枯 草    105句

やつぱり一人はさみしい枯草   種田山頭火   草木塔

冬の草 冬草 冬青草 枯草 名草枯る 草枯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
枯草のその一本に血を通す 小澤克己 遠嶺 199903
枯草は日のうはごとを聞いてをり 梅田津 銀化 199903
ゐのししと枯草いきれ共にせり 林朋子 船団 199903
枯草の根っこはたぶん火の匂い 小枝恵美子 ポケット 199911
靴底に枯草厚き湯坂越え 田中藤穂 「水瓶座」 200002
枯草の陰に羽干す川鵜あり 田中よしとも 酸漿 200003
枯草の穂の都向く余呉の湖 大森美恵 風土 200005
枯草の匂ひほのかな犬抱けり 桶谷康子 200102
まなさきの枯草は日を弾きけり 笹家栄子 200103
枯草の栄えは人の中に生く 宇都宮滴水 京鹿子 200112
巣づくりの枯草咥へ日の雀 渡邉友七 あを 200112
枯草や父の生まれし輪中村 水野邦夫 雲の峰 200202
枯草やキャデイーひそひそ話をし 浜麻衣子 六花 200202
枯草の道の果なる朱雀門 谷口佳世子 200203
枯草のころがり来れば寒雀 柿沼盟子 風土 200204
枯草に軍靴のひゞきまなうらに 山田耕子 京鹿子 200206
枯草の匂ひの中にすれちがふ 外川玲子 風土 200212
枯草を払ひ釣師のゴム長去る 竹内弘子 あを 200301
畦道の枯草つよく吹かれをり 長崎桂子 あを 200401
枯草に落として弾み杉丸太 今瀬剛一 対岸 200402
枯草の狐色とはぬくき色 成井侃 対岸 200402
鵜の戻る島枯草の吹きさらし 岡崎桂子 対岸 200403
枯草の日のさざめきの聞こえたる 藤田あけ烏 草の花 200403
枯草をかきわけ見れば香の青し 鈴木国子 200503
枯草を紙縒のごとく指に巻く 岡本眸 200503
枯草を身にこたへなく踏みて立つ 市場基巳 200505
枯草にゐて蠅も昆蟲なり 瀧春一 菜園 200509
枯草や牧逍遙の音ばかり 松元末則 酸漿 200602
枯草に丸き雀のつどひをり 渡辺暁 酸漿 200604
枯草を踏みてときどき振り返る 青山丈 200605
水漬き稻末枯草に干しならべ 瀧春一 常念 200606
地蔵尊囲む枯草引き申し 神田一瓢 雨月 200703
枯れ草に縋る蟷螂日の錆びて 坂本丹荘 遠嶺 200703
枯草と落葉まみれのローカル線 小城綾子 200703
枯草のやうに強情なる女 秋千晴 200705
枯草の匂ひ竈の匂ひとも 高倉和子 200712
枯草の燃えて炎とならずなり 加藤克 200803
枯草の一本の道潔し おかたかお 200804
初蝶の影枯草を離れけり 南うみを 風土 200806
枯草のいろ暖かし母の里 柳生千枝子 火星 200812
枯草も美しと思へり草千里 小城綾子 200902
枯草に華やぎ添ふる句ありけり 小平恒子 酸漿 200902
溝飛んで次の一歩を枯草へ 岡本眸 200902
大落暉枯草の穂に飛火せり 柴田朱美 京鹿子 200903
枯草に涎引きつつ牛あゆむ 若島久清 万象 200903
枯草をあたたかさうに猫埋もる 竹内弘子 あを 200906
枯草の枯草らしく揺れてをり きくちきみえ やぶれ傘 201003
冬耕のまづ枯草に火を放つ 海上俊臣 酸漿 201004
枯草も今日の命を輝かせ 山口天木 雨月 201012
枯草に埋れてをりぬ朱雀門 笠井清佑 201102
枯草に盥の鯉のし吹きたる 山尾玉藻 火星 201102
四五本の枯草の陽に亡母がゐる 豊田都峰 京鹿子 201105
枯草を纏ひて歩く仔犬かな 山荘慶子 あを 201112
枯草の刈られ地ならし始まりぬ 松本信子 かさね 201202
枯草にすがりて土手を登りけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201203
枯草の庭に子供等踏み遊び 菊池崇之 かさね 201204
枯草に遠きふる里日のぬくみ 池田光子 201301
