鰯 雲 5     99句

鰯雲故郷の竈火いま燃ゆらん   金子兜太

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰯雲晶子の海へ拡ごりぬ 久保晴子 雨月 200701
薬屋と馴染になりて鰯雲 吉田多美 京鹿子 200701
矢印へ歩み速めし鰯雲 浜田栄子 京鹿子 200701
本番に脆きかけつこ鰯雲 石橋萬里 ぐろっけ 200701
物知りの児ら口々に鰯雲 大井邦子 ぐろっけ 200701
延ばしおく手術有りけり鰯雲 大塚民枝 酸漿 200701
祖はすべて地中に葬り鰯雲 柴田佐知子 200701
鰯雲カルスト台地(カルスト四千ヘクタール 山中宏子 200702
クレーンにて鰯雲より荷を下ろす 隅田享子 200702
桜島手繰りはじめし鰯雲 安原葉 ホトトギス 200702
死ねばすぐ忘れていいよ鰯雲 あさなが捷 200702
鰯雲かく澄み渡る日の出前 鈴木政子 200702
六畳の子規の天地や鰯雲 八木下巌 200702
鰯雲より大空の物語 岩岡中正 ホトトギス 200703
海の色空に引き寄せ鰯雲 藤原りくを 八千草 200704
鰯雲遥か戦後といふなかれ 各務麗至 200705
鰯雲朝空はるかまでつづく 稲畑汀子 ホトトギス 200708
鰯雲空は力を抜きはじめ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
鰯雲しりぞいて行く高速路 稲畑汀子 ホトトギス 200709
鰯雲廃校となる母校かな 藤江朋子 万象 200711
棟上げやかけやの触れし鰯雲 金井充 百日紅 200711
鰯雲武甲山無惨に夕映ゆる 佐々木新 春燈 200711
鰯雲永久の無冠を尊べり 小澤克己 遠嶺 200711
窓に身を乗り出し見よや鰯雲 村越化石 200711
鰯雲柱鏡に映りをり 能村研三 200711
鰯雲一劃に墓地たまはりて 渡邉友七 あを 200711
鰯雲隣りて遠き子の暮し 山中宏子 200712
ブルーギルばかり釣れる日鰯雲 竹内悦子 200712
北上川( きたかみ を大きくまたぐ鰯雲 小田切明義 春燈 200712
一湾の夕空焦がす鰯雲 川瀬千恵 春燈 200712
サッカーのまつ赤なシャツや鰯雲 東郷すみ江 万象 200712
アメリカヘ孫攫はるる鰯雲 升田ヤス子 200712
湖へ撞く鐘の一打や鰯雲 山下佳子 馬醉木 200712
銀行の四つならびて鰯雲 高橋道子 200712
ふるさとのところばんちの鰯雲 前川明子 200712
鰯雲網目ほつれて沖へ展ぶ 三好千衣子 200712
鰯雲山河いくたび若返る 川口襄 遠嶺 200712
心地よき旅の疲れや鰯雲 大久保寛子 遠嶺 200712
鰯雲崩れそめしを見てをりぬ 坂本知子 酸漿 200712
鰯雲友の故郷は揚子江 伊吹之博 京鹿子 200712
物思ふことより覺めて鰯雲 芝尚子 あを 200712
何処より寄せ来りしか鰯雲 小滝奈津江 酸漿 200712
鰯雲模様にしたるガラスビル 内藤呈念 ホトトギス 200801
鰯雲土に骨粉まぶしをり 谷村幸子 200801
鰯雲感謝のひと日暮れにけり 塩野きみ 遠嶺 200801
鰯雲人の縁の濃く淡く 東良子 遠嶺 200801
一跨ぎ豆州へ渡す鰯雲 間島あきら 風土 200801
萱葺の保存民家や鰯雲 土井三乙 風土 200801
鰯雲長き梯子を担ぎ出す 根岸善行 風土 200801
鰯雲関八州のとつぱずれ 座古稔子 200801
整列のうしろが遠い鰯雲 井上菜摘子 京鹿子 200801
えいえいと地を掘るしぐさ鰯雲 服部早苗 200801
鰯雲今日が昨日になる不思議 竹下昌子 200801
山低く空はんぶんの鰯雲 高橋道子 200801
降り立てば明石しごせん鰯雲 今谷脩 ぐろっけ 200801
朝の日のさざなみとなる鰯雲 長沼三津夫 200801
鰯雲どこまで足を延ばさうか 河野洋子 200802
銅鐘の撞座のくぼみ鰯雲 今井松子 遠嶺 200802
見事なる一期一会の鰯雲 村田文一 遠嶺 200802
暮れてなほ空埋めつくす鰯雲 濱地恵理子 200802
愚痴もまた夢につらなり鰯雲 坪内稔典 稔典句集 200804
ひたすらに道はありけり鰯雲 宮崎すみ 神々の交信 200808
安心のかたち広がる鰯雲 伊藤白潮 200809
鳶の笛弾き返して鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
のぼりゆく梯子段消ゆ鰯雲 石寒太 炎環 200810
鰯雲越して来しこの町の音 稲見寛子 炎環 200810
鰯雲のまずくはずに会ひに来し 荒井和昭 200810
天網の疎なるをこぼれ鰯雲 布川直幸 200811
鍬洗ふ水の流れや鰯雲 岡野ひろ子 200811
鰯雲戦いませんと団子虫 近藤公子 200811
鰯雲はらからの老い極まれり ふじの茜 200811
故郷に来て日の高し鰯雲 城戸愛子 酸漿 200811
奥志摩の海の青さよ鰯雲 小山漂葉 酸漿 200811
笹子越え来ればくにうち鰯雲 中里信司 酸漿 200811
鰯雲何か忘れてゐしこころ 山田暢子 風土 200811
鰯雲昭和のかほで仰ぎけり 酒本八重 200811
鰯雲父の病名告げられて 細川洋子 200811
出漁を見送る浜や鰯雲 水原春郎 馬醉木 200812
鰯雲ひと亡きあとの山の澄み 岡部名保子 馬醉木 200812
旅程なきひと日の旅や鰯雲 高瀬史 馬醉木 200812
足垂れて釣る子がふたり鰯雲 都丸美陽子 春燈 200812
吟誦や秩父へつづく鰯雲 市川玲子 春燈 200812
総婦長佇つ前面の鰯雲 西面和子 200812
鰯雲眼底に血のにじみをり 小林正史 200812
鰯雲白砂の浜海の底 荒木常子 200812
鰯雲ハーレーに乗り友来たる 宇佐見正 200812
シースルーエレベータより鰯雲 宮崎左智子 200812
鰯雲八風街道おほひけり 池田加寿子 200812
オペ後の瞳に大漁の鰯雲 新実貞子 200812
東京の坂あなどれず鰯雲 佐藤雅代 炎環 200812
鰯雲祠のどれもがらんどう 三角千栄子 炎環 200812
人の輪を広げ生きよと鰯雲 半田卓郎 遠嶺 200812
お天気よ大天界の鰯雲 四條進 200812
鰯雲うすうす夜を覆ひけり 北川とも子 ぐろっけ 200812
泰山木の餐ゆるかなた鰯雲 井上幸子 酸漿 200812
なだむるに馬を叩けり鰯雲 柴田佐知子 200812
ウォーキング今日の出会ひは鰯雲 山本節子 200901
○ビルと△塔と鰯雲 栗栖恵通子 200901
二時三時四時五時六時鰯雲 中原幸子 船団 200901
鰯雲 6      

 

2021年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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