鰯 雲 10     111句

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
淡々と老いて二人や鰯雲 鈴木撫足 春燈 201801
目薬のあとのまばたき鰯雲 米山のり子 馬醉木 201801
鰯雲いま顛末のどのあたり 鈴木光影 201801
鉄橋の真上の夜の鰯雲 鈴木良戈 201801
鰯雲ピンクに染まる頃帰る 志方章子 六花 201801
キリストの肋骨ならむ鰯雲 志方章子 六花 201801
水際の亀消え空に鰯雲 加藤直人 末黒野 201802
夕さりの茜色なり鰯雲 吉田きみえ 末黒野 201802
西空へ末広がりや鰯雲 森清堯 末黒野 201802
立秋の証のほどの鰯雲 角野良生 201803
さよならは遠い約束鰯雲 直江裕子 京鹿子 201803
ふるさとは天にありけり鰯雲 岩岡中正 ホトトギス 201803
人生のけふの一と日の鰯雲 岩岡中正 ホトトギス 201803
天上にペテロ漁る鰯雲 岩岡中正 ホトトギス 201803
旅の日の過ぎゆく速さ鰯雲 及川照子 末黒野 201804
家系図に赤子加はる鰯雲 苑実耶 201809
早世の忌日を明日に鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
鰯雲富嶽を押さへ込んでをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
鰯雲子規百五十歳の空 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
今日西へ明日は東へ鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
祈りても足らざる祈り鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 201809
旅疲れいつか消えゐし鰯雲 稲畑汀子 ホトトギス 201809
試歩の子の腰より崩れ鰯雲 田所節子 田所節子集 201810
バンアレン帯を飲み込む鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
大川をはみ出してゐる鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
鰯雲眼下の校庭昼休み 石森理和 あを 201811
穏やかな日々来たれかし鰯雲 赤座典子 あを 201811
紛れたき一片のあり鰯雲 森岡正作 201811
鰯雲ナザレの大工の息子かな 定梶じょう あを 201812
ガントリークレーン高々と鰯雲 田中嘉信 春燈 201812
ペンギンの眼に望郷の鰯雲 藤代康明 201812
鰯雲沖の小船の模糊として 秋山文子 末黒野 201812
舟底の砂こする音鰯雲 森清信子 末黒野 201812
横顔の子も少女期に鰯雲 黒坂紫陽子 馬醉木 201812
詰襟の僕ら二列目鰯雲 伊吹之博 京鹿子 201812
農業を継げとは言へぬ鰯雲 森岡正作 201812
大空やスタッカートの鰯雲 吉田陽代 201812
鰯雲撮るや主翼の端入れて 升田ヤス子 六花 201812
鉄骨の崩れゐる音鰯雲 丑久保勲 やぶれ傘 201901
鰯雲玻璃戸一枚づつ冷えて 岡部名保子 馬醉木 201901
ちびつ子のよさこい踊り鰯雲 木村純子 末黒野 201902
ファゴットの音昇華して鰯雲 是松三雄 末黒野 201902
山羊の背の突兀鰯雲ひろがる 岸洋子 201902
鰯雲猫の鼻先濡れてをり 兒玉充代 201902
鰯雲一人言には広すぎる 奥田筆子 京鹿子 201902
野晒の大八車鰯雲 篠崎志津子 やぶれ傘 201902
望郷の山河の音や鰯雲 西村白杼 京鹿子 201903
鴟尾見んと仰ぐ大屋根鰯雲 今村千年 末黒野 201904
鰯雲どこまでいってもけんけんぱ 渡部恭子 201905
鰯雲みちのくの旅果てんとす 稲畑汀子 ホトトギス 201908
鰯雲その他蒼天画布として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
鰯雲敗戦よりの長き時 田中藤穂 あを 201910
玄海に曾良は果てたり鰯雲 栗坪和子 201910
古墳より眺むる古墳鰯雲 黒滝志麻子 末黒野 201911
この上は百才までよ鰯雲 寺川すず江 201911
鰯雲太平洋を狭めゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
天窓に機嫌窺ふ鰯雲 河崎國代 春燈 201911
今といふ刻をつくせり鰯雲 西岡啓子 春燈 201911
架け替はる水禍の橋や鰯雲 若見洋子 馬醉木 201911
受け流し聞き流しつつ鰯雲 コ田千鶴子 馬醉木 201911
鰯雲登校の列乱れがち 山田天 雨月 201911
ゆったりと傾ぐ海原鰯雲 赤座典子 あを 201912
もう要らぬものの多さよ鰯雲 田中藤穂 あを 201912
台所の窓一面に鰯雲 大日向幸江 あを 201912
鰯雲より下りてくる牛の群 柴田佐知子 201912
観覧車回る大空鰯雲 山本久枝 やぶれ傘 201912
鰯雲恋瀬川越え筑波まで 本田武 やぶれ傘 201912
鰯雲空にたつぷり鱗撒く 能美昌二郎 201912
骨抜きといふは鯖雲・鰯雲 千田百里 201912
懐かしき上毛三山鰯雲 池上昌子 春燈 201912
三毛の耳空に立てたり鰯雲 片桐てい女 春燈 201912
追伸の一言跳ねる鰯雲 阪倉孝子 201912
この頃は家路が遠し鰯雲 山田暢子 風土 202001
高原の尾根に伸びたる鰯雲 住田千代子 六花 202001
追憶の切れ切れとなり鰯雲 小長谷紘 末黒野 202001
壊れゆく吾と折り合へず鰯雲 布施由岐子 末黒野 202001
まだ何も釣れずバケツに鰯雲 斉藤マキ子 末黒野 202001
鰯雲麒麟の首を遊ばせて 及川照子 末黒野 202001
木隠れに三重塔鰯雲 今村千年 末黒野 202001
憂国忌夜半まで消えぬ鰯雲 石川笙児 202001
神幸を終へし夜を湧く鰯雲 小倉征子 202001
遥かなる一の谷より鰯雲 佐藤千恵 京鹿子 202001
鰯雲少年ある日声変はる 政時英華 京鹿子 202001
鰯雲日射しこんなに強くとも 志方章子 六花 202001
鰯雲缶蹴り遊びの子等の声 小林紫乃 春燈 202001
この星の裏まで泳げ鰯雲 柳川晋 202001
鰯雲尾をふんはりと離ちけり 安斎久英 末黒野 202002
暴風雨過ぎて静かに鰯雲 本郷美代子 やぶれ傘 202002
緒方貞子逝く美しき鰯雲 山岸明子 202002
鰯雲リュックの中のハーモニカ 井上つぐみ 202002
十國に隣る信濃や鰯雲 平野多聞 202002
海岸に砂の風紋鰯雲 天野美登里 やぶれ傘 202002
剣道部テニス部走る鰯雲 青谷小枝 やぶれ傘 202002
鰯雲わが猫もゐるあの辺り 古旗みさき 京鹿子 202002
鰯雲わたしが異端だつたころ 直江裕子 京鹿子 202002
河馬が河馬に噛まれ河馬笑ふ鰯雲 梅津昌広 船団 202003
塩むすびのてつぺん光る鰯雲 能城檀 船団 202003
肩書のなき集りや鰯雲 戸栗末廣 202003
陣取りの石の丸さや鰯雲 高倉和子 202003
鰯雲一舟もなき相模湾 芝田幸惠 末黒野 202004
鰯雲 →11      

 

2021年10月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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