7     85句

店の柿減らず老母に買ひたるに   永田耕衣   天狼

柿  熟柿  渋柿  干柿  吊し柿  柿簾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
村は柿どき処どころの水ひかる 堀内一郎 あを 200610
大仏に近き水辺の柿サラダ 山尾玉藻 火星 200611
晴れつくす連峰柿は色付きて 望月晴美 200611
碾臼の古き踏石柿の秋 安陪青人 雨月 200611
飛鳥路の塔に日当る柿の秋 熊岡俊子 雨月 200611
初柿の木り口尖る夫尖る 秋千晴 200611
すべて見え一つ見えたる百匁柿 堀内一郎 あを 200611
柿熟れてこれから先の二卵性 鈴鹿仁 京鹿子 200612
夕空に一顆の柿が忘れもの 林翔 200612
富有柿刃覚悟の坐りやう 安居正浩 200612
いつよりか柿の胡麻斑のつひぞ見ず 鈴木榮子 春燈 200612
柿熟るる隣りはひよこ鑑別所 松下八重美 200612
柿たわわはなれの如き外厨 江原博子 200612
この家の爺の偏屈柿熟れて 今井妙子 雨月 200612
隣家の柿まだ熟れぬ子規忌かな 川崎良平 雨月 200612
三方に道別れをり柿の秋 飯塚ゑ子 火星 200612
虫食ひの柿ついばめる鳥の声 延川五十昭 六甲 200612
野仏の肩に日ののる残り柿 渡邉友七 あを 200612
特別の手入れもせずに柿たわわ 須賀敏子 あを 200612
隧道の向かう故郷の柿すだれ 野畑小百合 200612
真向ひに威を張る富士や吊し柿 水原春郎 馬醉木 200701
二の倉は粗壁のまま柿の秋 八染藍子 200701
荒船山あらふねや母を想ひの柿すだれ 林友次郎 遠嶺 200701
柿明りしづかに老いの習ひごと 窪田米子 遠嶺 200701
柿の実の下やぶさめの馬飾る 大西八洲雄 万象 200701
落柿や石となりたる道の神 大坪景章 万象 200701
柿衞の柿の大きく熟れてをり 萩谷幸子 雨月 200701
柿赤し去来の頃の蓑を掛け 内山芳子 雨月 200701
熟れ柿の大木費ゆ寺の中 大井彌雨 雨月 200701
五階より鸚哥が落す柿の種 石橋萬里 ぐろっけ 200701
鈴生りの柿の木は娘と同ひ齢 浮田胤子 ぐろっけ 200701
柿を捥ぐ吾を烏の見てをりぬ 塩田博久 風土 200701
杣人の柿焼きて食ふ夕焚火 長田秋男 酸漿 200701
山の子の得意顔して柿捥げり 関まさを 酸漿 200701
蔵町の柿は江戸一渦を巻く 関まさを 酸漿 200701
日のまぶし柿もぐ竿の定まらず 浜中トキ子 酸漿 200701
筆柿のイルミネーション枝ひろげ 長崎桂子 あを 200701
白壁に家紋大きく柿熟るる 樋口みのぶ 200701
柿を剥くとき思ひ出す蔵があり 柴田佐知子 200701
峡なべて屋根は柿色柿日和 山中宏子 200702
寄手塚身方塚へと柿供ふ 長谷川閑乙 馬醉木 200702
柿食へば子規の健啖せつなかり 内藤呈念 ホトトギス 200702
花守の里と伝へて柿熟るる 稲岡長 ホトトギス 200702
今生を歩く里山柿日和 勝見玲子 200702
干柿の横に渡せし縄たるむ 宮津昭彦 200702
南無南無とひとりで落つる次郎柿 大島翠木 200702
平時とは野山に柿の熟るる時 雨村敏子 200702
猿柿のおほかた艶の川へ落つ 黒田咲子 200702
日溜りに猫の一匹吊柿 中野京子 200702
柿たわわ水路の多き妻籠宿 三崎由紀子 遠嶺 200702
山裾に並ぶ曲屋柿簾 鈴木久香 遠嶺 200702
下よりの指図の多し柿を捥ぐ 川上恵子 雨月 200702
神の杜抜けて明るき柿の村 堀田恵美子 雨月 200702
径尽きて踵を返す柿の里 荒木治代 ぐろっけ 200702
過疎の村柿がたわわに生りゐたり 浮田胤子 ぐろっけ 200702
婚の荷に一張の弓柿日和 石崎浄 風土 200702
瀬音とは限りなきもの柿いろづく 佐々木幸 200702
板塀に葉影ひしめく柿日和 町田洋子 200702
人の良き村の媼や柿すだれ 青木政江 酸漿 200702
低空飛行鴉が狙ふつるし柿 鈴木多枝子 あを 200702
遠き日を恋しがらせて吊し柿 木内美保子 六花 200702
高枝に残りし柿の赤さかな 延川笙子 六花 200702
柿の種的を外れて飛びにけり 永田勇 六花 200702
柿食べる俳句は子規にはじまりし 嶋田一歩 ホトトギス 200703
柿を食ぶ子規虚子年尾逝きて吾 嶋田一歩 ホトトギス 200703
柿食べて虚子先生とゐし日あり 嶋田一歩 ホトトギス 200703
蔕残し柿剥く媼百二歳 猪鼻純枝 万象 200703
蚕飼ひ小屋残る秩父や吊し柿 猪鼻純枝 万象 200703
あらかたは散りし柿の葉土の彩 近藤きくえ 200703
卒寿の長姉古稀の末弟柿の秋 野沢しの武 風土 200703
雨の柿ついばむ雀みなをさな 森津三郎 京鹿子 200703
柿の皮干す平笊を三段に 鎌田篤 雨月 200703
熟れ柿の頃より老ゆる山河かな 坂本丹荘 遠嶺 200703
市田柿霧の育てる甘味かな 池崎るり子 六甲 200703
富有柿の煌々として置かれたる 永田勇 六甲 200703
根に石を抱きてすくと老爺柿 山田夏子 雨月 200704
何くれとつつつき頃のつるし柿 高橋芳子 火星 200704
あんぽ柿三年ぶりに突然に 数長藤代 200704
柿吊るす蔕の取れしはひご刺して 樋口みのぶ 200704
わがままな私を待つ柿の家 服部郁史 京鹿子 200705
暮し向き可も不可もなし柿すだれ 桑原泰子 八千草 200705
井戸端に虫食柿の砕けたり 田尻勝子 六花 200709
子規の庭てふ柿残りありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200710
柿むく手原稿書く手別にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200710
子規偲び柿熟るるまま落ちるまま 稲畑汀子 ホトトギス 200711
柿 8      

 

2021年11月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。