鰯 雲 11     96句

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰯雲神父に遠き祖国あり 荒井千佐代 202005
おほぞらに風がおきゆく鰯雲 佐藤恭子 あを 202007
鰯雲太平洋を狭めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
鰯雲霞ケ関の空狭め 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
大江戸の空凸凹に鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
崩れては立て直しては鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
鰯雲大仏殿をつつみけり 山田六甲 六花 202009
猿沢の池を出てゆく鰯雲 山田六甲 六花 202009
故郷にゐてなほ恋し鰯雲 田中とし江 202010
深更に青々とある鰯雲 森岡正作 202010
爆心の坂の上なる鰯雲 七種年男 202010
自然遺産の山々低し鰯雲 小野寿子 202011
鰯雲けふは下町贔屓かな 高木嘉久 202011
余白とふ美しきもの鰯雲 林未生 202011
なにゆゑのなみだか知らず鰯雲 久保万太郎 春燈 202011
東京は乾いた生簀鰯雲 七種年男 202011
鰯雲橋のたもとで別れけり 山田暢子 風土 202011
骨抜きといふは鯖雲・鰯雲 千田百里 201911
鰯雲空にたつぷり鱗撒く 能美昌二郎 201911
大漁を心待ちして鰯雲 及川照子 末黒野 202011
駆け抜ける白き牡馬や鰯雲 上村葉子 風土 202012
鰯雲オープンカフェの白き椅子 上村葉子 風土 202012
天網を零るるもあり鰯雲 土井三乙 風土 202012
その墓の小さきをたたへ鰯雲 浅田光代 風土 202012
八十路逝く兄の歩みや鰯雲 七郎衛門吉保 あを 202012
はじまりは続きに過ぎず鰯雲 直江裕子 京鹿子 202101
頑な心ほどくる鰯雲 志方章子 六花 202101
鰯雲見上げ一日終はりけり 志方章子 六花 202101
模写するは北斎漫画鰯雲 野村昌代 202101
単線の線路真つすぐ鰯雲 浅嶋肇 やぶれ傘 202101
よろけたり其の分うごく鰯雲 松下道臣 202102
鰯雲小さき夢の数しれず 森清堯 末黒野 202102
鰯雲空にさざ波立つごとく 森清信子 末黒野 202102
鰯雲奈良の駅名芳しき 河原敬子 202102
年の眼に拡がつてゐる鰯雲 山本則男 202102
死にやうも生きやうのうち鰯雲 角野良生 202105
鰯雲お寺の窓をはみ出しぬ 大日向幸江 あを 202110
投げ釣りの届かぬ先の鰯雲 森村江風 202111
泣くまいとする子に優し鰯雲 菅原健一 202111
最強の漢の黙や鰯雲 小嶋恵美 春燈 202111
鰯雲ひとひらはらと舞うて来よ 平野加代子 春燈 202111
つい今の事忘るるや鰯雲 小菅澄重 春燈 202112
鰯雲非通知電話そのままに 関道子 春燈 202112
父母を呼べど還らず鰯雲 森清信子 末黒野 202112
鰯雲追伸のやう生きてゐる 奥田筆子 京鹿子 202112
鰯雲人魚になりてもぐりけり 阪倉孝子 202112
鰯雲宇宙の網は大漁なり 出利葉孝 202112
鰯雲をさなの言葉堰切つて 辻美奈子 202112
対岸に人待つ渡し鰯雲 水谷昭代 202112
サイロより高きものなし鰯雲 中村重幸 202201
鰯雲白墨で描く不等号 竪山道助 風土 202201
食ほそく身細ふなりし鰯雲 鈴木石花 風土 202201
大漁や一天占むる鰯雲 梅野宏子 末黒野 202201
鰯雲一鱗づつの茜かな 伊藤由良 末黒野 202201
鰯雲北への旅の時刻表 本郷公子 京鹿子 202201
廃業の湯屋の煙突鰯雲 酒井湧水 ホトトギス 202203
煤煙は昭和の匂ひ鰯雲 角野良生 202206
鰯雲空の結界解きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
念仏を唱へるくらし鰯雲 沼田巴字 京鹿子 202209
#(ハッシュタグ)君まだ鰯雲の下 井上菜摘子 京鹿子 202210
出撃前の笑顔の写真鰯雲 辻泰子 春燈 202211
鰯雲仕舞ひしままの旅鞄 しのざき智子 春燈 202211
杖を曳く夫に貸す手や鰯雲 杉山乃ぶ子 春燈 202211
つい今の事忘るるや鰯雲 小菅澄重 春燈 202212
鰯雲非通知電話そのままに 関道子 春燈 202212
淋しさはいつも背より鰯雲 林昭太郎 202211
鰯雲の夕べは使ふ歩道橋 高木嘉久 202211
綱引きの顔みな怖し鰯雲 川高郷之助 202211
鰯雲列車一本遅らそか 菅原健一 202211
骨と化し寄する流木鰯雲 森清信子 末黒野 202211
鰯雲「家族葬で」と知らせ聞く 柴崎和男 やぶれ傘 202212
放課後のバトン練習鰯雲 日高みち子 やぶれ傘 202212
呼べば来る肥後の赤牛鰯雲 坂口学 202212
落日の色を散らして鰯雲 森清堯 末黒野 202212
鰯雲七半渡る沈下橋 長尾タイ 末黒野 202301
鰯雲取り残されて日の暮るる 小林清彦 末黒野 202301
網直す老漁夫一人鰯雲 森由佳 末黒野 202301
パズルの如き石の階段鰯雲 辻泰子 春燈 202301
鰯雲うろこ緊めつつ沖へ出づ 枇杷木愛 202301
潮騒のリズムで増ゆる鰯雲 佐藤千恵 京鹿子 202301
鰯雲傾ぎて戻る漁舟 大西逸子 京鹿子 202301
鰯雲鳩の群れ飛ぶ河川敷 江部博 202301
鰯雲赤子を天にさし上ぐる 善野行 六花 202301
送電線その上ぜんぶ鰯雲 柴崎和男 やぶれ傘 202302
町工場は更地になつて鰯雲 竹内文夫 やぶれ傘 202302
地下鉄の入口さがし鰯雲 滝沢いみ子 末黒野 202302
鰯雲崩れ魂還りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202309
又旅の増えゆく日々や鰯雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 202309
表札の跡の白さや鰯雲 高倉和子 202307
ペダル漕ぐ少年ふたり鰯雲 兒玉充代 202308
鰯雲渚は日々に新しき 山田正子 202308
ありし日の幸不幸かな鰯雲 沼田巴字 京鹿子 202308
鰯雲人を恋しく思ふとき 沼田巴字 京鹿子 202309
古里は心の寄辺鰯雲 神尾芳秀 202310
ありし日の幸不幸かな鰯雲 沼田巴字 京鹿子 202310
海鳴りや風紋となる鰯雲 山田和 京鹿子 202310
鰯雲→1

 

2023年10月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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