冬帽子 2    97句

冬帽や若き戰場埋れたり   三橋敏雄   眞神

夏帽子 冬帽子  パナマ帽  麦稈帽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
亡夫に似し後姿の冬帽子 林田茂子 帆船 200302
髪薄くなり冬帽子離されず 大久保美千代 築港 200302
下校時のバスの賑はひ冬帽子 及川あつ子 築港 200302
笑ひ来る頬しか見えず冬帽子 及川あつ子 築港 200302
冬帽子目深に蚤の市の主 三代川次郎 雲の峰 200302
二人子の赤とみどりの冬帽子 東芳子 酸漿 200302
冬帽子姉妹は凭れあひて待つ 徳永真弓 百鳥 200303
人中や己を恃む冬帽子 山口速 200303
乗り継ぎてここからは徒歩冬帽子 花川敏彦 200303
語り手と聞き手も同じ冬帽子 花川敏彦 200303
年寄りに行くところあり冬帽子 廣畑忠明 火星 200303
冬帽のまだ新しく父逝けり 谷口知子 火星 200303
投げ銭を受けてピエロの冬帽子 山口たけし 雲の峰 200303
根深とは葱目深とは冬帽子 亀丸公俊 銀化 200303
道問へばあらぬ方指す冬帽子 笹村政子 六花 200303
レンブラント展冬帽深く列に蹤く 高橋照葉 ぐろっけ 200303
まだ薄き日差しをのせて冬帽子 堀口千穂子 円虹 200304
絆にも解きやうがある冬帽子 鈴木順子 京鹿子 200304
人よりも後れて歩む冬帽子 秋元きみ子 200304
冬帽子まぶかに高所恐怖症 金國久子 遠嶺 200305
聞く耳は持てども深く冬帽子 池尻足穂 雲の峰 200305
抱擁を見て見ぬ振りの冬帽子 武司琴子 ぐろっけ 200305
潮焼の顔を包みし冬帽子 田中倫代 ぐろっけ 200305
冬帽子嬰の福耳はみ出せり 田中嘉代子 ぐろっけ 200306
嫌な事聞こえぬふりし冬帽子 藤本つた恵 ぐろっけ 200307
冬帽の濃紺をこそ矜持とす 伊藤白潮 200401
父の死後化石となりし冬帽子 松田都青 京鹿子 200401
したごころあり斜交ひに冬帽子 吉田順子 帆船 200401
石室へ入るとき脱げり冬帽子 荻沼嘉枝 対岸 200401
職退きてよりの歳月冬帽子 土屋酔月 火星 200401
河船の往き来見てゐる冬帽子 後藤志づ あを 200401
今日一日小江戸めぐりの冬帽子 宮嶋幸 草の花 200401
立読みに冬帽ひとつ加はりぬ 小山徳夫 小春の山河 200401
木洩れ日の先頭を行く冬帽子 加藤京子 遠嶺 200402
冬帽をかぶり雀に似てきたる 今瀬剛一 対岸 200402
ポンペイの石の麺麹窯冬帽子 齋藤和江 帆船 200402
紀州から来て物を売る冬帽子 谷野由紀子 雲の峰 200402
通院の母になじまぬ冬帽子 小山香月 酸漿 200402
冬帽をおさへて風に立ち向ふ 山本康郎 酸漿 200402
髮切りて冬帽を深くかぶる母 北島上巳 酸漿 200402
酒気帯びてルパン気取りの冬帽子 泉田秋硯 200403
先頭にガイドの小旗冬帽子 沼口蓬風 河鹿 200403
冬帽子吹かれ吹かれてつひに手に 加賀富美江 遠嶺 200403
冬帽子ベッドに置きて友の病む 加藤君子 火星 200403
冬帽子ブーツすらりとノーメイク 横山迪子 六花 200403
愚図る子のつむじ二つや冬帽子 杉本美智江 雨月 200403
冬帽子あの世の父も被るころ 長谷川春 200403
風よりもかるき声して冬帽子 北川孝子 京鹿子 200403
いきいきと待つと決めたる冬帽子 小林あけみ 200403
天界に積み残されし冬帽子 吉田明子 200403
前頭葉隠して目深冬帽子 史あかり ぐろっけ 200403
突堤や海見るための冬帽子 上林孝子 200403
火山灰汚れせし冬帽や哲弥亡し 羽田岳水 馬醉木 200404
哀しみを形にすれば冬帽子 千坂美津恵 200404
洒落者の想ひ残りし冬帽子 原田竜子 河鹿 200404
よもつひらさか吟じてゆけり冬帽子 九万田一海 河鹿 200404
水子地蔵色とりどりの冬帽子 斉藤道子 対岸 200404
子の頬の冬帽子よりはみ出せり 苑実耶 200404
老残を少し隠して冬帽子 佐脇葭紅 築港 200404
さすらひを夢見しころの冬帽子 内田稔 遠嶺 200405
観音を拝む小脇の冬帽子 上薗櫨夫 河鹿 200405
老二人ともに被りて冬帽子 塚本五十鈴 200405
棺に入るるを忘れたる冬帽子 あさなが捷 200405
真つ青な空に風あり冬帽子 森屋慶基 風土 200411
アフガンへ贈る荷物に冬帽子 川島和 帆船 200412
晩祷に節くれの手と冬帽子 能村研三 200501
冬帽を飛ばされまいと佳人行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
白髮の私流に冬帽子 望月由紀子 帆船 200502
またも振り向いてくれたり冬帽子 重藤慶 築港 200502
ジョギング派ウオッチング派冬帽子 笹倉さえみ 雨月 200502
藁塚の上に大きな冬帽子 丸山敏幸 200502
夫と我にいつしか増えて冬帽子 山本浪子 風土 200502
風穴のおくのほそ道冬帽子 小澤克己 遠嶺 200502
由来書の墨のにじみや冬帽子 鈴木清子 遠嶺 200502
ふかぶかと悲しきときの冬帽子 三村武子 酸漿 200503
冬帽のまだ見えてゐる別れかな 高木嘉久 200503
列なしてぽつくり寺の冬帽子 大山春江 万象 200503
冬帽子齢より若く見られをり 一瀬昭子 馬醉木 200503
太陽の沈むはまぶし冬帽子 竹内悦子 200503
人相を福相に変へ冬帽子 塩川雄三 築港 200503
先達として厳然と冬帽子 鎌田篤 雨月 200503
冬帽子別れしは此の橋の上 田中峰雪 雨月 200503
かくなれば百まで生きむ冬帽子 加藤君子 火星 200503
いつとなく似てきし夫婦冬帽子 上林孝子 200503
冬帽子まぶかに涙こらへゐる 井村健一 百鳥 200503
冬帽子掴みて市街見下ろしぬ 仲村洋子 百鳥 200503
冬帽の鬱たる巨躯を犬も避く 泉田秋硯 200503
この女何者まぶかに冬帽子 淵脇護 河鹿 200503
割引きをせぬ冬帽子求めけり 大塚初江 200504
冬帽子海を見にゆくとて被り 木下野生 200504
隕石の堅きを抱く冬帽子 西畑敦子 火星 200504
追ひ越して父の筈なき冬帽子 梶川智恵子 200504
落日を見とどけて去る冬帽子 栗原紘子 200504
冬帽の二列乱れず歩く会 岡谷栄子 200505
高校生の自主トレ孤独冬帽子 楯野裕子 200505
杣の子は跳ねて脱兎や冬帽子 土生逸麿 河鹿 200505
冬帽の地震の記憶を冠りけり 長山あや ホトトギス 200506
冬帽子 →3      

 

2020年12月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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