冬帽子 3    150句

人を責めて来し冬帽を卓におく   赤城さかえ   浅蜊の唄

夏帽子 冬帽子  パナマ帽  麦稈帽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬帽の中のマイクロチップかな 高橋将夫 星の渦 200507
鰯雲こぞの冬帽をけふかぶる 瀧春一 菜園 200509
冬帽を目深に国境警備兵 清水ゆみ子 200510
手術痕包んでゐたる冬帽子 あさなが捷 200601
ひやかして買はされてゐる冬帽子 松本蓉子 六花 200601
遠目にも夫とわかりし冬帽子 松本蓉子 六花 200601
この町に住み慣れし娘や冬帽子 佐久間はるみ 200602
二胡をひく冬帽の漢地下ホーム 佐久間はるみ 200602
椨や日のある椅子に冬帽子 植木戴子 200602
父が被るむかし贈りし冬帽子 大森慶子 母衣 200602
図書館の大きな机冬帽子 青池亘 百鳥 200602
白髪は染めぬと決めて冬帽子 井口三千子 百鳥 200602
呼込みの人混みあへり冬帽子 寺岡享 対岸 200602
冬帽の赤がきれいな獣径 河崎尚子 火星 200602
嫁ぎたる子の編みくれし冬帽子 井出やすはる 酸漿 200602
哀しみを半分隠す冬帽子 須賀敏子 あを 200602
自転車の風を残して冬帽子 石見邦慧 200603
突風に冬帽奪はる地下出口 足利徹 ぐろっけ 200603
冬帽子女優のやうな絵描きかな 江坂衣代 百鳥 200603
一徹の衰へ父の冬帽子 藤岡紫水 京鹿子 200603
触覚を畳んでゐたり冬帽子 栗栖恵通子 200603
一人だけの吟行と決め冬帽子 横田晶子 風土 200603
ひとことの裏側邃し冬帽子 野口香葉 遠嶺 200604
老斑を気にする男冬帽子 稲嶺法子 遠嶺 200604
肖像画よりも目深に冬帽子 片山タケ子 200604
道譲る目で挨拶や冬帽子 斉藤阿津子 百鳥 200604
歩かねば老ゆる冬帽買ひにけり 小橋末吉 対岸 200604
竹林へまぎれて行けり冬帽子 上薗櫨夫 河鹿 200605
冬帽に跳ねてひかりし軒しづく 坂上香菜 200605
歌舞伎見しほとぼりさめず冬帽子 原田しずえ 万象 200605
亡父の冬帽いまありとせば塵ぞふかし 八田木枯 晩紅 200606
遠き日の冬帽一つ知性とても 瀧春一 瓦礫 200606
趣味のよき姉の形見の冬帽子 小阪喜美子 二輪草 200606
冬帽子間違へられて会釈する 秋千晴 200608
小磯展画で見し冬帽アトリエに 浮田胤子 ぐろっけ 200612
冬帽の父に山なみありにけり 高倉和子 200612
