鰯 雲 6     106句

鰯雲母なきあとは睡たしや   上田操   俳句年鑑

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰯雲大地に確と足付けて 与川やよい 遠嶺 200901
天心に鰯雲あり楸邨碑 森川彩火 炎環 200901
おにぎりの正三角形鰯雲 藤原はる美 200901
柏槙の一面一木鰯雲 下山田美江 風土 200901
鰯雲呑みて丸々神の鯉 大山春江 万象 200901
鰯雲流るる方へ歩みける 上原榮子 京鹿子 200901
鰯雲町の由緒を声にして 柴田佐知子 200901
納骨了ふいよよ密なる鰯雲 荒井千佐代 200901
鰯雲引き絞りつつ日は落ちぬ 森紀子 200901
兵たりし頃の傷なく鰯雲 神谷耕輔 200901
宍道湖の波しづかなり鰯雲 花岡豊香 酸漿 200901
鳥来るか湖の果まで鰯雲 藤井美晴 やぶれ傘 200901
鰯雲うごくともなき観覧車 藤井美晴 やぶれ傘 200901
かつてここスガモプリズン鰯雲 平岡かづを やぶれ傘 200901
石灰に被はれし畑鰯雲 久世孝雄 やぶれ傘 200901
社員クラブ起き出てめづる鰯雲 瀧春一 深林 200901
鰯雲映る植田も北の涯 瀧春一 深林 200901
里山に魅せられてをり鰯雲 長崎桂子 あを 200901
初めての町見慣れたる鰯雲  今橋眞理子 ホトトギス 200902
整ふといふは小間切れ鰯雲  湯川雅 ホトトギス 200902
どこまでも空を広げて鰯雲  涌羅由美 ホトトギス 200902
鰯雲子どもの国線駅二つ 下山田美江 風土 200902
広がりてもう動かざる鰯雲 柴田佐知子 200902
先約があり鰯雲置きざりに 井上菜摘子 京鹿子 200902
鰯雲師系の端にそつとゐる 赤羽正行 遠嶺 200908
鰯雲野に上棟の酒を酌む 水原秋櫻子 馬醉木 200909
鰯雲より透けてゐる星いくつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
幾年を土着と言ふか鰯雲 能村研三 200909
鰯雲大きく回し投網うつ 渡部節郎 転舵の渦 200911
麻酔より覚めゐし刻や鰯雲 山崎ゆき子 炎環 200911
鰯雲少し太めの警備員 森ゆみ子 炎環 200911
推敲のなりたりをりや鰯雲 本田修子 炎環 200911
朝刊の秘湯の記事よ鰯雲 本田修子 炎環 200911
手術待つ窓辺に鳩や鰯雲 本田修子 炎環 200911
病室の昼餉の音や鰯雲 本田修子 炎環 200911
退院の夫待つ朝や鰯雲 本田修子 炎環 200911
ペンギンの背伸びしてをり鰯雲 北島正太郎 炎環 200911
選挙後の日本にはや鰯雲 泉田秋硯 200911
鰯雲外野・内野手守りぬき 松橋利雄 春燈 200911
鰯雲鰐口ひけば鐘が鳴る 池田光子 200911
尾瀬沼の浮島囲む鰯雲 渡部磐空 200911
蒼穹の青を奪はん鰯雲 中島玉五郎 200911
うつ向けばもつと落ち込む鰯雲 北川英子 200911
バスを待つたつた一人の鰯雲 成宮紀代子 200911
紛れ込むことの安堵や鰯雲 福島茂 200911
当り籔秘めてゐさうな鰯雲 禰寝瓶史 京鹿子 200911
鰯雲大海原を鏡とし 上原恒子 雨月 200911
仏具屋にアーケード果つ鰯雲 杉浦典子 火星 200911
鰯雲母の在所は水豊か 塩出眞一 ぐろっけ 200911
よき空でありしひと日や鰯雲 芝尚子 あを 200911
鰯雲黙してをりぬ屋根瓦 東亜未 あを 200911
鰯雲八十路半ばをいかにせむ 中村風信子 馬醉木 200912
過ぎ行ける日々は早足鰯雲 池村惇子 馬醉木 200912
鰯雲幽かに流れ故山かな 西田史郎 200912
