鰯 雲 2     100句

電線の無き電柱と鰯雲   京極杞陽   くくたち

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰯雲にはかに昏れて船の笛 皆川盤水 春耕 200110
鰯雲呼子てふ名に惹かる旅 能村研三 200110
鰯雲輪を乱すものなかりけり 桑垣信子 いろり 200110
喫泉のいたづらに噴く鰯雲 能村登四郎 羽化 200110
鰯雲端すれすれに鳥一羽 能村登四郎 羽化 200110
少年に大志ありけり鰯雲 水原春郎 馬醉木 200111
山腹に畑光れり鰯雲 大串章一 百鳥 200111
栄華しのぶ石垣のそり鰯雲 佐藤悦子 百鳥 200111
鰯雲瀬戸の花嫁乗せてゆく 柴田美佐子 いろり 200111
都心のビル林立の間を鰯雲 佐久間俊子 200111
橋越えてかはりし空気鰯雲 甲州千草 200112
西ノ下や沖より寄する鰯雲 山田弘子 円虹 200112
ゆつくりと移ろひ鰯雲となる 名越夜潮 円虹 200112
鰯雲空を平らに均しゆく 佐藤真次 200112
未完の絵たてかけてあり鰯雲 外川玲子 風土 200112
鰯雲違へし道を引き返す 保田英太郎 風土 200112
晶子ほど深く愛さず鰯雲 竹川美佐子 いろり 200112
聞き取れぬ驛の名前や鰯雲 小山森生 200112
月明の鰯雲とはなりにけり 水野恒彦 200112
鰯雲ひとの背中を押す勿れ 小形さとる 200112
役者絵に看板かはる鰯雲 杉浦典子 火星 200112
遮断機のあがりて鰯雲のこる 米澤光子 火星 200112
鰯雲喨々と吹くサキソフォン 中西道子 百鳥 200112
鰯雲つくづくと今師の父情 坂本京子 200112
母みとり十日となりぬ鰯雲 野中弓子 酸漿 200112
海苔竹を挿せばひろがる鰯雲 宮川杵名男 春耕 200112
ビルごとの窓に伸びくる鰯雲 本間七郎 春耕 200112
橋立の逆さのぞきや鰯雲 鰍澤真佐子 春耕 200112
鰯雲月に残して夕日没る 平きよし 春耕 200112
鰯雲大きな山をひと包み 鈴木多枝子 あを 200112
鰯雲馬塞に栗毛の無心なる 岸はじめ ぐろっけ 200112
いきいきと夜もひろがる鰯雲 深田雅敏 200201
摩耶山の海のパノラマ鰯雲 小林成子 200201
胸中は語らずじまひ鰯雲 辻由紀 雨月 200201
鰯雲百間の網繕へり 藤野智弘 200201
鰯雲無駄とは云へぬ時間かな 天野きく江 200201
鰯雲病院を出て海を見に 山本三樹夫 百鳥 200201
網曳きに母子加はり鰯雲 大塩千代 200201
ダムは大魚の形して鰯雲 高山瑞恵 200201
「毒」の字を貼りしトラツク鰯雲 藏本博美 ぐろっけ 200201
鰯雲遠き人ほどなつかしき 高橋笛美 ホトトギス 200202
鰯雲詰めてふくらむ旅鞄 柴田朱美 京鹿子 200202
鰯雲今日の夕飯何にしよ 時枝武 船団 200202
旅にある夫のやさしき鰯雲 波田美智子 をりをりに 200208
娘を訪ひし疲れありけり鰯雲 波田美智子 をりをりに 200208
けふもまた小振りばかりの鰯雲 池田崇 200209
月よぎるとき鰯雲なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200209
遠く住む子等はいかにと鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 200209
夜空にもどこか明るき鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 200209
鰯雲鯖雲君はどこへ行く 松山律子 六花 200209
キャニオンを覆ひきれざる鰯雲 桑田青虎 ホトトギス 200210
雨洗ひくれし青空鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 200210
鰯雲子が家建つる齢となり 長谷川史郊 馬醉木 200211
展望のはるかなる国鰯雲 桑田青虎 ホトトギス 200211
鰯雲菓子屋横丁一番地 早坂トミ子 帆船 200211
改修の寺の藁屋根鰯雲 三浦照子 帆船 200211
暮し向似たり寄つたり鰯雲 秋田谷明美 帆船 200211
鰯雲天には天の薄化粧 塩川雄三 築港 200211
繊細も大胆もあり鰯雲 山田弘子 円虹 200211
鰯雲俳磚の空まるくあり 田中子 円虹 200211
鰯雲どの一鱗も未知なりし 熊倉だい 200211
卓袱台の脚の弱りて鰯雲 武田菜美 銀化 200211
海もたぬ故里にもつとも鰯雲 鉄山幸子 銀化 200211
雨雲の流れて鰯雲高し 田中重子 雲の峰 200211
鰯雲川底なめてゆく天蚕糸 吉弘恭子 あを 200211
横丁の駄菓子屋の閑鰯雲 芝尚子 あを 200211
今年馬叩き愛すや鰯雲 西村梛子 馬醉木 200212
噴き止みし山より湧けり鰯雲 上柿照代 馬醉木 200212
鰯雲トラック二台で三階建 松崎鉄之介 200212
ひろがりてまだ余白あり鰯雲 田村すゝむ 風土 200212
お守りのやうな短冊鰯雲 外川玲子 風土 200212
家事といふ時こまぎれに鰯雲 武友朋子 200212
旅のこと母に告げたき鰯雲 道給一恵 遠嶺 200212
帰りくる漁船の音や鰯雲 西川久美子 遠嶺 200212
ポスターに髭の落書鰯雲 竹田圭子 帆船 200212
二塁手の紅一点や鰯雲 奥名正子 帆船 200212
鰯雲山里に佳き小道あり 大串章 百鳥 200212
舌先の痛しとおもう鰯雲 松木桂子 200212
鰯雲だらだら坂はあとすこし 木下野生 200212
果てしなく夢続きをり鰯雲 大沼眞 200212
国境もいさかひも無く鰯雲 熊倉だい 200212
花嫁の笑い大きく鰯雲 林裕美子 六花 200212
鰯雲渚に白き波走り 岡淑子 雨月 200212
鰯雲あすへ旅つぐ流転の荷 渡邉友七 あを 200212
鰯雲友の弱音のちらちらと 内藤順子 酸漿 200212
子の描きし絵に子のこころ鰯雲 武田和代 百鳥 200212
鰯雲きつぱりたたむ父母の家 中里とも子 百鳥 200212
鰯雲訪はねば人のみな遠し 柿澤喜三郎 百鳥 200212
十字架を探して歩く鰯雲 今瀬剛一 対岸 200212
父に会ふ場所のなかりし鰯雲 冨田はるみ 対岸 200212
詩心のやつと広がる鰯雲 青木久子 遠嶺 200212
水上バイク沖へ暴走鰯雲 井口淳子 200301
鐘の音に仰ぎ異郷の鰯雲 塩田博久 風土 200301
鰯雲次の駅には止まらざる 槻木珠美 銀化 200301
鰯雲告別式にぞろぞろと 木下野生 200301
鰯雲泪のたまること多し 原田かずゑ 200301
鰯雲染めて入日の海に落つ 木内美保子 六花 200301
沈む日の茜を梳きて鰯雲 川崎俊子 馬醉木 200302
御大師の頭の上の鰯雲 加藤君子 火星 200302
故郷とは襞の消えない鰯雲 伊藤希眸 京鹿子 200302
鰯雲 3→      

 

2021年9月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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