糸 遊  50句

陽炎  かぎろひ  かげろふ  糸遊  遊糸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
糸遊のからまつてをり木の骸 堀江かつみ 199901
糸遊の糸もて天地つくろへり 新井竜才 銀化 199906
糸遊の陽明門にはじまれる 小形さとる 200006
糸遊の先の接点なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200103
糸遊やビル街いよよ天目指し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200103
糸遊や童子童女の多き墓誌 関章子 百鳥 200206
糸遊や高速道路歪めたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
糸遊をひきひき進む三輪車 中村恵美 円虹 200306
糸遊や詮なき人の物洗ふ 宇垣みきえ 200406
糸遊や白き山襞残しをり 阿部正枝 遠嶺 200406
糸遊を虚ろごころに見てをりぬ 岡淑子 雨月 200408
てんびんの里の糸遊貧しかり 戸田和子 200506
糸遊や墓参の炎手囲ひす 田中英子 火星 200507
糸遊や前ゆく人のすでに老ゆ 守屋井蛙 酸漿 200511
糸遊や舟の釣座も銭の運 中澤弘 春燈 200704
糸遊にとまどふ魔女の箒かな 玉川悠 遠嶺 200706
三歩半では糸遊に近づけず 高田令子 200707
糸遊に仏塔少しゆがみけり 安原葉 ホトトギス 200710
糸遊に目鼻付けたる男にて 小形さとる 200806
糸遊の雲と溶けたる伽藍かな 浜田はるみ 遠嶺 200807
糸遊やビデオの真砂女恋語る 三宅文子 春燈 200907
糸遊のもつれかはたとつまづきて 北川英子 201004
一条の糸遊きらり春日向 赤木和代 201006
糸遊を視てゐる窓辺カプチーノ 中村ふく子 201105
糸遊や禿山の猿横に跳ぶ 大木茂 万象 201106
糸遊へ真直ぐ合はす方位針 成田美代 201107
糸遊にひとりまぎれて出棺す 和田照海 京鹿子 201107
糸遊やガラスの瓶に閉ぢこめる 上野民子 京鹿子 201107
糸遊や陽の色返す捨て畑 瀬島洒望 やぶれ傘 201108
糸遊やかつて渡しの佃島 コ田千鶴子 花の翼 201111
糸遊に家出への道笑いおり 鎌田悟朗 ろんど 201206
糸遊や人形塚へ招かるる 酒本八重 201207
糸遊や音遠ざかる救急車 瀬島洒望 やぶれ傘 201207
糸遊や句碑の文字追ふ浅草寺 安立公彦 春燈 201405
糸遊を越すに躊躇の遠眼鏡 小林正史 201406
糸遊の光掬ひし柄杓かな 雨村敏子 201505
糸遊や骨あることを忘れをり 酒本八重 201506
糸遊や知覚過敏の京都弁 奥田筆子 京鹿子 201609
糸遊や埴輪の口の呆として 酒本八重 201706
糸遊の遊んでをりぬ草の上 後藤比奈夫 ホトトギス 201711
糸遊や擦れ違いたる死の二つ タチオカ帽子 船団 201802
反芻は糸遊ばかり見張り山羊 和田照海 京鹿子 201805
糸遊の中を若子の駆けり来る 城戸ひろみ 雨月 201806
糸遊や面影橋を往く都電 塙誠一郎 201807
ニッカポツカ糸遊の向かうから 中島陽華 201909
糸遊とふ銘の茶杓を拭いてをる 近藤紀子 202007
糸遊と賽の河原をそぞろ行く 藤井美晴 やぶれ傘 202105
糸遊や万葉集の恋の歌 三宅文子 春燈 202107
糸遊や金閣池に炎上す 橋添やよひ 風土 202107
糸遊の先に居る子等坂の上 小池一司 やぶれ傘 202206

 

2023年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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