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日がさして熟柿の中の種みゆる   長谷川櫂   果実

柿  熟柿  渋柿  干柿  吊し柿  柿簾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
刃を入れて種なき柿や大当り 村田望 201101
札所への参道たわわ柿実る 坂根宏子 201101
「齢だな」と笑顔の卒寿柿を捥ぐ 安本恵子 201101
鴉へと照るてっぺんの残り柿 能勢栄子 201101
落暉いまたわわの柿に宿りけり 岡佳代子 201101
龍馬恋ふ若者多し柿日和 伊東和子 201101
柿たわわ獲る人もなき山の里 西田史郎 201101
柿たわわ美濃の家並に及びけり 高埜良子 春燈 201101
日曜の憂うつ柿の実が照らふ 宮崎紗伎 春燈 201101
金輪際落ちぬつもりや木守柿 本多ちづ子 馬醉木 201101
柿食べてすとんと物を忘れたり 犬塚芳子 201101
鈴生りの柿や国勢調査の日 重田修 末黒野 201101
一村のそつくり柿の色となる 竹村清繁 末黒野 201101
護良の笛吹きし碑や柿一つ 大坪景章 万象 201101
柿照りて磐余に向きし古墳口 疋田華子 万象 201101
筆塚に柿の葉一枚きて朱色 高橋泰子 201101
島めぐるバスに猿柿弾かるる 浜口高子 火星 201101
柿剥いて隠れ十字を壊しけり 菅谷たけし 201101
ひとつづつ夕日とらへて軒端柿 豊田都峰 京鹿子 201101
道端の小さき地蔵に柿二つ 並河富有野 京鹿子 201101
乾蔵のこる邸や柿の秋 乗光雅子 雨月 201101
わが庭の柿は御所柿面映ゆし 井田実代子 雨月 201101
そらみつの大和に住みて柿の秋 村上悦子 雨月 201101
み吉野や柿盛る籠の粗めなる 笹村政子 六花 201101
山柿を籠に捥ぎ足す茶店かな 笹村政子 六花 201101
夕映えの中より柿を捥ぎにけり 笹村政子 六花 201101
窯の辺に来て柿色の小鳥かな 根橋宏次 やぶれ傘 201101
弾かれし墨壺の糸柿日和 丑久保勲 やぶれ傘 201101
まろき実と長き実熟るる夫婦柿 廣瀬雅男 やぶれ傘 201101
大和路の遠見の塔は柿たわわ 秋葉貞子 やぶれ傘 201101
仰ぎたる青空に映え柿の色 五十嵐満里子 酸漿 201101
柿どころ尋ねて村の静かかな 鎌倉喜久恵 あを 201101
塩壺は古き益子や柿の秋 瀬島洒望 やぶれ傘 201101
青空を研ぐかに里の柿の朱 阿久澤利男 やぶれ傘 201101
柿落葉終の一葉を栞とし 伊藤憲子 201102
置き薬置きて生地の柿のこと 小澤菜美 201102
木守柿生り年なれば三つほど 大木清美子 201102
箱の柿隙間を埋める紙ぢから 加藤峰子 201102
涙して笑ひて柿の熟れゆけり 前川明子 201102
薄茶飲む窓に差し込む柿日和 鈴木一広 201102
木守柿ぽつりと灯す夕ごころ 川村欽子 雨月 201102
太陽の的となりたる木守柿 水谷靖 雨月 201102
屋根低し山脈低し木守柿 助口もも 火星 201102
立像の露坐の釈迦牟尼柿の秋 小川玉泉 末黒野 201102
江戸の香を今に佐原や柿の秋 鍋島武彦 末黒野 201102
富有柿ひとつ買ふにも重さみて 小林清子 末黒野 201102
庭園の古き神殿柿たわわ 魚谷美恵子 ぐろっけ 201102
主逝きもう届かぬや富有柿 林哲夫 ぐろっけ 201102
日を吸へる柿の色さえ吉野道 丹後みゆき ぐろっけ 201102
