かげろう   189句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
かげろふのむかふは鴟尾の照らす国 豊田都峰 山の唄 198200  
直土ひたつちにして貝殻とかげろへる 岡井省二 199805  
看板のかげろふてゐる鮒ずし屋 梶山千鶴子 きりん 199805  
かげろふがかたまつてをるだるま歌 岡井省二 199903  
畑の梅畦は緑にかげろいて 福間慶子 俳句通信 199904  
かげろふの墓の一つに参りけり 神蔵器 風土 199905  
鉄棒の子にかげろふがまとひたる 山田弘子 円虹 199905  
歩道橋卍に渡りかげろへる 夏秋秋子 ヒッポ千番地 199905  
車座のラクダ七頭かげろひて しおやきみこ 船団 199909  
かげろふの根の離れたる妻の墓 神蔵器 風土 200005  
砂山に新しき砂かげろへり 笹家栄子 200005  
かげろふを毀して駆ける少年よ 渡辺昭 200005  
かげろふや猫に呑まるる水たまり 芥川竜之介 京鹿子 200005  
晝深し池の入江のかげろへり 内藤紀子 遠嶺 200005  
翡翠の横切りしあとのかげろへり 星佳子 200005  
かげろふに鉄骨を組む難儀かな 水内慶太 銀化 200005  
かげろふや水うすければ風の意に 岡本眸 200007  
かげろへるレールに列車揺れ合はす 丁野弘 200103  
骨肉の肉の部分のかげろへり 山野みどり 銀化 200104  
かげろひにかげろふ俗語慎みぬ 峯尾文世 銀化 200105  
かげろひて径に傾く五輪塔 後藤志づ あを 200105  
フォアグラを食べたる顔のかげろへる 城孝子 火星 200106  
かげろひて観音様の印縺れ 杉山たかを 200106  
下駄の歩の線路かげろひ警報下 松本米子 あを 200106  
手話といふしづかな会話かげろへり 新家生子 200107  
スバルラインにつらなる車かげろへり 池水雅子 200107  
来し方に立つかげろふの仄暗き 亀田愚風 銀化 200107  
かげろふや廐に遠く馬あそぶ 能村登四郎 羽化 200110  
大極殿跡に彳つわれかげろへる 安養寺美人 200112  
死地とする郷のかげろふ満喫す 柳川大亀 銀化 200205  
カツプルもかげろひメリケン波止場かな 西宮舞 200206  
こころざしとはかげろふのやうなもの 尾上直子 200206  
かげろふやかたむくままの砦石 武井美代子 風土 200206  
かげろへる八坂の塔や東山 池田加代子 風土 200206  
明日香なる陵の丘かげろへり 伊藤通友 200206  
かげろふの修羅におぼれてゆくやうに 蔵持柚 銀化 200206  
嬰の唇胸元を吸ひかげろひぬ 伊藤希眸 京鹿子 200207  
かげろふの砂丘を行ける人小さし 渡辺きよえ 百鳥 200207  
一瀑に古りし一橋かげろへる 藤井昌治 200207  
かげろふはいざ鎌倉の径と言ふ 宮原みさを 花月亭 200208  
潮待ちの舟や桟橋かげろひて 相沢有理子 風土 200305  
かげろふに頭を振つてくる一輌車 中島真沙 円虹 200305  
磯宮に出でくる狸かげろへり 藤井初江 百鳥 200305  
枢出てかげろふへ礼深くせり 田所節子 200306  
段畑のかげろふ中に人のをり 小林れい 酸漿 200306  
伏し拝みかげろふとなる男かな 山田弘子 円虹 200306  
共に生き語りし月日かげろへる 長山あや 円虹 200306  
かげろふや遠くて近き戦さの火 長山あや 円虹 200306  
かげろふは八百比丘尼逆さ杉 仙田孝子 風土 200307  
艇担ぐ逞しき脚かげろへり 佐々木ひさこ 築港 200307  
葬列の十人足らずかげろへる 伊与田秀一 200308  
かげろふに生まれ変りし女ならむ 小澤克己 遠嶺 200309  
かげろうや煉瓦焼く窯燃え盛る 田中時子 八千草 200309  
かげろふに仙紙三反抱へゆく 岡井省二 岡井省二全句集/猩々 200312  
ほおるいんわんの歓声かげろへる 泉田秋硯 200406  
膕にかげろふ揺れてをりにけり 本多俊子 200406  
雀らは仏の前にかげろへる 九万田一海 河鹿 200407  
かげろふや線路の脇の殉職碑 菅野啓子 百鳥 200408  
原爆の日のかげろひに黙祷す 早崎泰江 あを 200410  
かげろふに佳き彩なりと着て出づる 岡本眸 200412  
ふるさとに似し農道のかげろへり 中川英子 百鳥 200505  
発掘の人らかたまりかげろへる 桑田青虎 ホトトギス 200506  
三叉路の現場検証かげろへる 田村園子 200506  
