤穂 あを 201211
先達と石段に座す風の盆 久米なるを 201212
風の盆和紙屋の軒を借りにけり 田中貞雄 自註句集 201301
アルプスを仰ぐこの町風の盆 藤本秀機 201310
風の盆光と闇を友として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
風の盆一夜さ踊り果しけり 高橋照子 雨月 201311
風の盆終日耳輪はづしをり 遠山みち子 201311
坂町の日暮れ待たるる風の盆 田村すゝむ 風土 201311
踊る手の白きに惑ふ風の盆 小池清司 かさね 201311
風の盆優しき雨を願ひつつ 和田森早苗 201311
格子戸も眠らぬ町や風の盆 龍町子 末黒野 201312
風の盆身ぬちの風を鎮めけり 浅木ノヱ 春燈 201312
母許へ泣きにゆくかに風の盆 浅木ノヱ 春燈 201312
歌い手の秀でし白眉風の盆 金田けいし ろんど 201401
初夢や風の盆唄聞えくる 稲畑汀子 ホトトギス 201401
細く長く夜のつづくや風の盆 田丸千種 ホトトギス 201401
水音のどこかにありて風の盆 小川龍雄 ホトトギス 201404
押し寄せる人皆黙し風の盆 小川龍雄 ホトトギス 201404
笠を取り戻る笑顔や風の盆 小川龍雄 ホトトギス 201404
風の字の溢れ風なき風の盆 熊川暁子 201411
踊子に黒といふ色風の盆 藤井啓子 ホトトギス 201502
風の盆誌齢寿ぐものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
菅笠に念ひを隠し風の盆 鈴鹿仁 京鹿子 201510
風の盆十指に秘めし祈りかな 鈴鹿仁 京鹿子 201510
指先の風に恋して風の盆 鈴鹿呂仁 京鹿子 201511
辻々に風の息つぎ風の盆 鈴鹿呂仁 京鹿子 201511
人溢れ見る術も無く風の盆 大橋晄 雨月 201511
音一つ立てず進むや風の盆 大橋晄 雨月 201511
風の盆たをやかに指たをやかに 大橋晄 雨月 201511
風の盆男踊の歯切れよし 大橋晄 雨月 201511
どの径を行くも水音風の盆 山口ひろよ 201512
先頭は風になりたる風の盆 山本則男 201512
人混みに紛れきこえし風の盆 秋川泉 あを 201511
風の盆果てて夜空の白みそむ 樺山翠 雨月 201512
編笠に乙女の笑むや風の盆 樺山翠 雨月 201512
夜流しの胡弓嫋々風の盆 水野節子 雨月 201512
三味胡弓しみじみ聞いて風の盆 水野節子 雨月 201512
編笠の中は浄土や風の盆 山本則男 201601
踊り子の闇より出づる風の盆 山本則男 201601
羽二重のかかし踊りや風の盆 山本則男 201601
町中が風になりゆく風の盆 山本則男 201601
風の盆果て月一つ耿々と 堀田清江 雨月 201611
手弱女の指の流れや風の盆 荻布貢 201611
男一人真夜を踊りて風の盆 樺山翠 雨月 201612
白みそむ空に胡弓の風の盆 樺山翠 雨月 201612
夜流しの胡弓と一と夜風の盆 林いづみ 風土 201612
胡弓の音記憶新たや風の盆 赤岡茂子 春燈 201612
風の盆直面まぶし男舞 赤岡茂子 春燈 201612
うつむけば昔女や風の盆 山田佳乃 ホトトギス 201702
風の盆話題となりぬ旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201709
頤の固き結び目風の盆 江草礼 春燈 201710
風の盆衣紋清らなうなじかな 齊藤陽子 201711
動きたる闇に彩あり風の盆 渡辺美智子 末黒野 201712
風の盆仏が話しかけてくる 高橋将夫 201811
風に生き影に学びて風の盆 松本鷹根 京鹿子 201811
角ばつて男踊りの風の盆 上村葉子 風土 201811
たけなはに大雨となる風の盆 向井芳子 春燈 201811
風の盆町ごと崩れさうな人 藤浦昭代 ホトトギス 201901
しらじらと朝の光や風の盆 山口登 末黒野 201904
哀愁の声につきゆく風の盆 稲畑汀子 ホトトギス 201909
風の盆出番待つ子のふざけあひ 山田六甲 六花 201910
出番待つ花街の子らや風の盆 山田六甲 六花 201910
若狭男のふるさと近し風の盆 山田六甲 六花 201910
三味の音の闇かざりゆく風の盆 山田六甲 六花 201910
泣きさうで泣かぬ空なり風の盆 山田六甲 六花 201910
灯は生者胡弓は死者へ風の盆 山田六甲 六花 201910
風の盆胡弓の闇のさんざめく 山田六甲 六花 201910
賑やかな花街の闇も風の盆 山田六甲 六花 201910
流麗に更けゆく夜空風の盆 松本鷹根 京鹿子 201911
越中や風を呼びこむ風の盆 延川五十昭 六花 201911
やるせなき貌を隠して風の盆 碇天牛 雨月 201911
風の盆喪服の帯を締めてをり 延川笙子 六花 201912
白壁に踊子の影風の盆 延川五十昭 六花 201912
菅笠の影うつくしき風の盆 延川五十昭 六花 201912
闇に現れ音霊のこし風の盆 中田禎子 201912
夜流しの胡弓に目ざめ風の盆 大橋淳一 雨月 201912
風の盆みやげにもらう手漉き和紙 伊藤昌枝 201912
編み笠を覗くの禁ず風の盆 いろは 202001
踊り子の急に消えたり風の盆 田尻勝子 六花 202001
別るるは坂終るとき風の盆 和田華凛 ホトトギス 202001
来し方のみな懐かしや風の盆 加藤法子 春燈 202009
胡弓の音今も心に風の盆 稲畑汀子 ホトトギス 202009
風の盆その消息の二三日 稲畑汀子 ホトトギス 202009
電話帳の友みなあの世風の盆 田中藤穂 あを 202011
眼差にとほきもの秘め風の盆 加賀荘介 202012
風の盆止めたる肘の眩しかり 山田六甲 六花 202109
その縁なほつづきをり風の盆 稲畑汀子 ホトトギス 202109
後ろから蹤いて行けさう風の盆 稲畑汀子 ホトトギス 202109
門川に唄声流れ風の盆 窪みち子 202205
幽玄の入ることなき風の盆 江見巌 六花 202212
風の盆闇に梳かるる胡弓の音 石黒興平 末黒野 202302
風の盆→1

 

2023年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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