鰯 雲 3     100句

自転車の妻に驚く鰯雲   斉藤夏風   読本・歳時記

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
丸善へインクを買ひに鰯雲 木戸渥子 京鹿子 200302
海女小屋の傾いてゐる鰯雲 水田清子 200302
島守の小舟帰るや鰯雲 水田清子 200302
鰯雲柩のごとき舟に寝て 寺田千代子 京鹿子 200302
杳として見えぬ出口や鰯雲 松林順子 雨月 200302
鰯雲銭湯に火の入りたる 高柳かつを 百鳥 200302
鰯雲運動場が狭くなる 小西瑞穂 ぐろっけ 200302
鰯雲カラカラとなる白き骨 高木篤子 ぐろっけ 200303
鰯雲壊すなよ壊すなよ大クレーン 山元志津香 八千草 200305
寝転べばここも地球や鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309
新しきコーヒーショップ鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 200309
巨漢病むその大屋根の鰯雲 山田六甲 六花 200309
お湿りがほどの昼酒鰯雲 中村房枝 六花 200309
鰯雲するどく曲る山瀬あり 小澤克己 遠嶺 200310
屋根越しに八坂の塔や鰯雲 大柳篤子 雲の峰 200310
森の秀の騒立ち止まず鰯雲 河野美奇 円虹 200310
実像と虚像のちがひ鰯雲 片山タケ子 200311
家々は蔵造なり鰯雲 清水和子 酸漿 200311
鰯雲味方ふえれば敵もふえ 塩川雄三 築港 200311
佐賀ナンバー釧路ナンバー鰯雲 玄内栄 帆船 200311
鰯雲一夜城なるかたすみに 豊田都峰 京鹿子 200311
鰯雲にはあらねども今朝の空 浅川正 雲の峰 200311
鰯雲けふよく決まる厨ごと 仲尾弥栄子 雲の峰 200311
このごろは杖も身のうち鰯雲 関口ゆき あを 200311
バーの椅子捨ててあるなり鰯雲 中村房枝 六花 200311
鰯雲ひろがる丘の野外劇 矢嶋みつ江 遠嶺 200311
母馬と仔馬のあとは鰯雲 元田千重 火星 200311
鰯雲櫂一本を研ぎ出し 野中亮介 馬醉木 200312
剣道着がばりと干され鰯雲 長谷川子 馬醉木 200312
糸切歯いまもすこやか鰯雲 小林信江 200312
鰯雲幼はリュック背負ひをり 井関祥子 酸漿 200312
姫山も兄弟おとどひ山も鰯雲 松崎鉄之介 200312
胎内に日を容れ鰯雲ながる 池上和子 築港 200312
鰯雲いつもと違ふ旅の空 森田セツ子 築港 200312
鰯雲いつもどこかがこはれをり 杉浦典子 火星 200312
鰯雲ときに思ひ出だけで生く 竹中キミ子 京鹿子 200312
鰯雲若冲解脱の石羅漢 竹中キミ子 京鹿子 200312
伐りし木の息しづめたり鰯雲 渡邉友七 あを 200312
寝ころびてはや昼近し鰯雲 朝妻力 雲の峰 200312
真ん中がひつぱつてをり鰯雲 今瀬剛一 対岸 200312
をちこちに十字架の墓碑鰯雲 石平周蛙 対岸 200312
かろがろと柩はこばれ鰯雲 恒川絢子 対岸 200312
南冥の果よりとどく鰯雲 蓮尾あきら 風土 200312
渡り廊下は三十階よ鰯雲 林裕子 風土 200312
無事といふだけのひと日や鰯雲 石川英利 百鳥 200312
巡視船定位置にあり鰯雲 青山悠 200312
子を生みしこともあはあは鰯雲 入江和子 ぐろっけ 200312
流木の真一文字や鰯雲 田中由喜子 馬醉木 200401
太刀かざるねぢり環頭鰯雲 林日圓 京鹿子 200401
日当りて木椅子のみある鰯雲 井上道子 百鳥 200401