荒庭の枯草の茎尖りをり 柳出晧一 かさね 201302
枯草と枯蟷螂が紙袋 服部早苗 201302
枯草や石に沁みゆく日のぬくみ 藤岡紫水 京鹿子 201303
菊を焚くおほかたは枯草なれど 宮路久子 201401
枯草の雨に色ます二月かな 安立公彦 春燈 201404
枯草に座りてをれど闘志あり 永野由美子 ホトトギス 201405
枯草を踏めば幽かな草の息 四條進 201502
枯草に躓きそそくさと詣づ 風間史子 201502
砲台の枯草にほふペルリの帆 佐渡谷秀一 対座 201505
枯草の枯草らしく揺れてをり きくちえみこ 港の鴉 201510
枯草の踏みしだかれてゐし命 稲畑汀子 ホトトギス 201512
見た目には枯草となり果せたる 稲畑汀子 ホトトギス 201512
枯草の抜け道を来し人ばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201512
野ざらしを匿す枯草金色に 竹中一花 201601
枯草をかさりと踏みて遊子たり 風間史子 201603
枯草につつかれてゐる夕日かな 成田美代 201603
枯草踏む音すずめ鳩カラスひと 篠田純子 あを 201603
枯草やどんどん歩くどんどんと 風間史子 201605
枯草に埋もれてゐたり線路あと 駒形祐右子 万象 201703
風に触れ枯草に触れけもの道 岡野里子 末黒野 201703
枯草に紛れて蜥蜴穴を出づ 山田六甲 六花 201705
枯草が地の鬣となる日差 伴明子 ホトトギス 201706
庭草も枯一色と進みをり 久保晴子 雨月 201801
草枯れて平穏すこしおそれけり 北川孝子 京鹿子 201801
草枯れて浮くサッカーの忘れ球 望月晴美 201802
日和見となれず枯草ふんでゐる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201802
枯草の身の程を知る風の沙汰 鈴鹿呂仁 京鹿子 201802
枯草に腰下ろし読む放浪記 山中志津子 京鹿子 201803
枯草に座すほんたうに背を向けて 井尻妙子 京鹿子 201803
枯草をころがるヌードルのカップ 南うみを 風土 201803
水漬きたる枯草の下鷺掻けり 桔梗純 万象 201803
よき色をちりばめ名草枯れにけり 三上程子 春燈 201803
枯草や同期の肩が見当らぬ 井上菜摘子 京鹿子 201804
枯草や一言が火を付けてゐる 井上菜摘子 京鹿子 201804
枯草を雉子うつくしく発ちにけり 藤生不二男 六花 201806
由良の門に枯草の丈揃ひ立つ 小原芙美子 風土 201811
日溜りの枯草に寝る他所の猫 藤井美晴 やぶれ傘 201901
コンクリの内枯草醸しゐたりけり 加藤みき 202001
三十歩枯草原を駆けてみる 藤井美晴 やぶれ傘 202002
街道に沿ふ川土手の草枯れて 渡邉孝彦 やぶれ傘 202101
枯草を踏む半畳の釣り座かな 尾崎千代一 末黒野 202102
シャツを干し隅の枯草抜きすてる 田中藤穂 あを 202102
枯草の刈らるる匂ひ日のにほひ 滋野暁 末黒野 202104
草枯の土手や数多の土の塊 滋野暁 末黒野 202105
枯草に音乾きゆくハイヒール 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
草枯れてかすかなる金放ち初む 辻美奈子 202201
枯れて立つ狗尾草に日は当たり 小山よる やぶれ傘 202201
草枯れて立入禁止てふ角地 渡邉孝彦 やぶれ傘 202201
草枯れた沈む水音拾ひけり 上野静子 末黒野 202204
枯草のあたりぬくかろ群雀 河原敬子 202205
枯草の香の親しさに膝を折る 中田みなみ 202208

 

2022年12月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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