冬 草         90句

冬草や妬心もつとも戒めむ  富安風生

冬の草 冬草 冬青草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬草を踏みて未来を案内す 稲畑汀子 ホトトギス 199901
冬草や少年はすぐしゃがみこみ 津田このみ 月ひとしずく 199912
冬草やくろぐろ匂ふ土竜塚 朝妻力 俳句通信 200002
冬草の丈を云々してならぬ 中原道夫 銀化 200003
冬草のけなげな青さ目にしみる 西村咲子 六花 200003
冬草へ樽転がりて日が射して 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 200006
野にありてこそ冬草や踏までおく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200101
冬草や時折動く猫の耳 前阪洋子 俳句通信 200103
冬草にわが影あづけ風に立つ 長山あや 円虹 200105
その錨冬草に存らえている 小林一枝 海程 200106
冬草に雨をみてより髪染める 伊藤翠 船団 200107
冬草やいつも日溜あるところ 稲畑汀子 ホトトギス 200201
冬草をむしりゴリラが拗ねをりぬ 朝妻力 雲の峰 200202
冬草や墓参の母に子の跼み 飯塚雅子 200202
冬草に畦の綾なす千枚田 坂本京子 200203
冬草や牛にむくみのなかりけり 城尾れい子 200203
冬草や老いの心にむち打ちて 原絹江 いろり 200203
冬草や工夫の憩ふ単線路 斉藤やす子 春耕 200203
我が影の中に冬草青くあり 宮本道子 酸漿 200204
冬草の自在に伸びて穴太積 金子篤子 200401
産み月の牛冬草に犇めけり 朝妻力 雲の峰 200402
冬草の日の呆けたり枕経 渡邉友七 あを 200403
冬草に荒地てふものなかりけり 大山里 200404
冬草へそうつと戻す天道虫 田中藤穂 あを 200502
冬草や一本橋へ誘ふ道 西山美枝子 酸漿 200503
冬草や土手に並びてとる昼餉 浅野恵美子 酸漿 200503
冬草をかき分けてゐる鶏冠かな 飯塚ゑ子 火星 200503
冬草に雀散らばる日向かな 青木民子 酸漿 200504
冬草のきはだつ青き草城忌 禰寝瓶史 京鹿子 200504
冬草をあげて土竜の道つづく 内藤恵子 万象 200603
冬草に風のひと日の沼あかり 岡本眸 200603
冬草やこぼれ落ちたる五円玉 竹内悦子 200604
ひとところ冬草のあり観覧車 戸栗末廣 火星 200604
冬草の頼りなくあり強く在り 伊藤早苗 200604
冬草や父より継げる爪の反 林昭太郎 200703
冬草の一きは青き引き惑ふ 川原典子 酸漿 200703
冬草や心髄いつも燃えてをり 近藤喜子 200704
冬草や老の手掛けし千枚田 菊池由惠 酸漿 200802
冬草の伏して青さを失はず 戸高郁子 200804
切株の洞に冬草あまたなり 加藤みき 200804
冬草や地球は生と死の舞台 岩月優美子 200902
冬草を過ぐ浮雲の青き影 遠藤真砂明 200903
歩を返す花つけてゐし冬草に 松尾緑富 ホトトギス 200905
冬草と云ふも濃き色名苑に 浅井青陽子 ホトトギス 200905
冬草にさくさくとした女の子 火箱游歩 船団 200906
冬草や薬もらふに橋渡る 井上信子 201002
石囲む冬草ひしと蘆花の庭 荘司正代 春燈 201002
冬草の牧にすべりし蹄跡 島玲子 風土 201004
冬草の幽けき光見つけたり 川南隆 ろんど 201005
浜風の冬草に居て残る虫 井上信子 201103
冬草や子を久々にはげましぬ 佐藤サツ 201103
冬草の青きも坂間晴子の忌 井上春子 春燈 201104
冬草の萌ゆる堤のひとところ 天野美登里 やぶれ傘 201104
冬草に横坐りせる茶虎猫 大日向幸江 あを 201112
冬草やこんなところに絵踏橋 柴田志津子 201203
冬草の光るを土手に踏みにけり 大島英昭 やぶれ傘 201203
冬草や石垣低く積まれたる 古川夏子 201204
冬草や瓦礫の原の二つ星 三枝邦光 ぐろっけ 201204
冬草を愛づ里山の一万歩 佐藤弘香 ろんど 201205
冬草を拾ひつつ食む寒立馬 北崎展江 くりから 201209
冬草の匂ひ芳し山羊の乳 山田六甲 六花 201302
生きの身のあゆみはたぬし冬草道 瀧春一 花石榴 201312
冬草の根力開校百年史 井原美鳥 201403
冬草やもぐら縦横無尽にて 山田六甲 六花 201403
冬草のひと叢あをき空地かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201403
冬草の蓬ふくらむ日ざしかな 島谷征良 風土 201404
老の歩に冬草いく本追ひこされ 佐藤喜孝 あを 201405
冬草の畦を緑に日のゆたか 中山良子 末黒野 201405
ツンドラ・スワン冬草喰めり日本の田 沢木欣一 万象 201502
冬草に山羊の蹄のしづみけり 山田六甲 六花 201502
冬草のそよぐ時あり青あをと 大坪あきら 万象 201503
冬草のみどり達者に踏まれをり 山ア靖子 201603
冬草や畦に残りし靴の跡 廣瀬雅男 やぶれ傘 201603
冬草をところどころに飛鳥山 瀬島洒望 やぶれ傘 201603
冬草の影長く言葉を探す 高田令子 201604
冬草を引くや思はぬ根の深き 島田和枝 万象 201704
冬草にちらちら風の遊ぶなり 宮崎紗伎 春燈 201801
冬草の青々としてありにけり 黒澤次郎 やぶれ傘 201804
冬草のやはらかき青撫でてゐる 近藤紀子 201903
冬草とあなどり引けば根の深し 犬塚李里子 201904
冬草や戦史の端に父が立つ 柴田佐知子 201906
冬草に明日てふ未来ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
裏庭のすみの冬草よく育ち おーたえつこ 202003
冬草の応ふる弾みスニーカー 森清信子 末黒野 202003
歩を返す花つけてゐし冬草に 吉田順子 202003
枝枝に雨冬草に雨の音 安藤久美子 やぶれ傘 202101
冬草や取柄は我慢強きこと 五十嵐貴子 末黒野 202103
冬草の庇うてゐたる命かな 農野憲一郎 春燈 202202

 

2022年12月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。