野仏に柿並べあり柿どころ 丹後みゆき ぐろっけ 201102
柿の山軒つらねたる直売所 丹後みゆき ぐろっけ 201102
柿一つ啣えし鴉吾をかすめ 水上貞子 ぐろっけ 201102
実の重き柿の幹裂け田で腐る 水上貞子 ぐろっけ 201102
市田柿うましうましと夫思ふ 芝宮須磨子 あを 201102
晩節を貫く構へ木守柿 田中藤穂 あを 201102
枯枝に刺されし柿に鵯通ふ 赤座典子 あをかき 201102
ひかげれば明かりとなりし木守柿 内藤三男 ぐろっけ 201102
ふるさとへ流るる雲や木守柿 四方ハツ子 春燈 201103
鳥声の空を統べをり木守柿 鶴見遊太 201103
泰治描く里そのままに柿の秋 小倉正穂 末黒野 201103
木守柿生きぬくものの艶やかさ 平尾栄 末黒野 201103
木守柿散り散りに雲流れをり 上月智子 末黒野 201103
里人の布施のこころにあはせ柿 和田照海 京鹿子 201103
富有柿福助のごと正座せり 相良牧人 201103
木守柿思案の色となりにけり 石田きよし 201103
柿の木に柿やおまへのゐる空気 村高卯 201103
愛宕嶺の尾根うつくしき木守柿 小林成子 火星 201103
一夜明け一つの柿が鳥の餌 武智恭子 ぐろっけ 201103
柿剥けば皮の流れの視線かな 池田久恵 ぐろっけ 201103
古老柿の白き粉吹く密寺かな 延広禎一 201104
枯露柿の重みの中の甘さかな 印南美紀子 酸漿 201104
照柿や部落人口一人減 小林幹彦 201105
蜜ぎゆつと湛へ献上柿真つ赤 布川直幸 201110
献上柿とならむ枝をしならせて 布川直幸 201110
八十は峠なりけり残り柿 竹貫示虹 京鹿子 201110
柿の木に大声をあげ山の鵙 滝沢伊代次 万象 201110
柿熟るる天平の世の塔二つ 山田春生 万象 201110
傷付きし柿を手のひらにて磨く 山田六甲 六花 201110
庭柿と明治の時計残し逝く 松林順子 雨月 201111
御徒士町見越しの柿の似合ふ道 川崎利子 201112
柿一つ実篤の絵に息づけり 安立公彦 春燈 201112
柿たわわ木槌の音のとかとんとん 上原重一 201112
遠富士や祭りのごとき柿畑 上原重一 201112
一顆なきままや我が家の柿の秋 小林一榮 末黒野 201112
たわわ柿まづは眺めて席入りす 中島節子 ぐろっけ 201112
待合に亭主の手なる柿の軸 中島節子 ぐろっけ 201112
柿たわわカーブする度迫りくる 藤井久仁子 ぐろっけ 201112
柿少し色づく下に刃物研ぐ 生田作 風土 201112
夜の柿そそのかされずとも盗む 山田六甲 六花 201112
久々に訪ふ娘の家や柿たわわ 若江千萱 雨月 201112
土産にと庭柿折りて貰ひけり 若江千萱 雨月 201112
柿たわわ釣月軒の屋根越えて 萩谷幸子 雨月 201112
苞とせむ今を盛りの大和柿 植松昌子 馬醉木 201201
ニュートンに従はぬあり木守柿 塩路五郎 201201
今年柿たわわに実り過疎の里 伊藤和子 201201
柿たわわ稲荷の磴の千余段 桂敦子 201201
湯の里の川のせせらぎ柿たわわ 木戸宏子 201201
柿の色日々に重ねて己が色 中野京子 201201
頂相にふかぶか唱ふ信濃柿 鈴木初音 201201
柿貰ふ大津や京都素通りし 田中臥石 末黒野 201201
柿→ 12      

2021年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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