鰯 雲 4     100句

喪の母のひよろりと出づる鰯雲   山田みずえ   読本・歳時記

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰯雲千曲川ちくまはなれて水迅し 戸村よねこ 遠嶺 200412
鰯雲天文台も貝塚も 雨村敏子 200412
鰯雲きのふのひとにまた出会ひ 大木雄一 草の花 200412
立話の一抜け二抜け鰯雲 伊東テル子 草の花 200412
町の名にコタンの名残り鰯雲 川井政子 風土 200412
母知らず母にもなれず鰯雲 吉田眞弓 雨月 200412
鰯雲身辺整理先送 関位安代 帆船 200412
磯の香の車内に満ちて鰯雲 浅田光蛙 対岸 200412
お名前にお顔つながり鰯雲 伊藤以玖子 対岸 200412
鰯雲笑顔を乗せて人力車 伊藤以玖子 対岸 200412
スマッシュの白き一閃鰯雲 甲斐よしあき 百鳥 200412
失敗談聞きたがる子や鰯雲 藤井智恵子 百鳥 200412
奥の院あり鰯雲なほ高く 鈴木實 百鳥 200412
並べ干す木偶の衣裳や鰯雲 櫻井幹郎 百鳥 200412
長城への道を辿るに鰯雲 渡邊睦夫 200412
帆を高く寄港の船や鰯雲 鶴田武子 春耕 200412
城山になだれ込みたる鰯雲 木内美保子 六花 200412
来し方の思ひびつしり鰯雲 山口速 200412
鰯雲縁といふべし母と子も 瀬下るか 200501
間合とるトランポリンや鰯雲 岡本崇 200501
子を宿す娘の顔やさし鰯雲 内堀京子 河鹿 200501
鰯雲流れ砂丘は残さるる 有働亨 馬醉木 200501
黒牛の草食みこぼす鰯雲 木村仁美 馬醉木 200501
スーパーの袋両手に鰯雲 山火律子 200501
人待ちの駅前広場鰯雲 岸幸子 帆船 200501
眞直角の点字ブロック鰯雲 木野本加寿江 火星 200501
竹とんぼつひに飛びけり鰯雲 菅龍一 百鳥 200501
三十八歳戦死の父や鰯雲 吉田眞弓 雨月 200501
鳴き行ける群鴉茜の鰯雲 松林順子 雨月 200501
友と逢ふも訣るるも波止鰯雲 片山喜久子 雨月 200501
水を吸ふ巨木のひびき鰯雲 柴田朱美 京鹿子 200501
職引いて都心は遠し鰯雲 坂路照子 築港 200501
きりもなく増えゆく鰯雲かいな 市場基巳 200502
鰯雲飛込台の上流る 松浦途子 ぐろっけ 200502
鰯雲遠くなりたる人数多 西谷桂子 200502
空広く小城下の上鰯雲 浅井青陽子 ホトトギス 200503
見えすいた言訳ならべ鰯雲 八木蝉息 200504
鰯雲高層ビルに被さりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
玻璃といふ玻璃を彩り鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
通夜明けてあふげる空に鰯雲 瀧春一 菜園 200509
鰯雲こぞの冬帽をけふかぶる 瀧春一 菜園 200509
鰯雲城址の森を出で来れば 阿部ひろし 酸漿 200510
鰯雲海の若狭は御食国みけつくに 能村研三 200510
鰯雲仰ぎつつ身はいつか海 小澤克己 遠嶺 200511
師の在さば胃を病む頃か鰯雲 今瀬剛一 対岸 200511
伏せてある子規の味噌甕鰯雲 神蔵器 風土 200511
一杖に託す歩みや鰯雲 坂路照子 築港 200511
鰯雲ビルを背中に善福寺 斉藤裕子 あを 200511
