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泣くことも柿剥くことも下手なりけり    橋間石

柿  熟柿  渋柿  干柿  吊し柿  柿簾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
柿食うべ相続放棄の話など 渡邉美保 火星 200711
山柿の上にまた家平家村 大畠政子 雨月 200711
また一羽柿の実に来る鴉かな 中山静枝 200712
熊除けの鈴響かせり柿の里 島田山流 春燈 200712
信濃柿二霜に黒く甘きかな 滝沢伊代次 万象 200712
柿生るに猿よけの網重ねをり 森本数子 200712
柿照るやいまも人住む武家屋敷 長谷川閑乙 馬醉木 200712
リウマチの手首柿剥くことさへも 大橋敦子 雨月 200712
柿食べ胃の冷えゆくを目のあたり 大橋敦子 雨月 200712
信濃柿小粒つぶらに朝日さす 阿部ひろし 酸漿 200712
甘柿にむらがりし子らみな遠し 篠原普美子 酸漿 200712
谷底で柿どんぐりと出合ひたり 浮田胤子 ぐろっけ 200712
柿を剥くまないた少し濡れてゐて 長沼紫紅 200712
望郷や柿に渋みの少しあり 高倉和子 200712
保育士の声よく通る柿日和 荒井千佐代 200712
嫁取らぬ男が一人柿を捥ぐ 大塚民枝 酸漿 200712
柿日和ゴルフに和む古稀と喜寿 河本利一 200801
照柿を描き追慕の日々寧し 村上光子 馬醉木 200801
病む母に気力もどりぬ柿の秋 久留米脩二 馬醉木 200801
筆柿の蕩けさうなる氷室口 近藤きくえ 200801
柿たわわ旅の取材を見てゐたり 佐藤康子 遠嶺 200801
師の里の柿岡盆地柿たわわ 岡野ひろ子 200801
柿たわわ干し物たわわ峡日和 伊藤トキノ 200801
秋なれや仏の妻に柿と栗 廣瀬義一 雨月 200801
存念のいろとなりけり柿の村 高橋邦夫 風土 200801
住み古るや小粒になりし百匁柿 森田節子 風土 200801
烏骨鶏の卵に続き柿届く 柴田久子 風土 200801
夫と捥ぎし日のありありと柿日和 吉田陽代 200801
柿の村家のしきたり細るなり 森本虹泉 京鹿子 200801
落ちし柿猿蟹合戦ありしがごと 鈴木ひろ子 200801
醂柿とどきて風の変りそむ 小泉良子 200801
日あたりのよくてしあはせ吊し柿 あさなが捷 200801
離島より渋抜中の柿届く 伊藤白潮 200801
つり橋の著き錆いろ柿日和 飛鳥由紀 200801
吹き降りに突つ支ひ付け足し柿の枝 大井邦子 ぐろっけ 200801
生花展先づ千生りの信濃柿 勝野薫 ぐろっけ 200801
女より男やさしく醂柿 池田澄子 200801
軒下に大根も柿も吊すなり 鎌倉喜久恵 あを 200801
つやつやと正坐してをり富有柿 芝尚子 あを 200801
ふるさとを持つ隣人の柿すだれ 須賀敏子 あを 200801
干柿を吊すひとりの生活かな 福地初江 200801
乾くほど音譜のやうな吊し柿 安達実生子 200802
干柿の甘くなるころ柿の里 吉原一暁 200802
柿を剥く皮につぶやく一人言 岡野ひろ子 200802
大内宿の藁葺き屋根や吊し柿 廣澤成美 春燈 200802
胸奥の灯はふる里の富有柿 宮澤さくら 遠嶺 200802
初物や親子三人柿一つ 大坪景章 万象 200802
思ひつきり柿食ふ鵯をおどしたき 久津見風牛 200802
老人に両手を振らすコロ柿村 丸山佳子 京鹿子 200802
柿すだれあかがね街道花輪宿 高瀬志ず江 風土 200802