かげろひて感性どこか触れ合へる 瀬下るか 200506  
かげろうてかげろふ舟に乗りにけり 城孝子 火星 200506  
かげろひて陸橋といふ危ふさに 足立典子 雨月 200506  
かげろふに座して船笛はるかなり 高橋さえ子 200506  
突堤の釣師動かずかげろへる 尾辻のり子 河鹿 200507  
かげろふの中からA字ビスケツト 坂本敏子 京鹿子 200507  
枕木にかげろふたちて海近し 鎌倉喜久恵 あを 200507  
かげろへるものに真昼の魚市場 鹿野佳子 200507  
縄文の謎の列石かげろへる 村上沙央 200508  
かげろふより走り来し児を抱きとむる 田所節子 涼しき嵩 200511  
石と石睦みあふごとかげろへる 田中春生 200512  
かげろふや水底すでに暮れゐたり 八木柊一郎 ぐろっけ 200512  
かげろふの木杭と鳥と小舟かな 小澤克己 遠嶺 200604  
どこからが海かげろふの眩しさに 遠藤真砂明 200606  
かげろふや民主的とふ多数決 佐々木よし子 200606  
迦楼羅炎のかげろうてをる飛鳥なり 中野京子 200606  
先達の笑顔かげろふ岩ぶすま 山崎靖子 200606  
遠くまで打たれし田なりかげろへる 藤井昌治 200606  
かげろひつ来るは正しく夫ならむ 塩路隆子 200607  
湯立坂網干坂とかげろへる 八木下巌 200607  
仏頭の出でし山とやかげろへる 片山喜久子 雨月 200608  
歩みきし夫との径やかげろへり 久保久子 春燈 200612  
かげろひし師団街道兵とゐし 鈴鹿仁 京鹿子 200704  
無人島断崖絶壁かげろへる 赤座典子 あを 200704  
かげろひに御堂のつづら開いてあり 山田美恵子 火星 200705  
かげろふの中へ影曳き去りゆけり 稲岡長 ホトトギス 200706  
かげろふて向かうの岸を女学生 前川明子 200706  
かげろうて同窓会の来る畷 山田美恵子 火星 200707  
かげろふの庭より庭へ扉一枚 山田弘子 ホトトギス 200708  
かげろうて揺るる吉野の石仏 長山あや ホトトギス 200708  
かげろふや佐保路にであふ人はだれ 豊田都峰 京鹿子 200708  
かげろふを見つけし冬の日向かな 山田六甲 六花 200712  
かげろひの丘や落葉の舞ふ日なり 名取袿子 200802  
喇叭吹き移動販売かげろへり 相沢有里子 風土 200805  
万霊のかげろふ重し回向院 神山志堂 春燈 200805  
風熄みし沈床花壇かげろへり 大竹淑子 風土 200806 京都植物園
かげろふの遮断機の中通りけり 布施まさ子 風土 200806  
陽炎の中にかげろふ人となり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200806  
かげろふに人包まれて去りにけり 白石正躬 やぶれ傘 200806  
かげろへる川下の町一の橋 十川たかし 200807  
かげろふへ二輌増結されにけり 杉浦典子 火星 200807  
かげろふのまぎるる源氏香のなか 武藤ともお 京鹿子 200810  
うすべりに楽人揃ひかげろへる 山尾玉藻 火星 200903  
かげろへる墓山に手を振り返す 岡本眸 200904  
投網する人も小舟もかげろへる 河口仁志 200905  
かげろへる梛の木に寄る緋の袴 坂口夫佐子 火星 200905  
かげろふや吉凶はこぶ郵便夫 中村嵐楓子 春燈 200905  
鉢の土替へかげろふの中へ置く 田所節子 200906  
かげろへる地表や竿竹売りの声 相沢有理子 風土 200906  
川越に入る街道のかげろへり 竹生田勝次 風土 200906  
水音の十六羅漢かげろへり 松山直美 火星 200907  
かげろふを出でて背骨の戻りけり 山崎青史 ろんど 200907  
かげろふや紙の袋にがんもどき 竹内悦子 200910  
かげろふに消え清盛の一世かな 西川織子 馬醉木 201005  
都府楼の跡の礎石のかげろへる 藤井美晴 やぶれ傘 201007  
あまりにも佳き名に橋のかげろへり 矢野百合子 201007  
かげろへる杉の林も野の草も 安江笥子 雨月 201007  
岬馬の地を舐むるごとかげろへる 山口貴志子 馬醉木 201012  
かげろふの果てまで歩む靴を買ふ 外川玲子 風土 201105  
かげろふや神の試練の不具の子負ひ 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
檜皮葺にかげろふ立てり酒の神 延広禎一 201106  