歩兵たりし句弟子のひとり鰯雲 淵脇護 河鹿 200512
鰯雲四年の家に馴じみけり 山内重子 四葩 200512
コスモスと思へばカオス鰯雲 高橋将夫 200512
結論はどうにかなるさ鰯雲 倉持梨恵 200512
田仕舞の志摩にひろごる鰯雲 小山漂葉 酸漿 200512
鰯雲憂き事忘れ見上げをり 南原正子 酸漿 200512
〓(魚入)挿して琵琶湖平らや鰯雲 柿沼盟子 風土 200512
子規庵の屋根に満ち来る鰯雲 足立のり子 栴檀 200512
鰯雲歯の二十本残し逝く 明石文子 ぐろっけ 200512
網を打つ漁師の構へ鰯雲 武本節子 築港 200512
里の空はみ出してゆく鰯雲 湯川雅 ホトトギス 200601
鰯雲洗濯物の陽の匂ひ 古賀美喜恵 河鹿 200601
明日もまた佳き日とならむ鰯雲 永田歌子 遠嶺 200601
運ひらく兆しとしたき鰯雲 大石たか 遠嶺 200601
外輪船待つ間湖上に鰯雲 山崎泰世 200601
伊予近しいよよ傾く鰯雲 鷹羽狩行 200601
筑波嶺へ網打つごとし鰯雲 岡崎真子 百鳥 200601
宮殿と牢獄隣る鰯雲 南恵子 栴檀 200601
鰯雲山気硫気を身にまとひ 高橋澄子 200601
好きなところ見つける努力鰯雲 倉持梨恵 200601
蔵町と秩父嶺つなぐ鰯雲 大西八州雄 万象 200601
一病にて息災といふ鰯雲 あさなが捷 200601
鰯雲石載せ浸すめんぱ木地 海野みち子 万象 200602
うれしさの徐々にふくらみ鰯雲 飯高あい 対岸 200602
存らへて見果てぬ夢や鰯雲 関戸文子 酸漿 200602
鰯雲武家屋敷よりピアノの音 鵜飼正子 栴檀 200602
積まれたる祈りの石や鰯雲 遠野萌 200602
鰯雲松悉く横枝張る 瀧春一 常念 200606
鰯雲後ろあるきを三十歩 桑原泰子 八千草 200608
良寛と遊び惚けて鰯雲 近藤公子 200610
盆棚に眼鏡を添へて『鰯雲』 鈴木とおる 風土 200610
登り来て島より低き鰯雲 鷹羽狩行 200611
紅つけて力おぎなふ鰯雲 出来由子 200611
「黒い雨」本棚にあり鰯雲 竹下幸子 火星 200611
屋上に病衣の乾く鰯雲 福地初江 200611
コーヒーはきりりとトラジャ鰯雲 赤座典子 あを 200611
往き帰り歩くと決めて鰯雲 吉田陽代 200611
鰯雲押し寄せてくる海の町 今橋眞理子 ホトトギス 200612
駅ビルのガラス万枚鰯雲 村上絢子 馬醉木 200612
天網の疎より広ごり鰯雲 北川英子 200612
健駄羅ガンダーラへ行く途中かい鰯雲 片山タケ子 200612
無人駅に一人降り立ち鰯雲 安達風越 雨月 200612
生家への一本道を鰯雲 内山芳子 ぐろっけ 200612
子規庵に「はて知らずの記」鰯雲 井口ふみ緒 風土 200612
おほらかな母の虚言鰯雲 斉藤裕子 あを 200612
北国に吾子働けり鰯雲 加瀬美代子 200612
航空兵夢みしむかし鰯雲 山口速 200701
昼よりも夜の鰯雲大漁型 鈴木榮子 春燈 200701
鰯雲水を増やして礼文滝 江草礼 春燈 200701
山あいの空埋めつくす鰯雲 数長藤代 200701
エプロンは母の制服鰯雲 荒木甫 200701
島と島結ぶ水路や鰯雲 永田歌子 遠嶺 200701
鰯雲 5→      

 

2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。