御詠歌の流れ干柿吊す寺 椿和枝 200802
真つ先に日の差す本家柿を干す 藤井佐和子 200802
台柿の一枝置かるミュージアム 坂口夫佐子 火星 200802
老爺柿の棘の勁きに恐れ入る 大橋敦子 雨月 200802
山寺の軒びっしりと柿干せる 磯野しをり 雨月 200802
鈴なりの豆柿あさる鳥の群 木内美保子 六花 200802
座りよき富有柿父に供へけり 池崎るり子 六花 200802
軒下に夕日を受くる吊し柿 池崎るり子 六花 200802
あるじ無き見上ぐる空に柿の朱 池崎るり子 六花 200802
庭の柿貰うて帰る柿日和 小黒加支 酸漿 200802
一本道たわわに柿の色づけり 小島三恵 酸漿 200802
柿照るや沼面遍く日を受けて 煙山郷子 200802
柿の庭多し此処等も東京都 嶋田一歩 ホトトギス 200803
日本の青空がある柿を捥ぐ 嶋田一歩 ホトトギス 200803
ヒッチコック深夜劇場柿を剥く 嶋田一歩 ホトトギス 200803
古老柿の木成りの味の誠かな 高木智 京鹿子 200803
柿の木の鴉を追へる連れ雀 森津三郎 京鹿子 200803
より高くたかく串柿干し連ね 大石よし子 雨月 200803
宅配の匂ひで判る醂柿 笠井敦子 200803
日も闇も手塩のひとつ吊し柿 湯浅夏以 遠嶺 200803
笊いつぱい賜る伊豆の名無し柿 湯浅夏以 遠嶺 200803
語らずも心通へり柿なます 赤池英津子 遠嶺 200803
柿日和このごろ姉は飛んでいる 火箱遊歩 船団 200803
ぬくぬくと叱られていた柿の空 中原幸子 船団 200803
日を浴びて富士に向き合ふ柿すだれ 岡田章子 ぐろっけ 200803
干し柿のすだれにぎはふ峡の村 河井富美子 ぐろっけ 200803
柿たわわあの野郎まだ健在に 坪内稔典 稔典句集 200804
柿色に柿はなりつつ法隆寺 坪内稔典 稔典句集 200804
弟がたいてい利発柿の家 坪内稔典 稔典句集 200804
柿抱いてワコール本社ボイラーマン 坪内稔典 稔典句集 200804
柿たわわ妊婦一行通りゆく 坪内稔典 稔典句集 200804
柿たわわけんけんぱあの一人っ子 坪内稔典 稔典句集 200804
柿たわわきれいな嘘があるような 坪内稔典 稔典句集 200804
ひつそりと花を咲かせしことも柿 稲畑汀子 ホトトギス 200806
柿日和ともだち日和パーで勝つ 中原幸子 船団 200806
ポン菓子と柿売りもいるソウル街 陽山道子 船団 200806
箱詰めの柿健康を誇りけり 浅田光喜 絵巻物 200806
鈴生りはよし甘柿も渋柿も 丁野弘 200810
雲満ちて会津身不知柿の秋 須田紅三郎 200810
はや許す思ひ明かさず柿をむく 木村風師 馬醉木 200811
西国や柿の潰るる石畳 小林朱夏 200811
校長の渾名渋柿なつかしや 湯上稔子 春燈 200812
渋柿に串刺す頃やわが生地 山中宏子 200812
峰寺へ行く道柿のたわわなる 池田光子 200812
手折らるる高さに柿の色づけり 吉沢陽子 200812
詩詠みは柿好きと聞く柿の秋 須藤トモ子 200812
一斉に灯点る色に柿の店 須藤トモ子 200812
遠景に畝傍山あり柿うるる 石脇みはる 200812
好晴や挘ぎてたもれと柿たわわ 林翔 200812
柿熟るる長嶋が去り王が去り 小林奈穂 200812
柿 →9      

2021年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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