原発の六兄弟のかげろへり 栗栖恵通子 201106  
かげろひし木々の透き間にはいりこむ 吉弘恭子 あを 201106  
猿島は鳶の輪の中かげろへり 城戸緑 末黒野 201107  
膝折りし辺にひそと草かげろふ 大渕豊子 酸漿 201107  
浅間山野のかげろふの彼方かな 白石正躬 やぶれ傘 201108  
機影なき三保飛行場かげろへる 有賀昌子 やぶれ傘 201108 三保の松原
瓦礫かげろふ光るものみな目となるや 小島芦男 ろんど 201108  
江ノ電のかしぐ一輌かげろへり 織田みさゑ 万象 201109  
かげろふによりそふ和泉式部の墓 豊田都峰 京鹿子 201110  
かげろふや兄の服着て兄の畑 戸栗末廣 火星 201205  
かげろふに杖をとられし仏かな 神蔵器 風土 201205  
かげろふの目を凝らしてもこらしても 徳田千鶴子 馬醉木 201206  
乗り継ぎの列車かげろふより現るる 松井志津子 201206  
かげろふに土蔵沈める鬼瓦 岡澤田鶴 201206  
かげろふや人を集めて出る渡し 上村葉子 風土 201206  
かげろうてゐし松の木の菰はづし 助口もも 火星 201206  
一本のかげろふ鉄路父のこと 伊藤紀子 ろんど 201206  
抜きんでて高き煙突かげろへる 藤井美晴 やぶれ傘 201206  
陽炎を踏みて男女のかげろへり 清海信子 末黒野 201207  
子らの来て古墳の丘のかげろへり 松田明子 201208  
かげろへるわれの知らざる姉の墓 北崎展江 くりから 201209 夭折
鳰の巣にみづかげろふの立ち渡る 和田照海 京鹿子 201210  
少年は薄羽かげろふ追ひ切れず 高田令子 201210  
灯に透くるうすばかげろふみかん色 久保村淑子 万象 201210  
乱れ舞ふかげろふに刹那の快楽 近藤喜子 201211  
牧神の深き眼差し草かげろふ 近藤喜子 201211  
かげろふや引つ詰髪の母見ゆる 鳥居おさむ ろんど 201302 『体内時計』
かげろへる辺りまで夫追うてみる 神田恵琳 跫音 201303  
壊れたる船の乾きてかげろへり 森高武 風土 201306  
太郎冠者追うてかげろふ立つ辺り 神戸京子 ろんど 201306  
かげろふや殊に合戦ありし山 大橋晄 雨月 201306  
恍惚とかげろふを食む迷ひ牛 畑佳与 京鹿子 201405  
嬉しきも憂きも言の葉かげろへる 山田佳子 201405  
かげろふや父の服着て田に立てば 戸栗末廣 201408  
海明けのオホーツク破船かげろへる 土屋草子 ろんど 201408  
睡蓮の葉照りかげろふ多宝塔 田中貞雄 ろんど 201409  
斧上げる樵にかげろふまとひつく 有松洋子 201505  
かげろふの芯に崖なす龍見台 生田作 風土 201506  
ちん 座敷水かげろふの春障子 赤岡茂子 春燈 201507  
橋桁の水かげろふや秋日和 赤岡茂子 春燈 201602  
水かげろふ障子に朝はゆつくりと 安藤久美子 やぶれ傘 201603  
かげろふや波郷渡りし葛西橋 藤原照子 201605  
かげろふて川原の石を拾ふ人 渡真利真澄 万象 201606  
かげろふや和紙人形に目鼻なく 宮川みね子 風土 201607  
かげろふを脱けて大きな翅となり 伊藤希眸 京鹿子 201607  
かげろふや記憶の波の寄せて来し 林いづみ 風土 201608  
父死なすためかげろふの坂急ぐ 神蔵器 風土 201702 『有今』
街道の水かげろふや鳥帰る 田中とし江 201705  
かげろふをまとひバス乗る岬道 松本三千夫 末黒野 201707  
喜怒哀樂かげろふに溶け杭一本 伊藤希眸 京鹿子 201707  
かげろふや石詰められし城の井戸 深川淑枝 201708  
青鷺の水かげろふの上に佇つ 竹生田勝次 風土 201709  
古池や水かげろふの青楓 岡野里子 末黒野 201710  
かげろふの舞ふ水あかり夕あかり 近藤喜子 201711  
みづうみの水かげろふに柿を干す 南うみを 風土 201801  
陽炎に入りかげろふとなりにけり 高橋将夫 201805  
かげろうて糸杉ふらと歩きだす たかはしすなお 201806  
放射線量表示かげろふ常磐道 赤座典子 あを 201806  
塩の道かげろふ中に資料館 宮内とし子 201807  
樹齢から見ればにんげんかげろふなり 奥田筆子 京鹿子 201810  
水かげろふ棲みついてゐる障子かな 南うみを 風土 201902  
十歩先の師の影いつもかげろえる 山田邦彦 201902  

 

2019年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。