市となりし広き天蓋鰯雲 新井如月 炎環 200912
鰯雲火となる昭和揺曳す 寺半畳子 炎環 200912
接岸を待つ桟橋の鰯雲 吉沢陽子 200912
てのひらになにものこらぬ鰯雲 小澤克己 遠嶺 200912
失投の一球悔やむ鰯雲 卜部黎子 春燈 200912
繊悔室出でて仰げる鰯雲 柴田良二 雨月 200912
鰯雲鉄の爪もて家毀つ 水野加代 万象 200912
あの写真機どうしたらうか鰯雲 小倉正穂 末黒野 200912
旅馴れと頼られて発つ鰯雲 松川悠乃 ろんど 200912
とつさには出ぬ人の名鰯雲 加藤千津 ろんど 200912
鰯雲人の名前の漁船かな 関根洋子 風土 200912
百軒に百の漁船や鰯雲 橋添やよひ 風土 200912
学食は十七階や鰯雲 松田延子 風土 200912
鰯雲明日の約束忘れずに 加古みちよ 火星 200912
上り来て仏舎利塔や鰯雲 松山直美 火星 200912
校庭に子等の声あり鰯雲 大野ツネ子 酸漿 200912
草原を行けど果なし鰯雲 三井公子 酸漿 200912
鰯雲流れゆるやか眠足る 井上玉枝 酸漿 200912
とり返せぬこともありけり鰯雲 小黒加支 酸漿 200912
どぶ板の腐ったところ鰯雲 篠田純子 あを 200912
憧れしJALのリストラ鰯雲 雨宮しをん 201001
人影を嗅ぎをる犬や鰯雲 中野京子 201001
江戸の世へ旅の荷づくり鰯雲 横松しげる 遠嶺 201001
眼帯の取れて遠嶺の鰯雲 三羽永治 遠嶺 201001
鰯雲われにも小さき未来あり 倉科紫光 馬醉木 201001
鰯雲神の指紋のみえかくれ 小宮淳子 春燈 201001
女より男の淋し鰯雲 三宅文子 春燈 201001
長江をゆく夢久し鰯雲 中島節子 春燈 201001
勤皇隊列歩み揃ふや鰯雲 江草礼 春燈 201001
人なればかくしごとあり鰯雲 沼田巴字 京鹿子 201001
鰯雲男は愁ひかくしもつ 沼田巴字 京鹿子 201001
鰯雲邪魔にならない椅子を置く 直江裕子 京鹿子 201001
大それたことは希はず鰯雲 淺井照子 京鹿子 201001
海に出る川鰯雲ひろごれり 宮川みね子 風土 201001
磴一段一段殖ゆる鰯雲 生田作 風土 201001
病む友や亡くなりし友鰯雲 根岸善行 風土 201001
寝ることに疲れて仰ぐ鰯雲 平居澪子 六花 201001
鰯雲ほどけぬままに暮れにけり 村田千枝子 201001
鰯雲ダム湖の深き青磁色 森田武 201001
鰯雲美しき小島の重なりて 岡田誠吾 201001
惜し気なく光陰流る鰯雲 池本一軒 201001
鰯雲金子みすずの昼の海 小阪律子 ぐろっけ 201001
鰯雲雨具が増して老の旅 土井蛉夏 ぐろっけ 201001
大仏は猫背におはす鰯雲 武田紀久 やぶれ傘 201001
艫綱の油の匂ふ鰯雲 きくちきみえ やぶれ傘 201001
月出でて昼と変らぬ鰯雲 佐竹千代 やぶれ傘 201002
鰯雲古城の窓の破れしまま 吉田和子 ぐろっけ 201002
朝かげを置くみちのくの鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 201008
みちのくの空を整へ鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
われは母かをんなか妻か鰯雲 荒井千佐代 201009
鰯雲つまみ置きたるやうな島 秋千晴 201009
鰯雲→7      

 

2021年10月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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