神無月2   77句

風寒し破れ障子の神無月    宗鑑

十一月  神の留守  神の旅  神無月  神有月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寝台の身の丈走る神無月 下山田美江 風土 201511
幸ひは過ぎてこそ知る神無月 丸山允男 春燈 201512
大杉の威風堂々神無月 石井美智子 風土 201512
澄み渡る風の中にも神無月 秋川泉 あを 201601
鏡中の汝励まさむ神無月 井上石動 あを 201601
猫にもすなる避妊手術や神無月 斉藤裕子 あを 201601
巫女の声なぜか華やぐ神無月 佐々木新 春燈 201602
天涯に真闇の透くや神無月 齋藤晴夫 春燈 201602
靴底の石取り除く神無月 柿沼盟子 風土 201602
資料館の展示医学書神無月 高村令子 風土 201602
地には平和をアラビアに神無月を 柳川晋 201602
竜宮の使ひ揚がりぬ神無月 小林愛子 万象 201602
はやばやと花街ともる神無月 山田春生 万象 201602
武甲嶺に薄雲かかる神無月 三好かほる 万象 201602
喪帰りの路地の灯りや神無月 峰幸子 末黒野 201602
夫野党わたくし与党神無月 木戸渥子 京鹿子 201603
老木に凭れ想ふや神無月 大日向幸江 あを 201612
杜の精我が物顔に神無月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
お節介するもさるるも神無月 コ田千鶴子 馬醉木 201612
神無月あけて二十五周記念の会 高野昌代 201612
鉢巻を捨てきれず居て神無月 大日向幸江 あを 201612
神無月連れ添ふものに電子辞書 田中藤穂 あを 201701
魚は魚を人は人食ひ神無月 奥田筆子 京鹿子 201701
かはらけのへらへら飛べり神無月 南うみを 風土 201701
韋駄天の遅刻もあるや神無月 中田禎子 201701
夜半隠岐へ渡る船便神無月 柴崎甲武信 春燈 201702
騒ぎ立つおかめひよつとこ神無月 中田禎子 201702
神無月橋杭岩の連綿と 中島陽華 201702
七岳に雲居着きそむ神無月 浅井青二 雨月 201702
駐車場の砂利踏みすべる神無月 川村みよき 万象 201703
山会の歴史繙く神無月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
一日を旅に使ひぬ神無月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
何をして来しか問はるる神無月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
ふり返る心となるも神無月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
椨の木の瘤をあらはに神無月 黒澤次郎 やぶれ傘 201712
留袖の紋はカタバミ神無月 岡田香緒里 やぶれ傘 201712
大仏の背山黙せり神無月 片桐紀美子 風土 201801
山彦も一拍おくれ神無月 千田敬 201801
辛口の地酒に集ふ神無月 荻布貢 201802
ギプスとれ一つ山越す神無月 落合絹代 風土 201802
心より身に傷痕や神無月 渕上千津 201802
大鯉の鰭の金色神無月 井上和子 201803
注連古りて社頭侘しき神無月 藤岡紫水 京鹿子 201812
神無月電車帰心の灯を詰めて 北川孝子 京鹿子 201901
夕映えの雲に明暗神無月 北川孝子 京鹿子 201901
せかるるもゆとりも少し神無月 北川孝子 京鹿子 201901
神無月上枝にかかる雲ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201901
梢(うれ)の葉のさしも知らじな神無月 鈴鹿呂仁 京鹿子 201901
神無月茶畑の富士窈寵と 小林共代 風土 201901
満月が雲掻きわける神無月 松村光典 やぶれ傘 201901
起上り小法師を試す神無月 村田あを衣 京鹿子 201901
式包丁の刃空斬る神無月 栗坪和子 201902
神無月さらりと兄を攫ひけり 杉原ツタ子 201902
隣人も出雲へ旅の神無月 鈴木昌子 やぶれ傘 201902
神無月出雲へ向ふ寝台車 鈴木昌子 やぶれ傘 201902
アイロンのよく滑る日や神無月 有賀昌子 やぶれ傘 201903
まないたは殺生の板神無月 井上菜摘子 京鹿子 201903
なりゆきに鍵持たさるる神無月 井上菜摘子 京鹿子 201903
旅先のかるき昼餉や神無月 佐藤花木 雨月 201903
神無月依頼原稿崩しつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201911
この晴を逃さぬ整理神無月 稲畑汀子 ホトトギス 201911
神無月凡には凡の生活かな 植村蘇星 京鹿子 201912
竜田社の古き狛犬神無月 今泉忠芳 ある日の滴 201912
神無月別れまっすぐやって来る 秋川泉 あを 202001
亡き母を訪ふと言ふ夫神無月 平井改子 風土 202002
我が影のわれを急き立つ神無月 卜部黎子 京鹿子 202002
スランプに拳を上げる神無月 出利葉孝 202002
松籟の宮へと詣づ神無月 沼田巴字 京鹿子 202011
美少女の羽化のはじまる神無月 安田優歌 京鹿子 202101
神無月ワイングラスに満たす赤 有賀昌子 やぶれ傘 202101
力こめ拭ふ茶渋や神無月 柿沼盟子 風土 202102
神無月職員室のドアに鍵 中嶋陽子 風土 202102
膚打つ風の廊下や神無月 善野行 六花 202102
鳥ごゑの消えて久しき神無月 藤生不二男 六花 202102
古民家の日差しやはらぎ神無月 加藤静江 末黒野 202103
神無月の予防注射や青き空 沼崎千枝 末黒野 202103
神無月八百万の憂ひかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111

神無月→1

 

2021年11月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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