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渋柿の如きものにては候へど(注自作の特色の説明)  松根東洋城

柿  熟柿  渋柿  干柿  吊し柿  柿簾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
兜太にも子規にも飽きて柿を剥く
浜崎壬午
円虹
200301
物干しに柿と作業衣吊るしけり
滝本香世
百鳥
200301
浄瑠璃寺尋めて大和は柿の秋
高橋照子
雨月
200301
耳朶のかたさが好きよ吊柿
木下栄子
築港
200301
千曲川曲りくねつて柿たわわ
五十嵐美穂
帆船
200301
金色の渋抜柿が店頭に
東海林とし
帆船
200301
大木のぼたぼた落ちる蜂屋柿
東海林とし
帆船
200301
吊し柿何時の間にやら半分に
東海林とし
帆船
200301
脇門の小さきちひさき柿拾ふ
近藤きくえ
200301
父の日の凭れ甲斐ある柿の瘤
羽根嘉津
200301
柿ほどほど吊り淡交の北隣
羽根嘉津
200301
村ひそか柿ひとつづつ日の雫
安藤しおん
200301
おしなべて蔕と皮なり柿の梢
長崎桂子
あを
200301
柿仰ぐ先生の口開いてゐる
藏本博美
ぐろっけ
200301
次郎柿成って男子を生さざりき
蓮尾みどり
ぐろっけ
200301
碧天へ甍の反りと成り柿と
渡邊千枝子
馬醉木
200302
筆柿や海峡のぞむ人丸社
名取袿子
200302
次郎柿大きな蔕を持ちゐたり
田中英子
火星
200302
柿とらぬままに初七日二た七日
今里満子
火星
200302
柿をむくめつきり指輪ゆるくなり
丸山佳子
京鹿子
200302
柿を捥ぎ渋抜く手立て教へくれ
松尾緑富
ホトトギス
200302
うみ柿にのんど小さくなりにけり
伊藤多恵子
火星
200302
柿皮をくるくる剥くやピカソの絵
雨村敏子
200302
悲しみの極みの柿をすすりけり
高橋道子
200302
身知らず柿食ふ星屑のやうにかな
伊藤早苗
200302
柿簾隣の家を遠くせり
木村公子
200302
天辺にだんまりの柿となり久し
富川明子
200302
道具屋の厄除札や吊し柿
水田清子
200302
山柿の朱が満ちみちて雑木山
石村美智子
築港
200302
河北の出の客家土楼に柿実る
松崎鉄之介
200302
吊し柿客家十楼の天筒抜け
松崎鉄之介
200302
柿実る山に長征始まりし
松崎鉄之介
200302
ピアニストの柿を食む指反つてをり
望月洋子
200302
もぎたての柿不揃ひに無人賣
吉田多美
京鹿子
200302
東大寺湯屋裏道のたわわ柿
河内桜人
京鹿子
200302
震度弱しんかんとして柿熟るる
木山杏理
京鹿子
200302
柿の名を問はば老爺と申さるる
大橋敦子
雨月
200302
蔕ばかりやけに突っぱり老爺柿
大橋敦子
雨月
200302
老爺柿小さきに渋さばかり大
大橋敦子
雨月
200302
黒斑のまやかしの渋老爺柿
大橋敦子
雨月
200302
翁在し句作難渋老爺柿
大橋敦子
雨月
200302
頭を越ゆは柿飽食の鵯なりし
内山芳子
雨月
200302
柿干して大根干して初瀬かな
杉本美智江
雨月
200302
柿狩りで賑ふ山に烏来ず
坂口三保子
ぐろっけ
200302
柿熟るる里に小さな美術館
武司琴子
ぐろっけ
200302
村十戸柿色に染め柿すだれ
中島知惠子
雨月
200303
老爺柿輪島塗めく斑のつやよ
池田倶子
雨月
200303
大和路や軒場に吊す柿すだれ
井上輝男
築港
200303
柿の木に柿を飾りぬ千年家
原田暹
百鳥
200303
柿甘しあまし南加の日に育ち
高橋カズ子
円虹
200303
誰が置きし波郷の墓に柿二つ
島谷征良
風土
200303
串柿の力行サ行と横並び
堀米洋江
風土
200303
子らのため梯子掛け置く柿日和
伊藤トキノ
200303
柿吊るす影が庵主の膝頭
松本恭昂
火星
200303
アルコールふりたる柿を土間のすみ
林裕美子
六花
200303
峠茶屋笊に溢るる柿を買ふ
小林れい
酸漿
200303
柿ほめて手もぎで貰ふ散歩道
河井富美子
ぐろっけ
200303
全景がなくなる柿を捥ぎとれば
市場基巳
200304
柿暖簾あたりの風の甘さうな
西山美枝子
酸漿
200305
会うたびに智恵のつく児や柿日和
花島みゆき
八千草
200305
鳥どちの突き放題柿凍むる
岸本久栄
雨月
200306
ひなたの香日陰のにほひ柿の村
佐藤喜孝
あを
200309
渋滞のここにはじまる柿たわわ
稲畑汀子
ホトトギス
200310
柿食うてちよつと正岡子規気分
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
柿赤くなれば再び訪ふ古刹
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
柿をとる年季の入りし竿と人
島谷征良
風土
200310
釣鐘をのぞけばほうと柿の秋
鷹羽狩行
200311
柿を剥くナイフの先に新都庁
神蔵器
風土
200311
僻村や軒に唐辛子吊し柿
浜明史
風土
200311
柿熟るる生家は若き代となり
山辺多賀子
築港
200311
柿色づき浮いた話はまだ聞かぬ
丸山佳子
京鹿子
200311
柿実る葉はアメリカの虫が食ひ
上田功昭
雲の峰
200311
おとなしく家にゐる子や百匁柿
中村房枝
六花
200311
岩壁の山柿ねらふ烏かな
田中呑舟
火星
200311
烏骨鶏峡にこだます柿の秋
白澤よし子
馬醉木
200312
鵙日和柿渋染めの糸を干す
能村研三
200312
軒たのし嬰の白衣吊し柿
坂ようこ
200312
濡れ縁にでんでん太鼓柿実る
田中矢水
遠嶺
200312
飾られし李朝の膳や柿ひとつ
津田礼乃
遠嶺
200312
柿にはや夕日の色の見えそむる
山村修
酸漿
200312
廃屋の錆びし看板柿熟るる
山村修
酸漿
200312
ぽつんと立つ藩主の墓に柿たわわ
松崎鉄之介
200312
鳥よりも先に描きぬ庭の柿
佐藤斗星
200312
尾道は坂多き町柿すだれ
木村みかん
200312
黙とほす自信などなし柿熟るる
木村みかん
200312
柿を捥ぐ漢を鴉見てをりぬ高垣和恵
足立典子
雨月
200312
太陽の温みの色に柿熟るる
足立典子
雨月
200312
父母亡くも里は里なり柿の秋
久保田雪枝
雨月
200312
ひとり居の四隅の暮や柿ふたつ
後藤志づ
あを
200312
夜鍋して剥きし柿の実輝けり
須賀敏子
あを
200312
家が建ち学校が建ち柿の秋
大柳篤子
雲の峰
200312
柿日和過疎ともならず村十戸
北吉裕子
雲の峰
200312
柿もいで昔語りの姉いもと
斉藤小夜
風土
200312
柿 5      

2021年11月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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