冬めくと帽子深々かぶりたる 二村蘭秋 雨月 200701
冬帽子金糸猴なる雲南人 須原正三 200701
ひたすらに黙を盾とし冬帽子 白井友梨 馬醉木 200702
冬帽の山鳩色を幽閉す 瀬川公馨 200702
冬帽子脱ぎてインターフオンを押す 山田暢子 風土 200702
シャイなりし男の子目深に冬帽子 宮川秀穂 200703
いつよりか犬がとりもつ冬帽子 戸栗末廣 火星 200703
山見れば父の生き様冬帽子 貝森光洋 六甲 200703
三角の夕暮つれて冬帽子 梶浦玲良子 六甲 200703
冬帽の忘れ物あり診療所 坂本知子 酸漿 200703
冬帽子生きることから考へる 篠田純子 あを 200703
三猿の聞かざるに似て冬帽子 奥井敏彦 200704
冬帽を深くかむりて人目避く 安原葉 ホトトギス 200704
冬帽子バサリと川の蒼き影 小澤克己 遠嶺 200704
冬帽子まぶかに日和楽しめり 永田二三子 酸漿 200704
冬帽を深くかぶりて遺跡掘 渡邊紅華 酸漿 200704
ポストまで自主トレ速歩冬帽子 白髭美佐子 200705
綾取りをしつつ登校冬帽子 大橋雅子 万象 200705
星々の熱きコーラス冬帽子 土岐明子 遠嶺 200705
冬帽子ブーツすらりと履きこなし 横山迪子 六花 200706
冬帽子で決まるマネキンパリモード 木村幸 200801
片道の切符を挟む冬帽子 金澤明子 200801
旅空にかぶり直して冬帽子 中山静枝 200801
期すること少しばかりや冬帽子 前川明子 200802
保母さんの撫でて冬帽被せをり 原みさえ 200802
冬帽子赤を選びて今日始まる 柳生千枝子 火星 200802
冬帽のひさしの内の水の照り 山本耀子 火星 200802
老いてなほ益荒男ごころ冬帽子 坪井洋子 200802
冬帽子目深に被り最晩年 堀内一郎 あを 200802
偽善鍋よと嗤ひつつ冬帽子 泉田秋硯 200803
土手に座し冬帽どんな形にも 戸田和子 200803
気に入りの父の冬帽在る仏間 森佳子 遠嶺 200803
冬帽子カサブランカのバーの壁 川畑はるか 遠嶺 200803
母をしかり深くかぶりぬ冬帽子 天谷翔子 火星 200803
遠出せぬ父となりたり冬帽も 柴田佐知子 200803
人込にまぎれざる師の冬帽子 中里カヨ 酸漿 200803
吊り橋を来る耳付きの冬帽子 内山花葉 200803
文机に凹みしままの冬帽子 桑島啓司 200804
無口なる太公望の冬帽子 三川美代子 200804
冬帽子曜日忘れて遊びけり 菅澤陽子 春燈 200804
壁面に花咲くごとく冬帽子 十川たかし 200804
風強し深めに被る冬帽子 久永つう 六花 200804

