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よろよろと棹がのぼりて柿挟む   高浜虚子   五百五十句

柿  熟柿  渋柿  干柿  吊し柿  柿簾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
御所柿の昼のひかりの片心
小林あつ子
火星
200201
吊し柿の影の斜の畳かな
河崎尚子
火星
200201
奥伊豆の日暮れの里や柿襖
伊藤亮
春耕
200201
柿穫らねばならぬ人らの大き声
植木緑愁
春耕
200201
曲家にかぶさりて柿黄ばみけり
相蘇こいと
春耕
200201
青空を占めて艶めく庭の柿
小林光美
春耕
200201
胸満す故郷の色香おけさ柿
小黒加支
酸漿
200201
長屋門禅寺丸てふ柿残り
久保田ヤスエ
酸漿
200201
裏年の柿が高きに残りをり
久保田ヤスエ
酸漿
200201
柿売るも門前町の荒物屋
大堀鶴侶
雨月
200201
富士柿とはまこと端正なる柿よ
細川コマヱ
雨月
200201
鈴生りの柿採る苦労姉の言へり
細川コマヱ
雨月
200201
吊し柿ここにこのまま暮すなり
村越化石
200201
聖ルカ忌天草に買ふ南蛮柿
牧悦子
200201
在祭柿渋塗りし軒提灯
升田ヤス子
200201
ざつくりと茅の切口吊し柿
山室キミ子
銀化
200201
やわやわといもうとのほほ柿の天
貝森光大
六花
200201
沖合に航空母艦柿の種
瀬川公馨
200201
柿一枝折るに油断をしてをりぬ
近藤きくえ
200201
柿の木の全身で実を育てけり
半澤佐緒里
百鳥
200201
納屋奥に大き石臼信濃柿
小宮山勇
遠嶺
200201
蒼空の風にもらひし柿ひとつ
橋本良子
遠嶺
200201
柿日和五右衛門風呂の底板干す
藤稿みのる
風土
200201
日のうちに妻籠へ入りぬつるし柿
鈴木多枝子
あを
200201
斑鳩の里より御所柿富有柿
早崎泰江
あを
200201
柿の実の梢に残り昏れてゆく
栢森敏子
あを
200201
柿の実の数より多き鳥の声
梁瀬照恵
ぐろっけ
200201
柿落ちて一つ減りたる選択肢
土井田晩聖
銀化
200201
トンネルの狭間はざまに柿実る
吉原一暁
200202
枯露柿や秩父に兜太伊昔紅
水原春郎
馬醉木
200202
百舌鳥鳴くや柿の梯子の天に抜け
池元道雄
馬醉木
200202
山の子の柿稲架くぐる七五三
岸のふ
馬醉木
200202
外厠絵になる柿の照り返し
杉本重雄
200202
幡枝柿霜寂びはやき時雨ぐせ
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
浴北の鵙日和といはむ柿日和といはむ
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
庵柿は人とり放題鳥任せ
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
老残を言ひあひ夜の柿を剥く
村上一葉子
200202
柿吊す屋根の高さの神南備山
矢田鹿苑子
200202
山頂の見ゆる窓辺や吊し柿
遠藤裕子
円虹
200202
旅の計立てては崩る柿の秋
武井美代子
風土
200202
あんぽ柿買はぬ未練を残しけり
田宮勝代
酸漿
200202
陶榻に捥ぐぎたる柿をならべ置く
金森教子
雨月
200202
柿干して生れし家が終の家
武田和代
百鳥
200202
藁屋根に柿捥ぐ人の影動く
山本あかね
百鳥
200202
舞ひ落つるものに羽あり熟し柿
井関武子
火星
200202
