冬の草         60句

冬の草青しはこべらとたんぽぽと   山口青邨

冬の草 冬草 冬青草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
今はまだ空地のままや冬の草 稲畑汀子 ホトトギス 199901
つやつやの猫のゆきたる冬の草 山尾玉藻 火星 199901
セロ弾きのゴーシュ例へば冬の草 津田このみ 船団 199903
輪郭をなぞる遊びや冬の草 津田このみ 船団 199907
同病や足蹴もて起つ冬の草 中原道夫 銀化 200002
稲城野やビル建ち初めて冬の草 稲畑廣太郎 ホトトギス 200101
そこよりは鷺の縄張り冬の草 稲畑廣太郎 ホトトギス 200101
日溜のそこに色あり冬の草 稲畑汀子 ホトトギス 200201
冬の草踏み墓守の集塵車 小林希世子 200202
支へ合ふ色とも思ふ冬の草 川上弥生 200202
冬の草ハンググライダー光りけり 阿部昭子 遠嶺 200204
ぎしぎしと猫の食みゐる冬の草 溝口八重子 雲の峰 200302
屋根となる茅にまじりぬ冬の草 深川知子 雲の峰 200304
道祖神面ふくよかに冬の草 山下繁子 河鹿 200404
冬の草楽譜広げてゐたりけり 堀木基之 百鳥 200502
三回忌庭中侘しい冬の草 松永ハツエ 200503
閉ざされし行幸通り冬の草 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
動きなき色を沈めて冬の草 稲畑汀子 ホトトギス 200601
芝の色なほ残りゐし冬の草 稲畑汀子 ホトトギス 200601
直哉碑の辺に湯あたりの冬の草 浜口高子 火星 200602
地獄絵へ足を早める冬の草 大山文子 火星 200602
青々と虚子の矢倉の冬の草 落合絹代 風土 200604
流水の激しきところ冬の草 伊藤奈津 200702
音もなく齢を重ね冬の草 橋本良子 遠嶺 200703
石垣はどれも利き石冬の草 宮口文泰 万象合同句集 200703
掃き寄せし後に残れる冬の草 池崎るり子 六花 200704
金堂跡礎石に沈む冬の草 布施まさ子 風土 200803
冬の草野積み丸太を押し上ぐる 田村園子 200803
こま犬のあうんの口に冬の草 野沢光代 ぐろっけ 200904
疎に密に日向を繋ぐ冬の草 伊藤一枝 酸漿 200904
五穀断ちし僧の墓古り冬の草 落合由季女 雨月 201003
飛び立ちし物を愛せり冬の草 田中藤穂 あを 201003
冬の草噛んで老猫帰宅せり 吉村摂護 201104
鐘楼の茅葺きに生ひ冬の草 辻井ミナミ 末黒野 201303
冬の草鞄に飴が殻ばかり 谷さやん 船団 201304
石垣の石の湿りや冬の草 熊切修 末黒野 201304
万葉の森平成の冬の草 大久保白村 ホトトギス 201306
石垣の隙間にもゆる冬の草 池谷鹿次 末黒野 201404
鉄道に裂かるる冬の草千里 前田美恵子 201504
冬の草海岸回りのバスに乗る 高橋まき子 風土 201602
冬の草古き口紅妙な味 篠田純子 あを 201603
踏み込んで強き弾力冬の草 森清堯 末黒野 201604
日の恵み色を深めて冬の草 遠山のり子 201704
雨後の土割りてあをあを冬の草 市川夏子 末黒野 201704
被葬者の判たぬ古墳冬の草 堀井英子 雨月 201804
地震跡の一劃冬の草青し 三輪温子 雨月 201804
冬の草ためつすがめつ食ふゴリラ 佐藤恭子 あを 201812
冬の草一と震へして色放つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
野は生きる力を秘めて冬の草 稲畑汀子 ホトトギス 201901
飛鳥山冬の草間に番鳩 瀬島洒望 やぶれ傘 201903
人見舞ひ出る病院の冬の草 田中藤穂 あを 201903
冬の草住宅街といふ気品 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
冬の草午後より雨といふ予報 稲畑汀子 ホトトギス 202001
過信してならぬ健康冬の草 稲畑汀子 ホトトギス 202001
冬の草住宅街といふ気品 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
蒼天と色分け合ひて冬の草 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
冬の草濡れ色といふ主張かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
地を覆ひおほばこ冬の草となる 中根美保 風土 202102
走り根に囲まれ冬の草二寸 渡邊孝彦 やぶれ傘 202103
言ひ訳も弁解もせず冬の草 菊池和子 京鹿子 202105

 

2021年12月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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