鰯雲目差しゴンドラ谷を越ゆ 松田欽吾 雨月 200401
ほどけゆく謎の一言鰯雲 三由規童 雨月 200401
山彦を呼べる男の子や鰯雲 野中啓子 200401
鰯雲海へ向かっておりにけり 鳥川昌実 六花 200401
道後の空覆ふ道後の鰯雲 柄田喜美枝 築港 200401
朝よりも鞄は軽く鰯雲 浅田光蛙 対岸 200401
磴上る足重たかり鰯雲 小林和子 対岸 200401
鰯雲より棟梁のおらびごゑ 淵脇護 河鹿 200401
引く波は音もなくあり鰯雲 淵脇護 河鹿 200401
鰯雲引き返せない道を行く 高橋瑛子 河鹿 200401
鰯雲すっぽり石油基地の上 田中嘉代子 ぐろっけ 200401
三枚に降す術なし鰯雲 中田征二 ぐろっけ 200401
死の樹海昏きに仰ぐ鰯雲 有働亨 馬醉木 200402
出漁に手を振る妻子鰯雲 沼口蓬風 河鹿 200402
火の山の起伏に遊ぶ鰯雲 山元海郎 河鹿 200402
鰯雲万太郎の字小さすぎ 佐々木よし子 200402
鰯雲港の船の大漁旗 井手由紀江 築港 200402
鰯雲釣糸からみ寄る女 永田勇 六花 200402
帝王ダリア咲く空鰯雲流れ 中里信司 酸漿 200402
鰯雲海に向かひて墓二つ 前迫寛子 河鹿 200403
煩悩のあふれいでたつ鰯雲 中元英雄 河鹿 200403
鰯雲つつがなくての筆不精 橘沙希 月の雫 200404
今生の夢一つあり鰯雲 朝倉富次 酸漿 200406
鰯雲胴上げいよよ迫り来て 稲畑廣太郎 ホトトギス 200409
市果てて鱗の厚き鰯雲 中和田洋美 万象 200409
朝空に今日のはじまる鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 200410
大川に触れんばかりの鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
大川の水位高めて鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
鰯雲太陽丸く収めけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
三振で終る試合や鰯雲 杉江茂義 雲の峰 200410
鰯雲尾は故郷の辺りなり 池尻足穂 雲の峰 200410
一抜けてあとは皆抜け鰯雲 清水喜造 帆船 200410
晩年の詩句はさらりと鰯雲 宮澤さくら 遠嶺 200411
長堤に絶えず人あり鰯雲 高村洋子 遠嶺 200411
氷川丸も我も余生や鰯雲 高木嘉久 200411
機関車の引つ張つてゆく鰯雲 小林朱夏 200411
ゆつくりと地球は回り鰯雲 今瀬剛一 対岸 200411
鰯雲一番線の先で待つ 望月由紀子 帆船 200411
迷子の背番五十五鰯雲 小田切陽子 帆船 200411
台本を持ちて子役や鰯雲 甲斐のぞみ 百鳥 200411
鰯雲忘れし名前浮かび来ず 十川たかし 200411
鰯雲旗をなびかせ船帰る 杉江茂義 雲の峰 200411
「河」守り給ひし月日鰯雲 沼口蓬風 河鹿 200412
末の子の母となる日の鰯雲 藤井明子 馬醉木 200412
独語には独語応へる鰯雲 中村恭子 200412
好きなところ見付ける努力鰯雲 玉川梨恵 200412
鰯雲乗り継ぎのバス出たばかり 清水ミツコ 200412
悠久の大河を跨ぐ鰯雲 山田富朗 遠嶺 200412
さざ波のひかりの果てや鰯雲 宮川迫夫 遠嶺 200412
海遠き町の上にも鰯雲 森竹昭夫 遠嶺 200412
鰯雲 4      

 

2021年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。