藁敷いて柿の皮干す甲斐の国
山田春生
春耕
200202
きつぱりと蔵王連峰柿の秋
田崎凛
春耕
200202
駅構内はしからはしまで吊し柿
木戸波留子
いろり
200202
父に酒母に干し柿供へけり
桑垣信子
いろり
200202
貧しさの生活をかくす柿すだれ
栢森敏子
あを
200202
砂町銀座めがね屋に柿映り
仲村青彦
200202
柿捥ぎも供養や子規の百回忌
土田栄
200202
部屋の灯と闇を隔てる吊し柿
柏木去孔
200202
吊し柿角のまだまだ失くならず
鳥川昌実
六花
200202
柿を剥く女が二人地蔵堂
勝野薫
ぐろっけ
200202
言ふべきか否柿の皮渦巻けり
加藤奈那
ぐろっけ
200202
柿食へば子規百年といふ歴史
稲畑廣太郎
ホトトギス
200203
つくづくと頼山陽の柿の下
後藤比奈夫
ホトトギス
200203
烏二羽睦みてをりし柿の蔕
竹内悦子
200203
一本の柿が守るなり道祖神
山村桂子
遠嶺
200203
誕辰や真薯の月と柿なます
杉山瑞恵
雨月
200203
照り映ゆる柿たわわなり長寿村
大山妙子
酸漿
200203
柿の実をひとつ残して儒者の家
渡部伸一郎
百鳥
200203
豆柿の実のたわわなり冬ぬくし
河野友子
六花
200203
凍柿のいろを映せる厨窓
吉田島江
火星
200204
日の色の柿積みあげて開店す
小林玲子
ぐろっけ
200204
吟行を忘れて余呉の柿どろぼう
小阪律子
ぐろっけ
200204
頬張れば種の占めゐし山の柿
平尾隆士
ぐろっけ
200204
柿を接ぐ傘寿の口の一文字
朝原きよじ
200205
一本の若竹揺るる柿林
朝妻力
雲の峯
200207
柿を吊る影の曼荼羅模様かな
宮原みさを
花月亭
200208
父の忌や兄と分け合ふ柿一つ
大谷茂
飛白
200208
威し銃柿に朱色を点じたる
大串章
百鳥
200211
柿の木の影柿の木の影に人
大串章
百鳥
200211
嘴傷を夕日に向けて癒す柿
三浦照子
帆船
200211
柿たわわ妻の笑顔を良薬に
山田六甲
六花
200211
見られては家柿色を尽しけり
竹村悦子
銀化
200211
放浪を土台に生かし柿実る
斉藤静枝
あを
200211
軒先に三つばかりの吊し柿
磯野至子
あを
200211
白秋の歌の夕映え禅寺丸柿
神蔵器
風土
200212
長梯子かけつぱなしの柿の秋
吉原一暁
200212
枝柿を持つて農夫が畦をゆく
森良子
築港
200212
縁側に座蒲団二つ柿の秋
野上兼光
帆船
200212
柿たわわ骨董市の時計鳴る
小川洋子
帆船
200212
豆柿の熟るるを待たず母の逝く
梅谷昌弘
雲の峰
200212
子規展を出で柿熟るる庭に居り
尾崎恭子
雨月
200212
遺影にすこし文句も言ひて柿供ふ
田中藤穂
あを
200212
柿熟るる天の一角没日灼く
渡邉友七
あを
200212
児とうたふ柿の綿帽子窓の外
江倉京子
あを
200212
富有柿の四角を丸く剥くなかれ
中原道夫
銀化
200212
柿ひとつもいで欲しいと塀の外
北浦義雄
ぐろっけ
200212
血糖値一憂去らず柿をむく
島村耕作
200301
陣中の見舞は部長捥ぎし柿
加藤峰子
200301
柿をむくときには夫へ変化球
数長藤代
200301
着々と進む一事や柿を剥く
福井鳳水
円虹
200301
この村のこの明るさや柿の秋
南孝
円虹
200301
柿の実のたわわや空の遠かりき
大槻久美
円虹
200301
柿 4       

 

2021年11月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。