「卯波」閉づ

かつて名編集長と冬帽子

小澤克己 遠嶺 200804
ベル鳴らし隠れる幼の冬帽子 金井香ル 200805
リュック背に秩父路行きの冬帽子 道給一恵 遠嶺 200805
ナカハラのいきなり遅刻冬帽子 中原幸子 船団 200806
冬帽子海にかぶせて防波堤 林友次郎 天帝 200806

祐天寺楠本憲吉氏墓所

語りたく墓の辺に置く冬帽子

藤田宏 長城 200808
星探す睡毛の長き冬帽子 坂本緑 幸せのかたち 200808
冬帽の少年の頬笑みこぼす 柳生千枝子 火星 200812
偏屈な顔に重なる冬帽子 鴨下昭 200901
子の肩のあたりに夫の冬帽子 小林輝子 風土 200901
鋭心を喚び覚まさむと無帽の冬 瀧春一 深林 200901
背の子のパンダの耳の冬帽子 黒澤登美枝 200902
エールフランスに女八十路の冬帽子 高根照子 200902
冬帽の並ぶシルバーシートかな 吉田空音 炎環 200902
お百度を踏み来てくれし冬帽子 助口弘子 火星 200902
扁額の大書の寺号冬帽子 岩井泉樹 春燈 200902
冬帽子こころの透間埋める術 木下もと子 200902
一切経説きし摺り師の冬帽子 金田美恵子 ぐろっけ 200902
案の定冬帽なくし旅半ば 千田敬 200902
身仕度の決め手にしゃんと冬帽子 和田郁子 200903
冬帽子北海道へひとつ飛び 北村礼子 200903
百姓の貧乏ゆすり冬帽子 鴨下昭 200903
をの子らむ真向ひの子の冬帽子 中田禎子 200903
冬帽子仁王立ちせるメトロかな 瀬川公馨 200903
海光の砂丘を駆くる冬帽子 大久保寛子 遠嶺 200903
古文書に溺れてをりし冬帽子 岸崎華堂 炎環 200903
男坂ゆく一団の冬帽子 柿沼盟子 風土 200903
冬帽を脱ぎ大滝に身を正す 岡淑子 雨月 200903
冬帽子前うしろ無く古りにけり 田原陽子 200903
老僧の眉まで隠す冬帽子 榎美幸 万象 200903
冬帽子目深に海と対峙せり 竹内文子 遠嶺 200904
残月にかかる機影や冬帽子 堀本悠 遠嶺 200904
冬帽に穴愛用をしすぎたる 小林正史 200904
キャンディの香少女の冬帽子 高田令子 200904
冬帽子被れば少し匿名に 濱上こういち 200904
単線の車輌込み合ふ冬帽子 鈴木石花 風土 200904
古書店の背中合はせや冬帽子 山本浪子 風土 200904
酒蔵に入るに脱ぎたる冬帽子 白数康弘 火星 200904
漉舟に立つ跡継の冬帽子 ま桑田忠男 遠嶺 200905
冬帽子紙飛行機の錐揉す 片岡啓子 遠嶺 200905
集合に一番乗りの冬帽子 木下もと子 200905
乱れ髪かくす都合の冬帽子 丹生をだまき 春燈 200905
冬帽子合せ鏡の中に買ふ 安藤久美子 やぶれ傘 200905
再会の目印となり冬帽子 八木久江 馬醉木 201001
思ひ出をかかへすぎたる冬帽子 田中藤穂 あを 201001
このごろは何処へ行くにも冬帽子 安部里子 あを 201001
翔先生亡し葉巻・ステッキ・冬帽子 久染康子 201002
ゆるやかに編みて自愛の冬帽子 武藤嘉子 201002
燈台へ手話の少女の冬帽子 中村恭子 201002
親不知凛と翁の冬帽子 林友次郎 遠嶺 201002
ツイードのパリジャンの頭の冬帽子 瀬川公馨 201002
小鳥待つ迷彩柄の冬帽子 吉沢陽子 201002
師の冠る厚き茶色の冬帽子 田中喜久子 酸奬 201002
両の手でわたす夫への冬帽子 小林百寿 201003
年毎に目深に被る冬帽子 岩永充三 201003
新しきうちは馴染まず冬帽子 小池みな 末黒野 201003
束の間の家族遊びの冬帽子 小澤克己 遠嶺 201003
参道の海に尽きゆく冬帽子 高倉和子 201003
冬帽子胸に西行絵巻かな 田村すゝむ 風土 201003
隠し事またひとつ増え冬帽子 横内かよこ ぐろっけ 201003
ロス・タイムこそが人生冬帽子 阪本哲弘 201004
無位無冠篤と馴染みし冬帽子 塩路五郎 201004
当ても無き旅を待ちをり冬帽子 塩路五郎 201004
冬帽子父に会ひたきときの黒 石田きよし 201004
冬帽子買つてどこにも行かぬ日々 田村すゝむ 風土 201004
捨てられぬ父の虫喰ひ冬帽子 宮田豊子 春燈 201004
髪切つて死ばかり語る冬帽子 岡野ひろ子 201004
冬帽子いかなる頭の出で来るや 貝森光洋 六花 201004
星を見に厚手靴下冬帽子 河野美奇 ホトトギス 201005
冬帽子抑へ遅れの一秒差 金子清孝 ぐろっけ 201005
華美でなき方を選びて冬帽子 足立幸信 201006
似合はないことを承知の冬帽子 稲畑汀子 ホトトギス 201012
冬帽子より現はれて来たりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201012
冬帽子→4      

 

2020年12月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。